神奈川県川崎市麻生区の公職選挙法違反事件②

2019-07-17

神奈川県川崎市麻生区の公職選挙法違反事件②

【ケース】
神奈川県川崎市麻生区在住のAは、川崎市麻生区にて政治活動を行う団体に所属しています。
Aは選挙期間中、応援している候補者Xの対抗馬である候補者Vの演説を見て腹が立ち、候補者VやVの演説を聞いていた聴衆らに対して大きな声で「お前なんかに演説する権利はない」「お前らも何黙って聞いているんだ、さっさと散れ」等と怒鳴りつけました。

その後、通報を受けて駆けつけた川崎市麻生区を管轄する麻生警察署の警察官は、Aを公職選挙法違反(選挙の自由妨害罪)で現行犯逮捕しました。

(フィクションです。)

【公職選挙法について】

ご案内の通り、来週日曜日(令和元年7月21日)は、第25回参議院議員選挙の投開票日です。
そのため、駅前などを中心として各候補者や政党による選挙活動が活発化しています。
その選挙活動を規制している法律の一つが、公職選挙法です。

公職選挙法は国会議員(衆議院議員・参議院議員)や自治体の長(都道府県知事)など、国と地方の議会議員等を選ぶための選挙についてのルールを定めるものです。
例えば、選挙活動期間中であっても街頭演説(駅前などでの演説や選挙カーでの演説)は20時~8時までの間は行えない(公職選挙法164条の6第1項)、票を買う行為を禁止する(公職選挙法221条1項各号等)などのルールは、公職選挙法に規定されています。

そのため、公職選挙法というと候補者や候補者になりたい人、政治団体に所属している人などにしか関係のない法律だと思う方も居られるでしょう。
しかし、公職選挙法は一般人(有権者も、有権者以外も)に対しても規制する法律もあります。
そしてその一例として、昨日のブログに掲載したとおり、一般人によるインターネットを使った選挙活動が公職選挙法に違反する可能性があることについてご紹介しました。
本日のブログでは、インターネットを利用しなくても違反する可能性がある、一般の方にとっても注意が必要な公職選挙法などの法律についてご紹介します。

【選挙の自由妨害罪について】

選挙活動とは、街頭演説やビラ配り、インターネット・SNS等を利用して有権者に対して得票を促したり、争点について各候補者同士が議論をすることなどが前提となっています。
つまり、選挙活動は自由な言論が前提条件となっているのです。
そしてそれを妨害する行為は、選挙の自由妨害罪にあたる可能性があります。

公職選挙法225条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。

ケースについて見ると、Aは応援していない候補者VやVの演説を聞きに来た聴衆に対して怒鳴りつけています。
この行為について検討すると、候補者Vに怒鳴りつける行為は公職選挙法225条1号の言う「候補者への暴行」にあたり、聴衆に対して怒鳴りつける行為は同条2号の「演説を妨害」する行為に当たる可能性があります。
よって、Aは選挙の自由妨害罪にあたる可能性があります。

【公職選挙法違反で刑事事件専門の弁護士へ相談】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、公職選挙法のような特別法で逮捕された、もしくは捜査が進められている方に対しての弁護活動についても、対応しています。
神奈川県川崎市麻生区にて、選挙の自由妨害罪などの公職選挙法に違反する刑事事件を起こした方や、ご家族にそのような方がおられる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。

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