名誉毀損事件で示談

2019-11-21

名誉毀損罪示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【ケース】
Aは、多数の従業員を擁するX株式会社(神奈川県川崎市所在)の従業員です。
Xには、Aが密かに行為を寄せていたBと、個人的に性格が合わず嫌っていたVがいました。
ある日、Aが私用で市内を歩いていたところ、BとVが仲睦まじげに手をつないで歩く姿が目に入りました。
AはVに強い嫉妬を覚え、会社があるビルの1階にて「↓この人は誰にでも股を開く売女です。」という内容の文書とVの顔写真を貼りました。
この貼り紙の存在がVの知るところとなり、Aは他の社員から「Vが犯人探しに躍起になってて、川崎警察署に届け出ることも考えてるみたい。」と聞きました。
Aから相談を受けた弁護士は、名誉毀損罪に当たる可能性を指摘したうえで、示談について説明しました。

【名誉毀損罪について】

刑法(一部抜粋)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

公の場で他人の名誉を毀損するような言動をした場合、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
まず、「公然と」とは、不特定または多数人が名誉毀損に当たる事実を認識できる状態を指すと考えられています。
不特定または多数人が実際に事実を認識していなくとも、それが可能だったのであれば「公然と」に当たりうる点には注意が必要です。
次に、「名誉を毀損した」とは、人の社会的評価を低下させるおそれのある状態を生じさせたことを指すと考えられています。
「毀損した」とあるものの、人の評価は目に見えるものではないことから、生活が害されるなどの具体的な結果の発生を要しないものとされています。
最後に、「その事実の有無にかかわらず」とあることから、名誉毀損の内容が真実だろうが虚偽だろうが名誉毀損罪の成否には関係ありません。
以上から、上記事例のAには名誉毀損罪が成立する可能性があると言えるでしょう。

【名誉毀損事件における示談】

刑事事件において示談が重要であることは、今更言うまでもないことかと思います。
今回は、名誉毀損事件における示談のメリットについて考えてみます。

第一に、のちに民事裁判で損害賠償が請求されるのを防ぐことが期待できます。
一般に、名誉毀損は精神的苦痛を受けるものであり、それを理由として民事上の責任を追及されることが十分ありえます。
ここで、示談を交わして今後民事訴訟を行わないと約束できれば、あとあと事件が蒸し返されて示談金とは別に金銭を請求されるという事態を回避できます。

第二に、告訴の取消しによりほぼ確実に不起訴を獲得することが期待できます。
名誉毀損罪は、被害者の告訴がなければ裁判を行うことができない親告罪という類型に属します。
そのため、検察官が起訴する前に被害者と示談をし、告訴を取り消してもらえば、検察官としては不起訴にせざるを得なくなります。

以上のように、名誉毀損事件においては、示談によって民事上の責任(損害賠償)も刑事上の責任(有罪となった場合に科される刑罰)も回避できる可能性があります。
少しでも示談の効果を高めるなら、ぜひ示談交渉を弁護士に依頼しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、事件の内容に合わせて最適な示談交渉を行います。
名誉毀損罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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