神奈川県横浜市戸塚区の傷害致死事件

神奈川県横浜市戸塚区の傷害致死事件

【ケース】
神奈川県横浜市戸塚区に住むA(40代女性・自営業)は、横浜市戸塚区内のジュエリーを取り扱う店舗を経営していました。
ある日、お店に来た客V(30代女性・外国人観光客)が展示されている商品を無造作に扱っているのを見たため、Aが注意をしたのですがVには日本語が伝わらず、その後も商品を無造作に扱っていました。
Aは、商品を無造作に扱っていたVの手を掴んだところ、Vは商品を投げつけたため、商品を傷つけられたAは頭にきてVに馬乗りになり、顔を何度も殴りましたうえで警察を呼びました。

しかしその数分後、警察官が駆け付ける前にVが動かなくなったためAは慌てて救急車を要請しましたが、搬送先の病院で死亡しました。

臨場した横浜市戸塚区を管轄する戸塚警察署の警察官は、Aを殺人の故意があったとして殺人罪で逮捕しました。

(フィクションです。)

【殺人罪と傷害致死罪について】

殺人罪は、刑法199条に「人を殺した者は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役刑に処する」と定められています。
一方で傷害致死罪は、刑法205条に「身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。」と規定されています。

殺人罪と傷害致死罪は、どちらも加害者が被害者に対して危害を加えた結果、被害者が死亡しています。
それにもかかわらず、殺人罪には傷害致死罪にない死刑や無期懲役刑が用意されており、有期懲役の場合も5年以上(20年以下)と傷害致死罪の3年以上(20年以下)と長めに設定されています。

殺人罪と傷害致死罪、両者の違いは、殺人の故意の有無で分かれます。
我が国の刑法は38条1項で「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。」と定めています。
つまり、故意に犯した犯罪を重く処罰し、過失による犯罪ついてはそれを処罰する規定がなければ処罰できないとされているのです。
例えば、バットで窓ガラスを叩き割る行為には窓ガラスを損壊する故意が認められますので器物損壊罪(刑法261条)が認められますが、素振りをしていてロージンが足りずに手が滑ってバットが飛んだ結果近隣住宅の窓ガラスにあたって割れた場合には窓ガラスを損壊する故意がないため処罰できません。
(別途民事請求等がなされるリスクはありますが、少なくとも前科が付く・罰金に処される等の心配はありません。)

つまり、殺人の故意があって初めて殺人罪が成立するのであって、傷害する意思があっても殺す意思がなく危害を加えた結果人が死んでしまった場合には原則殺人罪が成立せず、傷害致死罪が成立する事になるのです。

【殺人の故意(人を殺す意思)を争い弁護士へ】

殺人の故意の有無が殺人罪と傷害致死罪を分けるとお伝えしましたが、人を殺す意思は加害者の内心の問題ですので判断が難しい部分があります。
また、人間の感情は極めて複雑ですので、「殺す」「殺さない」の二択だけではなく、「死んでしまいそうだが構わない」(未必の故意)「これくらいでは死なないだろう」(認識ある過失)など、それぞれにおいて判断が異なってきます。
また、これらの感情は単に加害者による取調べでの供述等によって判断されるだけでなく、客観的に被害者の死因や不詳の状態等を評価して殺人の故意の有無を判断していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所は全国12カ所に事務所を構え、刑事事件・少年事件についてのご相談やご依頼を受けております。

殺人の故意の有無を判断するにあたり、加害者の主張が捜査機関に伝わらない場合が考えられます。
そのため弁護士は、取調べの対応をしっかりとご説明して加害者の主張をしっかりと反映させた調書を作成させます。
また、死因が何によるものか、どのような傷害を負わせたのか等、客観的な証拠についても十分に精査し、裁判でもしっかりと主張をして参ります。

神奈川県横浜市戸塚区にて、暴行により被害者が死亡したためにご家族が加害者になってしまい、殺人の故意を争い傷害致死罪を主張したいとお考えの方が居られましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。

(戸塚警察署までの初回接見費用―37,300円)

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