Archive for the ‘刑事事件’ Category
新型コロナウイルスでの偽計業務妨害
新型コロナウイルスでの偽計業務妨害
そのような診断を受けていないにもかかわらず、自分が新型コロナウイルスに感染していると発言したことで偽計業務妨害罪に問われ、会社にどう説明するべきか悩んでいるという場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市麻生区在住のAは、川崎市麻生区内の会社に勤める会社員です。
Aは川崎市麻生区内にて列車に乗ったところ、満員で席に座ることが出来ませんでした。
それでも座席に座りたかったAは、他の乗客が自分から離れれば席に座れると考え、そのような事実がないにもかかわらず、乗客に聞こえるような大きな声で「俺は新型コロナウイルスに感染している。」と言いました。
すると乗客が車両内に設置されている非常停止ボタンを押し、川崎市麻生区を管轄する麻生警察署の警察官や保健所の職員などが駆け付けるパニック状態になりました。
その後列車は大幅にダイヤが乱れ、Aは偽計業務妨害罪で現行犯逮捕されました。
≪一部報道を参考に作成したフィクションです。後述致しますが、このような行為は犯罪ですので絶対に真似などしないでください。≫
【偽計業務妨害とは】
4年前の4月に発生した熊本地震の直後に「熊本市内の動物園からライオンが逃げ出した」という嘘の書き込みをTwitter上に流したとして、後日神奈川県内に住む会社員の男性が偽計業務妨害の罪に問われたというニュースを覚えている方も多いのではないでしょうか。(その後、男性は不起訴(起訴猶予)となったと報道されています。)
このように、震災などにより不安が広がるなかで、嘘やデマが流布される場合が目立ちます。
昨今の新型コロナウイルスの流行も、学校が休校になったり会社が自宅勤務になったりと混乱している最中に、様々な形でデマや嘘が拡散されているようです。
これらの行為は偽計業務妨害罪に問われる可能性があります。
(偽計業務妨害罪)
刑法233条 偽計の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を棄損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
ケースについて見ると、第一に、Aは新型コロナウイルスに感染しているという事実はないにもかかわらず、自身が感染したという嘘をついています。
これは、偽計業務妨害罪の言う「偽計を用いて」にあたります。
第二に、Aが偽計を用いたことにより、警察官や保健所の職員が出動することになった結果鉄道会社は列車の定時運行ができなくなるため、「業務を妨害した」と言えるでしょう。
よってAは、偽計業務妨害罪に問われます。
なお、ケースの場合には嘘をついたことで「偽計を用いて」いますが、これは単に嘘だけでなく、威力以外を用いて業務を妨害した場合には「偽計を用い」ることになる点に注意が必要です。
【会社対応は弁護士へ】
このような事件を起こした場合、捜査機関はマスコミに情報をリークすることが考えられます。
リークする内容は各報道機関の裁量によるものですが、とりわけ公務員や大手企業などの公共性が高いと考えられる企業に勤めている方の場合、実名や職業に加えて所属機関や会社名が報道されることもあります。
実名や会社名が報道された場合、会社への対応が不可欠となるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、ご依頼を受けた事件について、単に刑事手続き上必要な対応のみならず、被疑者・被告人の方が釈放されたり処罰を受けたりした後のことも考え、所属する会社への対応も行っています。
会社に対しては、被疑者・被告人の方に必ず確認をした上で、許可された範囲について刑事手続きの流れや今後の見通しについての説明を行い、どのタイミングからの職場復帰が可能か、丁寧にご説明致します。
神奈川県川崎市麻生区にてご家族が新型コロナウイルスに感染したと偽ったことで偽計業務妨害罪に問われた方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
飲み会で潰れた友人を放置して死亡
飲み会で潰れた友人を放置して死亡
飲み会で酒に酔って潰れてしまった友人を放置して帰ってしまった結果、その友人が死亡してしまったことで書類送検された場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市港南区在住のAは、横浜市港南区にある会社に勤める会社員です。
Aは幹事として横浜市港南区内の飲食店にて友人Vほか4名と飲酒と食事をしていたものの、飲み足りなかったために横浜市内に住む参加者の部屋で二次会を繰り広げました。
しかし終電がなくなりそうになったため、Aは家に帰ろうとしました。
その際、友人Vは酒の飲み過ぎにより酔い潰れてしまったため、なかなか動くことが出来ませんでした。
Aは駅に向かう途中まではVに肩を貸して歩いていたのですが、終電の時刻ギリギリになったため、Vを道端に放置して自分は終電の列車に乗って帰ってしまいました。
道端に置き去りにされたVは、路上で横になったまま嘔吐してしまい、その吐しゃ物をのどに詰まらせたことによる窒息状態により死亡しました。
翌朝、近隣住民がVの死に気付き、消防と警察に通報しました。
臨場した横浜市港南区を管轄する港南警察署の警察官は捜査を行った結果、Aらの行為が保護責任者遺棄致死の罪に当たる可能性があるとして、捜査を行いました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【保護責任者遺棄致死罪について】
ケースのAをはじめ、死亡したVと一緒に酒を飲んでいたメンバーは、例えばVに対して暴行などをしたわけでもなければ、酒を一気飲みさせるなどの危険な行為をしたわけではありません。
そのような場合でも、保護責任者遺棄致死罪が適用され、刑事処罰を受ける可能性があるのです。
保護責任者遺棄致死罪は、刑法218条で「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する」と規定されています。
保護責任者遺棄致死という罪は、例えば乳幼児にとっての保護者や、要介護者にとっての看護・介護者など、生命を保護する義務がある人がその義務を怠った結果、要保護者が亡くなった場合に適用されるのです。
条文に列挙されているうち、老年者とは高齢の方、幼年者とは乳幼児、身体障碍者は身体に障碍があって介護が必要な方など、イメージが湧きやすいかと思います。
一方で、病者については、怪我や病気で介助などが必要な場合を想像しがちです。
しかし、判例は、酒を飲んで泥酔している者を遺棄した結果死亡した場合にも、保護責任者遺棄致死罪を適用しています。
泥酔している者は、例えば寒空で放置をされて凍死したり、道端で寝転がって車やバイクに轢かれたり、レッドツェッペリンのドラマーであるジョン・ボーナムのように吐瀉物を誤嚥して窒息死したりという可能性があり、しっかりと介助しなければなりません。
もちろん、一緒に酒を飲んだ人全員に生命を保護する義務があるというわけではありません。
ケースのように、泥酔している者を送り届ける人や、泥酔している者を家に留めている場合、未成年者と一緒に酒を飲んでいた成人の者等であれば、生命を保護する義務があると評価されるでしょう。
【書類送検について弁護士に相談】
泥酔が原因で被害者が死亡した場合の保護責任者遺棄致死事件では、偶発的に起こった事故という側面もあるため、逮捕・勾留される可能性は高くありません。
しかし、書類送検という形で立件され、刑事事件化する可能性があります。
書類送検であっても、起訴されて裁判になったり、略式手続きにより罰金となり前科が付く場合があります。
神奈川県横浜市港南区にて、泥酔している者を放置したことにより保護責任者遺棄致死罪の嫌疑をかけられている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
路上に石を置いて自首
路上に石を置いて自首
自動車や自転車が走るような場所に石やブロックなどを置くなどの事件を起こしてしまい、警察署に自首をするという場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県藤沢市在住のAは、藤沢市内で飲食業を営んでいます。
Aは業務の多忙さとモンスタークレイマーの対応に追われるストレスから、憂さ晴らしをしたいと考えました。
そこで、Aの店が終了した深夜、藤沢市内にある店舗の目の前の片道2車線の公道に、大きな石を置いて帰りました。
その後、自宅に帰ってニュースを見ていると、藤沢市内の道路にて大きな石が置かれる事件が発生し、深夜に新聞配達をしている運転手が運転する走行中の原動機付自転車に石が接触して転倒した結果骨折してしまったという報道がなされていました。
Aは藤沢市を管轄する藤沢警察署に自首した方が良いかと思いましたが、その前に、路上に石を置く行為がどのような罪に当たるか、自分は逮捕されるのかなどを質問するべく、刑事事件専門の弁護士に無料相談をしました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【路上に石を置く行為で問題となる罪について】
ケースのAは、公道に大きな石を置いています。
これが危険な行為であることは言うまでもなく、刑事事件として取り扱われることとなります。
・往来妨害罪
路上での往来を妨害した場合、往来妨害罪が適用される可能性があります。
往来妨害罪は、刑法124条1項で「陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」と定められています。
ケースについては陸路の往来の妨害をしたと評価されます。
陸路の往来とは、高速道路や国道・都道府県道・市町村道に限らず、事実上人が通行するための道路であっても対象となるため、公共性を有する私道などについてもその対象となります。
ただし、要件が「損壊」又は「閉塞」とされているため、大きな石やブロックを1個置いた程度では、この要件を満たさない可能性があるため、仮に往来妨害罪で捜査が開始されたとしても、最終的には往来妨害罪で起訴されないということも考えられます。
なお、歩行者や自動車等ではなく鉄道と船舶の往来を妨害した場合、往来妨害罪や道路交通法違反ではなく、より重い往来危険罪や鉄道旅客営業法などにより処罰されます。
・道路交通法違反
道路交通法では、その76条3項で「何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。」と定められており、これに違反した場合は「三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する」(同法119条1項12の4号)とされています。
ケースのAは「大きな石」を道路に置いていることから、交通の妨害となる恐れがあると評価され、道路交通法違反となります。
・道路法違反
仮に大きな石でなくても、故意に道路に物を置いた場合、道路法に違反します。
道路法はその43条2号で「(道路に)みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為をすること。」を禁止し、これに違反した場合の法定刑は「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」と定めています。
【自首する前に弁護士に無料相談】
道路に大きな石やブロックなどを置く事件では、逮捕・勾留をして捜査を進めることも少なくありません。
そこで、道路に大きな石を置く事件を起こした場合、自首することをお勧めします。
自首は、法律上刑の減軽をすることが出来るだけでなく、自ら事件の加害者であることを申告することで、勾留の要件である「証拠の隠滅や逃亡の恐れ」が極めて低いことを主張が出来るという点でメリットがあります。
神奈川県藤沢市にて、道路に大きな石を置いて事件化してしまい、自首を検討しているという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談を受けることをお勧めします。
新型コロナウイルスについてのビラを貼る行為
新型コロナウイルスでビラを貼って名誉毀損
新型コロナウイルスに感染した人の自宅に誹謗中傷するようなビラを貼った場合に問題となる可能性がある罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市高津区在住のAは、川崎市高津区にある会社に勤める会社員です。
Aは最近の報道を見て、新型コロナウイルスの猛威に恐怖を感じています。
そして近隣に住む川崎市高津区在住のVが新型コロナウイルスに感染したという噂を聞いたAは、Vの家の塀に「ココに新型コロナウイルスの感染者が住んでいます。」というビラ(貼り紙)を貼ってしまいました。
ビラに気が付いたVは警察署に通報し、通報を受けてビラを確認した川崎市高津区を管轄する高津警察署の警察官は、近隣の防犯カメラのデータを解析した結果Aによる犯行であると判断したため、Aを在宅で捜査し始めました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【ビラを貼ることについての問題】
・名誉毀損罪
ケースのように、他人の名誉を傷つけるようなビラを貼った場合には、名誉毀損罪に問われる可能性があります。
名誉毀損罪は、刑法230条で「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。」と定められています。
第一に、通りに面した塀にビラを貼った場合には公然性があると認められます。
第二に、事実とは真実である必要はないため、単なる噂で聞いた程度でその真偽が分からないままに摘示した場合にもこれに当たります。
第三に、新型コロナウイルスに罹患しているということを不特定多数に知らしめることはVの名誉を害することにも繋がるため、人の名誉を棄損したと評価される可能性があります。
・建造物損壊罪・器物損壊罪
ビラを貼った場所や枚数、頻度等によって、建造物損壊罪あるいは器物損壊罪が適用される可能性があります。
建造物損壊罪は刑法260条に、器物損壊罪は同261条に規定されていて、他人の建造物や物を損壊した場合についてそれぞれ「五年以下の懲役」「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」に処すると定められています。
ビラを貼ったところで、何かを壊しているわけでもないしビラは剥がせるのだから「損壊」には当たらないのではないか、とお思いの方もおられるかもしれませんが、その物の効用を害する場合にも損壊に当たるという判例もあるため、たとえ剥がせるビラを貼ったとしても、建造物損壊罪や器物損壊罪に当たる可能性があるのです。
・軽犯罪法違反
貼り紙行為は、軽犯罪法でも禁止規定が設けられています。
軽犯罪法は、「みだりに他人の家屋その他の工作物に貼り札をし」た者に対し「拘留又は科料に処する」と定めています。
軽犯罪法の場合、「みだりに」という文言があることから、ケースのように特定の人物の家にビラを貼る行為ではなく、ピンクチラシや貸金業者が公衆電話や壁にビラを貼り付けることを想定していると考えられます。
・神奈川県迷惑行為防止条例違反
ケースは神奈川県川崎市高津区を想定していますが、神奈川県内でビラを貼った場合には神奈川県迷惑行為防止条例に違反する可能性があります。
神奈川県迷惑行為防止条例は、その10条1項3号で「正当な理由がないのに、住居その他人の現在する建造物に迷惑ビラ等を配ること」を禁止しており、これに違反した場合は「50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。(同15条4項7号)」と定めています。
ケースの場合はVの家の塀に貼っていることから、この条例に違反する可能性があります。
・住居侵入罪・建造物侵入罪
ビラを貼り付けた場所によっては、住居侵入罪や建造物侵入罪に当たる可能性があります。
例えば、他人の家の壁や塀にビラを貼るために敷地や駐車場に足を踏み入れるような行為が考えられます。
住居侵入罪・建造物侵入罪は刑法130条で「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」と定められています。
【刑事事件で無料相談】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が在籍する弁護士事務所です。
当事務所では、初回に限り無料で相談を受けることが出来ます。
神奈川県川崎市高津区にて、新型コロナウイルスに関するビラを自宅以外の場所に貼ったことで、刑事事件の嫌疑をかけられている、あるいはその可能性がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。
※無料相談にはご予約が必要です。0120-631-881までご連絡ください。(24時間・365日受付対応)
宗教上の理由で死体遺棄
宗教上の理由で死体遺棄
宗教上の理由から、死亡した家族をそのまま放置したという場合の死体遺棄事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県川崎市多摩区在住のAは、川崎市多摩区内の会社に勤める会社員です。
Aは数年前にとある宗教を信仰するようになり、その宗教の経典をとても大事にしてきました。
Aには看病をしていた母が居ましたが、ある日Aが会社から帰宅したところ、母は病気が原因で死亡していました。
Aは、経典によると死んでもなお魂は肉体に宿っているのだから、火葬などしてはいけないと考え、役所に届出を出さずに自宅で母のご遺体をそのままにしていました。
それから数日経ち、Aの自宅から異臭がすることに気が付いた近隣住民が神奈川県川崎市多摩区を管轄する多摩警察署に相談し、多摩警察署の警察官が任意で聴取した結果、Aによる死体遺棄事件が発覚したためAを逮捕して捜査を開始しました。
≪ケースの事例や出てくる宗教については全てフィクションです。≫
【宗教について】
我が国の憲法は、第20条1項で「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と定められています。
よって、皆さんがどのような宗教であっても、信仰すること自体は自由とされています。
但し、信仰によって行われる行為がいかなる場合でも認められるわけではありません。
加持祈祷で信者である少女を死に至らしめたという傷害致死事件で、判例は、「宗教行為の一種としてなされた加持祈祷行為であっても、他人の生命、身体等に危害を及ぼす有形録の行使により被害者を死に致したものである以上、それは信教の自由の保障を逸脱している。」と示しました。
つまり、宗教の自由は保障されているが、どのような宗教行為であっても保障されるわけではない、ということです。
【死体遺棄罪について】
死体遺棄罪は死体損壊罪とも呼ばれ、死体等を損壊したり遺棄したりすることで成立する罪です。
刑法190条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
ケースのAは、自身の母親が亡くなったにもかかわらず自宅に母親のご遺体をそのまま放置していますので、死体を遺棄したとして、死体遺棄罪の嫌疑がかけられます。
例えば、これが不正年金受給などを目的として行った死体遺棄罪であれば、死体遺棄罪に問われますし詐欺罪等の罪に当たることも考えられます。
一方で、ケースのように宗教行為として死体を遺棄していた場合、違法性を争う余地があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、死体遺棄事件などの刑事事件を専門としています。
死体遺棄罪は、罰金刑がないため検察官の判断次第で裁判になります。
そのため、早期に弁護士に相談をした上で、裁判を回避するための弁護活動、あるいは裁判になった場合にどのような対策が必要か、といった対策の検討をすることをお勧めします。
神奈川県川崎市多摩区にて、ご家族が宗教行為の一環としてご遺体をそのまま放置してしまったことで死体遺棄罪の嫌疑をかけられ、裁判になるかもしれないという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
木刀所持で不起訴を獲得
木刀所持で不起訴を獲得
職務質問・所持品検査をされた際、車に木刀を積んでいたことで軽犯罪法違反等の嫌疑をかけられた場合の不起訴を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市港南区在住のAは、横浜市内にある会社の会社役員です。
Aには剣道の趣味があり、竹刀の他に木刀も使用していることから、常に自身の乗用車のトランクに積んでいました。
ある日、横浜市港南区内を自宅に向かって乗用車を運転していた際、パトカーに乗った横浜市港南区を管轄する港南警察署の警察官から制止するよう呼び止められました。
そして呼気検査は問題がなかったのですが、所持品検査を求められた際、トランクに木刀が入っていることを指摘されました。
Aとしてはいつでも稽古ができるように入れていたつもりだったのですが、警察官からは「木刀なんて危ない物を持ち歩いていい訳がないだろう」と言われました。
後日連絡をするから警察署に来るようにと言われたAは、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【木刀の所持が犯罪に?】
剣道の稽古で使われたり、修学旅行のお土産にしたりといったイメージがある木刀は、読んで字の如く木製です。
そのため、本物の刀とは異なり人や物を斬りつけることができるわけではありません。
然し乍ら、非常に丈夫であり目方もあるため、例えば頭を殴るなどすれば死に至らしめるほどの傷害を負わせることのできる、凶器となり得ます。
軽犯罪法1条2号は、「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」「に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。」と定めています。
木刀は、この「その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」と評価されます。
法はあくまで「正当な理由なく」と規定しているため、例えば剣道の稽古帰りに所持していた、という場合には正当な理由に当たるため罪にはなりません。
しかし、Aのように常に木刀を持ち歩いたり、何かあった時のための護身用に木刀を所持していたりした場合、正当な理由にあたらないとして軽犯罪法違反となる可能性があります。
【不起訴を求める弁護活動】
ケースのような比較的軽微な事件であっても、例えば検察官が略式手続きによる罰金の手続きをした場合、この罰金刑がいわゆる前科となってしまいます。
前科が付いても影響しないという方もおられますが、ケースのAのような会社役員や公務員、国家資格者については前科が欠格事由となる可能性もあるため、前科はつかないに越したことはありません。
実際に起こした事件(否認事件以外)で前科をつけないようにするためには、不起訴や事件化されないための弁護活動が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、これまで木刀などの凶器になりうる物を持っていたことによる軽犯罪法違反での弁護活動についても経験がございます。
神奈川県横浜市港南区にて、木刀などの凶器になり得る物を所持していたことで軽犯罪法違反を疑われてしまい、前科を付けないため不起訴を求める弁護活動をお求めの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に無料でご相談頂くことができます。
※無料相談は弊所に来ていただいて行うことができます。
あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は横浜駅から徒歩圏内にございます。
マンションで住居侵入してしまい自首を検討
マンションで住居侵入してしまい自首を検討
ご自宅のマンションにて、他人の部屋に入る住居侵入事件を起こしてしまい自首を検討している、という方についての弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横須賀市在住のAは、神奈川県内の大学に所属する大学生です。
Aは一人暮らしで、隣人であるVとは同じ大学の同級生ということで暫し話をする仲でした。
しかし、AとVとの間では多少のパワーバランスが異なっていて、AはVに対してあまり強くは言えない関係にありました。
ある日、VはAに対して、Aが購入したばかりの最新機種のゲーム機1台を半ば強引に借りていきました。
しかしAはVに「ゲーム機を返してください」と中々言うことが出来ず、ゲーム機は返されないまま数カ月が過ぎました。
そこでAは、Vが居ない隙にVの部屋に入って奪い返してやろうと思い、Aがゴミ捨ての際に鍵をかけずに自室を出ることを確認し、ある日の朝早く、Vが自宅を出たことを確認して家を飛び出しVの部屋に入ったところ、Vが忘れ物をしたため帰ってきてしまいました。
慌てたAは、結局ゲーム機を見つけられないまま、ベランダから外に逃げ出しました。
Vは、何者かがベランダから出て行っているところを目撃したため、警察に通報しました。
そして臨場した神奈川県横須賀市を管轄する横須賀警察署の警察官は、Vの部屋にて捜査を始めました。
しばらく外で時間をつぶして自室に戻ってきたAは、Vの部屋に警察官が来ているところを見て、捜査の結果自分が犯人であると判明して逮捕されるのではないかと思い、自首するべきか考え刑事事件専門の弁護士に住居侵入事件で自首についてのメリット、デメリットを尋ねました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【住居侵入について】
ケースのAは、マンションのVの部屋に入りました。
この行為は、住居侵入罪に当たる可能性があります。
住居侵入罪の規定は以下のとおりです。
刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
いくら自分の物とは言え他人の部屋に無断で入って無断で自分の物を取り返す、という行為が「正当な理由」には当たりません。
なお、本章では詳細について触れることは出来ませんが、仮にAが自分のゲーム機を奪い返すことが出来たとして、その行為は窃盗罪に当たる可能性があります。
窃盗罪の法定刑は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と定められています。
【自首について弁護士に相談】
自首について、刑法は次のように定めています。
刑法42条1項 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減刑することができる。
自首するメリットとしては、条文に書いてあるように「刑を減刑することができる」という点の他に、例えば逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れが低いことを主張することができ、逮捕されずに在宅で捜査を進められる可能性が高まるという点が考えられます。
とはいえ、自首したからと言って必ずしも在宅で捜査を進められるわけではないため、自首したその場で逮捕されることも考えられます。
そのため、自首をされる前に、自首することでのメリット・デメリットや、自首する前に出来る準備、弁護活動などについて、一度刑事事件専門の弁護士に無料相談することをお勧めします。
神奈川県横須賀市にて、他人のマンションの部屋に侵入する住居侵入事件を起こしてしまい、自首を検討されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
刃物を所持して銃刀法違反?軽犯罪法違反?
刃物を所持して銃刀法違反?軽犯罪法違反?
自己防衛を目的にツールナイフを所持していたところ、職務質問を受けてその際の所持品検査でツールナイフを所持していることを指摘され、銃刀法違反あるいは軽犯罪法違反を理由に捜査を受けているという方について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横須賀市在住のAは、横須賀市内で自営業を営んでいます。
Aは、数年前に自分が営業している店舗にて店番をしていたところ万引き犯を目撃し、取り押さえようとしたところ抵抗されてけがをした、という事後強盗事件の被害に遭って以来、常にツールナイフを所持して自己防衛に役立てていました。
ある日、Aが横須賀市内で乗用車を運転していたところ、横須賀市を管轄する横須賀警察署の警察官がAに職務質問に応じるよう説得してきて、Aが納得したことを確認した後に職務質問と併せて所持品検査が行われました。
その際、警察官はAが自己防衛目的で所持していたツールナイフを見つけ、銃刀法違反又は軽犯罪法違反の可能性があると指摘しました。
その後在宅で捜査を進められたAは、職務質問と併せて行われる所持品検査でツールナイフが出てきてしまった場合の銃刀法違反事件と軽犯罪法違反事件について、刑事事件専門の弁護士に無料相談をしました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【銃刀法違反について】
銃刀法とは、銃砲刀剣類所持等取締法の略称です。
銃刀法は、「銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制について定める」趣旨で定められている法律です。
銃砲とは主として拳銃や空気銃といった人の生命に危険を及ぼし得るものを指し、刀剣類は刀やなぎなた、剣、ナイフ類などを指します。
ちなみに、刀は片方にのみ刃が付いている物を指し、剣は両方に刃が付いている物を指します。
ケースのようなツールナイフについて、銃刀法で問題となるのは、ツールナイフの「刃体が6cm以上の刃物」に当たるかという点です。
ツールナイフは、商品によって刃体等は千差万別ですが、刃体が長いツールナイフについてはこの規定に反する可能性があります。
銃刀法22条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。
同法31条の18 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一(略)
二(略)
三 第二十二条の規定に違反した者
【軽犯罪法について】
お持ちのツールナイフの刃体が6cm未満であっても、銃刀法違反以外の罪に問われる可能性があります。
それが、軽犯罪法違反です。
軽犯罪法1条2号は「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」に対して「拘留又は科料に処する」と定めています。
こちらは刃体の長さの規定などがないため、銃刀法違反にはならないツールナイフでも軽犯罪法に違反することになります。
軽犯罪法は、比較的軽微な違反を規定している法律ですが、れっきとした法律であることから、違反した場合には略式手続きや公判請求(起訴)され、有罪判決を受けた場合には刑罰を受け、前科がつくことになります。
【刃物を所持していて捜査を受けた場合は弁護士へ】
ツールナイフなどの刃物を所持していたことで銃刀法違反や軽犯罪法に違反した場合、まずは正当な理由で所持していたのか、という点がポイントになります。
しかし、ケースのような自己防衛目的については、正当な理由に当たらないとされています。
その場合には、どのような経緯でツールナイフを所持していたのかを主張するなどして、検察官が起訴を猶予する判断を促す必要があります。
神奈川県横須賀市にて、ツールナイフを所持していたことで銃刀法違反や軽犯罪法違反にあたるとして捜査を受けている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談を受けてみてはいかがでしょうか。
児童買春事件で保釈
児童買春事件で保釈
児童買春と保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【ケース】
Aさんは、神奈川県横須賀市に住む知人Bさんからお金に困っているという相談を受けました。
そこで、AさんはBさんの娘Vさん(14歳)と性交するのと引き換えに、Bさんに対して性交1回あたり5万円を支払うことを約束しました。
VさんはAさんとの性交に対して嫌悪感を抱いていましたが、父であるBさんの頼みで仕方なく性交に応じました。
こうしてAさんはVさんとの性交を繰り返していましたが、やがてVさんが児童相談所に保護されました。
その後、Aさん宅を浦賀警察署の警察官が訪ね、Aさんを児童買春の疑いで逮捕しました。
起訴後にAさんの弁護人となった弁護士は、Aさんの保釈を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【児童買春について】
児童買春については、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に詳しく規定されています。
法が定める「児童買春」の定義は以下のとおりです。
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
誤解をおそれずに要件を簡略化すると、①児童(18歳未満の者)などに対して②対価を交付したりその約束をしたりして、③児童との間で性的な行為をすること、が児童買春だと言えるでしょう。
今回の事例との関係で注意すべきは、対価を受け取る者が児童本人でなくとも児童買春に当たる場合がある点です。
上記事例では、Aさんが14歳であるVさんと性交に及び、Vさんの父親であるBさんが5万円を受け取っています。
BさんはVさんの親権者であることから、「児童の保護者」として児童買春の対価を受け取る主体となりえます。
そのため、Aさんには児童買春の罪が成立すると考えられます。
【保釈による身柄解放を目指す】
児童買春の罪の法定刑は、5年以下の懲役または300万円の罰金という軽くないものです。
そのため、事件の悪質性次第では、懲役刑の言い渡しを見越して起訴されても何ら不思議ではありません。
逮捕・勾留による身体拘束を伴う事件では、起訴された場合に身体拘束が長期に渡ることが見込まれます。
そこで、保釈による一日でも早い身柄解放を実現すべく、保釈請求を行うことが考えられます。
保釈とは、起訴後に限って認められる身柄解放の手段で、裁判所に高額の金銭を預けて一時的に身柄を解放してもらうというものです。
預けた金銭や逃亡や証拠隠滅に及ぶと没収(没取)されるリスクがあるので、そうした行為を牽制できる結果として、身柄解放が比較的認められやすくなっています。
この点は保釈に特有のメリットと言うことができます。
先ほど少し触れたように、保釈を実現するためには、裁判所に保釈請求をしてそれを認めてもらわなければなりません。
保釈の可能性を少しでも高めるのであれば、保釈請求を弁護士に依頼するのが賢明です。
弁護士であれば、事案を詳細に検討し、保釈を認めてもらうために的確な意見を述べることが期待できるでしょう。
ですので、保釈に関するご相談はぜひ弁護士にお尋ねください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、状況に応じて保釈請求をはじめとする的確な弁護活動を行います。
ご家族などが児童買春の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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SNSで他人を中傷して名誉毀損
SNSで他人を中傷して名誉毀損
SNSで他人を中傷するような投稿を行った結果、名誉毀損の罪に問われてた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市泉区に住むAは、横浜市泉区に住む会社員です。
Aは、同じく横浜市泉区在住で同僚のVと交際をしていましたが、VはAに対しての愛情が薄れてきたことから、Aに対して別れを告げました。
それに憤りを感じたAは、Vの友人を含めた不特定の人が見られるような投稿形式にて「Vは枕営業(性交渉等の対価として契約をとるといった意味の俗語)で営業成績を残している売女だ」「Vは課長とも部長とも寝ている」等と侮蔑的な発言を繰り返し行いました。
V自身はAのアカウントをブロックしていたため知りませんでしたが、友人を通じてAの投稿について知り、憤りを感じて横浜市泉区にある泉警察署の警察官に相談をしました。
すると、名誉棄損罪の告訴状を提出してくれれば捜査ができると言われたため、名誉棄損罪での告訴状を提出しました。
後日、泉警察署の警察官は、Aを名誉棄損罪で逮捕しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【名誉毀損とは】
名誉棄損罪の条文は以下のとおりです。
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50年以下の罰金に処する。
第一に、名誉棄損罪のいう「公然」という言葉についてですが、判例で「不特定又は多数人が認識できる状態をいう」とされています。
ケースについて考えると、VのようにAのアカウントをブロックしている人は見られないものの、それ以外の人については見られるような状態で投稿をしているため、不特定多数の人が認識できる状態にあると言えるでしょう。
第二に、名誉棄損罪のいう「事実を摘示」するということについては、「人の社会的評価を害するに足りるもの」でなければならず、それはある程度具体的な事実でなければなりません。
事実とは、真実である必要はなく、虚偽の内容であっても事実と評価されます、
ケースでは、枕営業で成績を上げている、あるいは具体的な人物と性交渉をしているといった具体的な事実が書かれているため、事実を摘示していると言えるでしょう。
後述しますが、この事実の摘示は侮辱罪との区別でも重要となります。
第三に、名誉棄損罪のいう「名誉を棄損」する行為について、人の社会的評価を低下させる具体的な事実を摘示することが要件となっているため、結果として名誉が具体的に侵害されることまでは求められていません。
また、名誉ではなく経済的な側面で信頼を毀損するような言動等については、信用毀損罪(刑法233条)に問われる可能性があります。
例えば、俗に言うアダルトビデオに出演している女性に対して「たくさんの人と性交渉をしている」と投稿した場合には必ずしも社会的評価が下がるとは言えませんが、ケースについては、投稿によって一般人であるVの名誉は毀損される可能性は極めて高いと言えるでしょう。
よって、Aの行為は名誉棄損罪に当たる可能性があります。
【名誉棄損と侮辱罪の違い】
名誉棄損罪と類似する罪に、侮辱罪があります。
侮辱罪は刑法231条で「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。」と定められています。
名誉棄損罪の第二にて、名誉棄損罪は事実を摘示することで成立するとご説明しましたが、侮辱罪は事実を摘示しない場合でも侮辱した場合に成立する罪ですので、「あの女はクズだ」等といった抽象的な侮辱であっても侮辱罪が適用される可能性があります。
【名誉棄損罪で告訴されたら弁護士へ】
名誉棄損罪や侮辱罪といった刑法の第34章「名誉に関する罪」については、親告罪です。
親告罪は、被害者から捜査機関に告訴をしなければ、検察官は当該被疑者を起訴することができません。
よって、名誉棄損罪をはじめとし「名誉に関する罪」での弁護活動の一つに、被害者の方に告訴をしないあるいは取消してもらうことを求めることが考えられます。
その方法としては、例えば示談などが考えられるでしょう。
神奈川県横浜市泉区にて名誉棄損罪で刑事告訴をされた方や、ご家族にそのような方がおられるという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談ください。
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