公務員の収賄事件(加重収賄事件)

公務員の収賄事件(加重収賄事件)

公務員の収賄事件加重収賄事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

横浜市職員であるAさん(50歳)は,担当する横浜市発注工事の入札業務において,受注会社側から横浜市発注工事の入札予定価格を漏らすよう依頼を受け,その見返りとしてビール券を受け取った上,上記横浜市発注工事の入札予定価格を漏らしたとして,収賄罪加重収賄罪)の容疑で逮捕されました。
(2021年5月17日に共同通信に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【加重収賄罪とは】

刑法197条の3第1項前段
公務員が前2条の罪を犯し,よって不正な行為をし,又は相当な行為をしなかったときには,1年以上の有期懲役に処する。

刑法197条第1項
公務員が,その職務に関し,賄賂を収受し,又はその要求若しくは約束をしたときは,5年以下の懲役に処する。
この場合において,請託を受けたときは,7年以下の懲役に処する。

加重収賄罪は,賄賂の対価として不正な職務行為が行われた場合において,刑罰を加重して処罰するために定められた犯罪です。
刑事事件例のように,「公務員が,その職務に関し,賄賂を収受し…た」「場合において,請託を受け」,「よって不正な行為をし,又は相当な行為をしなかった」とき,その公務員には加重収賄罪(収賄後枉法罪,刑法197条の3第1項前段)が成立します。

以下では,加重収賄罪が成立するための要件の意義について解説します。
まず,加重収賄罪の「賄賂」とは,公務員の職務行為に対する対価をしての不正な報酬をいいます。
この加重収賄罪の「賄賂」には,金銭,物品,情交など,人の需要または欲望を満たすに足りる一切の利益が含まれます。

ここで,過去の判例(大審院判決昭和11年5月14日)では,たとえ社交儀礼としての贈与であっても,公務員の職務と賄賂に対価の関係性があれば,その金額の多寡を問わず,加重収賄罪の「賄賂」に当たると判示されました。

次に,この加重収賄罪の「賄賂を収受」する行為とは,供与された賄賂を自己にものとする意思で取得することをいいます。
そして,加重収賄罪が成立するためには,上記「賄賂を収受」する行為が,「その職務に関し」て行われること,すなわち,公務員の職務と賄賂に対価の関係性があることが必要です。

また,加重収賄罪の「請託を受け」る行為とは,公務員が一定の職務行為を行うことの依頼を受けることをいいます。
最後に,加重収賄罪の「不正な行為をし,又は相当な行為をしなかったとき」とは,公務員の職務に違反する積極的・消極的行為をなすことをいいます。

【刑事事件例と加重収賄罪】

刑事事件例では,公務員であるAさんは,受注会社側から横浜市発注工事の入札予定価格を漏らすよう依頼を受け,その見返りとしてビール券を受け取った上,横浜市発注工事の入札予定価格を漏らしています。

Aさんがビール券を受け取る行為は,人の需要または欲望を満たすに足りる一切の利益を自己にものとする意思で取得したとして,加重収賄の「賄賂」を「収受」する行為に当たると考えられます。
また,受注会社側からの依頼は,公務員が一定の職務行為を行うことの依頼であり,加重収賄罪の「請託を受け」る行為があったと考えられます。
そして,Aさんは横浜市発注工事の入札予定価格をリークしており,この行為は加重収賄罪の「不正な行為」に当たると考えられます。

以上から,Aさんには加重収賄罪が成立すると考えられます。

【加重収賄罪と刑事弁護活動】

加重収賄罪を犯した者には「1年以上の有期懲役」が科せられますが,この有期懲役の長期は20年です(刑法12条)。
加重収賄罪を犯してしまった場合,適切な刑事弁護活動を受けなければ,このような重い刑罰が科されてしまう可能性が考えられます。
そこで,刑事事件に強い刑事弁護士を付け,適切な刑事裁判対応を受けることで,加重収賄罪の被疑者・被告人の方に有利な事情を主張し,寛大な処分・判決を獲得できるようにすることが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
公務員の収賄事件加重収賄事件)でお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

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