同級生の殺人未遂事件

2021-07-06

同級生の殺人未遂事件

同級生の殺人未遂事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県川崎市中原区の県立高校で,同級生をナイフで切り付け殺害しようとしたとして,高校2年生のAさん(16歳)が殺人未遂罪の容疑で現行犯逮捕されました。
Aさんは,放課後の教室内で同級生(Vさん,16歳)を果物ナイフで切り付け,殺害しようとしました。
殺人未遂事件の被害を受けたVさんが近くにいた教員に「切られた」と助けを求め教員が119番通報し,Vさんは顔や首、手などを切られ重傷を負いましたが,命に別状はありませんでした。
Aさんは逃走しましたが,学校からおよそ数百メートル離れたところで,神奈川県中原警察署の警察官に取り押さえ,現行犯逮捕されました。
調べに対し,Aさんは「殺そうと思って切りつけた」と殺人未遂罪の容疑を認めています。
(2021年6月16日にサンテレビに掲載された記事をもとに作成したフィクションです。)

【殺人未遂罪とは】

刑法199条(殺人罪)
人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

刑法203条(殺人未遂罪)
第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。

刑事事件例では,Aさんは,殺意をもって,Vさんをナイフで切り付けています。
そして,Vさんは,命に別状はなかったものの,顔や手首などに重傷を負いました。

このような場合,Aさんは殺人罪の実行に着手し,殺人罪の結果に至らなかったといえ,Aさんには殺人未遂罪が成立します。

【殺人未遂事件と少年事件】

刑事事件例の殺人未遂事件を起こした当時,Aさんは高校2年生(16歳)でした
このように,犯罪(刑事事件例では殺人未遂罪)を犯した者が20歳未満である場合,その者には少年法が適用されます。

少年法が適用された殺人未遂事件は,家庭裁判所に殺人未遂事件が送致される前までは,基本的には,成年と同じ刑事手続(刑事訴訟法に規定された手続)を踏むことになりますが,家庭裁判所に殺人未遂事件で送致された後は,少年法に規定された少年事件独自の手続を踏むことになります。

殺人未遂事件において少年法が適用される場合,特に注意すべき点は,刑事処分を相当とする逆走(成年と同じ刑事手続に戻すこと)が行われる可能性がある点です。
すでに述べたように,少年事件には少年法独自のルールが適用されますが,家庭裁判所が死刑,懲役又は禁錮に当たる罪を犯した少年については,その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは,逆送すること(成年と同じ刑事手続に戻すこと)ができるとされています。

少年が殺人未遂事件のような重大な少年事件を起こしたような場合,少年審判において逆送(成年と同じ刑事手続きに戻すこと)の決定になされてしまう可能性があるのです。
少年事件において,刑事処分相当を理由とする逆送(成年と同じ刑事手続に戻すこと)を防ぐためには,家庭裁判所の裁判官や調査官に対して,刑事処分が相当ではないことを主張する必要があります。
ここで,刑事処分が相当であるか否かの判断は,保護処分によって少年の矯正が見込まれるか,社会感情や被害感情をどの程度のものであるかといった要素を考慮してなされます。

そのため,殺人未遂事件で逆送(成年と同じ刑事手続に戻すこと)を避けるためには,少年審判において,保護処分によって少年の矯正が十分見込まれ,被害感情や社会感情も著しいものではないこと等を示していく必要があります。

また,刑事事件例のような同級生への殺人未遂事件は,加害者であるAさんと被疑者であるVさんとの間に,教室内で何らかのトラブルがあったと考えられます。
そのため,少年事件殺人未遂事件)を担当する家庭裁判所の調査官・裁判官からは,殺人未遂事件の動機やいきさつなどを詳しく追及されたり,質問されたりすることが考えられますので,適切な回答ができるようにする必要もあるでしょう。

少年審判は,少年の将来が大きく左右される重大な手続きですので,刑事事件に強い刑事弁護士少年付添人を選任し,十分な法的支援を受け,後悔のない少年審判ができるようにすることが大切でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
同級生の殺人未遂事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

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