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少年が神奈川県小田原市で色情盗事件を起こしてしまったという事例を想定し、成立する罪や少年事件の手続きについて解説

2024-01-03

少年が神奈川県小田原市で色情盗事件を起こしてしまったという事例を想定し、成立する罪や少年事件の手続きについて解説

無実・無罪を証明してほしい

神奈川県小田原市で発生した色情盗事件を例に、少年法と刑法の交差点での法的対応とその意義を探ります。このケーススタディは、実際の法律の適用と少年犯罪への対応を理解するための架空の事件です。

1: 事件の概要

神奈川県小田原市で起きた架空の色情盗事件について検討します。
この事件は、18歳未満の高校生が関与したものと想定しています。

  • 事件の発生: 小田原市内の静かな住宅街で、事件が発生しました。
  • 加害者: 事件に関与したのは、地元の高校に通う少年A(16歳)です。
  • 行動: Aさんは、あるマンションのベランダに干されていた異性の下着に興味を抱き、道路から手を伸ばして下着を盗みました。
  • 発見と逮捕: その行動はマンションの住人によって発見され、警察に通報されました。その際は逃走しましたが、後日捜査を行った小田原警察署の警察官によって通常逮捕されました。
  • 法的対応: Aさんは色情盗の疑いで現行犯逮捕され、その後少年事件として手続きが進められました。

2: 事例

この架空の色情盗事件では、少年Aの行動が重要な焦点となります。
以下は、この事例の詳細です。

  • 少年Aの背景: Aさんは、普段は問題を起こさない普通の高校生でした。
  • 事件の動機: 彼の行動は、一時的な衝動によるもので、計画的な犯罪ではありませんでした。
  • 逮捕の瞬間: Aさんは、下着を手に入れようとしている最中に、マンションの住人に見つかりました。Aさんは慌てて逃走しましたが、防犯カメラの映像などからAさんによる犯行であることが発覚し、Aさんは小田原警察署の警察官により通常逮捕されました。
  • 法的な側面: Aさんの行動は、住居侵入罪と窃盗罪の両罪の成立について検討する必要があります。
  • 心理的要因: 事件後の調査で、Aさんが一時的な心理的ストレスを抱えていたことが明らかになりました。
  • 社会復帰への道: Aさんの事件は、①被害者、②警察官、あるいは③家庭裁判所の調査官によって通学する高校に連絡が行く恐れがあります。特に神奈川県をはじめ多くの自治体で学校-警察連絡協定が結ばれていて、②によって学校に連絡が行く可能性が高いと言えます。特に私立の学校では、退学処分や退学を促されるような事態も想定されます。

3: 法的な分類

色情盗事件における法的な分類は、事件の性質と法律の適用に基づいて行われます。
以下は、この架空の事件に関連する主要な法的側面です。

  • 住居侵入罪: 刑法第130条に基づき、正当な理由なく他人の住居に侵入した場合に適用されます。
    Aさんの行動は、道路から手を伸ばしただけであれば住居侵入罪の成立可能性は低いと考えられますが、ベランダに足を乗せて手を伸ばすなどした場合、それだけで住居侵入の既遂と評価される恐れがあります。。
  • 窃盗罪: 刑法第235条により、他人の財物を窃取した者は窃盗の罪に問われます。
    Aさんが下着を盗もうとした行為は、この罪に該当する可能性があります。
  • 少年法の適用: Aさんが未成年であるため、少年法の特別な規定が適用される可能性があります。
    少年法は、犯罪を犯した未成年者に対して、更生と社会復帰を支援することを目的としています。
  • 刑事責任の問題: 一定以上の重大犯罪や18歳・19歳の場合には特定少年として刑事手続きに付される恐れもありますが、本件では刑事上の責任が問われることは考えにくいです。もっとも、少年法の適用があるからといって「軽く済ませられる」という訳ではなく、成人の刑事事件にはない「観護措置(収容観護)」に付され長期間身体拘束される可能性があります。
  • 法的な対応の複雑さ: この事件は、法的な対応が単純な刑罰にとどまらず、少年の更生と社会復帰を目指すべきであることを示しています。

4: 少年法の適用

少年法は、未成年者が犯罪に関与した場合の特別な法的枠組みを提供します。
この架空の色情盗事件において、少年法の適用は以下のような側面を持ちます。

  • 少年法の目的: 少年法は、未成年者の犯罪行為に対して、罰よりも更生と社会復帰を重視します。
    この法律は、若い加害者の将来に対する悪影響を最小限に抑えることを目指しています。
  • Aさんへの適用: Aさんは未成年であるため、少年法に基づく特別な扱いが期待されます。
    これには、家庭裁判所による審理や、保護処分の可能性が含まれます。
  • 家庭裁判所の役割: 少年法の下で、家庭裁判所は少年の行動の背景を深く掘り下げ、適切な対応を決定します。
    このプロセスは、少年の心理的、社会的状況を考慮に入れることが特徴です。
  • 更生と社会復帰: 少年法は、罰を超えて、少年が社会に再び適応できるよう支援することに重点を置いています。
    これには、カウンセリングや教育プログラムへの参加が含まれることがあります。
  • 法的な柔軟性: 少年法は、少年の年齢、心理状態、犯罪の性質に応じて柔軟な対応を可能にします。
    このアプローチは、一律の刑罰よりも個々の状況に合わせた対応を重視します。

5: 示談の役割

色情盗事件の場合には被害者がいることから示談交渉を行うかどうか、という問題があります。示談は、弁護士の立場から見ると、少年事件では成人の刑事事件に比べて示談交渉を行うモチベーションは高くありません。例えば、成人の刑事事件であれば示談が整えば不起訴処分になる可能性が極めて高い事件でも、少年の場合は原則として全件が家庭裁判所に送致され、調査官による調査が行われるため、有益ではないためです。

とはいえ、少年にとって自分が起こした事件の責任を保護者がとること、保護者として被害者に謝罪と賠償を行うことは、道義的に重要なことであり、家庭裁判所の調査官も気にするポイントの一つと言えます。また、被害者からの民事訴訟のリスクをなくすという点でも、示談交渉が有益になります。
この架空の色情盗事件における示談の役割は以下のとおりです。

  • 示談の意義: 示談は、被害者と加害者の間での和解を促進し、法的な紛争を円滑に解決する手段です。
    これにより、被害者は精神的な平穏を取り戻し、加害者である少年は罪の意識を理解し、更生の機会を得ることができます。
  • Aさんのケースでの示談: Aさんの事件では、下着を盗まれた被害者との間で示談交渉を行うことになります。
    これは、Aさんが犯した行為に対する責任を認め、被害者に対して謝罪し、和解を図ることを意味します。
  • 法的プロセスへの影響: 示談が成立すると、法的プロセスにおいても重要な考慮事項となります。
    家庭裁判所は、示談の成立を少年の更生への意志として評価することがあります。
  • 社会復帰への助け: 示談は、少年が社会に再び適応するためのステップとなることが多いです。
    これにより、少年は自らの行動の結果を直接的に理解し、将来的な再犯の防止につながります。
  • 更生プロセスの一環: 示談は、単なる法的手続き以上の意味を持ち、少年の心理的成長と社会的責任感の発達を促します。
    このプロセスは、少年が自己の行動を反省し、社会の一員として成長するための重要な機会を提供します。

6: 精神疾患の考慮

精神疾患は、法的な文脈において、特に未成年者の犯罪行為を理解する上で重要な要素です。
この架空の色情盗事件における精神疾患の考慮は以下の通りです。

  • 精神疾患の影響: 精神疾患は、個人の判断力や行動に大きな影響を及ぼすことがあります。
    Aさんの場合、彼の行動は一時的な心理的ストレスや精神的な不安定さに起因する可能性があります。
  • 法的評価の重要性: 精神疾患の存在は、法的評価において重要な要素となります。
    特に未成年者の場合、その精神状態は刑事責任の程度を決定する上で考慮されるべきです。
  • 治療と更生の統合: 精神疾患のある少年に対しては、法的な対応と並行して適切な治療が必要です。
    これにより、少年は犯罪行為の背後にある問題に対処し、健全な社会復帰を目指すことができます。
  • 社会的な理解: 精神疾患を抱える少年に対する社会的な理解と支援は、彼らの更生に不可欠です。
    社会は、これらの少年が直面する困難に対して、より敏感で支援的なアプローチを取る必要があります。
  • 法的プロセスの柔軟性: 精神疾患を持つ少年に対する法的プロセスは、その特別なニーズを考慮する必要があります。
    これには、治療へのアクセスや、更生プログラムへの参加が含まれることがあります。

7: 法的教訓と結論

この架空の色情盗事件から得られる法的教訓は、未成年者の犯罪に対する包括的な理解と対応の重要性を強調しています。
以下は、この事件から学べる主要な教訓と結論です。

  • 未成年者の犯罪理解: 未成年者が犯罪に関与する背景は多様であり、単一の原因に帰することはできません。
    この理解は、未成年者の犯罪に対するより効果的な対応を導くために不可欠です。
  • 法的対応の多様性: 未成年者の犯罪に対しては、罰だけでなく、教育的なアプローチや心理的な支援が重要です。
    これにより、未成年者は自己の行動を反省し、将来的な再犯を防ぐことができます。
  • 社会的支援の必要性: 未成年者の犯罪に対する社会的な支援と理解は、彼らの更生と社会復帰に不可欠です。
    社会全体が未成年者の犯罪に対してより寛容で支援的な姿勢を取ることが求められます。
  • 法的教育の重要性: 未成年者および社会全体に対する法的教育は、犯罪の予防と理解を深めるために重要です。
    法的知識の普及は、未成年者が法的な責任を理解し、適切な行動を取るための基盤を築きます。
  • 結論: この架空の色情盗事件は、未成年者の犯罪に対する包括的なアプローチの必要性を示しています。
    法的対応、教育、社会的支援の統合は、未成年者の犯罪を減少させ、より健全な社会を築くための鍵となります。

8: まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律所横浜支部の紹介

まとめ

このブログでは、神奈川県小田原市で発生した架空の色情盗事件を例に、少年法と刑法の交差点での法的対応とその意義を探りました。
事件の概要から始まり、少年Aの事例、法的な分類、少年法の適用、示談の役割、精神疾患の考慮、そして法的教訓と結論に至るまで、少年犯罪に対する包括的な理解と対応の重要性を強調しました。
このケーススタディは、未成年者の犯罪に対する法的および社会的な対応の複雑さと重要性を浮き彫りにし、未成年者の更生と社会復帰を支援するための法的枠組みの理解を深めることを目的としています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所横浜支部の紹介

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所横浜支部は、刑事事件に特化した法律サービスを提供する法律事務所です。
横浜支部では、経験豊富な弁護士が、刑事事件に関わるクライアントに対して、専門的な法的支援を行っています。
特に、未成年者の犯罪事件においては、少年法の適用や家庭裁判所での審理、更生支援など、未成年者特有のニーズに対応したサービスを提供しています。
同法律所は、クライアント一人ひとりの状況に合わせた個別の対応を重視し、法的な問題だけでなく、心理的、社会的な側面にも配慮したアプローチを取ります。

神奈川県小田原市にて、お子さんが色情盗事件で逮捕された、在宅で捜査されているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所横浜支部にご相談ください。

【解決事例】盗撮事件で審判不開始

2023-05-30

【解決事例】盗撮事件で審判不開始

盗撮事件を起こした少年に対して少年審判の不開始決定が言い渡されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県藤沢市在住のAさんは、県内の学校に通う高校生(17歳)でした。
Aさんは、学校からの帰宅途中、藤沢市内を走行中の列車内で女子児童Vさんのスカート内にスマートフォンを差し入れる方法で盗撮をした嫌疑で、藤沢市内を管轄する藤沢警察署の警察官による取調べを受けることになりました。
Aさんの保護者は、Aさんが今後どのような処分を受けるのか知るとともにVさんに対し謝罪と賠償を行いたいという意向があり、弁護士に依頼する必要があると考え、当事務所の弁護士による無料相談を受けその後弁護を依頼されました。

弁護士は、Aさんや保護者と繰り返し面談をして、Aさんの問題点について検討しました。
捜査が終わり事件が家庭裁判所に送致された後は、警察官・検察官が作成した証拠(法律記録)を確認し、担当調査官とも打合せしました。
また、法律記録をもとにVさんの連絡先を確認し、示談交渉を行いました。

弁護士は、Aさんには保護処分は必要ないと考え、弁護士(付添人)の意見としてAさんに保護処分を課す必要がないことを主張しました。
担当した家庭裁判所の裁判官は、法律記録と担当調査官の報告書(調査票)、そして弁護士が作成した付添人意見書の内容を確認したうえで、Aさんには保護処分は必要ないと判断し、保護処分を決めるための少年審判を開かない「審判不開始」の決定を下しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【少年審判の不開始】

Aさんは、盗撮の嫌疑をかけられていて、Aさん自身も盗撮行為を認めていました。
しかしながら、Aさんは審判不開始となり保護処分は課せられませんでした。

まず前提として、Aさんは事件当時17歳でしたので、少年法のいう「少年」に該当します。
少年に対しては、成人の刑事事件とは異なる手続きを経て、原則として「保護処分」を課すことが検討されます。
保護処分には、少年院送致や保護観察処分、児童自立支援施設・都道府県知事(児童相談所)送致などがあります。
成人の刑事事件で刑事罰を決めるのは刑事裁判ですが、少年事件の場合は少年審判という非公開の審判廷で行われます。
(ちなみに、ほとんどの場合は家庭裁判所の審判廷で行われますが、稀に少年鑑別所にある審判廷で審判を開くことがあります。)
審判不開始は、保護処分を課すための審判を行う「審判開始決定」を行わないことを意味します。

審判不開始の要件は、「調査の結果、審判に付することができず、又は審判に付するのが相当でないとき」とされています。(少年法19条1項)
今回のAさんの事例では、Aさん自身盗撮を認めていて、証拠も十分であり、他の事情(例えば心神喪失や所在不明など)もなかったため、「審判に付することができ」ないということはないと考えられます。
ゆえに、Aさんについては、「審判に付するのが相当でない」と判断され、審判不開始となったと考えられます。
これは、裁判官が事案が比較的軽微であり、Aさんの保護者などの監護能力が充分にあると判断したことに依ると考えられます。

このように、審判不開始を求める場合には、弁護士が積極的に少年と関わり、内省を深め、Aさんには保護処分が必要ないことを裁判官に対して主張していく必要があります。
神奈川県藤沢市にて、お子さんが盗撮事件で捜査を受けていて、審判不開始を求める付添人活動について知りたい場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

【解決事例】特殊詐欺事件で年齢超過による逆送事件

2023-04-18

【解決事例】特殊詐欺事件で年齢超過による逆送事件

特殊詐欺事件で逮捕・勾留されたのち、一旦は家庭裁判所に送致されたものの、年齢超過を理由に逆送されたという事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市栄区在住のAさんは、逮捕当時19歳でした。
Aさんは横浜市栄区にて特殊詐欺事件のいわゆる受け子役をしてしまい、捜査を行った横浜市栄区を管轄する栄警察署の警察官によって通常逮捕されました。
最初の逮捕から既に1ヶ月以上が経った後に依頼を受けた当事務所の弁護士は捜査機関に対し捜査にかかる時間や再逮捕といった見通しを確認しましたが、捜査が終結した後家庭裁判所の調査が行われることを考えると、Aさんが20歳の誕生日を迎えるまでに審判期日を設けることができないと判断しました。
そこで弁護士は、予めAさんとその保護者に今後の流れや刑事裁判の見通しについて説明をしました。
結局、Aさんは想定どおり家庭裁判所に送致されたのち20歳の誕生日を迎え、逆送されました。

逆送された後は成人の刑事手続きと同様の手続きがとられました。
弁護士は、特殊詐欺の被害に遭われた被害者の方と示談交渉を行った結果、うち数件で示談が締結されました。
最終的にAさんは裁判を受けましたが、執行猶予判決を言い渡されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【特殊詐欺事件について】

今回、Aさんは特殊詐欺事件の受け子をしてしまいました。
その手口は、
①被害者宅を訪問して警察官を名乗り、詐欺に使われていると嘘をついてキャッシュカードを受け取った
②被害者宅を訪問して警察官を名乗り、詐欺に使われているからキャッシュカードを使用しないよう言い、封筒に入れた後、隙を見て封筒をすり替える手口でキャッシュカードを掠め取った
というものでした。
この場合、①については詐欺罪が、②について窃盗罪が、それぞれ適用されると考えられます。
条文はそれぞれ以下のとおりです。

(詐欺罪)
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
(窃盗罪)
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【年齢超過による逆送】

Aさんは事件を起こした時点でも、逮捕された時点でも、20歳未満でしたので少年法のいう「少年」に該当します。
少年の場合、警察官等・検察官の捜査機関による捜査が行われた後、全件で家庭裁判所に送致され、調査官による調査を経て、多くは少年審判での保護処分を課します。
但し、被害者が死亡するような一定以上の重大事件については、逆送(正確には検察官送致)の手続きにより再び検察官に事件送致され、検察官が成人と同じ刑事裁判にする必要があるか判断します。

今回のAさんの事件については、事件の内容だけを見ると逆送が必須とまでは言えないものでした。
但し、Aさんの場合は家庭裁判所に送致された後に20歳の誕生日を迎えました。
よって、以下の条文が問題となります。

少年法19条2項 家庭裁判所は、調査の結果、本人が20歳以上であることが判明したときは…決定をもつて、事件を管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。

この規定により、Aさんは逆送されました。
送致を受けた検察官は、Aさんに刑事罰を科す事案であると判断し、Aさんを起訴しました。
そのため、Aさんは事件当時は20歳未満の少年でしたが、その後20歳になったため成人の刑事事件の手続きに附され、刑事裁判を受けた、という流れになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、このような年齢切迫と呼ばれる少年の刑事弁護・付添人活動の経験がございます。
Aさんのような事例では、少年のうちに審判を開けることができるか判断し、少年のうちに審判を受けることができると判断された場合には捜査機関に掛け合ったり少年や保護者に捜査・調査に協力するよう促し、できる限り少年事件として手続きが終わるように進めます。
他方で逆送が免れない事例では、刑事裁判になることを前提に、取調べをより慎重に受けるようアドバイスしたり示談交渉などの情状弁護の準備を行ったりと事前準備が必要です。
神奈川県横浜市栄区にて、お子さんが特殊詐欺事件で逮捕・勾留され、20歳の誕生日を目前に控えているという場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の初回接見サービス(有料)をご利用ください。

【解決事例】年齢切迫少年の詐欺事件

2023-03-18

【解決事例】年齢切迫少年の詐欺事件

20歳の誕生日を迎える間近の少年による詐欺事件、という解決事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市中区在住のAさんは、事件当時神奈川県内の大学に通う19歳でした。
Aさんは、いわゆる特殊詐欺事件を起こした嫌疑で、横浜市中区を管轄する伊勢佐木警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは、逮捕された時点で、20歳の誕生日まであと2ヶ月ほどという状況でした。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【特殊詐欺について】

特殊詐欺は、オレオレ詐欺やワンクリック詐欺、還付金詐欺など様々な手口が見られ、その手口によって罪が異なります。
また、オレオレ詐欺などの場合はどのような方法で詐欺に関与したかという点でも、罪が異なります。

Aさんの事件については、指示役に従い被害者宅を訪れて銀行職員等になりすましてキャッシュカードを受け取ったという事件でしたので、いわゆるオレオレ詐欺の受け子と呼ばれる立場になり、詐欺罪の成立が検討されます。
条文は以下のとおりです。

刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

【年齢切迫少年について】

20歳未満の者が刑事事件を起こした場合、捜査が行われた後は「少年事件」として扱われ、成人事件とは異なる手続きが行われます。
20歳未満というのは、20歳の誕生日を迎える前の者を指します。
少年の捜査を行った検察官は、家庭裁判所にすべての事件を送致することになります。
送致を受けた少年は、重大事件を除き家庭裁判所で調査を行い、保護処分が必要と考えられた少年については審判で保護処分を決めます。

しかし、一定以上の重大犯罪を起こした場合や、20歳の誕生日を迎えた者については、家庭裁判所で保護処分を決めるのではなく、検察官に送致します。
これは、一度検察官から家庭裁判所に送られたのちに再度検察官に送致するため、逆送と呼ばれます。
逆送された少年に対し、検察官は起訴するかどうかの判断を下します。

Aさんのように、事件当時20歳の誕生日を迎える直前の少年を、俗に年齢切迫少年(年迫)と呼びます。
年齢切迫少年は、20歳の誕生日までに調査が行われ審判が行われる(あるいは審判不開始の決定を下す)ことがなければ、検察官に送致されます。
つまり、保護処分を受ける機会を失うことになるのです。

検察官に逆送された場合、原則として犯した事件の内容をもって起訴するかどうか判断されます。
少年事件として家庭裁判所が判断をした場合、少年の性格や特性などを踏まえて、保護処分が検討されます。

年齢切迫少年の場合、少年の性格などを踏まえて保護処分を課すことが望ましい場合、20歳の誕生日を迎える前に審判まで行われる必要があります。
そのためには、早期の調査官による調査を行うよう促し、捜査機関が作成した証拠(法律記録)を確認し、審判までに弁護人としての意見書を作成する必要があります。
年齢切迫少年の事件では、少年事件の弁護活動・付添人活動の経験が豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、年齢切迫少年の弁護活動・付添人活動の経験も豊富です。
神奈川県横浜市中区にて、お子さんが特殊詐欺などの事件で逮捕・勾留され、20歳の誕生日を迎える間近の年齢切迫少年である場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

【解決事例】共同危険行為の少年が不処分に

2023-03-15

【解決事例】共同危険行為の少年が不処分に

共同危険行為と呼ばれる交通事件を起こした少年が審判の結果不処分になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市南区在住のAさんは、事件当時横浜市内の高校に通う高校1年生でした。
Aさんは、横浜市南区内にて、友人13人とともに集団でバイクを運転し、その間に蛇行運転や信号無視を行ういわゆる暴走族に加入していました。
もっとも、Aさんは集団のリーダーなどではなく、暴走行為に毎回参加している、という訳ではありませんでした。
ある日、暴走族に加入する友人ら数名が一斉に逮捕されたと聞いたAさんは、自身も逮捕されるのではないかと不安になり、横浜市南区を管轄する南警察署に自首(又は出頭)することを決めましたが、その前に弁護士に相談した方が良いと考え、当事務所の弁護士による無料相談を利用され、その後依頼をされました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【共同危険行為について】

いわゆる暴走族について、最近は街中で見かけることが少なくなりましたが、今なおその存在は確認されています。
公道において集団でバイクや車を走行し、蛇行運転や信号無視、カーチェイスなどを繰り返す暴走行為は、共同危険行為と呼ばれ、下記の条文が問題となります。

道路交通法68条 2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
同法117条の3 第68条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

その他にも、信号無視での違反や無免許運転手がいた場合にはそれらの罪、マフラー等の改造による不正改造等禁止の罪など、様々な罪に問われる可能性があります。

【不処分を求める弁護活動】

共同危険行為の罪は、道路に居る他の車両や歩行者等に危険を及ぼし迷惑をかけることは勿論のこと、そのような集団に属することで更に重大な事件を起こす可能性が高いと判断され、少年院送致などの厳しい保護処分が課せられるおそれがあります。
弁護士も、最初にAさんから事件の話を聞いたとき、要保護性が高い(保護する必要性がかなりある)と評価しました。
しかし、その後弁護士が繰り返しAさんとの面談を行い、どうして暴走行為(共同危険行為)をしてしまったのか、暴走行為(共同危険行為)が禁止されている理由についてはどう考えるか、将来どのような大人になりたいと考えるか・そのためにはどのような学校生活を送る必要があるか、等について考えてくださるようになり、内省を深めるようになりました。
また、保護者から話を聞いたところ、Aさんが早寝早起きなどの生活リズムを整えるようになったり、暴走行為(共同危険行為)に関係する友人とは連絡を取らないようにしたり、進路の相談をしたりするようになったと聞きました。

Aさんは在宅での捜査を経て家庭裁判所に送致された後、審判が行われました。
審判廷で、弁護士は付添人の立場で「事件当時は要保護性のある少年であったが、事件後の保護者や弁護士の指導監督に服することで、事件を反省し更生しているため保護処分は不要である」という主張を行いました。
審判を担当した家庭裁判所の裁判官も、弁護士の主張を踏まえ、Aさんには保護処分が必要ないと判断して「不処分」の決定を下しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事事件・少年事件を数多く経験していて、少年事件で「不処分」を獲得した事例も少なくありません。
不処分」を求める弁護活動・付添人活動というのは、単に軽い処罰を求めるという意味ではなく、
・犯罪の事実は存在せず、今後も罪を犯すおそれもないため、保護処分は不要である
・犯罪の事実はあるが、事件から審判に至るまでに既に謝罪や環境調整ができているため、保護処分は不要である
といった事例に即した環境調整と主張を行っていく必要があるのです。
神奈川県横浜市南区にて、お子さんが暴走行為(共同危険行為)に加担して自首・出頭を検討しているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

【解決事例】強制性交等事件で鑑別所送致

2023-02-12

【解決事例】強制性交等事件で鑑別所送致

強制性交等事件で逮捕され、少年鑑別所に送致されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県大和市在住のAさんは、神奈川県内の高校に通う高校1年生でした。
Aさんは、深夜の大和市内の路上に於て、見知らぬ女性3名に対し、突然暗がりに連れ込み、自身の陰茎を被害女性の口に咥えさせる口腔性交を行いました。
数ヶ月後、大和市内を管轄する大和警察署の警察官がAさんの自宅に来て、Aさんの保護者はAさんを強制性交等罪で逮捕すると説明されました。
依頼を受けた当事務所の弁護士は、Aさんから事件の詳細を聞き取ったうえで、事件の性質からして20日間の勾留ののち少年鑑別所に送致されることになる可能性が高いことを説明したうえで、この身柄拘束期間を漫然と過ごすのではなく、
・どうしてこのような事件を起こしてしまったのか
・被害女性の立場になって考えたときにどう思うか
・二度とこのような事件を起こさないためにはどうすれば良いか
・どのようにして被害女性に対して謝罪の意を伝えるか

を考え、内省を深めるとともに、自身のその後の進路や生き方についてしっかりと考える時間にするよう指導し、適宜振り返りノートの作成などを指示しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制性交等事件について】

強制性交等罪は、以前は強姦罪と呼ばれていました。
法改正により、被害者が男性だった場合でも成立することになったほか、性行為だけでなく、お尻に対する肛門性交、口に対する口腔性交をも処罰対象としました。
今回のAさんの事例では、口に陰茎を入れるいわゆる口腔性交が問題となりました。
条文は以下のとおりです。

刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

【少年鑑別所送致について】

少年事件では、原則として成人の刑事事件と異なり、非公開の少年審判で、家庭裁判所裁判官によって(刑事罰ではな)保護処分を課されます。
この少年審判で少年にどのような保護処分を課すべきかを検討するうえで必要であると判断された場合、少年鑑別所で観護の措置が行われます。

少年鑑別所では、法務技官によって面接。心理検査、行動観察などが行われます。
期間は多くの場合4週間で、その期間内に必要な鑑別を行ったうえで審判が行われます。

少年鑑別所での観護措置は、審判で保護処分を検討する際に必要となるだけではなく、少年の性格などを知ることでその後の保護者の教育・指導などに有益になるなど、メリットは少なくありません。
他方で、少年にとっては自身が置かれている立場が理解できない、あるいは先が見えないことによる不安などで、精神的に辛い思いをすることも事実です。
弁護士は弁護人・付添人として、適確なアドバイスや見通しの説明などを行うことで、内省を深め、最終的に社会復帰したあとに必要となる考え方などを身に着けるよう促す必要があります。
神奈川県大和市にて、お子さんが強制性交等罪で逮捕された、少年鑑別所に送致されるか不安、お子さん自身の将来に向けた弁護活動・付添人活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。(有料)

在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。

【解決事例】強制わいせつ事件で少年院送致

2023-01-27

【解決事例】強制わいせつ事件で少年院送致

強制わいせつ事件を起こしてしまった少年に対し少年院送致の保護処分が言い渡されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県小田原市在住のAさんは、神奈川県内の高校に通う高校1年生(16歳)です。
Aさんは深夜に小田原市内の路上で、見知らぬ通行人の女性(不特定かつ多数)に対し
・後ろから突然抱きつく
・胸を触って逃走する
・突然接吻をする
などの行為を繰り返していました。
小田原市内を管轄する小田原警察署の警察官は周囲を警戒しており、事件直後のAさんが小田原市内を歩いていたところを警察官が声掛けし、職務質問をしたところAさんが罪を認めたため、Aさんは逮捕されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ事件について】

Aさんの行為は、それぞれ強制わいせつ罪に該当すると考えられます。
強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

事例について検討すると、Aさんは「暴行又は脅迫」を行っていないようにも見えます。
しかし、強制わいせつ罪のいう「暴行又は脅迫」は「被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りる程度の暴行」であれば足りるとされていて、Aさんのように通行人である見知らぬ被害者の隙をついてわいせつ行為も強制わいせつ罪が適用されます。
なお、強姦(強制性交等罪)の場合には、被害者の一瞬の隙をついて行うことは出来ないため、強制わいせつ罪と強制性交等罪の「暴行又は脅迫」はそれぞれ異なると考えられています。

【少年院送致について】

Aさんは事件当時16歳でしたので、成人の刑事事件とは異なり、少年事件として手続きが進められました。
少年事件では、家庭裁判所の調査官による調査などが行われた後、少年に対し保護処分を課すかどうか少年審判により決められます。
保護処分には、
少年院送致
・保護観察処分
・児童自立支援施設送致
・児童相談所送致
などが挙げられます。
そのほかに、保護処分を課さない「不処分」の決定、及び一定以上の重大事件で保護処分が妥当ではないと判断した場合には検察官送致(いわゆる逆送)が言い渡されます。

今回の少年については、社会内での更生が難しく少年院での矯正が求められるとして、少年院送致が言い渡されました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、これまでに少年事件で少年院送致を言い渡された、あるいは成人の刑事事件で実刑判決を言い渡されたという事例もあります。
しかしながら、それぞれの事件で適切な弁護活動を行うことで刑期が短くなる場合があります。
また、少年事件の場合、単に「軽い処分を求める」というのではなく、少年にとってどのような教育が必要であるか検討し、保護処分を漫然と受け入れるのではなく、内省を深めたり再犯防止に向けた取り組みを行うなどして、二度と再び事件を起こさないという状況をつくることが重要になります。
神奈川県小田原市にて、20歳未満の少年が強制わいせつ事件で逮捕され、少年院送致が言い渡される可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の初回接見サービス(有料)をご利用ください。

【解決事例】無免許ひき逃げ事件で不処分に

2023-01-15

【解決事例】無免許ひき逃げ事件で不処分に

20歳未満のお子さんが運転免許証を有せずにバイクを運転してしまい、人身事故を起こしたのち救護義務に違反し逃走したといういわゆるひき逃げ事件で不処分となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県鎌倉市在住のAさんは、事件当時神奈川県内の高校に通う高校1年生(16歳でした)。
Aさんはバイクに興味があるものの運転免許証は有していないという状態でした。
しかしAさんは保護者の目を盗み、保護者が所有するバイクを無断で数回運転してしたところ、鎌倉市内の路上で歩行者Vさんを転倒させる事故を起こしてしまったうえ、怖くなったAさんは通報したりVさんの容体を確認したりすることなく現場を離れる、いわゆるひき逃げ事件を起こしました。
その後、事故現場に「●月●日に発生したバイクと歩行者の接触事故について目撃者を探しています」といった旨の立て看板を見て、猛省し保護者に伝えたうえ自ら鎌倉市内を管轄する鎌倉警察署に出頭しました。

その後、AさんとAさんの保護者の方は、今後Aさんの処遇がどうなるのか不安に思い、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼しました。
弁護士は、すぐに鎌倉警察署に連絡し、今後も身柄拘束はせずに在宅で捜査を行うという方針を確認しました。
次に、Aさんと弁護士2名で打合せを行い、どうして無免許運転をしてしまったのか、事故を起こした後すぐに逃走したのはなぜか、被害者や被害者家族の立場に立ったらどう思うか、といった振り返りを行うとともに、今後の学校生活や学校卒業後の人生について、真剣に考える機会を設けました。

警察官・検察官による捜査が行われた後、Aさんは家庭裁判所に送致されました。
弁護士は、付添人の立場で、家庭裁判所に対しAさんが罪を認め反省していること、事件から家庭裁判所送致に至るまで振り返りや反省を繰り返していること、家族による今後の監視監督の体制が整っていること、被害者やその家族はAさんに対する処分・処罰を求めていないこと、等の理由から、Aさんに保護処分は必要ないということを主張しました。
その結果、裁判官はAさんに対し、保護処分を課さない「不処分」の判断を下しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【不処分を求める弁護活動】

少年事件では、捜査が行われたのち家庭裁判所に事件送致され、一定の重大事件を除き、家庭裁判所の裁判官が少年の処遇を決します。
ほとんどの事件では、家庭裁判所の調査官による調査が行われ、裁判官は
・家庭裁判所の調査官が作成した社会記録
・警察官や検察官等の捜査機関が作成した法律記録
・付添人弁護士がいる場合は付添人弁護士の意見書
などの書類に目を通し、裁判官が審判は不要であると判断した場合は審判不開始決定を下します。

審判が行われる場合、裁判官は上記書類に加え、審判廷で行われる少年本人や保護者などの尋問の内容をふまえ、最終的な保護処分を決めます。

今回のAさんの事件では、事件が決して軽微とはいえないものであり、保護処分を課される可能性が高かったのですが、付添人弁護士の意見を汲み、保護処分が課されない「不処分」という結果になりました。

神奈川県鎌倉市にて、お子さんが無免許運転のうえ人身事故を起こしてしまい、更に逃走したというひき逃げ事件を起こしてしまい、取調べを受けたり家庭裁判所に送致されたりした、という場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、無料でご相談ができ、手続きの流れや不処分の可能性などについて説明を受けることができます。
お子さんが逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】色情盗で審判不開始

2022-11-18

【解決事例】色情盗で審判不開始

下着などを盗むいわゆる色情盗事件で問題となる罪と、審判不開始決定について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説いたします。

【事例】

神奈川県横浜市中区在住のAさんは、神奈川県内の学校に通う18歳未満の高校生でした。
Aさんは、通学途中に横浜市中区内のマンションの1階部分ベランダに干してあった異性用の下着に興味を抱き、ベランダによじ登って下着を持ち去ろうとしました。
しかし、住人VさんがAさんの行為に気づいて警察に通報したため、横浜市中区を管轄する加賀町警察署の警察官が臨場し、Aさんは色情盗事件で現行犯逮捕されました。
その後、Aさんは保護者がAさんを厳しく監督指導することを誓約し釈放され、当事務所の弁護士による無料相談を受け依頼されました。

依頼を受けた弁護士は、早期にVさんに連絡し示談交渉を行った結果、一度Aさんの保護者と協議をしたいとの御希望でしたので、弁護士とAさんの保護者、Vさんの保護者の3者会議を執り行いました。
その際の内容に納得されたVさんは示談に応諾してくださったため、示談締結に至りました。

また、弁護士はAさんが事件直前に軽度の精神疾患を指摘されたことに着目し、Aさんが心療内科を継続的に受診していることを確認し、その証明ができる書類を揃えました。

最終的に、弁護士は家庭裁判所に対し、被害者との間では示談締結ができていること、専門家である心療内科に受診していること、Aさんの保護者がしっかりとAさんの監督を継続していることを主張した結果、家庭裁判所裁判官はAさんに対し審判を開いて保護処分を課す必要はないと判断し、審判不開始決定を下しました。

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【色情盗事件について】

お店などの商品ではなく、他人の所持・使用している下着を盗む行為は、色情盗と呼ばれ住居侵入罪や窃盗罪に問われます。
条文は以下のとおりです。

(住居侵入罪)
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

(窃盗罪)
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【審判不開始決定について】

Aさんは20歳未満の未成年者でしたので、成人の刑事手続きとは異なる手続きに附されます。
少年事件では、捜査が終了したのち家庭裁判所に送致されます。
送致を受けた家庭裁判所の裁判官は、捜査書類を確認したうえで家庭裁判所調査官による調査を行う場合が一般的です。
調査が終了した後、裁判官は審判を少年に保護処分を課す必要があるかどうかの判断を下します。
保護処分が必要であると判断した場合は、審判を開き、少年や保護者の主張を踏まえ少年に対してどのような保護処分を課す必要があるのか検討します。
しかし、調査官の調査結果を踏まえ、少年に保護処分が不要であると判断した場合、そもそも審判を開かない審判不開始決定を言い渡します。

審判不開始決定を求める場合には、Aさんの事件のように保護者の監督体制が整っていることや、専門機関に継続的な受診を行うなどして他の者が介入して保護処分を行う必要がないということを主張する必要があります。
神奈川県横浜市中区にて、20歳未満のお子さんが色情盗などの事件を起こしてしまい、審判不開始を求める弁護活動・付添人活動を希望される場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。

家族が逮捕・勾留されている場合は≪コチラ≫。

【解決事例】触法少年の強制わいせつ事件

2022-10-15

【解決事例】触法少年の強制わいせつ事件

14歳未満の少年による強制わいせつ事件が発生し、いわゆる触法少年としての手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説いたします。

【事例】

神奈川県横浜市鶴見区在住のAさんは、鶴見区内の小学校に通う小学5年生でした。
Aさんは通学する小学校内で、下級生Vさんを個室トイレに連れて行き、Vさんのズボンと下着を脱がせ、Vさんの陰茎をしごくというわいせつ行為を起こしてしまいました。

Vさんの保護者はVさんの話を聞き横浜市鶴見区を管轄する鶴見警察署の警察官に相談し、鶴見警察署の警察官は触法調査を行い、家庭裁判所に送致しました。
なお、Aさんの保護者はVさんの保護者の方に対し謝罪し、示談書の取り交わしも行っていました。

家庭裁判所に送致された後に無料相談・依頼を受けた当事務所の弁護士は、家庭裁判所で行われる裁判所調査官による調査や、少年鑑別所に身柄拘束されて行われる観護措置の可能性等について、丁寧に説明しました。
Aさんが観護措置決定を受けた後は、弁護士が繰り返し面会を行い、Aさんが落ち込んだり不安になることがないよう、他方で自身が起こした事件についての内省を深めるよう、丁寧に対話を繰り返しました。
最終的に、Aさんは保護観察処分となり、社会復帰することができました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ事件について】

今回の事件では、AさんがVさんを個室トイレに連れて行き衣服を脱がせ、陰茎をしごいたという行為が問題となっています。

これは、強制わいせつ罪に当たる可能性がある行為です。
条文は以下のとおりです。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

Aさんは当時小学5年生で、Vさんは下級生だったため、Vさんは13歳未満に当たり「暴行や脅迫を用い」るという要件がなくてもわいせつ行為により強制わいせつ罪が成立します。

【触法少年とは】

少年法のいう少年とは、20歳未満を指します。
また、刑法41条では、「14歳に満たない者の行為は、罰しない。」と規定されています。
14歳以上20歳未満の少年が刑法等の罪に当たる事件を起こした場合に犯罪少年として扱われるのに対し、14歳未満の少年については触法少年として扱われます。

少年法3条1項 次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
 2号 14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年

触法少年の場合、刑事未成年という立場にあり、警察官や検察官などの捜査機関による捜査は行われません。
但し、少年法6条の2第1項で「警察官は、客観的な事情から合理的に判断して、第3条第1項第2号に掲げる少年であると疑うに足りる相当の理由のある者を発見した場合において、必要があるときは、事件について調査をすることができる。」と規定されているため、触法調査を行うことができます。

触法調査が行われた場合、警察官は必要に応じて児童福祉機関(児童相談所等)に少年を通告、あるいは事件を送致することができます。
通告・送致を受けた児童福祉機関は、少年を呼び出すかたちで面談を行うか、一時保護のかたちで保護者から離して児童福祉施設等で保護し、調査を行います。
児童福祉施設等は、多くの場合、家庭裁判所に事件を送致します。
送致を受けた裁判所は、家庭裁判所調査官による調査を経て審判を行い、少年に対して保護処分(少年院送致※・保護観察処分・児童福祉施設等送致)を決定することができます。
※おおむね12歳以上

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、14歳以上の犯罪少年のみならず、14歳未満の触法少年の付添人活動も対応しています。
神奈川県横浜市鶴見区にて、14歳未満のお子さんが強制わいせつ事件を起こしてしまい触法少年として警察官から触法調査を受けている、児童相談所等に一時保護されている、家庭裁判所の決定で観護措置決定(少年鑑別所送致)を受けたという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
身柄拘束されている事件では初回接見を、身柄拘束されていない事件では無料相談を、それぞれご案内いたします。

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