新型コロナウイルスでの偽計業務妨害

新型コロナウイルスでの偽計業務妨害

そのような診断を受けていないにもかかわらず、自分が新型コロナウイルスに感染していると発言したことで偽計業務妨害罪に問われ、会社にどう説明するべきか悩んでいるという場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市麻生区在住のAは、川崎市麻生区内の会社に勤める会社員です。
Aは川崎市麻生区内にて列車に乗ったところ、満員で席に座ることが出来ませんでした。
それでも座席に座りたかったAは、他の乗客が自分から離れれば席に座れると考え、そのような事実がないにもかかわらず、乗客に聞こえるような大きな声で「俺は新型コロナウイルスに感染している。」と言いました。
すると乗客が車両内に設置されている非常停止ボタンを押し、川崎市麻生区を管轄する麻生警察署の警察官や保健所の職員などが駆け付けるパニック状態になりました。

その後列車は大幅にダイヤが乱れ、Aは偽計業務妨害罪で現行犯逮捕されました。

≪一部報道を参考に作成したフィクションです。後述致しますが、このような行為は犯罪ですので絶対に真似などしないでください。≫

【偽計業務妨害とは】

4年前の4月に発生した熊本地震の直後に「熊本市内の動物園からライオンが逃げ出した」という嘘の書き込みをTwitter上に流したとして、後日神奈川県内に住む会社員の男性が偽計業務妨害の罪に問われたというニュースを覚えている方も多いのではないでしょうか。(その後、男性は不起訴(起訴猶予)となったと報道されています。)
このように、震災などにより不安が広がるなかで、嘘やデマが流布される場合が目立ちます。
昨今の新型コロナウイルスの流行も、学校が休校になったり会社が自宅勤務になったりと混乱している最中に、様々な形でデマや嘘が拡散されているようです。
これらの行為は偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。

(偽計業務妨害罪)
刑法233条 偽計の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を棄損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ケースについて見ると、第一に、Aは新型コロナウイルスに感染しているという事実はないにもかかわらず、自身が感染したという嘘をついています。
これは、偽計業務妨害罪の言う「偽計を用いて」にあたります。
第二に、Aが偽計を用いたことにより、警察官や保健所の職員が出動することになった結果鉄道会社は列車の定時運行ができなくなるため、「業務を妨害した」と言えるでしょう。
よってAは、偽計業務妨害罪に問われます。

なお、ケースの場合には嘘をついたことで「偽計を用いて」いますが、これは単に嘘だけでなく、威力以外を用いて業務を妨害した場合には「偽計を用い」ることになる点に注意が必要です。

【会社対応は弁護士へ】

このような事件を起こした場合、捜査機関はマスコミに情報をリークすることが考えられます。
リークする内容は各報道機関の裁量によるものですが、とりわけ公務員や大手企業などの公共性が高いと考えられる企業に勤めている方の場合、実名や職業に加えて所属機関や会社名が報道されることもあります。
実名や会社名が報道された場合、会社への対応が不可欠となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、ご依頼を受けた事件について、単に刑事手続き上必要な対応のみならず、被疑者・被告人の方が釈放されたり処罰を受けたりした後のことも考え、所属する会社への対応も行っています。
会社に対しては、被疑者・被告人の方に必ず確認をした上で、許可された範囲について刑事手続きの流れや今後の見通しについての説明を行い、どのタイミングからの職場復帰が可能か、丁寧にご説明致します。
神奈川県川崎市麻生区にてご家族が新型コロナウイルスに感染したと偽ったことで偽計業務妨害罪に問われた方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。

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