神奈川県中郡大磯町の公職選挙法違反事件①

神奈川県中郡大磯町の公職選挙法違反事件①

【ケース】
神奈川県中郡大磯町在住のAは、中郡大磯町にある会社に勤める会社員です。
Aは20歳以上の選挙権を有する有権者ですが、次に行われる国会議員を選出するための選挙での候補者ではありません。

Aは、神奈川県内で出馬する候補者Xを支持しているのですが、その対抗馬であるVが優位な立場にあると選挙前の報道がなされていました。
AはXを当選させたいと思い、インターネットでSNSを通じて不特定多数の者が閲覧できるような状態で「Vは反社会的勢力と繋がりがあり、選挙資金は反社会的勢力が支出している」「Vには愛人がいる。そのような人間が国会議員になることは適切ではない」などとありもしないデマゴギー(デマ・嘘の情報)を拡散していきました。

後日、Aの自宅に神奈川県警察署の警察官がやってきて、公職選挙法違反での家宅捜索と証拠品の押収が行われ、Aは任意で事情聴取を受けるべく、中郡大磯町を管轄する大磯警察署へ向かいました。

(フィクションです。)

【インターネットでの選挙活動で刑事事件に】

平成25年5月26日施行の改正公職選挙法によって、それまで禁止されていたインターネット上での選挙運動が解禁されました。
(※インターネット上で投票が出来るようになったという意味ではないので注意が必要です。)
従来はチラシ・ポスターなどによる選挙活動以外は禁止されていたのですが、この法改正を機にインターネット上のブログやツイッター・フェイスブックなどのSNSを利用した選挙活動が出来るようになりました。
ただし、インターネットを利用した選挙活動には、以下のような制限があります。

・選挙当日の投票呼びかけ
公職選挙法129条は選挙運動の期間について「(略)公職の候補者の届出のあつた日から当該選挙の期日の前日まででなければ、することができない。」と定めています。
よって、投票日である選挙当日に「○○候補に清き一票をお願いします。」などとSNS等を通じて投票の呼びかけをする行為は公職選挙法に違反する可能性があります。

・未成年者の選挙活動禁止
公職選挙法137条の2第1項は「年齢満十八年未満の者は、選挙運動をすることができない。」と定めていますので、18歳未満の者が、例えば候補者による投票を呼び掛ける趣旨の投稿をリツイート・シェアすることも禁止されています。

・電子メールでの選挙活動の禁止
選挙の候補者又はその政党以外の者が、電子メールで選挙活動を行うことや届いた電子メールを転送する行為は公職選挙法違反になる可能性があります。(公職選挙法142条1項各号、4項、142条の4第1項各号)

また、候補者を落選させる目的で嘘の情報を拡散する行為は下記の法律に違反する可能性があります。
・虚偽事項の公表罪(公職選挙法違反)
特定の候補者や候補者になろうとする人を当選させないようにする目的で、嘘や事実を歪めた情報を流した場合、公職選挙法235条2項に違反する可能性があります。
虚偽事項の公表罪の定める法定刑は「四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」と重い罪になります。

また、内容によっては刑法の定める侮辱罪(刑法231条)や名誉毀損罪(刑法230条1項)にあたる可能性があります。
公職選挙法に違反する内容(虚偽事項の公表罪)は「嘘や事実を歪めた情報」ですが、名誉毀損罪については「事実の有無に関わらず」処罰の対象となる可能性があります。

【公職選挙法違反で刑事事件専門の弁護士へ相談】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門にしている弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、公職選挙法に違反した場合の事件についてもご相談・ご依頼が可能です。

神奈川県中郡大磯町にて、インターネットを利用した選挙活動に際して公職選挙法などの嫌疑をかけられている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による無料相談をご利用ください。

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