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公然わいせつで一般人が現行犯逮捕

2020-02-14

公然わいせつで一般人が現行犯逮捕

路上で自分の性器を露出した公然わいせつをした事件で、一般人が公然わいせつをしていた人を現行犯逮捕した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県横浜市中区在住のAは、横浜市中区にある会社に勤める会社員です。
Aは会社で上司から理不尽な指示を一方的に押し付けられ、仕事に嫌気がさしていました。
そして遂にストレスが溜まり、その捌け口として横浜市中区内の路上でズボンのチャックを下ろし、陰部を出して歩きました。
しかし、偶然そこを通りかかった横浜市中区在住のVがそれを目撃し、Aに対して「何をやっているんだ」と叫んで逃走しようとしたAにタックルし、押し倒しました。
その後、VがAを地面に押さえつけている間に、その場に居合わせたXが110番通報したため、神奈川県横浜市中区を管轄する加賀町警察署の警察官が臨場しました。
Aは加賀町警察署の警察官に「公然わいせつ罪の現行犯逮捕だ」と説明を受けました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【公然わいせつ罪について】

公然わいせつ罪は、不特定又は多数の認識することのできる状態でわいせつな行為をすることで成立する罪です。
ケースのように、自身の性器などを露出した場合等は勿論のこと、いきなり他人のズボンを脱がせる等して陰部を露出させた場合等にも適用が考えられます。(この場合、強制わいせつ罪との観念的競合となる可能性があります。)
また、公共交通機関や野外で撮影された成人向けDVDの撮影が公然わいせつ罪として捜査を受けたという事件もございます。

刑法174条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

また、公然わいせつ罪にこそ当てはまらない場合でも、その行為が軽犯罪法に違反するという可能性もあります。

軽犯罪法1条20号 衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者

【現行犯逮捕とその他の逮捕】

逮捕には、「通常逮捕」「緊急逮捕」「現行犯逮捕」の3種類が設けられています。
原則として、被疑者は通常逮捕により逮捕されることとなります。
通常逮捕は、裁判所の令状に基づき執行される逮捕です。
緊急逮捕は検察官や検察事務官、警察官と言った捜査機関に認められ、「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは」理由を告げて逮捕できるとされています。
罪を犯したことに足りる十分な理由がある」という要件を課している点で、緊急逮捕は通常逮捕より厳しい条件が付けられているといえます。

現行犯逮捕は、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終わつた者」に対して行なわれる逮捕です。
現行犯逮捕できるケースとしては現行犯の他に準現行犯といって
・犯人だと呼び乍ら追いかけられている場合
・明らかに他人から盗んだ物や凶器として使用した包丁などを現に持っているような場合
・身体や衣服に防犯用カラーボールの蛍光塗料や血痕などが付いている場合
・職務質問をはじめ、何をしているのかと問われて咄嗟に逃走を図った場合
にも、現行犯逮捕が可能です。
現行犯逮捕逮捕全体の40%を占めています。

【私人逮捕された場合、弁護士に】

現行犯逮捕は、私人、すなわち警察官などの捜査機関に属していない一般の方であっても行うことができます。
但し、実際に現行犯逮捕を行うための要件を満たしていない私人逮捕は違法です。
私人逮捕された方がご家族におられる場合、まずは弁護士に状況を伝えて適法な私人逮捕であったのかを確認することをお勧めします。

神奈川県横浜市中区にて、ご家族が公然わいせつ罪で私人逮捕(現行犯逮捕)された場合、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が、ご家族のもとに初回接見に行き、私人逮捕が適法に行われていたのか等の確認を致します。(初回接見は弊所が行うサービスで、有料となっています。)

口座売買で自首を検討

2020-02-13

口座売買で自首を検討

自身の銀行口座を他人に売ったり渡したりした場合の自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県厚木市在住のAは、厚木市内でアルバイトをして生活しています。
Aは、生活に困ったことからインターネット上で割のいいアルバイトを探していたところ、「簡単1時間で3万円のバイト」という広告を見つけ、クリックしました。
そこに記載されていた仕事内容は、指定された銀行の口座を開設するか既存の口座のキャッシュカード・通帳を指定された郵送先に郵送したところ、それ以降業者との間で連絡が途絶えました。
当初はお金が振り込まれないにもかかわらず連絡が取れなくなり頭に来たAですが、その後インターネットで調べたところ、口座売買が犯罪にあたりお金が振り込まれていなかったとしても罪に問われる可能性があることを知りました。
怖くなったAは、口座売買がどのような罪に当たるのか、口座売買をした場合には厚木市内を管轄する厚木警察署に自首をした方が良いのではないかと考え、刑事事件専門の弁護士に相談しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【口座売買について】

オレオレ詐欺や振り込め詐欺など、様々な形で手を変え品を変え行われている特殊詐欺は、今なお深刻な被害を引き起こしています。
警察庁のホームページによると、昨年11月末時点で認知された特殊詐欺被害総額は273億円となっています。
データによると、特殊詐欺事件ではオレオレ詐欺や架空請求、還付金等詐欺といった手口での被害が多いようです。
これらの事件では、いわゆる「受け子」が直接現金を受け取りに行くケースもありますが、銀行口座などに振り込まさるという手口も少なくありません。
そのため、特殊詐欺の首謀者は銀行口座を取得する必要がありますが、自分の名前で口座を開設してしまうと捜査の対象となりやすいため、銀行口座を買い取る等といった方法でキャッシュカードや通帳を取得します。

振り込め詐欺の首謀者が詐欺の被疑者となることは固より、銀行口座を売買したり譲渡したりした場合にも罪に問われるのです。

口座売買に関係する罪には以下のようなことが考えられます。

①特殊詐欺に使われることを知っていた場合
口座が特殊詐欺に使用されることを知りながらキャッシュカードや通帳を渡した場合、詐欺幇助の罪に問われる可能性があります。

刑法62条1項 正犯を幇助した者は、従犯とする。
同条2項 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。
同法63条 従犯の刑は、正犯の刑を減刑する。
同法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

②特殊詐欺に使われることを知らず、既に持っている口座を渡した場合
既に持っている使っていない口座を渡した場合、犯罪による収益の移転防止に関する法律(通称、犯収法)に違反します。
犯収法では、銀行等との契約により交付された預金通帳やキャッシュカードを他人に渡した場合、お金をもらっていてもいなくても、「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定められています。

犯収法28条2項 相手方に前項前段の目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同項と同様とする。通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付し、又は提供した者も、同様とする。
※反復継続して行っていた場合、更に重い罪に処されます。

③②で新規に口座を開設した場合
口座売買や口座を他人に渡す目的で銀行口座を開設した場合、その行為が詐欺罪に当たる可能性があります。
これは、銀行等の金融機関は、その約款等で「契約者本人が利用すること」を前提としてキャッシュカードや通帳を交付しているからです。
つまり、銀行に嘘をつき、銀行側がそれを信じて、キャッシュカードや通帳を交付した、という行為が詐欺罪の構成要件を満たすことになります。
詐欺罪の条文については①をご参照ください。

【自首を検討して弁護士へ】

自首をすることで被疑者が得られるメリットはございますが、自首したその場で逮捕される可能性もあるため、自首の前には準備が必要です。
そのため、自首を検討されている方は、まずは弁護士に無料相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、自首を検討されている方からのご相談もお受けしています。

自首前に必要な弁護活動としては、自首前に弁護士と捜査機関とで調整をしたり、事前にお話を伺った上で書類を作成したり、事前に取調べ対応を行ったりといったことが考えられます。

神奈川県厚木市にて、口座売買をしてしまい、自首を検討しているという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に無料でご相談することができます。

未成年者によるひったくり事件

2020-02-12

未成年者によるひったくり事件

20歳未満の未成年者がひったくり事件を起こしてしまった場合の刑事弁護活動、付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県川崎市川崎区在住のA(18歳)は、川崎市川崎区にて派遣のアルバイトをしています。
ある日、Aは川崎市川崎区の路上を歩いていたところ、お金持ちに見える高齢者Vが銀行から封筒を持って出ていくのが見えました。
生活が厳しかったAは、Vの封筒を奪ってやろうと思い、乗っていた自転車でVのすぐ脇まで走り、Vが手に持っていた封筒を奪い取ろうとしました。
しかし、Vが封筒を離すまいと抵抗したため、もみ合いになってしまいました。

その後、Aはひったくり事件の被疑者として川崎市川崎区を管轄する川崎臨港警察署の警察官は

≪ケースは全てフィクションです。≫

【ひったくりはどのような罪に当たるか】

ひったくりは、主として路上で鞄や財布などを奪ってそのまま逃走していく行為を指します。
神奈川県内で平成29年に発生したひったくり事件は326件、平成30年は216件、令和元年は206件(暫定値)となっています。
被害者は女性が82.5%と男性に比べ圧倒的に多く、年齢は60歳以上が35.0%と多いですが20歳代も20.9%と少なくありません。※
ひったくりと聞くと何やら古典的な犯罪手口のように思われますが、今なお身近に発生している事件なのです。

ひったくり行為をして問題となる罪には以下のようなものが挙げられます。
①窃盗罪
他人の物を盗ることで成立する罪です。
刑法235条は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の懲役に処する。」と定められています。
ひったくりは、路上で他人が持っている財布や鞄等を盗んでいくことで成立する行為であるため、窃盗罪が成立する可能性があります。

②強盗罪
相手に対して暴行や脅迫を用いて相手の金品を奪った場合、強盗罪が成立する可能性があります。
強盗罪は刑法236条1項で「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。」と定められています。
例えば凶器を突きつけたり、ひったくりする直前に相手に対して暴行脅迫をした場合にはこの罪が適用されます。

③事後強盗罪
例えひったくりの前は暴行・脅迫をしなかったとしても、ひったくりをしようとした者の所有者が抵抗した場合に無理やり奪い取って相手を怪我させた場合等は事後強盗罪として扱われます。
事後強盗罪は刑法238条で規定されていて、法定刑は強盗罪と同様「五年以上の有期懲役」です。

※出典:神奈川県警察署HP
https://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesd0030.htm

【未成年者が逮捕されたら】

14歳以上20歳未満の少年であれば、捜査機関は逮捕することができます。(14歳未満の少年は触法調査の対象となりますが、触法調査には逮捕を認める根拠条文がないことから逮捕は出来ません。最も、一時保護等の方法で身柄を拘束される可能性はあります。)

逮捕された少年は、72時間以内に成人の刑事事件同様勾留されるか、勾留に代わる観護措置がなされるなどして、長期間身柄を拘束されるリスクがあります。
心身共に未成熟である未成年者が逮捕された場合、心理的ストレスは計り知れません。
また、家族が面会を行おうとしても時間は15分ほどで、警察官らの立ち合いもあるため、少年の負担軽減には足りないことも考えられます。(共犯者がいる事件等、接見禁止決定が付きそもそも一般面会が出来ない場合もあります。)
そのため弁護士は、未成年者が逮捕された場合には成人の刑事事件以上に頻繁に接見に行き、少年とのコミュニケーションを積極的にとる必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、未成年者が逮捕された少年事件についても数多くの経験と実績がございます。
神奈川県川崎市川崎区にて、未成年者のお子さんひったくりをして逮捕されたという場合、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の初回接見(有料)をご利用ください。

職場体験学習について③

2020-02-08

昨年9月4日、都内の中学校に在籍する中学2年生の生徒3人が、弊所八王子支部にて職場体験学習を行いました。

横浜支部長である弁護士の國武優が弁護士業について説明させて頂きました。

体験中、生徒の皆さんはとても熱心に講義に耳を傾けており、後日体験で学んだ内容を新聞にしてくれました。

※プライバシー保護のため、学校名と生徒氏名、写真はマスキングさせて頂いています。

職場体験学習について②

2020-02-07

昨年9月4日、都内の中学校に在籍する中学2年生の生徒3人が、弊所八王子支部にて職場体験学習を行いました。

横浜支部長である弁護士の國武優が弁護士業について説明させて頂きました。

体験中、生徒の皆さんはとても熱心に講義に耳を傾けており、後日体験で学んだ内容を新聞にしてくれました。

※プライバシー保護のため、学校名と生徒氏名、写真はマスキングさせて頂いています。

職場体験学習について①

2020-02-06

昨年9月4日、都内の中学校に在籍する中学2年生の生徒3人が、弊所八王子支部にて職場体験学習を行いました。

横浜支部長である弁護士の國武優が弁護士業について説明させて頂きました。

体験中、生徒の皆さんはとても熱心に講義に耳を傾けており、後日体験で学んだ内容を新聞にしてくれました。

※プライバシー保護のため、学校名と生徒氏名、写真はマスキングさせて頂いています。

窃視障害で刑事事件に

2020-02-01

窃視障害で刑事事件に

窃視障害の疑いがある方が、覗きなどの刑事事件を起こしてしまった場合に想定される刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県藤沢市在住のAは、藤沢市内の会社に勤める会社員です。
ある日Aが藤沢市内の小道を歩いていたところ、あるマンションの一階に洗濯物を干している若い女性Vを見て劣情を催しました。
そこでAは、路上からVの部屋のベランダによじ登り、カーテンの隙間からVを観察し続けていました。
その状況を近隣住民が見ていて警察署に通報したため、臨場した藤沢市を管轄する藤沢警察署の警察官は、Aを逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【窃視障害について】

窃視障害という言葉をご存知でしょうか。
窃視障害とは、トイレや着替え、性交渉の最中など、被害者が警戒していない状況で取っている行動を覗いたり盗撮したりすることに性的興奮を得るものです。
窃視障害は、特殊な物や状況に対して性的興奮を得るパラフィリアの一種と考えられています。

窃視障害の場合の法的問題について、例えば相手がパートナーであれば、刑事事件として扱われる可能性は低いです。
一方で、ケースのAのように、他人やパートナーではない相手に対してそのような行為をしてしまった場合、刑事事件に発展する可能性が高いです。

①建造物侵入罪・住居侵入罪
他人のトイレを覗く目的でトイレに入ったり、着替え姿を覗くために更衣室に入ったりした場合には建造物侵入罪に、ケースのように他人の部屋のベランダに入るような行為は住居侵入罪に当たる可能性があります。
建造物侵入罪・住居侵入罪は、刑法130条で「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と定められています。
他人の排泄を除く行為や着替えをする行為等を窃視することは正当な理由とは言えませんので、これらの罪に当たる可能性があります。

②軽犯罪法違反
他人の排泄行為や着替えといった通常ならば服を着ていないような場所を覗き見る行為は軽犯罪法違反に当たる可能性があります。
軽犯罪法1条33号は、「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」に対し「拘留又は科料に処する。」と定めています。
拘留とは1日以上30日未満の身体拘束を指し、科料とは1000円以上1万円以下のお金を納付することを指します。

③神奈川県迷惑行為防止条例違反
ケースは神奈川県藤沢市での事件を想定しています。
神奈川県迷惑行為防止条例では、その3条2項で「何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。」と規定しています。
これに反した場合の法定刑は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」と定められています。

従前は各都道府県の迷惑防止条例が公共の場所での盗撮や覗きを、それ以外を軽犯罪法が禁止しているという関係にありましたが、今日では神奈川県のように条例がトイレや更衣室での盗撮・覗きについても対応するような形をとる自治体も増えています。

神奈川県藤沢市にて、窃視障害を疑われるような盗撮・覗きなどの行為をしてしまい、刑事事件に発展してしまった、あるいは刑事事件に発展する可能性があるという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。

飲酒運転と検知拒否で裁判に

2020-01-31

飲酒運転と検知拒否で裁判に

酒を飲んだのち、アルコールが抜けきる前に自動車等を運転したり、そのまま事故を起こして飲酒運転を疑われたものの検知拒否した場合の裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県南足柄市在住のAは、南足柄市内で会社を経営している会社社長です。
ある日、Aは南足柄市内の取引先会社にて付き合いで飲酒をし、泥酔してAの自家用車内で仮眠を取り、数時間後に起床して自宅に向かって車を走らせました。
しかし、運転の最中、南足柄市内の道路でカーブを曲がり切れずガードレールに追突してしまいました。

通報を受けて駆け付けた、南足柄市内を管轄する松田警察署の警察官は、Aの呼気検査を行おうとしましたが、Aは絶対にやらないとそれを拒否しました。
そこで警察官はAを検知拒否罪で逮捕しました。
その後の捜査で飲酒運転での罪も加わり裁判が開かれることになりました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【検知拒否とは】

お酒を飲んで車やバイクを運転する飲酒運転が極めて危険であり、被害者の命を奪うこともあり得る恐ろしい行為であることはご案内のとおりです。
道路交通法は、その65条1項で「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めています。

警察官を主とした捜査関係者は、飲酒運転の恐れがあると認められる運転手に対して呼気検査や歩行検査といったアルコールが体内に残っているかいないか、残っているのであればどれくらい残っているのか、検査することができます。
そしてこれを拒んだ場合、検知拒否罪という罪に問われることになります。

道路交通法67条3項 車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。
同118条の2 第六十七条(危険防止の措置)第三項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、三月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

【飲酒運転はどのような罪に?】

飲酒運転は、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2つに分類することができます。
酒気帯び運転とは、呼気検査により呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上であった場合に成立する罪です。
一方で、酒酔い運転は、酒気帯び運転に比べて飲酒による影響が大きい場合に成立します。
酒酔い運転は、酒気帯び運転の基準値を大幅に超えた場合や、歩行検査の結果などを評価して判断されます。

酒気帯び運転の法定刑は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっており(道路交通法117条の2の2)、酒酔い運転の法定刑は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と定められています(道路交通法117条の2)。

【軽い気持ちで飲酒運転をして裁判に】

これまで見てきたとおり、たとえ事故を起こさなかったとしても、飲酒運転をする行為自体極めて危険な行為であり法で禁止されている行為です。
飲酒検問や職務質問、事故などをきっかけに捜査機関に飲酒運転が発覚した場合、逮捕される場合もあります。
その後検察官は証拠を収集した上で略式起訴をする場合もありますし、正式起訴して裁判になる場合もあります。
被疑者・被告人が飲酒運転を認めている事件で裁判になった場合、弁護士は情状弁護を行うなどして、執行猶予を獲得する、あるいはできるだけ刑期を短くするための弁護活動を行います。

飲酒運転事件で裁判になる場合、裁判前から裁判のために出来る弁護活動があるケースも少なくありません。
起訴されてから検討するのではなく、起訴前に刑事事件専門の弁護士に無料相談し、事件を依頼することをお勧めします。
神奈川県南足柄市にて飲酒運転をしたり、その際に検知拒否をしてしまい裁判になるか不安になっている方、裁判になってしまった方がおられましたら、まずはお気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。

覚せい剤所持で令状なしの家宅捜索

2020-01-30

覚せい剤所持で令状なしの家宅捜索

覚せい剤を所持していたところ、令状なしに警察官が自宅に来て家宅捜索を行ったという場合の刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県横浜市瀬谷区在住のAは、横浜市瀬谷区内で自営業をしています。
Aは仕事の疲れを抜くために、違法とは分かってい乍ら友人Xから覚せい剤を購入し、自宅で使用していました。
その結果、一度は覚せい剤の使用で逮捕されて執行猶予付き有罪判決を受けましたが、執行猶予の期間中にも覚せい剤を使用していました。

執行猶予期間後のある日、Aが覚せい剤を所持して横浜市瀬谷区内の路上を走行中、挙動が不審であることに気が付いた、横浜市瀬谷区を管轄する瀬谷警察署の警察官は、Aの車両に停車するよう求めました。
しかし、Aはそのまま車を自宅まで走らせ、自宅につきました。

警察官は車から降りたAに対して「なぜ制止しなかったのか。」「免許証を提示してください。」「鞄の中と車内を見せてください」と言いましたが、Aは無視して自宅に入ろうとしました。
そこで警察官は、Aの自宅の中に入り込み、令状を持たずにAの鞄の中などを確認した上で、所持していた覚せい剤の入ったビニール袋(パケ)と内容物0.3g、注射器(ポンプ)を押収しました。
その後の鑑定で、パケの内容物は覚せい剤であることが分かりました。

Aは覚せい剤取締法違反(単純所持)で家宅捜索後に発行された逮捕状を基に逮捕されましたが、接見に来た刑事事件専門の弁護士に対し、令状のない家宅捜索について質問しました。

≪ケースは全てフィクションであり、実際の事件・捜査機関の対応とは無関係です。≫

【覚せい剤取締法違反について】

ご案内のとおり、覚せい剤覚せい剤取締法違反等の法律によってその扱いに規制がなされています。
一部許可を得た研究者や医師などを除き、覚せい剤を所持する行為は覚せい剤取締法30条の7の規定で禁止されていて、これに違反した場合には「十年以下の懲役」に処せられます。

覚せい剤取締法41条の2第1項 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。

【令状なしの捜索について】

警察官等の捜査機関が被疑者の自宅などに入って証拠品を探す行動を捜索と言います。
また、捜索の結果見つかった証拠品は押収という形で保全することができます。
これらの行動は強制処分と呼ばれ、原則として裁判所の令状が必要になります。(令状主義)
ただし、被疑者本人が承諾した場合には、令状なしで家宅捜索を行うことができます。

そのため、家宅捜索を行う場合には、通常であれば捜索差押許可状(又は捜索許可状+押収許可状)を裁判所に請求し、裁判所が下した決定に基づき行われる必要があります。
逮捕とは異なり、たとえ緊急性があるからと言って先に押収した後追って令状を請求するということは出来ません。
ケースのように、令状なしに家宅捜索をする場合、違法な捜査となります。
違法な捜査によって得られた証拠については、たとえ実際に覚せい剤が出てきたとしても、証拠能力が否定される場合があります。(とはいえ違法捜査を認めつつ証拠能力を肯定する判例も少なくありません。)

令状なしに家宅捜索が行われた場合、刑事事件専門の弁護士に早急に相談することをお勧めします。
神奈川県横浜市瀬谷区の覚せい剤所持事件にて、令状なしで家宅捜索が行われた、あるいはご家族の方が事件を起こした際に令状なしの家宅捜索が行われた可能性があることを知った場合には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
逮捕されている場合は弁護士が接見に行き、逮捕されていない事件であれば横浜駅近くにある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にて無料相談を受けることができます。

強制わいせつ罪で他県に移送

2020-01-09

強制わいせつ罪で他県に移送

お子さんが旅行先で強制わいせつ事件を起こして逮捕されてしまい、今後移送される可能性がある場合の弁護活動・付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県横浜市都筑区在住のAは、神奈川県横浜市内の高校に通う高校生です。
Aは、ある日、友人らと旅行のため、福岡県福岡市に遊びに行きました。
旅行中、Aは福岡市内の歓楽街に於いて、友人らと離れた場所で、通行中の女性Vに対して突然背後から抱きつき、胸を揉みしだく強制わいせつ事件を起こしてしまいました。
強制わいせつの被害に遭ったVはその場で痴漢と叫んだため、付近を歩いていた一般人がAを取り押さえ、その後通報を受けて臨場した警察官によって強制わいせつの罪で逮捕されました。

福岡県警察署からAの逮捕の連絡を受けたAの保護者は、面会に行くことも出来ないことから、現地の弁護士に依頼をしました。
そして、今後の移送の可能性などについても質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【強制わいせつ罪について】

強制わいせつ罪は、13歳以上の相手に対して、暴行や脅迫を用いることで、相手の意思に反してわいせつな行為をすることで成立する罪です。
ケースについて見てみると、Aは例えば相手を突然殴って倒したり凶器などを突きつけたりといった直接的な暴行・脅迫をしているわけではありません。
しかし、見知らぬ女性に対して突然背後から抱きつき、胸を触るという行為をした結果、被害者としては自分の意思に反してわいせつな行為をされていますので、これも強制わいせつ罪に当たる可能性があります。

なお、平成29年改正・施行の刑法改正により、強制わいせつ罪は非親告罪となり被害者等による刑事告訴なしで被疑者を起訴できるようになりました。

刑法176条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も同様とする。

【移送について】

刑事事件・少年事件では、各々の管轄が問題となる場合があります。
成人の刑事事件での管轄について、捜査をするのは基本的に事件地の司法警察職員(警察官や海上保安庁、厚生労働省麻薬取締部など)であるため、身柄を拘束する場合には事件地の管轄する警察署等に留置されます。
また、刑事訴訟法上、裁判は事件地だけでなく被告人の居住地等に移送して行うことも可能ですが、一般的には事件地にて裁判が開かれることになります。

ケースのような20歳未満の少年による事件の場合、少年法上の管轄が問題となります。
少年法によると、「保護事件の管轄は、少年の行為地、住所、居所又は現在地による。」と定められていて(少年法5条1項)るため事件地でも可能ですが、保護者と一緒に住んでいる、あるいはその近くに住んでいるという場合には居住地に移送されることが一般的です。
そうなると、逮捕~最大20日間の勾留期間は事件地で、勾留後家庭裁判所に送致されてからは(観護措置決定により少年鑑別所で身柄を拘束された場合を含め)少年の住所地に移送される、ということになります。

事件地での捜査段階で弁護士が入って接見に行くことは極めて重要ですが、ケースのように場所が離れている場合、一人の弁護士では対応できないことが考えられます。
しかし、家庭裁判所への送致前後で別の弁護士が担当する場合、情報がきちんと引き継がれるか否かという点で不安が生じます。
その場合、全国に支部がある刑事事件・少年事件専門の弁護士に、依頼をすることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国に13支部ある刑事事件・少年事件専門の弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、ケースのような移送される少年事件についても実績がございます。
少年事件では、家庭裁判所の送致前も送致後も、弁護士の適切なアドバイスが少年の更正に不可欠な場合も少なくありません。
神奈川県横浜市都筑区にて、お子さんが旅行先で強制わいせつ事件を起こしてしまい、今後居住地を管轄する家庭裁判所に移送される可能性がある、という方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。

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