Archive for the ‘財産事件’ Category
万引き事件で書類送検された場合にできること
万引き事件で書類送検された場合にできること
万引き事件で書類送検された場合にできることについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
神奈川県横浜市西区に住むAさん(国家公務員)は,同区内にあるコンビニのセルフレジで会計した際,食品4点(合計約2000円)をレジに通さずに持ち出しました。
Aさんの万引きに気付いた店員が神奈川県西警察署の警察官に通報しました。
後日,Aさんは,神奈川県戸部警察署から書類送検されたことを聞かされました。
Aさんは,停職3か月の懲戒処分を受けました。
(刑事事件例は,2021年10月29日の読売新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【万引き事件で書類送検された場合にできることとは?】
万引き事件で書類送検された場合,不起訴処分で済ましてもらうためにできることとして,⑴被害店舗と示談をする,⑵二度と再犯をしないことを伝えるといったことが考えられます。
【1.被害店舗と示談をする】
検察官が万引き事件の被疑者の方を起訴するかどうかを考える際,万引き事件の被害店舗と示談ができているのかという点を非常に重要視します。
そこで,万引き事件で書類送検された場合,不起訴処分で済ましてもらうために,すみやかに被害店舗と示談をすることが重要です。
具体的には,被害店舗との示談後,速やかに示談書を検察官に提出することになります。
【2.二度と再犯をしないことを伝える】
検察官が万引き事件の被疑者の方を起訴するかどうかを考える際,万引き事件の被疑者の方が再犯を起こす可能性があるのかという点を非常に重要視します。
そこで,万引き事件で書類送検された場合,不起訴処分で済ましてもらうために,検察官に対して二度と再犯をしないことを伝えることが重要です。
具体的には,万引き事件の取調べでの受け答えや,弁護士が作成する書面の中で伝えていくことになります。
例えば,Aさんは,停職3か月の懲戒処分という社会的制裁を受けています。
これを受けて,Aさんが,今回万引き事件を起こしてしまったことを心から反省したというようなことを伝えていくことになります。
他にも,二度と万引き事件を起こさないように,買い物をする際には家族に付き添ってもらうなどの対策をとることを伝えていくことも考えられます。
【弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所で初回無料法律相談】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
今回の刑事事件例のように,万引き事件で書類送検されたケースでは,弊所の初回無料法律相談をご利用頂き,万引き事件の今後の見通しや今後の対応について,弁護士から助言をもらうことが有効です。
万引き事件で書類送検された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
フリーダイヤルは,0120-631―881です。
今すぐお電話ください。
窃盗未遂事件で逮捕され,再逮捕されそう
窃盗未遂事件で逮捕され,再逮捕されそう
窃盗未遂事件で逮捕され,再逮捕されそうな場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
神奈川県逗子市に住むAさんは,同市内の会社役員のVさん宅の車庫に停まっていた無施錠の軽トラック内を物色したとして,窃盗未遂罪の容疑で逮捕されました。
Vさんは,過去に車内から現金がなくなっていたことがあったため,車庫内に防犯カメラを設置しており,その防犯カメラの映像からAさんによる窃盗未遂事件が発覚しました。
実は,Aさんは過去にもVさんの軽トラックから現金を盗み出していたといいます。
(刑事事件例は,2021年11月1日に山陰中央新報に掲載された記事を参考に作成されたフィクションです。)
【再逮捕されたらどうなる?】
刑事事件例では,Aさんは,現在,窃盗未遂罪の容疑で逮捕されています。
この窃盗未遂罪の容疑での逮捕に引き続いて勾留がなされると,逮捕から勾留満期日まで最長で23日間,留置施設内に収容されてしまうことになります。
また,刑事事件例では,実は,Aさんは過去にも窃盗事件を起こしており,この窃盗事件が警察・検察に発覚した場合,Aさんは窃盗罪の容疑で再逮捕されてしまう可能性があります。
先に逮捕・勾留された窃盗未遂事件に引き続いて,窃盗罪の容疑で再逮捕がなされると,さらに再逮捕から勾留満期日まで最長で23日間,留置施設内に収容されてしまうことになります。
つまり,再逮捕がなされるとかなり長期間の間,留置施設内に収容されることになってしまいます。
【再逮捕を避けるためにはどうすればよい?】
再逮捕を避けるためには,まず,当初の窃盗未遂事件での取調べを適切に応じることが必要です。
例えば,当初の窃盗未遂事件の取調べの中で窃盗事件についての取調べがなされることも想定されますが,この窃盗事件について取調べにおいて,不必要に否認したり黙秘したりすると,窃盗罪の容疑で再逮捕されてしまう可能性が高まります。
そのため,弁護士に助言をあおぎ,取調べの中でどのように話せばよいか,どのように対応すれば再逮捕を避けられるのかを知っておくことが大切です。
また,窃盗未遂事件・窃盗事件の被害者の方と,2つの刑事事件をまとめて示談をすることも有効であると考えられます。
窃盗未遂事件・窃盗事件の被害者の方と,2つの刑事事件をまとめて示談をしておけば,仮に窃盗事件で再逮捕・再勾留されてしまったとしても,不服申立てをすることにより早期の釈放に導くことができる可能性が高まります。
そのため,早期に弁護士を付けておき,窃盗未遂事件・窃盗事件の被害者の方との示談交渉を速やかに開始してもらうことが大切です。
【弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所で初回接見を頼む】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
窃盗未遂事件や窃盗事件など財産事件に詳しい刑事弁護士が多数在籍しています。
今回の刑事事件例のように窃盗未遂事件で逮捕されてしまった場合は,弊所の初回接見サービスを利用することが非常に効果的です。
初回接見サービスを通して,窃盗未遂事件の見通しや再逮捕の可能性,今後の対応について助言をもらうことが良いでしょう。
なお,初回接見サービスについての詳細は,こちらをご覧ください。
窃盗未遂事件で逮捕され,再逮捕されそうな場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
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預金通帳の窃盗・詐欺事件
預金通帳の窃盗・詐欺事件
預金通帳の窃盗・詐欺事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,V1さん(神奈川県横浜市緑区在住)の自宅に侵入し,Vさんの預金通帳と印鑑を無断で持ち去り,V2銀行の窓口から,現金100万円を引き出しました。
後日,預金通帳と印鑑が盗まれたことを知ったV1さんが神奈川県緑警察署に通報したことをきっかけに,Aさんの窃盗事件・詐欺事件が発覚しました。
その結果,Aさんは,神奈川県緑警察署により,窃盗罪と詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(刑事事件例はフィクションです。)
【窃盗罪の成立について】
刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は,他人が占有(事実上支配)する財物を,その占有者の意思に反して,自分の占有下に移した場合に成立する犯罪です。
刑事事件例では,Aさんは,V1さんの自宅からV1さんの預金通帳と印鑑を無断で持ち去っていますので,Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。
また,窃盗罪を犯す手段として,V1さんの住居にも侵入しているので,Aさんには住居侵入罪(刑法130条)も成立すると考えられます。
【詐欺罪の成立について】
刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪は,人を欺いて財物を交付した場合に成立する犯罪です。
より具体的にいえば,詐欺罪は,欺罔行為により被害者の方の錯誤を生じさせ,その錯誤に基づく被害者の方の交付行為により,財物の占有の移転がなされた場合に成立する犯罪です。
刑事事件例では,Aさんは,V2銀行の窓口において,自らが正当な払戻権限者であるように欺罔して,銀行員を錯誤に陥らせ,それにより現金100万円の交付(占有の移転)を受けています。
よって,Aさんには詐欺罪が成立すると考えられます。
【なぜ詐欺罪が成立するのか】
ところで,AさんがV1さんの預金通帳と印鑑を取得した場合,現実問題としては,AさんはV2銀行に預金通帳と印鑑を示せば,すぐに預金を引き出すことができるといえます。
とすれば,AさんがV1さんの預金通帳と印鑑を取得した時点で,Aさんは口座内の預金を占有(事実上支配)しているのではないかと考えられます。
もし,このようにAさんはすでに口座内の預金を占有していると考えた場合,Aさんは欺罔行為,銀行員の錯誤,銀行員による交付という一連の行為によって,現金100万円という財物の占有を取得したわけではないことになるため,詐欺罪は成立しないのではないかとも考えられます。
この場合,すでにあった占有を横領したと考えられますので,詐欺罪ではなく,横領罪が成立するとも考えられます。
しかし,Aさんが口座内の預金を占有(事実上支配)していたというためには,正当な払戻し権限が必要であると考えられています。
刑事事件例のように預金通帳と印鑑を窃取した場合,その所持に者は正当な払戻し権限があるわけではありませんので,Aさんは口座内の預金を占有していなかった,預金の占有はV2銀行にあったと考えられます。
とすると,Aさんは欺罔行為,銀行員の錯誤,銀行員による交付という一連の行為によってはじめて口座内の預金の占有を取得したといえます。
よって,Aさんには詐欺罪が成立すると考えられるのです。
【預金通帳の窃盗・詐欺事件を起こしたら】
預金通帳の窃盗・詐欺事件を起こし,窃盗罪・詐欺罪の容疑で逮捕されてしまった場合,刑事弁護士に依頼して,すみやかに身体拘束を解いてもらいましょう。
窃盗・詐欺事件で逮捕・勾留されてしまうのは,検察官や裁判官に,窃盗・詐欺事件の被疑者の方が逃亡したり,窃盗・詐欺事件の証拠を隠滅したりする可能性があると見られてしまうからです。
そこで,刑事弁護士は,検察官や裁判官に対して,窃盗・詐欺事件の被疑者の方は逃亡したし,証拠を隠滅したりしないと訴えていくことになります。
例えば,前者については,窃盗・詐欺事件の被疑者の方は定職を持っていること,家族がいること,持ち家があること,逃亡の資金がないこと,身元引受人の監視監督が約束できること,窃盗・詐欺事件の容疑を認めていることなどを主張できると考えられます。
また,後者については,窃盗・詐欺事件の証拠品は既に押収されていること,捜査が進んでおり調書の作成も済んでいること,身元引受人の監視監督が約束できること,窃盗・詐欺事件の容疑を認めていることなどを主張できると考えられます。
刑事弁護士の働きかけにより,検察官や裁判官が,窃盗・詐欺事件に被疑者の方は逃亡したり,窃盗・詐欺事件の証拠を隠滅したりしないと考えさせることができれば,すみやかに身体拘束から解放され,通常の社会生活に復帰することができるようになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
預金通帳の窃盗・詐欺事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
現金を振り込ませた詐欺事件
現金を振り込ませた詐欺事件
現金を振り込ませた詐欺事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,神奈川県横浜市青葉区に住むVさんを騙し,Aさんの口座に現金100万円を振り込ませ,その現金を引き出しました。
Aさんは,後日,Aさんの詐欺行為を知ったVさんから「刑事事件として神奈川県青葉警察署に訴える」と言われました。
Aさんは,自分は何罪を犯し,今後どのような刑事罰を科されるのかと心配しています。
(フィクションです。)
【詐欺罪が成立する可能性があります】
刑法246条
1項:人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2項:前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。
欺罔行為により,被害者の方を錯誤に陥らせ,被害者の方が交付した財物を受領した場合,詐欺罪(刑法246条1項)が成立します。
詐欺罪(刑法246条1項)の欺罔行為とは,欺罔行為がなければ財物を交付しなかったであろうような重要な事実を偽って,被害者の方の錯誤を起こさせる行為のことをいいます。
詐欺罪(刑法246条1項)を犯した場合,刑事罰として10年以下の懲役刑が科されます。
また,欺罔行為により,被害者の方を錯誤に陥らせ,被害者の方が処分した財産上の利益を不法に取得した場合,詐欺利得罪(刑法246条2項)が成立します。
詐欺利得罪(刑法246条2項)の財産上の利益とは,財物以外の財産的利益のことをいい,具体例としては債権の取得,債務の免除,支払いの猶予などが挙げられます。
詐欺利得罪(刑法246条2項)を犯した場合,刑事罰として10年以下の懲役刑が科されます。
【刑事事件例と詐欺罪,詐欺利得罪】
刑事事件例では,Aさんが現金100万円を自己名義の預金口座に振り込ませた場合,Aさんは現金100万円という財物を取得したと同視できます。
この場合,Aさんは欺罔行為により,Vさんを錯誤に陥らせ,Vさんが交付した現金100万円という財物を受領したとして,詐欺罪(刑法236条1項)が成立すると考えられます。
なお,別の考え方として,刑事事件例では,Aさんが現金100万円を自己名義の預金口座に振り込ませた場合,Aさんは消費寄託契約に基づく預金払戻請求権を取得したと考えることもできます。
この場合,Aさんは欺罔行為により,Vさんを錯誤に陥らせ,消費寄託契約に基づく預金払戻請求権という財産上の利益を不法に取得したとして,詐欺利得罪(刑法236条2項)が成立すると考えることもできます。
ただし,詐欺罪(刑法236条1項)と詐欺利得罪(刑法236条2項)の刑事罰は,いずれにせよ10年以下の懲役刑であることには変わりません。
【現金を振り込ませた詐欺事件で刑事弁護士を入れる】
現金を振り込ませた詐欺事件を起こし,「重い10年以下の懲役刑を科されることを避けたい」,「何とか被害者の方と穏便に話を進めたい」とお考えの場合,刑事弁護士を入れることをお薦めします。
刑事弁護士は,選任後,速やかに詐欺事件の被害者の方と連絡を取って,被害者の方と示談をまとめられるよう交渉をしていきます。
刑事事件例の示談交渉は,刑事事件の被害者の方の感情を慮って,慎重に行う必要があります。
なかには,一言一句,発言を慎重に選ぶ必要がある刑事事件もあり,示談交渉は刑事事件に強い刑事弁護士に任せることが大切です。
この詐欺事件の示談が上手くいけば,刑事事件例のような詐欺事件が発覚する前の刑事事件例であれば,警察が介入することなく穏便に刑事事件を終結させることができる可能性があります。
また,詐欺事件で警察に訴えられ,警察が介入してしまった場合,その後の刑事手続や刑事裁判で重い10年以下の懲役刑が科されることがないように,既に述べた示談交渉を含めて,検察官や裁判官に対して,刑事処分や判決を軽くするように説得していきます。
この刑事弁護活動も,法律や刑事事件の実務に詳しい刑事弁護士にしかなせないものであるため,刑事事件に強い刑事弁護士を選んで,最適な刑事弁護活動を行ってもらうことをお薦めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
現金を振り込ませた詐欺事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
神奈川県横須賀市の万引き事件
神奈川県横須賀市の万引き事件
神奈川県横須賀市の万引き事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【刑事事件例】
神奈川県横須賀市に住むAさんは、これまで犯罪に当たる行為をしたことがなく普通に生活していました。
ある日、Aさんは、同市内にあるドラッグストアにおいて、5000円の化粧品1つを、一時の気迷いでカバンの中に入れて、レジを通さずに店の外に出ようとしました。
このとき、店の出入口の防犯ゲートが作動したことで、Aさんは駆け付けた店員にバックヤードに連れていかれました。
そのまま、店員の通報を受けた横須賀警察署の警察官がドラッグストアに到着し、Aさんは横須賀警察署で,窃盗罪の容疑で事情聴取を受けました。
事情聴取の後、Aさんの夫がAさんを迎えに来て、Aさんは帰宅することになりました。
(この刑事事件例はフィクションです)
【窃盗(万引き)事件が警察に発覚した場合】
刑事訴訟法 第246条本文
司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。
刑事事件例のように、万引き事件(窃盗事件)などの刑事事件が警察に発覚した場合、警察による捜査が開始されることになります。
警察が万引き事件(窃盗事件)などの刑事事件の捜査をした場合には、刑事訴訟法246条本文に記載されているとおり、警察は、万引き事件(窃盗事件)などの刑事事件を検察官に引き継がなければなりません。
この警察から検察官に万引き事件(窃盗事件)などの刑事事件が引き継がれることを、警察から検察に刑事事件を「送致」すると表現されます。
検察官は、送致された万引き事件(窃盗事件)などの刑事事件について、起訴をするかどうかの決定をしなければなりません。
通常、万引き事件(窃盗事件)など刑事事件はこのような流れで進むことになります。
刑事訴訟法 第246条但書
但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。
しかし、刑事事件の中には、上記のように検察官に送致されずに、刑事事件が警察限りで終了することがあります。
それが、刑事訴訟法246条の但書に記載されている、微罪処分というものです。
【微罪処分とは】
微罪処分とは、あらかじめ検察官が指定する極めて軽微で、検察官に刑事事件を送致する手続をとる必要がない刑事事件については、刑事事件を検察官に送致することなく、警察限りで刑事手続を終了させることを言います。
どのような刑事事件が微罪処分になるのかについては、被害金額が特に少ない窃盗、詐欺、横領事件、盗品等に関する罪の刑事事件、賭博事件などで、被疑者が逮捕されておらず、告訴・告発・自首をしていない刑事事件などとされています。
刑事事件例について説明すると、刑事事件例のAさんの行為は、いわゆる「万引き」と呼ばれるもので、刑法235条に定める窃盗罪にあたると言えるでしょう。
Aさんが万引き事件(窃盗事件)を起こしたのは,今回が初めてではありますが、盗んだ化粧品は5000円ということで、万引き事件(窃盗事件)の被害金額が極めて軽微なものかは微妙なところと言えます。
従って、刑事事件例で挙げられた事情からは、Aさんの万引き事件(窃盗事件)が微罪処分になるかについては、断定的なことを言うことができません。
そのため、万引き事件(窃盗事件)を起こした経緯や態様,被害弁償(買い取り弁償)の有無、警察官の言動など、万引き事件(窃盗事件)に関する様々な事情を刑事弁護人に相談してみて、刑事弁護人の判断を仰ぐというのが良いでしょう。
【窃盗(万引き)事件でお困りの方は】
一時の気迷いで万引き事件(窃盗事件)を起こしてしまい、これから自身がどうなるのか不安な方は、いち早く、万引き事件(窃盗事件)を始めとした刑事事件に精通した刑事弁護人に相談されることをお勧めします。
刑事事件に精通した刑事弁護人に相談することにより、万引き事件(窃盗事件)により逮捕されるのかされないのか、逮捕されない場合、自身の万引き事件(窃盗事件)が検察官に送致されるのか、あるいは警察限りで万引き事件(窃盗事件)が終了する微罪処分となるのかなどといった、万引き事件(窃盗事件)の見通しについて知ることができるでしょう。
これによって、自身の万引き事件(窃盗事件)について漠然と抱えている不安を解消することが期待できるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、万引き事件(窃盗事件)を始めとした刑事事件に精通した刑事弁護人が在籍しております。
万引き事件を起こしてしまい、刑事事件の見通しを知りたい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部まで、ぜひ一度ご相談ください。
共犯事件で共謀の存否を争う
共犯事件で共謀の存否を争う
共犯事件で共謀の存否を争う場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,強盗事件の共犯者として,神奈川県都築警察署により,強盗罪の共犯(共謀共同正犯)の容疑で逮捕されてしまいました。
しかし,Aさんは,「実際に強盗を行ったのは友人のBやCであり,自分はただBとCに頼まれたから,BとCの強盗を手伝ってやっただけだ」と主張しています。
(刑事事件例はフィクションです。)
【共犯の種類について】
共犯とは,2人以上で犯罪を行うことをいいます。
この共犯には,実行共同正犯(刑法60条),共謀共同正犯(刑法60条),教唆犯(刑法61条),幇助犯(刑法62条)の4種類あります。
刑法60条(実行共同正犯,共謀共謀正犯)
2人以上共同して犯罪を実行した者は,すべて正犯とする。
①実行共同正犯とは,共犯者が共謀を行い,ここでできた計画や役割の割振りに従って,共犯者全員がそれぞれ犯罪の一部を分担して実行することをいいます。
②共謀共同正犯とは,共犯者が共謀を行い,ここでできた計画や役割の割振りに従って,共犯者の一部が犯罪を実行することをいいます。
実行共同正犯,又は共謀共同正犯を犯した場合,たとえ犯罪の一部しか分担していない,又は,謀議にしか加わっていないとしても,他の共犯者の行った行為によって生じた結果についても連帯責任を負うことになります。
刑法61条1項(教唆犯)
人を教唆して犯罪を実行させた者には,正犯の刑を科する。
③教唆犯とは,他人をそそのかし,その他人に犯罪を犯すことを決心させ,犯罪を実行させることをいいます。
教唆犯を犯した場合,そそのかした他人が犯した犯罪の分だけ,教唆犯人も責任を負うことになります。
刑法62条1項(幇助犯)
正犯を幇助した者は,従犯とする。
④幇助犯とは,他人の犯罪の実行を援助し,容易に犯罪を実行させることをいいます。
幇助犯を犯した場合,援助した他人が犯した犯罪の刑を減軽した分だけ,幇助犯人も責任を負うことになります。
【共謀共同正犯について】
以下では,上記の共犯の種類のうち,②の共謀共同正犯という種類について解説します。
最高裁判所大法廷判決昭和33年5月28日
共同共謀正犯が成立するためには,2人以上の者が,特定の犯罪を行うため,共同意思の下に一体となってお互いに他人の行為を利用し,各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議をなし,よって犯罪を実行した事実が認められなければならない。
共同共謀正犯(共犯)の成立要件は,①共謀と,②その共謀に基づき,共犯者の一部の者が犯罪行為を行ったことです。
共謀共同正犯(共犯)の成立要件である①共謀とは,最高裁判所の判決が示す通り,「2人以上の者が,特定の犯罪を行うため,共同意思の下に一体となってお互いに他人の行為を利用し,各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議」のことをいいます。
より具体的には,特定の犯罪を自分の犯罪として実現させようという意識と,お互いの行為を利用し補い合う旨の意思の連絡があれば,共謀共同正犯(共犯)の成立要件である共謀が認定できると考えられています。
【共謀の存否を争う場合について】
刑事事件例のように,犯罪に加担したことは認めるが,それは自らの犯罪を実現しようとしていたわけではなく,単に他人の犯罪の実現を援助しようとしていただけだと主張する場合,共謀共同正犯(共犯)の共謀の存否を争うことになります。
もし,共謀共同正犯(共犯)の共謀が認定できなければ,犯罪行為を行わなかった共犯者は,共謀共同正犯(共犯)ではなく,幇助犯として扱われることになると考えられます。
共謀共同正犯(共犯)の共謀の存否を争う場合,重要となるポイントは,
・犯罪の実現に利害関係があったどうか,具体的には,財産の利益の分配を受けたかどうか
・謀議の結果,共犯者自らが犯罪を犯すことになった可能性はあったかどうか
・他の共犯者との関係はどのようなものであったか
などであり,このようなさまざまな事実から,共謀共同正犯(共犯)の共謀がなかったということを推理して認定していくことになると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
共犯事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
息子が放火事件で逮捕,少年院行きを回避できた理由
息子が放火事件で逮捕,少年院行きを回避できた理由
息子が放火事件で逮捕,少年院行きを回避できた理由について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさん(15歳)は,神奈川県川崎市宮前区で,空き家(Vさん所有)に火が燃え広がる危険を知りながら,近くの枯れ草などにライターを使って放火したとして,神奈川県宮前警察署の警察官により,非現住建造物等放火罪(放火)の容疑で逮捕されました。
Aさんは,神奈川県宮前警察署の警察官による取調べに対して,「火遊びが好きだった。面白半分だった。」と供述しました。
息子が放火事件で逮捕されたと連絡を受けたAさんの両親は,何とか少年院行きを回避できないかと,弁護士に刑事弁護(少年付添)活動を依頼しようと考えています。
(刑事事件例は2021年10月7日にCBCテレビに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【なぜ少年院行きを回避すべきか】
少年審判で下される処分は,⑴審判不開始,⑵不処分,⑶保護処分,⑷検察官送致,⑸都道府県知事または児童相談所所長送致の5種類があります。
そして,少年審判で下される処分の一つである⑶保護処分には,①保護観察,②児童自立支援施設または児童養護施設送致,③少年院送致の3種類があります。
このうち,一番重い処分ともいえる少年院送致とは,原則的に外出や外泊ができない閉鎖施設である少年院に収容する処分のことをいいます。
少年院では,少年に規律のある生活を送らせるために,矯正教育が行われることになります。
少年院に収容されると,学校には通えず,また,家族とも自由に会えないことになります。
そして,その少年院に収容される期間も,少年が起こした少年事件が重大であったり,少年が抱えている問題が大きかったりすると,長い場合には2年以上も収容されてしまう可能性があります。
そこで,少年が少年事件を起こした場合には,少年院送致を避けられるよう,弁護士を雇って,少年付添活動を行ってもらうことが重要となります。
【少年院行きを回避できた理由】
弁護士が,少年事件を起こした少年のご家族に雇われて,少年付添人として活動した場合,少年院行きを回避できる可能性があります。
そもそも,少年審判で問題とされるのは,少年の性格や生活環境からして,将来再び非行を起こす可能性があるか,少年院への収容などの保護処分によって少年を矯正していくのが適切かといったことです。
そこで,少年院行きを回避するためには,少年の性格や生活環境を改め,将来再び非行を起こすことがないようにしていくこと,少年院への収容などではなく社会生活の中で更生できるということを示していかなければなりません。
弊所でお受けした様々な少年事件のうち,少年院行きを回避できた少年事件を分析すると,少年院行きを回避できた理由には以下のようなものがありました。
①少年に謝罪の気持ちを持たせました
弁護士が少年自身やご家族,家庭裁判所の調査官などとの話し合いを通して,少年に謝罪の気持ちを持たせたることで,しっかりと反省をさせ,将来再び非行を起こすことがないように少年の性格を改善させました
②被害者の方に謝罪し,被害弁償をしました
弁護士を通して,被害者の方に心から謝罪をし,相当な被害弁償をすることで,少年が反省していることを形として残しました。
③家庭環境を改善させました
少年が非行を起こしてしまうのは,家庭環境に原因があることが多々あるため,弁護士が少年自身やご家族,家庭裁判所の調査官などとの話し合いを通して,少年の家庭環境を改善させ,社会生活の中で更生できるということを示しました。
④学校に協力してもらいました
弁護士の働きかけにより,学校に協力してもらい,少年が学校生活の中で更生できるということを示しました。
⑤交友関係を見直してもらいました
少年が非行を起こしてしまうのは,交友関係に原因があることが多々あるため,弁護士が少年自身やご家族,家庭裁判所の調査官などとの話し合いを通して,将来再び非行を起こすことがないように少年の交友関係を見直させました。
このように少年院行きを回避できた理由には,少年とご家族の間を取り持ち,ともに少年の更生を目指すことができる弁護士の役割が大きいといっても過言ではありません。
息子が放火事件を起こした場合で,少年院行きを回避したいというときは,まずは弁護士に相談してみるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
息子が放火事件で逮捕,少年院行きを回避できた理由について,詳しいお話を聞きたいという場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
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空き巣の事後強盗・強盗予備事件
空き巣の事後強盗・強盗予備事件
空き巣の事後強盗・強盗予備事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,金銭的に困窮していたことから,神奈川県川崎市幸区でも有名なお金持ちであるVさんの住宅に空き巣に入ることを計画しました。
Aさんは,Vさんに見つかってしまった場合には,持参した包丁で脅して逮捕を逃れようと考えていました。
空き巣に入ろうと計画していた当日,AさんがVさん宅の周辺を事前に調査していたところ,たまたま通りかかったか神奈川県幸警察署の警察官に声を掛けられてしまいました。
怖くなったAさんは,その場でVさんの住宅に空き巣に入ろうとしていたこと,また,念のために包丁を持参していたことを自白しました。
この場合,Aさんにはどのような犯罪が成立するのでしょうか。
(刑事事件例はフィクションです。)
【事後強盗罪・強盗予備罪とは何か】
刑法238条
窃盗が,財物を得てこれを取り返されることを防ぎ,逮捕を免れ,又は罪跡を隠滅するために,暴行又は脅迫をしたときは,強盗として論ずる。
刑法237条
強盗の罪を犯す目的で,その予備をした者は,2年以下の懲役に処する。
刑法238条は事後強盗罪を,刑法237条は強盗予備罪を規定しています。
この記事を閲覧してくださっている方は,強盗罪はご存じかと思います。
それでは,事後強盗罪や強盗予備罪は,強盗罪とはどのような点が異なるのでしょうか。
また,刑事事件例のAさんには,結局何罪が成立するのでしょうか。
【事後強盗罪について】
事後強盗罪は,窃盗犯人が,①財物を得てこれを取り返されることを防ぐ目的,②逮捕を免れる目的,又は③罪跡を隠滅する目的で,暴行又は脅迫をした場合に成立します。
ここで,事後強盗罪は,手段として「暴行又は脅迫」が用いられているという点については,通常の強盗罪と違いはありません。
この手段として「暴行又は脅迫」が用いられていることに注目して,事後強盗罪は「強盗として論」じられています。
【強盗予備罪について】
強盗予備罪とは,強盗罪の危険性,反社会性の大きさを考慮して,予備行為,つまり強盗罪の準備行為を処罰するために規定された犯罪です。
強盗予備罪は,強盗罪の準備行為をした場合に成立しますが,具体的には,強盗の決意を外部的に表現するような行為をした場合に成立します。
強盗予備罪に該当し得る行為としては,強盗に使用する包丁,ナイフ等を携えて徘徊する行為等が考えられます。
ここで,既に述べた通り,事後強盗罪は,手段として「暴行又は脅迫」が用いられていることから,「強盗として論じる」とされています。
そのため,事後強盗罪を犯す目的も,強盗予備罪のいう「強盗の罪を犯す目的」に含まれると考えられます。
とすれば,事後強盗罪を犯す目的で,その予備行為をした者には,強盗予備罪が成立すると考えられます。
以上より,刑事事件例のAさんには,強盗予備罪が成立すると考えられます。
【強盗予備事件を起こしてしまったら】
以上の検討では,強盗予備罪の成立可否を検討しましたが,事後強盗罪の他にも,Aさんには銃刀法違反の罪が成立する可能性もあります。
このように,自分の行為にどのような犯罪が成立するのか直感的には分からない場合や,一つの行為に複数の犯罪が成立する場合がよく見られるため,一般の方にとっては,刑事事件についてよくわからず,大変困惑してしまうことも多いでしょう。
このような場合には,精神的な負担を和らげるためにも,また,刑事事件の速やかな解決のためにも,刑事弁護士に相談したり,実際に刑事弁護士をつけたりすることをお薦めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
空き巣の事後強盗・強盗予備事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
神奈川県横浜市中区の置き配の窃盗事件
神奈川県横浜市中区の置き配の窃盗事件
神奈川県横浜市中区の置き配の窃盗事件について、あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
神奈川県横浜市中区にあるアパートの一室に居住しているAさんは、隣の部屋に居住しているVさん宛の荷物がVさんの居室の玄関前に届けられている(置き配されている)のを見つけました。
その際、AさんはVさんの荷物の伝票に「家電」と記載されていることに気が付きました。
お金に困っていたAさんは、Vさん宛の荷物を自分の居室の中に持ち運んだ上で、フリマサイトで転売し、その転売により得られた代金を自身の生活費に充てました。
数日後、神奈川県警察山手警察署からAさんのもとに、任意の取調べに応じるよう連絡がありました。
(この刑事事件例はフィクションです)
【窃盗罪とは】
刑法 235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法235条は窃盗罪について規定しています。
窃盗罪の成立要件については、大きく分けて2つの要件があると言えるでしょう。
窃盗罪の要件の1つ目は、窃盗罪の条文に記載されているもので、「他人の財物を窃取した」と言うものです。
窃盗罪の要件の2つ目は、窃盗罪の条文に記載されていないもので、「不法領得の意思」と言われる、窃盗罪を犯してしまった人の内心に関わる要件です。
以下で、詳しく説明します。
【窃盗罪の要件その1】
窃盗罪の1つ目の要件である「他人の財物を窃取した」とは、他人の占有している財物をその占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転させる行為のことを意味します。
なお、窃盗罪における占有とは、「人が財物を事実上支配し、管理している状態」のことを意味しています。
これを刑事事件例に即して説明します。
まず、Vさん宛の荷物は財物と言えます。
そして、Vさんの居室の玄関前に届けられた荷物については、Vさんが事実上支配し、管理している状態と評価される可能性があるので、Vさんの居室の玄関前に届けられた荷物は、Vさんが占有している財物であると判断される可能性があります。
さらに、Aさんは、Aさんが事実上管理、支配している自身の居室にVさんの荷物を移動させていることから、AさんはVさんの荷物をVさんの意思に反して自己の占有に移転させたと言えるでしょう。
従って、Aさんが、Vさんの居室の玄関前に届けられた荷物をAさんの居室の中に持ち運んだ行為は、窃盗罪の1つ目の要件である「他人の財物を窃取した」に当たると言えるでしょう。
【窃盗罪の要件その2】
窃盗罪の2つ目の要件である「不法領得の意思」とは、「権利者を排除して、他人の財物を自己の所有物として①権利者排除意思、その経済的用法に従い処分する意思(②利用処分意思)」のことを言います。
窃盗罪の①権利者排除意思とは、平たく言えば、他人の物を自分の物と同様に扱う意思のことをいいます。
窃盗罪において①権利者排除意思が必要とされる理由は、返還の意思がある財物の一時使用の場合を窃盗罪の処罰の対象から外すためです。
他人の財物の無断一時使用行為は、この行為により生じる被害が軽微であるため、窃盗罪は成立しません。
すなわち、権利者(財物の占有者)を排除する意思が認められる場合は、窃盗罪が成立する可能性があります。
反対に、権利者(財物の占有者)を排除する意思が認められない場合は、返還の意思がある財物の一時使用であるとして、窃盗罪は成立しません。
窃盗罪の①利用処分意思とは、具体的には、他人の物を、その物の本来の用途にかなった使い方をして、何らかの効用を受けることをいいます。
窃盗罪において②利用処分意思が必要とされる理由は、窃盗罪と器物損壊罪をはじめとする毀棄隠匿の罪とを区別するためです。
すなわち、利用処分意思が認められる場合は、窃盗罪が成立する可能性があります。
反対に、利用処分意思が認められない場合は、器物損壊罪をはじめとする毀棄隠匿の罪が成立することになります。
以上の①権利者排除意思と②利用処分意思の2つの意思が認められれば、窃盗罪における不法領得の意思が認められることになります。
これを刑事事件例に即して説明します。
まず、Aさんは、Vさん宛の荷物を返還する意思がなく、自身の居室の中に持ち運んでいるので、窃盗罪の不法領得のうち、①権利者排除意思は認められると言って良いでしょう。
さらに、Aさんは、Vさん宛の荷物を転売し、その売却代金を自身の生活費に充てていることから、窃盗罪の不法領得の意思のうち、②利用処分意思も認められると言って良いでしょう。
従って、Aさんには、窃盗罪の2つ目の要件である「不法領得の意思」が認められると言えるでしょう。
以上より、Aさんは窃盗罪の罪に問われる可能性があります。
【窃盗罪についてお悩みの方は】
刑事事件例のAさんのように、窃盗罪について警察から取調べが予定されている場合、まずは窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人に相談することをお勧めします。
警察で窃盗罪について取調べを受ける前に、窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人に相談しておくことで、警察での窃盗罪についての取調べに関する疑問や不安を事前に解消することが期待できます。
また、窃盗罪の被害に遭われてしまった方に対して窃盗罪の被害の弁償を考えている場合にも、窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人に相談することをお勧めします。
窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した刑事弁護人を通して、いち早く窃盗罪の被害の弁償をし、窃盗罪の被害に遭われてしまった方と窃盗罪について示談を成立させることによって、早期に窃盗罪の刑事事件を終結させることが期待できます。
あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、窃盗罪の刑事事件をはじめとした刑事事件の刑事弁護に精通した刑事弁護人が在籍しております。
神奈川県横浜市中区で、置き配の窃盗事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。
スーパー銭湯での窃盗事件
スーパー銭湯での窃盗事件
スーパー銭湯での窃盗事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは,よく通っているスーパー銭湯の休憩所で,一人の男性(Vさん)が仰向けで仮眠をとっているのを目撃しました。
Aさんは,Vさんが「寝ている間ならよいチャンスだ」と思い,Vさんの胸の上に置いてあった財布(3万円が入っていました)を無断で持ち去りました。
数日後,いつものようにスーパー銭湯に来てみると,神奈川県座間警察署の警察官に声を掛けられ,「どうして声を掛けられたか,分かるよね」と言われました。
Aさんは観念し,窃盗事件を起こしたことを認めました。
その後,神奈川県座間警察署で取調べを受け,神奈川県座間警察署の警察官からは,「数週間以内にまた連絡する」と言われました。
Aさんは,この後,どうなってしまうのでしょうか。
(2021年7月21日に神戸新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【窃盗罪とは】
刑事事件例のAさんは,神奈川県座間警察署の警察官により取調べを受けた際,窃盗罪の容疑であることを告げられたと思います。
そこで,以下では,窃盗罪とはどのような犯罪なのかを再確認してみます。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪は,「他人の財物」を「窃取」した場合に成立します。
刑事事件例のように,窃盗事件の被害者の方が寝ていたという場合も,窃盗事件の被害者の方は財布を事実上支配していたと考えられますので,刑事事件例の被害品である財布が窃盗罪の「他人の財物」に当たることは間違いないでしょう。
また,刑事事件例では,Aさんは,Vさんに無断で財布を持ち去っているので,窃盗罪の「窃取」があったといえるでしょう。
以上から,Aさんには窃盗罪が成立すると考えられるため,神奈川県座間警察署の警察官からは窃盗罪の容疑であることを告げられたのだと考えられます。
【窃盗事件が発覚してしまったら】
Aさんは,神奈川県座間警察署で窃盗罪の容疑で取調べを受け,神奈川県座間警察署の警察官からは,「数週間以内にまた連絡する」と言われました。
この後,Aさんは,数回神奈川県座間警察署の警察官により窃盗罪の容疑での取調べを受けることが予想されます。
続いて,Aさんが起こしてしまった窃盗事件の担当者が検察官に代わります。
この手続きは,報道等では「書類送検」と呼ばれます。
書類送検の後は,窃盗事件を担当する検察官による数度の取調べを受けることが予想されます。
以上の警察官による取調べ,検察官による取調べがどのくらい長く続くのか,何度行われるのかといった問題は,窃盗事件の具体的な中身によって左右されますが,身柄事件(逮捕され,留置施設に収容される事件)と比較して,長期にわたることが見込まれます。
長期間にわたり,かつ何度も行われることが考えられる窃盗事件の取調べは,窃盗事件の被疑者となってしまった一般の方にとって,精神的に大きな負担となる可能性があります。
窃盗事件が発覚してしまったら,刑事弁護士に無料法律相談をして,お悩みをお話してみてはいかがでしょうか。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
スーパー銭湯での窃盗事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。