Archive for the ‘刑事事件’ Category

中学校教師によるトイレ盗撮事件

2021-08-24

中学校教師によるトイレ盗撮事件

中学校教師によるトイレ盗撮事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは神奈川県伊勢原市の中学校に勤務する先生でした。
神奈川県伊勢原市の中学校の女性用トイレに,盗撮する目的で録画された状態の小型カメラを設置したとして,神奈川県迷惑行為防止条例違反盗撮)の容疑で逮捕されました。
トイレ内に小型カメラが落ちているのを発見した学校側が神奈川県伊勢原警察署に通報したといいます。
なお,小型カメラは設置状況から対象者の撮影ができなかったといいます。
Aさんは,神奈川県伊勢原警察署の警察官による神奈川県迷惑行為防止条例違反盗撮)の容疑での取調べに対して,「間違いありません」と容疑を認めています。
(フィクションです。)

【カメラを設置しただけでも法律違反になる】

神奈川県迷惑行為防止条例3条2項
何人も,人を著しく羞恥させ,若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見,又は,正当な理由がないのに,衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見,若しくはその映像を記録する目的で,写真機等を設置し,若しくは人に向けてはならない。

神奈川県迷惑行為防止条例8条4項
次の各号のいずれかに該当する者は,50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
1号:第3条の規定に違反した者

神奈川県迷惑行為防止条例3条2項は,「人が通常衣服等の全部もしくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態」「の映像を記録する目的で,写真機等を設置」する行為を禁止しています。
これらの行為は盗撮行為として,神奈川県迷惑行為防止条例違反(法律違反)となります。
盗撮行為は「人が通常衣服等の全部もしくは一部を着けないでいるような場所」で行われることが成立要件となっております。

神奈川県迷惑行為防止条例3条2項では,写真機等を「設置」する行為を禁止しています。
写真機での撮影が完了することによって神奈川県迷惑行為防止条例違反(法律違反)となるわけではなく,その前段階としての写真機の設置で神奈川県迷惑行為防止条例違反(法律違反)となってしまうことに注意が必要です。

【軽犯罪法違反との違いとは】

軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は,これを拘留又は科料に処する。
23号:正当な理由がなくて人の住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

本記事をご覧になっている方には,盗撮行為は軽犯罪法違反になると聞いたことがある方がいると思います。
それでは,神奈川県迷惑行為防止条例違反と軽犯罪法違反の違いは何でしょう。

軽犯罪法も「その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」を「ひそかにのぞき見」る行為を禁止しています。
この軽犯罪法違反となる「ひそかにのぞき見」る行為には,カメラを設置して盗撮する行為は含まれます。

そして,軽犯罪法違反となるのは,「その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」での盗撮行為が禁止されています。
この軽犯罪法違反の成立要件である「その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」と,神奈川県迷惑行為防止条例違反の成立要件である「人が通常衣服等の全部もしくは一部を着けないでいるような場所」はほとんど同義です。

とすると,刑事事件例のような盗撮事件の被疑者の方には,すでに述べた神奈川県迷惑行為防止条例違反の罪と,軽犯罪法違反の罪が成立すると考えられます。
これらの神奈川県迷惑行為防止条例違反の罪と軽犯罪法違反の罪が成立する場合,刑罰としては,重い方,具体的には神奈川県迷惑行為防止条例違反の罪としての「50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科されると考えられています。
この事情を考慮して,神奈川県伊勢原警察署の警察官はAさんを神奈川県迷惑行為防止条例違反の容疑で逮捕したのだと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
中学校教師によるトイレ盗撮事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください(フリーダイヤルは0120-631-881です)。

少年の道路交通法違反(無免許運転)

2021-08-20

少年の道路交通法違反(無免許運転)

少年の道路交通法違反無免許運転)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは神奈川県三浦市内の高等学校に通う女子高校生です。
Aさんは,同区内のJR三浦海岸駅付近の路上において,無免許で原付を運転したとして,道路交通法違反無免許運転)で現行犯逮捕されました。
神奈川県三浦警察署の警察官によると,Aさんがバイクに乗っているときに,付近の住民から「バイクが走り回っている」と110番通報があり,駆け付けた警察官がヘルメットを着けずに単独で原付を運転するAさんを発見したといいます。
(フィクションです。)

【道路交通法違反(無免許運転)の刑事罰とは】

無免許運転が法律違反であることは,運転免許を取得した人は当然,運転免許を取得していない人であっても知っている常識です。
しかし,無免許運転をした場合,どのような刑事罰が科されるのかを知っている人は少ないでしょう。
無免許運転をした場合,どのような刑事罰が科されるのか,以下解説します。

道路交通法64条
何人も,第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで…,自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
①法令の規定による運転の免許を受けている者…でなければ運転…することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)…運転した者

道路交通法では,道路交通法64条によって無免許運転が禁止されています。
また,道路交通法117条の2の2により無免許運転をした場合の刑事罰が規定されています。
すなわち,無免許運転をした者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金という刑事罰が科されることになっています。

【道路交通法違反事件(無免許運転)を起こした場合】

道路交通法違反事件無免許運転)を起こした場合,刑事弁護士をつけて,成人の刑事事件であれば,不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得を目指しましょう。
未成年の少年事件であれば,不起訴処分や,審判不開始,保護観察処分など,寛大な処分の獲得を目指しましょう。

道路交通法違反事件無免許運転)の場合,刑事事件の被疑者・被告人の方,少年事件の少年の方が,今後,道路交通法を含む交通ルールを遵守することができるか,規範意識があるのかといったことが重要となります。
特に,刑事事件例のAさんのようにヘルメットを着けずに単独で原付を運転し,付近の住民から「バイクが走り回っている」との110番通報を受けてしまっている場合,今回の刑事事件少年事件で交通ルールを守ることを約束させ,今後の更生可能性を十分示すことが非常に重要になってくるでしょう。
刑事弁護士(少年付添人)を通して交通ルールへの理解,意識を高め,少年が更生できるようにしていくことが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
少年の道路交通法違反事件無免許運転)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

出張先での痴漢事件

2021-08-17

出張先での痴漢事件

出張先での痴漢事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県平塚市に住むAさんは,会社の出張で東京都にいました。
Aさんは,「県外で痴漢行為をするなら,ばれないだろう」と考え,東京都内を走行中の列車内で,10代の女性(Vさん)の脚を触るわいせつな行為をしました。
すると,Vさんは,駅員にAさんの痴漢行為を告げ,警視庁の警察官が臨場しました。
その後,Aさんは,警視庁の警察官に指示にしたがって,東京都内の警察署にて事情聴取をされました。
なお,この際,逮捕状を示されたり,逮捕する旨が告げられたりすることはありませんでした。
その後,Aさんは自宅に帰されましたが,「自分は逮捕されてしまったのだろうか。この後,自分はどうなるのだろうか。」と心配になり,刑事弁護士を付けることを考えています。
(2021年7月29日にBSS山陰放送に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【出張先で痴漢事件を起こした場合①】

出張先で痴漢事件を起こした場合,痴漢事件の被疑者の方はどうなってしまうのでしょうか。
刑事事件例の出張先での痴漢事件では,痴漢事件の被疑者の方は,警察署で取調べを受けた後,自宅に帰されています。
この場合,痴漢事件の被疑者の方は,未だ逮捕はされていないと考えられます。

一般の方は,警察に取調べを受けてしまうと,「逮捕されてしまった」と考えてしまうかもしれません。
しかし,警察により逮捕がなされる場合は,逮捕状を示され,逮捕する旨が告げられるのが通常です。
よって,刑事事件例の出張先での痴漢事件では,痴漢事件の被疑者の方は,未だ逮捕はされていないと考えられます。
すなわち,刑事事件例の出張先での痴漢事件では,痴漢事件の被疑者の方は,任意の取調べとして,警察に話を聞かれたのでしょう。

【出張先で痴漢事件を起こした場合②】

Aさんは,その後自宅に帰されていますが,この後は,神奈川県内の警察署に出張としてきた警察官により,同県内の警察署にて,取調べが行われることが考えられます。

このような在宅事件(逮捕がなされていない刑事事件)では,たとえ逮捕がなされていないとしても,それで無罪放免というわけにはいかず,誠実に警察官・検察官による取調べを受け,反省の態度をしっかりみせるなどの適切な対応を取らなければ,起訴されて,有罪となってしまう可能性が残っています。
これは,逮捕そのものは,有罪となった犯罪者に対する刑罰ではなく,あくまで有罪となる可能性のある被疑者の方が逃亡や証拠隠滅行為をしないようにするための手続きであるからです。
逮捕を免れたからといって,無罪となるわけではないことに注意が必要なのです。

そこで,刑事事件例の出張先での痴漢事件では,痴漢事件の被疑者の方は,警察署で取調べを受けた後,自宅に帰された場合,さらなる取調べが行われる前に刑事弁護士を選任して,取調べの応対準備をしておくことが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
出張先での痴漢事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

神奈川県藤澤市の準強制わいせつ事件

2021-08-10

神奈川県藤澤市の準強制わいせつ事件

神奈川県藤澤市の準強制わいせつ事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,深夜,神奈川県藤澤市の駐車場で,停まっていた車に乗り込み,車内で眠っていたVさん(20代女性)の体を触るなどわいせつな行為をしました。
その後,AさんはVさんに通報されてしまい,駆け付けた神奈川県藤澤警察署の警察官により準強制わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(2021年7月27日にMRT宮崎放送に記載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【準強制わいせつ罪とは】

刑法178条1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,わいせつな行為をした者は,第176条の例による。

準強制わいせつ罪は,準強制わいせつ事件の被害者の方の「心神喪失」もしくは「抗拒不能」状態を利用して,「わいせつな行為」をした場合に成立する性犯罪です。

準強制わいせつ罪の「心神喪失」とは,失神や睡眠,泥酔などにより,自分が性的自由を侵されていることを認識していない状態のことをいいます。
準強制わいせつ罪の「抗拒不能」とは,手足の束縛や酩酊,極度の畏怖などにより,自分が性的自由を侵されていることを認識してはいるが,物理的・心理的に手機構が著しく困難な状態のことをいいます。

刑事事件例のVさんは眠っていたため,刑事事件例では,準強制わいせつ罪の「心神喪失」に当たるでしょう。

準強制わいせつ罪の「わいせつな行為」とは,準強制わいせつ事件の被害者の方の性的羞恥心を害する行為をいいます。
刑事事件例の胸を触る行為などは,準強制わいせつ罪の「わいせつな行為」の典型例です。

準強制わいせつ事件について「第176条の例による」とは,刑法176条に書かれている刑罰が科されるという意味です。

刑法176条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。

つまり,準強制わいせつ罪を犯した者には,「6月以上10年以下の懲役」が科されることになります。

【準強制わいせつ事件を起こしたら】

準強制わいせつ事件を起こしてしまった場合,「6月以上10年以下の懲役」という重い刑を回避するために,刑事弁護士選任することをおすすめします。
刑事弁護士を選任し,刑事裁判において,情状酌量を求めるための法定弁護活動を行うことができれば,刑の執行猶予や減刑を受けることができる可能性があります。

法定弁護活動では,準強制わいせつ事件の被疑者・被告人の方のご家族の方に協力を仰ぎ,情状証人として,今後の監督方法などについてお話いただきます。
また,準強制わいせつ事件の被疑者・被告人の方自身にも,今後の更生などについてお話いただきます。
証言台でお話いただく場合は,内容についての刑事弁護士との綿密な打合せや練習を経て,落ち着いて法廷でお話ができるよう,準備していきます。

法廷でしっかりとした情状証言や被告人質問への応答ができれば,裁判所が情状を汲み取り,刑の執行猶予や減刑を受けることができる可能性があるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
神奈川県藤澤市の準強制わいせつ事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

公務員による傷害事件

2021-08-06

公務員による傷害事件

公務員による傷害事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県厚木市の市役所職員であるAさんは,同市内の近所に住むVさんの頭を鉄パイプで殴り,怪我をさせたとして,傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,通報により駆け付けた神奈川県厚木警察署の警察官により傷害罪の容疑で現行犯逮捕され,取調べに対して傷害罪の容疑を認めています。
(2021年7月26日にNBC長崎放送に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【傷害罪と刑事罰】

人の身体を「傷害」,すなわち人の生理機能を障害した者には,傷害罪が成立します。

刑法204条
人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪を犯した場合,その者には「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されます。

【公務員の欠格事由と傷害罪】

地方公務員法16条
次の各号のいずれかに該当する者は,条例で定める場合を除くほか,職員となり,又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
①禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

地方公務員法16条では,「禁錮以上の刑に処せられ」た場合,公務員として勤務することができなくなってしまうこと,すなわち欠格事由が規定されています。

ここで,傷害罪の刑事罰は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるため,懲役刑であれば公務員の欠格事由に当たってしまうものの,罰金以下であれば公務員の欠格事由に当たらないことになります。

【公務員が傷害事件を起こしたら】

公務員が傷害事件を起こした場合,公務員の欠格事由に該当しないように,懲役刑を回避する必要があります。
また,仮に何等かの懲戒処分を受けたとしても,その後の社会生活のために,可能な限り刑事罰を受けることや前科が付くことは避けるべきです。

そこで,刑事弁護士を選任し,傷害事件で刑事罰を回避するために,不起訴処分を目指すことが大切です。
そして,不起訴処分を得るためには,刑事弁護士を介した傷害事件の被害者の方との示談が成立していることが大切です。

示談交渉には,刑事事件に関する専門的な知識と,傷害事件のような暴力事件を取り扱ったことのある豊富な経験が必要となります。
そこで,公務員が傷害事件を起こし,示談締結を目指す場合には,刑事事件に強い刑事弁護士を選任することが大切となってくるのです。

まずはお近くの刑事弁護士がいる法律事務所に法律相談をしてみることをお薦めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
公務員による傷害事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

スーパー銭湯での窃盗事件

2021-08-03

スーパー銭湯での窃盗事件

スーパー銭湯での窃盗事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,よく通っているスーパー銭湯の休憩所で,一人の男性(Vさん)が仰向けで仮眠をとっているのを目撃しました。
Aさんは,Vさんが「寝ている間ならよいチャンスだ」と思い,Vさんの胸の上に置いてあった財布(3万円が入っていました)を無断で持ち去りました。
数日後,いつものようにスーパー銭湯に来てみると,神奈川県座間警察署の警察官に声を掛けられ,「どうして声を掛けられたか,分かるよね」と言われました。
Aさんは観念し,窃盗事件を起こしたことを認めました。
その後,神奈川県座間警察署で取調べを受け,神奈川県座間警察署の警察官からは,「数週間以内にまた連絡する」と言われました。
Aさんは,この後,どうなってしまうのでしょうか。
(2021年7月21日に神戸新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【窃盗罪とは】

刑事事件例のAさんは,神奈川県座間警察署の警察官により取調べを受けた際,窃盗罪の容疑であることを告げられたと思います。
そこで,以下では,窃盗罪とはどのような犯罪なのかを再確認してみます。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は,「他人の財物」を「窃取」した場合に成立します。
刑事事件例のように,窃盗事件の被害者の方が寝ていたという場合も,窃盗事件の被害者の方は財布を事実上支配していたと考えられますので,刑事事件例の被害品である財布が窃盗罪の「他人の財物」に当たることは間違いないでしょう。
また,刑事事件例では,Aさんは,Vさんに無断で財布を持ち去っているので,窃盗罪の「窃取」があったといえるでしょう。

以上から,Aさんには窃盗罪が成立すると考えられるため,神奈川県座間警察署の警察官からは窃盗罪の容疑であることを告げられたのだと考えられます。

【窃盗事件が発覚してしまったら】

Aさんは,神奈川県座間警察署で窃盗罪の容疑で取調べを受け,神奈川県座間警察署の警察官からは,「数週間以内にまた連絡する」と言われました。
この後,Aさんは,数回神奈川県座間警察署の警察官により窃盗罪の容疑での取調べを受けることが予想されます。

続いて,Aさんが起こしてしまった窃盗事件の担当者が検察官に代わります。
この手続きは,報道等では「書類送検」と呼ばれます。
書類送検の後は,窃盗事件を担当する検察官による数度の取調べを受けることが予想されます。

以上の警察官による取調べ,検察官による取調べがどのくらい長く続くのか,何度行われるのかといった問題は,窃盗事件の具体的な中身によって左右されますが,身柄事件(逮捕され,留置施設に収容される事件)と比較して,長期にわたることが見込まれます。

長期間にわたり,かつ何度も行われることが考えられる窃盗事件の取調べは,窃盗事件の被疑者となってしまった一般の方にとって,精神的に大きな負担となる可能性があります。

窃盗事件が発覚してしまったら,刑事弁護士無料法律相談をして,お悩みをお話してみてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
スーパー銭湯での窃盗事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

大麻所持事件(大麻取締法違反事件)

2021-07-30

大麻所持事件(大麻取締法違反事件)

大麻所持事件大麻取締法違反事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県相模原市瀬谷区に住むAさんは,自宅で大麻草約0.1グラムを所持していたとして,神奈川県瀬谷警察署の警察官により,大麻取締法違反(所持)の容疑で逮捕されました。
Aさんは,警察に対しては,「私の部屋は私以外に入ることがあるので、私のではないかもしれない」と話したといいます。
Aさんが早く釈放されるために,そしてこの刑事事件を終結させるためには,どうすればよいのでしょうか。
(2021年7月19日に神戸新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【大麻取締法違反の罪とは】

大麻取締法3条
大麻取扱者でなければ大麻を所持し…てはならない。

大麻取締法では,大麻取扱者以外の者による大麻の所持が禁止されています。

大麻取締法24条の2第1項
大麻を,みだりに,所持し…た者は,5年以下の懲役に処する。

大麻取締法3条の大麻の所持の禁止規定に違反して,大麻をみだりに所持した者には,大麻取締法違反(所持)の罪として,5年以下の懲役が科されることになります。

大麻取締法24条の2第2項
営利の目的で前項の罪を犯した者は,7年以下の懲役に処し,又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。

営利の目的で,大麻取締法3条の大麻の所持の禁止規定に違反し,大麻をみだりに所持した者には,大麻取締法違反(営利目的所持)の罪として,7年以下の懲役に処し,又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金が科されることになります。
非営利目的の場合の比較して,懲役刑が重くなっていたり,懲役刑に加えて罰金刑も併科されてしまっていたりすることに注意が必要です。

【大麻所持事件(大麻取締法違反事件)における刑事弁護活動のポイント】

大麻所持事件大麻取締法違反事件)における刑事弁護活動のポイントは,①大麻取締法違反事件の事実を争う場合と,②大麻取締法違反事件の容疑を認める場合によって異なります。
以下では,2つのパターンに分けて考えていきます。

大麻取締法違反事件の事実を争う場合,大麻取締法違反(所持)の罪自体が成立しないとして,不起訴処分無罪判決を勝ち取ることができる可能性があります。
刑事事件例では,Aさんが「私の部屋は私以外に入ることがあるので、私のではないかもしれない」と話したように,Aさんは大麻取締法違反(所持)の罪を犯していないと主張することになるでしょう。
このAさんによる警察への発言が真実である場合,早期に刑事弁護士に相談し,大麻取締法違反事件での不起訴処分や無罪判決を勝ち取るための刑事弁護活動を受けることが重要です。

大麻取締法違反事件の容疑を認める場合,刑事弁護方針としては,再発防止策を講じることで執行猶予を狙うことが考えられます。
具体的には,大麻取締法違反事件での執行猶予判決の獲得へ向けて,薬物依存症の治療を行うなど,社会の中で更生を図ることができると主張していくことになるでしょう。
刑事事件例では,Aさんは,「私の部屋は私以外に入ることがあるので、私のではないかもしれない」と話しています。
しかし,このAさんの発言がいきなり大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまい,驚き,自己保身のためにしてしまったというような場合は,刑事弁護士とのしっかりとした話合いを経て,認めに転じることも選択肢の一つであるといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
大麻所持事件大麻取締法違反事件)のような薬物犯罪に詳しい刑事弁護士が在籍しています。
大麻所持事件大麻取締法違反事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

神奈川県横浜市鶴見区の万引き事件

2021-07-27

神奈川県横浜市鶴見区の万引き事件

神奈川県横浜市鶴見区の万引き事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県横浜市鶴見区にある大型書店で,小説の文庫本1冊(販売価格750円)を万引きしたとして,窃盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,文庫本をジャケットの左脇に入れてところを警備員が目撃され,そのままレジを通さずに店外に出たために捕まってしまったといいます。
Aさんは,神奈川県警察鶴見警察署の警察官による万引き事件の取調べに対して,「その本が欲しかった」などと話し,窃盗罪の容疑を認めたといいます。
(2021年7月20日にHBC北海道放送に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【窃盗罪とは】

刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪が成立するための要件は刑法235条に記載されています。
その窃盗罪の成立要件は,「他人の財物」を「窃取」することです。

窃盗罪の「他人の財物」とは,他人の占有する財物のことをいいます。
窃盗罪の占有とは,物に対する事実上の支配のことをいいます。
窃盗罪の「窃取」とは,他人の占有する財物を,その占有者の意思に反して自己の占有に移転させる行為のことをいいます。

このような窃盗罪の成立要件を満たした場合は,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。

【万引き事件の刑事弁護活動とは】

神奈川県横浜市鶴見区で万引き事件を起こした場合,上記のような「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」を回避するためには,①刑の執行猶予を目指す,②不起訴処分を目指すという主に2つの刑事弁護方針が考えられます。

①刑の執行猶予を獲得することができた場合,窃盗罪の有罪判決がなされ,前科とはなってしまうものの,刑の執行(懲役刑でいえば刑務所への服役)が猶予され,通常の社会生活を送ることができます。
②不起訴処分を獲得することができた場合,窃盗罪の有罪判決とはならず,また前科ともならず,刑事裁判にかけられずに刑事事件が終結することになります。

ここで,具体的な刑事事件において,どのような刑事弁護方針を立てるべきなのかは,具体的な刑事事件を取り巻く様々な事情によって左右されるといえます。

例えば,窃盗事件の被疑者の方が否認(窃盗罪の被疑事実を争うこと)している場合,証拠の状況などを見て,否認をし続け,不起訴処分を目指すことが考えられます。
一方,窃盗事件の被疑者の方が窃盗罪の容疑を認めており,さらに初犯で,窃盗事件の被害店舗が示談に応じてくれるという場合,執行猶予や不起訴処分を十分目指すことができると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
神奈川県横浜市鶴見区の万引き事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

強制わいせつ事件で刑事弁護士を入れるメリット

2021-07-27

強制わいせつ事件で刑事弁護士を入れるメリット

強制わいせつ事件刑事弁護士を入れるメリットについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県相模原市南区の商業施設において,小学5年生の女子児童(10歳,Vさん)の胸を触るなどわいせつな行為をしたとして,神奈川県相模原南警察署の警察官により強制わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
Aさんと女子児童のVさんの間に面識はなく,強制わいせつ事件が発覚当時,Vさんは母親と来ていて,Vさんの母親が電話で話している間などに触ったといいます。
Aさんは,強制わいせつ罪の容疑を認め,この刑事事件強制わいせつ事件)を何とか穏便に終結させることはできないかと考えています。
(2021年7月19日にテレビ神奈川に掲載されたフィクションを参考に作成したフィクションです。)

【強制わいせつ罪とは】

刑法176条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。

強制わいせつ罪は,強制わいせつ事件の被害者の方の年齢がいくつなのかによって成立する要件が異なります。
刑事事件強制わいせつ事件では,被害者の方が10歳であるため,強制わいせつ罪の成立には刑法176条後段に記載されている要件が必要となります。

具体的には,刑事事件強制わいせつ事件では,13歳未満の者に対して,「わいせつな行為」(被害者の性的羞恥心を害する行為)をしたことが必要となります。
また,強制わいせつ罪は故意犯であるため,強制わいせつ事件の被害者の方が13歳未満であることを認識していることが必要です。

刑事事件例でも,この強制わいせつ罪の成立要件を満たすとき,Aさんには強制わいせつ罪が成立することになります。

【強制わいせつ事件で刑事弁護士を入れるメリットとは】

強制わいせつ事件を起こしてしまったとき,刑事弁護士を入れるメリットは何でしょうか。
また,強制わいせつ事件を起こしてしまったときに,刑事弁護士のなかでも私選弁護士を入れるメリットは何でしょうか。

この点,刑事事件例のような強制わいせつ事件において,Aさんのように「この刑事事件を何とか穏便に終結させることはできないか」と考えた場合,強制わいせつ事件の被害者の方と示談交渉をし,示談をまとめることが大切であるといえます。
強制わいせつ事件を起こしてしまったとき,刑事弁護士を入れるメリットのひとつとしては,示談交渉を行ってもらえるというのがあり,とても重要です。

そして,強制わいせつ事件を起こしてしまったときに,私選弁護士を入れるメリットは,依頼者様自身が刑事弁護士を選ぶことができるという点にあります。
先ほど述べた示談交渉も,依頼者の方が自身で選んだ刑事弁護士に任せることができます。

示談交渉は,いったん決裂してしまうと,もう一度示談をしてくれないかとお願いすることが難しく,一回勝負の刑事弁護活動であるといえます。
このような強制わいせつ事件の被疑者の方の今後の命運がかかる刑事弁護活動を,自分が信頼のおける刑事弁護士に任せることができるというのが,私選弁護士を入れるメリットのひとつであるといえます。私選弁護士

その他にも,時期によっては,国選弁護士を入れるよりも,を入れた方が刑事弁護活動の着手が早いケースが考えられます。
また,一度は国選弁護士の先生にお願いはしてみたものの,何だか信頼できないというような場合に,私選弁護士に切り替えるというケースも考えられます。

以上のように,私選弁護士,強制わいせつ事件の依頼者の方がご自身で選ぶことのできる法律の専門家です。
まずは刑事弁護士と会って,刑事事件について相談してみるのがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強制わいせつ事件で刑事弁護士を入れることをお考えの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

神奈川県相模原市緑区の会社員による暴行事件

2021-07-20

神奈川県相模原市緑区の会社員による暴行事件

神奈川県相模原市緑区の会社員による暴行事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県相模原市緑区の河川敷で,男子大学生の腰を蹴るなどの暴行を加えたとして,40代の会社員Aさんは暴行罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは,深夜,同区の河川敷で友人ら5人と花火をしていた男子大学生Vさんの腰を足で蹴るなどしたといいます。
幸いVさんにけがはありませんでした。
Aさんは深夜にも関わらず大きな音を立てて花火をやっていたことに腹を立て暴行事件を起こしてしまったといいます。
(2021年7月19日にメーテレに掲載された記事を参考にフィクションです。)

【暴行罪とは】

刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪は,「暴行」を加えた場合に被害者の方が「傷害」を受けるに至らなかったときに成立する粗暴犯です。
暴行罪の「暴行」とは物理力の行使を,「傷害」とは人の生理機能の障害をいいます。
例えば暴行罪の「暴行」は殴る蹴る等の行為,「傷害」は殴る蹴る等の行為により骨折や打撲傷を負ったというようなケースを考えて頂ければ,各用語の意義が分かりやすいかと思います。

暴行罪を犯した者は,「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科せられます。

なお,刑事事件例の逮捕(とそれに引き続く勾留)とは,今述べたように暴行罪を犯したために科される刑罰ではありません。
暴行罪の容疑での逮捕(とそれに引き続く勾留)は,暴行事件の被疑者の方が逃亡したり証拠隠滅をしたりすることを防ぐための強制処分であるといえます。

【暴行事件で早く釈放してもらうためには】

暴行事件で早く釈放してもらうためには,暴行事件の被疑者の方に身元引受人がいるということを検察官や裁判官に対して示していく必要があります。
身元引受人がいるということを示すことで,検察官や裁判官に対して,暴行事件の被疑者の方が逃亡または証拠隠滅をしないように身元引受人が監視監督することを示すことができるため,勾留の要件を満たさなくなったり,勾留が不相当という判断になったりする可能性があります。

また,身元引受人の方から,暴行事件の被疑者の方の仕事・学校・家庭の状況を伺い,早く釈放してもらわないと困るという事情を検察官や裁判官に説明することも大切です。
暴行事件の被疑者の方がどのような会社に勤務し,どのような仕事をしているのか,暴行事件の被疑者の方が抜けるとどれくらい会社に迷惑を掛けてしまうのか,暴行事件の被疑者の方の収入がなくなると家計はどうなってしまうのかなど,早く釈放してもらわないと困るという事情は事件ごとにさまざまです。
そこで,刑事弁護士又は担当者が丁寧に事情をお聞取りし,書面化し,検察官や裁判官に対して,早く釈放してもらわないと困ると訴えていきます。

この他,もちろん,刑事弁護士は専門的な知見から,暴行事件の被疑者の方の勾留をしないよう意見したり,一度勾留の決定がなされてしまった場合には不服を申し立てたりします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
神奈川県相模原市緑区の会社員による暴行事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部までご相談ください。

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