クレジットカードの窃盗・詐欺事件

クレジットカードの窃盗・詐欺事件

クレジットカードの窃盗詐欺事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,現金を盗もうと考え,神奈川県川崎市幸区にあるV1宅に侵入し,タンスの中を物色したところ,茶封筒があり,それを取り出して中を見ると現金10万円が入っていたので,ポケットにしまって引き上げました。
自宅に帰る途中,もう一度中を見ると,V1名義のクレジットカードが現金に紛れて入っているのに気付きました。
そこで,Aさんは,このクレジットカードを利用しようと考え,翌日,加盟店であるV2デパートに行き,V1さんを装って同カードを使い5万円相当のカメラを購入しました。
その代金相当額は信販会社からV2デパートに支払われたといいます。
その後,Aさんは,神奈川県幸警察署の警察官により住居侵入罪窃盗罪と,詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)

【住居侵入罪とは】

刑法130条
正当な理由がないのに,人の住居…に侵入し…た者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

Aさんが,V1さん宅に現金を盗むとの目的で立ち入る行為は,住居侵入の「侵入」に当たります。

よって,Aさんには,住居侵入罪が成立します。

【窃盗罪とは】

刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

Aさんが,現金10万円が入っていた茶封筒をポケットにしまった行為は,窃盗罪の「窃取」にあたります。

また,Aさんが,気付かずにクレジットカードも無断で持ち去った行為についても,Aさんはおよそ「他人の物」を盗もうと考えており,そこに窃盗行為の認識があったといえると考えられます。
そのため,クレジットカードを無断で持ち去る行為についても,窃盗罪の故意(犯罪事実の認容・認識)があったといえると考えられます。

よって,Aさんには窃盗罪が成立します。

【詐欺罪とは】

刑法246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

Aさんが,クレジットカードの名義人であるV1さんを偽って,クレジットカードを使って,5万円相当のカメラを購入した行為は,詐欺罪の「人を欺いて財物を交付させた」行為にあたります。

ここで,V2デパートは,信販会社から代金相当額の支払を受けており,詐欺罪の経済上の損害がないとも思われますが,V2デパートは,Aさんがクレジットカード名義人でないと気付いていれば,Aさんにカメラを交付することはなかったと考えられます。
そのため,V2デパートにはカメラを交付したこと自体に詐欺罪の経済的損害があったと考えられます。

以上より,Aさんには,詐欺罪が成立すると考えられます。

【クレジットカードの窃盗・詐欺事件】

クレジットカードの窃盗詐欺事件を起こしてしまった場合,クレジットカードの名義人の方(窃盗事件の被害者の方)とクレジットカードによる詐欺行為を受けた店舗(詐欺事件の被害店舗)に財産的損害が発生しており,被害者の方は2名ということになります。

クレジットカードの窃盗詐欺事件を起こしてしまった場合であっても,執行猶予や減刑,正式起訴回避といった寛大な判決や寛大な処分を避けるためには,示談をすることが非常に重要となりますが,この示談交渉も,既に述べた被害者の方の数ぶんだけ行う必要があります。

示談交渉の内容としては,窃盗事件の被害者の方との示談においては,被害品の返還,被害弁償,被害者の方の自宅がある地域への出入り禁止などを,法的拘束力を持った示談書で約束することが考えられます。
一方,詐欺事件の被害店舗との示談においては,被害品の返還,被害弁償,被害店舗への立ち入り禁止などを,同じく法的拘束力のある示談書で誓約することが考えられます。

このような被害者の方が複数存在する示談は,起訴や裁判の日程との関係で速やかに行う必要があるため,刑事事件に詳しい刑事弁護士にしかなしえないと思われます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,窃盗事件詐欺事件などの刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
クレジットカードの窃盗詐欺事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

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