神奈川県横須賀市の保護責任者遺棄罪

2019-07-03

神奈川県横須賀市の保護責任者遺棄罪

【ケース】
神奈川県横須賀市在住のAは、実母Vと2人で生活しています。
Vは身体こそ動くものの軽度の認知症の症状が見られるため、Aは介護サービスを受けさせたいと思っているのですが、Aはアルバイトで収入が安定していないため、民間企業等がやっている介護サービスを受けさせる余裕がありませんでした。
ある日、Aは仕事が忙しかったため、3日間家を空けて泊まり込みで仕事をしていました。
その間Vは自宅で生活していたのですが、認知症の症状のためか1人で勝手に家を出て2日後に横須賀市内の別の場所で保護されました。

保護をした横須賀市内を管轄する田浦警察署の警察官は、認知症の親に対して介護サービスを受けさせず、3日間も家を空けることは保護責任者遺棄罪に当たる可能性があるとして、Aに任意で話を聞きとりました。
Aは、Vがこれまで徘徊などすることがなく、可能な限りの介護もしっかりしていたと主張していたのですが警察官はそれを否定しました。
Aは、今後保護責任者遺棄罪で事件が進んだ場合どのような対応が必要か、弁護士に相談しました。

(フィクションです。)

【保護責任者遺棄罪について】

保護責任者遺棄罪の条文は下記の通りです。
刑法218条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
つまり、保護責任者遺棄罪は、保護義務者による①遺棄又は②不保護によって成立します。

まず、保護の対象者についてですが、老年者や幼年者とは年齢によるものではなく、扶助(助け)を必要とする場合に適用されると考えられます。
次に、保護責任者遺棄罪は身分犯ですので、法律上保護する責任がある者にのみ適用されます。
具体的には、保護者の他に契約に基づく介護士やベビーシッター等が考えられます。

保護責任者遺棄罪における①遺棄とは、遺棄罪(刑法217条)の定める「遺棄」より広い意味として解されていています。
遺棄罪の定める「遺棄」は高齢者や幼年者、障がい者などを(例えば姥捨て山に高齢者を捨てるように)危険な場所に移すことのみを指すのに対し、保護責任者遺棄罪における「遺棄」はそれに加えて置き去りのように、危険な状態に置いて行く場合も指します。
一時期問題となった、子どもを自動車の中に放置して両親がパチンコに行った事案や、ケースのAが疑われているように保護が必要な人を放置して家に戻らないことなどはこちらにあたります。

保護責任者遺棄罪における②不保護とは、「生存に必要な保護をしなかったとき」を指します。
これは、乳幼児や高齢、病気のために自由の利かない相手に食事を与えなかった場合や、病気になった親や子どもを病院等に連れて行かなかった場合などが考えられます。

【介護中の刑事事件で弁護士へ】

近年、日本人の高齢者の増加問題や認知症の高齢者の問題などにより、介護中のトラブルは大なり小なりあることでしょう。
中には、介護職員や実子が高齢者に対して暴力を振るう、必要な手助けをしないといった問題が報道されることもあります。
介護が必要な高齢者に対して暴力を振るうなどの場合は当然のこと、高齢者の介護をしていて高齢者に怪我をさせた、あるいは高齢者に対して必要な措置を取らなかったことで刑事事件として扱われる場合があります。

ケースについて見ると、Aは仕事が忙しいうえ収入が安定していないことからVに対して介護サービスを受けさせることが出来ないものの、これまで徘徊することなどなかったために3日間Vを自宅で一人にしていました。
しかし、客観的に見ると保護責任があるのに母であるVを自宅に置き去りにしたとして保護責任者遺棄罪にあたると判断されるかもしれません。
このような介護中のトラブルによる刑事事件については、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで介護中のトラブルから刑事事件に発展した事件についての取扱いがございます。

神奈川県横須賀市にて、介護が必要なご家族に対して必要な保護をしていたにもかかわらず保護責任者遺棄罪の嫌疑をかけられている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による無料相談をご利用ください。

※無料相談は、当事務所に来ていただいて1度に限り、弁護士が対応させていただくものです。

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