Archive for the ‘交通事件’ Category

無免許運転に関する罪と罰:事例を交えて解説

2023-10-03

無免許運転に関する罪と罰:事例を交えて解説

道路交通法によると、運転免許を持っていない状態で車を運転することは違法です。 この無免許運転には厳しい罰則がありますが、実際のところ何が問題なのか、どのような罰が科されるのかを事例を交えて詳しく解説します。

無免許運転とは

無免許運転とは、具体的には運転免許を持っていない状態で自動車を運転する行為です。 また、一度取得した免許が失効している場合や、適用外の免許(例えば、普通車の免許で大型車を運転するなど)で運転する場合も、無免許運転とされます。

御案内のとおり、我が国では該当する運転免許証を有していなければ、車やバイクで行動を運転することができません。
免許を有していない者が運転をした場合には無免許運転にあたり、道路交通法で以下のとおり処罰対象とされています。

道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 1号 法令の規定による運転の免許を受けている者でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで又は国際運転免許証等を所持しないで運転した者

無免許運転での刑事事件

無免許運転については、交通事故の増加と公共の安全への懸念があることから、捜査機関は事故を起こしていなかったとしても厳しく取り締まり捜査を行います。 運転免許を持っていない人が運転することで、交通ルールを守らない可能性が高く、それが交通事故につながるケースが多いからです。 特に近年では、無免許運転による重大な事故が社会問題となっており、これを防ぐためにも罰則が強化されています。

道路交通法は、社会の安全と秩序を守るために存在しており、無免許運転に対する罰則もその一環です。 こうした背景を理解することで、無免許運転のリスクとその罰則がどれだけ厳しいのか、その意義がより明確になります。

事例1:無免許での運転

事例として、20歳の大学生が友人の車を借りて運転し、交通事故を起こしたケースを考えます。 この大学生は運転免許を持っておらず、さらにはアルコールを摂取していました。 この場合、無免許運転だけでなく、飲酒運転にも該当するため、罰則は非常に重くなります。

このようなケースでは、無免許運転に対する罰則以外にも、飲酒運転に対する罰則が加算され、さらに事故を起こしたことで被害者に対する賠償責任も生じます。 さらに、このような事例は一般に広く報道されることが多く、社会的な信用も失う可能性があります。

違反した場合の罰則

無免許運転に対する罰則は、日本の道路交通法第64条に明確に規定されています。 無免許での運転に対しての罰条は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。 これは無免許運転が単独で行われた場合の基本的な罰則ですが、他の違反(例:飲酒運転、過速運転など)が加わると、罰則はさらに重くなります。

また、無免許で運転して事故を起こした場合、刑罰だけでなく民事上の賠償責任も発生します。 この賠償責任は、被害者の治療費や損害賠償として請求される可能性があります。

事例2:罰金と刑罰

次に、40歳のサラリーマンが運転免許の更新を怠り、そのまま車を運転していたという事例を考えます。 このケースでは、単純な無免許運転であるため、最も軽いケースとされますが、それでも3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。 さらに、この事例では運転免許の更新を怠ったことが原因で、保険が適用されない可能性も高くなります。

もし事故を起こしてしまった場合、このサラリーマンは賠償責任も負い、大きな金額が発生する可能性があります。 このように、一見軽微に思える無免許運転でも、経済的・社会的なダメージは計り知れません。

関連する他の法律

無免許運転は、道路交通法だけでなく、刑法や民法にも関連してきます。 例えば、交通事故を起こした場合、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の定める過失運転致死傷罪に問われますが、危険運転致死傷罪に問われますが、無免許運転だった場合には同法の6条が定める「無免許運転による加重」が適用され、免許を有していて事故を起こした場合に比べてより厳しい刑事罰が科せられます。

また、民法においても、無免許運転によって人に対して損害を与えた場合、無免許運転でない場合に比べより重い賠償責任が問われることが考えられます。 この賠償は、医療費や慰謝料、その他の経済的損失を含む可能性があります。

まとめ

本記事では、無免許運転に関連する問題と罰則について詳しく解説しました。 具体的な事例を用いて、どのような罪や罰が適用されるのか、さらにはそれに伴うリスクと責任についても触れました。 無免許運転は単なる違反行為ではなく、広範な影響を及ぼす可能性があるため、その重要性と厳罰化の背景についても説明しました。


弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の紹介

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件に特化した法律サービスを提供しています。 無免許運転飲酒運転、その他の交通違反から生じる問題に対して、専門的なアドバイスとサポートを行います。 経験豊富な弁護士が在籍しており、どんな状況においても最善の解決策をご提案します。 お客様の権利を守るため、最良の戦略と効果的な法的手段を用いてサポートを致します。

【お客様の声】死亡事故で執行猶予判決

2023-08-24

【お客様の声】死亡事故で執行猶予判決

死亡事故を起こしてしまい裁判を受け、執行猶予付きの判決を言い渡されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市神奈川区在住のAさんは、横浜市神奈川区の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、横浜市神奈川区の路上を車で走行していたところ、信号機のない横断歩道を渡っていた自転車に乗ったVさんに接触してしまい、Vさんは頭部を強打したことで搬送先の病院で死亡してしまいました。
Aさんの通報を受けて臨場した横浜市神奈川区を管轄する神奈川警察署の警察官は、Aさんを死亡事故(自動車運転過失致死罪)で在宅捜査しました。
事故後、AさんはVさんの遺族に謝罪し葬儀に参列したいと考えていましたが、Vさんのご遺族はそれを拒否しました。

Aさんは任意保険に加入していたため保険会社に対応を任せていましたが、担当検察官から起訴する旨説明を受け、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料法律相談を受け、弁護を依頼されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【車での死亡事故】

今回のAさんの事故は、横断歩道を渡っていた自転車に乗車中のVさんに接触し、その事故を受けてVさんが死亡してしまった、というものです。
自転車が横断歩道を横断する行為は禁止されていないことから、歩行者の横断を妨害しなければ、自転車も横断歩道を横断できます。
そして横断歩道を横断しようとした歩行者や自転車を見かけた場合、車やバイクの運転手は、横断歩道の手前で停車して横断を優先しなければなりません。
Aさんの場合、前方を注視せず、横断歩道を横断している自転車に接触したことから、運転上必要な注意を怠り、Vさんを死亡させたとして、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)に違反します。

自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

なお、運転に際してお酒や薬物の影響を受けて運転していた場合や制御できないほどの高速度で走行していた場合などには、危険運転致死傷罪が適用され、さらに厳しい刑事処罰を科せられます。

【執行猶予を求める弁護活動】

Aさんは初犯でしたが、見通しの良い横断歩道での事故であり、被害者が死亡しているという結果の重大性、任意保険に加入していたことで遺族に対し弁済はできているものの示談等が出来ていない、という事情から、厳しい刑事処罰が科される可能性がありました。
そのため弁護士は、裁判で
・事故後すぐに消防局に通報する等Aさんができる限りの対応をしていること
・Vさんの遺族への謝罪や弁済の意向があること
・任意保険に加入していたことから、遺族への弁済ができていること
・Aさんが反省していて、車を処分するなど目に見えるかたちで反省の意を示していること
・職場へ報告しており、退職金に影響する可能性が高く社会的な制裁を受けていること
等を主張しました。
結果的に、Aさんには執行猶予付きの禁錮刑が言い渡されました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事裁判を回避する(不起訴などを目指す)弁護活動だけでなく、起訴され刑事裁判を受けることは避けられないが裁判での情状弁護により執行猶予付きの判決を求める、という弁護活動を数多く経験しています。
神奈川県横浜市神奈川区にて、人身事故死亡事故を起こしてしまい、執行猶予付きの判決を求める場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料法律相談をご利用ください。

【解決事例】あおり運転で不起訴処分

2023-07-06

【解決事例】あおり運転で不起訴処分

あおり運転をしたことで逮捕された事件で不起訴処分となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県海老名市在住のAさんは、海老名市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、海老名市の路上を自家用車で走行中、Vさんが運転する車が気に入らないと考えVさんの運転する車の前方に回り込んで停車させたのち、Vさんに対し降車を求めたうえ、Vさんの胸倉を掴みました。
Vさんの車の同乗者が110番通報し、臨場した海老名市を管轄する海老名警察署の警察官はAさんを暴行罪で現行犯逮捕しました。
その後勾留されることなく釈放されたAさんは、当事務所の弁護士による無料相談を利用され、その後弁護を依頼されました。

弁護士は、捜査機関を通じてVさんの連絡先を弁護士限りで伺い、Vさんに連絡しました。
Vさんは当然のこと乍らお怒りで、Aさんの謝罪文を求められました。
そこで弁護士は、Aさんに謝罪文の作成を指示し、内容については添削のうえ、Vさんにお送りしました。
Vさんは謝罪文を確認したうえで、示談に応じてくださるということになりました。
最終的に、AさんとVさんの間では、VさんがAさんに対して厳しい刑事処罰を求めない旨の約定を含む示談書が締結され、その内容を踏まえ検察官はAさんを不起訴処分としました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【あおり運転と暴行罪】

Aさんの行為については、
①Vさんの車を停止されるまでに行ったあおり運転行為
②Vさんを降車させて胸倉を掴んだ暴行
の2点が問題となりました。

あおり運転
昨今問題となっている、いわゆる「あおり運転」について、令和2年6月30日施行の改正道路交通法により、厳罰化がなされました。

道路交通法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 8号 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
  イ 第17条(通行区分)第四項の規定の違反となるような行為
  ロ 第24条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
  ハ 第26条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
  ニ 第26条の2(進路の変更の禁止)第2項の規定の違反となるような行為
  ホ 第28条(追越しの方法)第1項又は第4項の規定の違反となるような行為
  ヘ 第52条(車両等の灯火)第2項の規定に違反する行為
  ト 第54条(警音器の使用等)第2項の規定に違反する行為
  チ 第70条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
  リ 第75条の4(最低速度)の規定の違反となるような行為
  ヌ 第75条の8(停車及び駐車の禁止)第1項の規定の違反となるような行為

同法117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
 4号 次条第1項第8号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者

一般道でのあおり運転の場合、道路交通法117条の2の2により、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
また、高速道路で被害車両を停止させたり交通の危険を生じさせたりするような行為については、更に悪質なあおり運転として、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。

②暴行
AさんがVさんの胸倉を掴んだ行為は、暴行罪に該当します。
条文は以下のとおりです。

刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

胸倉を掴む行為については、判例で不法な有形力の行使(暴行)に当たるとされていることから、暴行罪が成立します。

【事務所紹介】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、あおり運転や暴行罪といった被害者のいる事件での示談交渉の経験が豊富です。
神奈川県海老名市にて、あおり運転をした嫌疑で逮捕されたのち釈放されたという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】人身事故で被害者が死亡

2023-03-30

【解決事例】人身事故で被害者が死亡

車で歩行者に接触してしまい被害者が死亡してしまったという人身事故執行猶予判決を言い渡されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市保土ヶ谷区在住のAさんは、保土ヶ谷区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、横浜市保土ヶ谷区内の公道で自家用車を運転していたところ、歩行者のVさんが信号機のない横断歩道を渡っていることに気付かず、停止することなく走行してしまい、Aさんの自家用車とVさんが接触する人身事故を起こしてしまいました。
Aさんはすぐに降車して警察署と消防署に通報しましたが、Vさんはその後死亡が確認されました。
臨場した横浜市保土ヶ谷区を管轄する保土ヶ谷警察署の警察官は、Aさんを過失運転致死事件の被疑者として在宅で捜査を行い、検察官送致(いわゆる書類送検)しました。
Aさんは検察官から「起訴したら通知が届くから」と説明を受けたため、その後の見通しや必要な対応について、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。
弁護士は起訴されることを前提に、裁判の流れや弁護人として聞く内容・検察官から聞かれるであろう内容を丁寧に説明し、Aさんは過度な緊張をしない状態で公判期日を迎えることができたようです。
結果的にAさんには執行猶予判決が言い渡されたことについても、大変感謝されていました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【人身事故で被害者が死亡してしまった場合】

自動車やバイクなどを運転していた場合、ちょっとした不注意であっても、人を死傷させてしまう恐れがあるということは御案内のとおりです。
警察庁Webサイトの統計表によると、令和4年中の交通事故の件数は30万1193件で、交通事故による死者数は2,610人でした。
最も死者数が多かった昭和45年の数字(16,765人)に比べるとその数は大幅に減っているとはいえ、いまなお人身事故で命を落とす方が居られることは事実です。

自動車やバイクを運転していて歩行者や事故相手方の車両に乗車していた方、自身が運転する車両の同乗者が死亡した場合、いわゆる死亡事故について、以下のとおり規定されています。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

※飲酒や薬物の影響を受けて運転し、被害者を死傷させた場合、さらに厳しい「危険運転致死傷罪」に処されます。

【死亡事故での刑事裁判】

今回の事故は死亡事故であり、しかも事例の場合は歩行者が横断歩道を渡っていた際に被害に遭ってお亡くなりになったという死亡事故であることから、裁判官が厳しい刑事罰を科す必要があると判断する可能性が極めて高いものでした。
Aさんは対人対物無制限の任意保険に加入していたためVさんのご遺族に対する被害弁済はなされましたが、直接の謝罪は受け入れないというご意向で、Aさんの謝罪のお気持ちは直接お伝えすることができませんでした。

裁判でAさんは自身の不注意により生じた死亡事故であることを認めた上で、弁護士は直接の謝罪は叶わなかったもののAさんが事件を重く受け止めとても反省していること、保険会社を通じて被害弁償がなされていること、(事故後に運転免許が取り消されたのち)運転免許の再取得の意向はなく二度と運転をする意思がないこと、国家資格等の兼ね合いで社会的制裁を受ける可能性があること等を丁寧に説明しました。
人身事故の場合、前科前歴がない場合でも実刑判決を受ける可能性があります。
しかし、Aさんの事例では、執行猶予判決を宣告されました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、人身事故で被害者が死亡してしまったという「厳しい刑事罰が見込まれる裁判」を数多く経験してきました。
Aさんの事例では被害者のご遺族は謝罪を拒否されていましたが、反対に事故後すぐに謝罪や賠償を求めるご遺族が居られることも事実です。
神奈川県横浜市保土ヶ谷区にて、自動車やバイクを運転していて人身事故を起こしてしまい、残念乍ら被害者がお亡くなりになったという場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

【解決事例】共同危険行為の少年が不処分に

2023-03-15

【解決事例】共同危険行為の少年が不処分に

共同危険行為と呼ばれる交通事件を起こした少年が審判の結果不処分になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市南区在住のAさんは、事件当時横浜市内の高校に通う高校1年生でした。
Aさんは、横浜市南区内にて、友人13人とともに集団でバイクを運転し、その間に蛇行運転や信号無視を行ういわゆる暴走族に加入していました。
もっとも、Aさんは集団のリーダーなどではなく、暴走行為に毎回参加している、という訳ではありませんでした。
ある日、暴走族に加入する友人ら数名が一斉に逮捕されたと聞いたAさんは、自身も逮捕されるのではないかと不安になり、横浜市南区を管轄する南警察署に自首(又は出頭)することを決めましたが、その前に弁護士に相談した方が良いと考え、当事務所の弁護士による無料相談を利用され、その後依頼をされました。

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【共同危険行為について】

いわゆる暴走族について、最近は街中で見かけることが少なくなりましたが、今なおその存在は確認されています。
公道において集団でバイクや車を走行し、蛇行運転や信号無視、カーチェイスなどを繰り返す暴走行為は、共同危険行為と呼ばれ、下記の条文が問題となります。

道路交通法68条 2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
同法117条の3 第68条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

その他にも、信号無視での違反や無免許運転手がいた場合にはそれらの罪、マフラー等の改造による不正改造等禁止の罪など、様々な罪に問われる可能性があります。

【不処分を求める弁護活動】

共同危険行為の罪は、道路に居る他の車両や歩行者等に危険を及ぼし迷惑をかけることは勿論のこと、そのような集団に属することで更に重大な事件を起こす可能性が高いと判断され、少年院送致などの厳しい保護処分が課せられるおそれがあります。
弁護士も、最初にAさんから事件の話を聞いたとき、要保護性が高い(保護する必要性がかなりある)と評価しました。
しかし、その後弁護士が繰り返しAさんとの面談を行い、どうして暴走行為(共同危険行為)をしてしまったのか、暴走行為(共同危険行為)が禁止されている理由についてはどう考えるか、将来どのような大人になりたいと考えるか・そのためにはどのような学校生活を送る必要があるか、等について考えてくださるようになり、内省を深めるようになりました。
また、保護者から話を聞いたところ、Aさんが早寝早起きなどの生活リズムを整えるようになったり、暴走行為(共同危険行為)に関係する友人とは連絡を取らないようにしたり、進路の相談をしたりするようになったと聞きました。

Aさんは在宅での捜査を経て家庭裁判所に送致された後、審判が行われました。
審判廷で、弁護士は付添人の立場で「事件当時は要保護性のある少年であったが、事件後の保護者や弁護士の指導監督に服することで、事件を反省し更生しているため保護処分は不要である」という主張を行いました。
審判を担当した家庭裁判所の裁判官も、弁護士の主張を踏まえ、Aさんには保護処分が必要ないと判断して「不処分」の決定を下しました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事事件・少年事件を数多く経験していて、少年事件で「不処分」を獲得した事例も少なくありません。
不処分」を求める弁護活動・付添人活動というのは、単に軽い処罰を求めるという意味ではなく、
・犯罪の事実は存在せず、今後も罪を犯すおそれもないため、保護処分は不要である
・犯罪の事実はあるが、事件から審判に至るまでに既に謝罪や環境調整ができているため、保護処分は不要である
といった事例に即した環境調整と主張を行っていく必要があるのです。
神奈川県横浜市南区にて、お子さんが暴走行為(共同危険行為)に加担して自首・出頭を検討しているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

【解決事例】スピード違反で交通贖罪寄附

2023-02-24

【解決事例】スピード違反で交通贖罪寄附

スピード違反の事件で交通贖罪寄附をしたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県相模原市在住のAさんは、相模原市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、相模原市内の公道で、制限速度50km/hの区間を130km/hで走行し、相模原市内を管轄する相模原北警察署の警察官によりスピード違反で検挙されました。

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【スピード違反について】

自動車やバイクなどの車両を走行する際には、道路交通法をはじめとした交通法規に従って走行する必要があります。
交通法規には標識や信号に従って走行すること、適切な運転免許証の交付を受けること等がありますが、その一つに速度の順守があります。

道路交通法22条1項 車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

この「政令で定める最高速度」について
一般道路:60km/h  (道路交通法施行令11条)
高速道路:100km/h (道路交通法施行令27条1項1号)※貨物については80km/h
と定められています。
※原動機付自転車については30km/h(同施行令11条)
また、今回のAさんが走行したように、速度を制限している箇所が数多くあり、その際は道路交通標識に従って走行しなければいけません。

【スピード違反の罰則】

まず、一般道路では30km/h、高速道路では40km/h未満のスピード違反については、罪を認めて交通反則通告制度に従っていわゆる青キップにサインし反則金を納付した場合、刑事手続きには発展しません。
しかし、上記の基準を超えたスピード違反については、免許停止や免許取消といった行政処分とは別に、刑事手続きに附されることになります。
罰条は以下のとおりです。

道路交通法118条1項 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
1号 第22条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者

【交通贖罪寄附について】

刑事事件のうち被害者がいる事件では、重要な弁護活動として示談交渉があります。
しかし、スピード違反のうち事故等を起こしていないような事件では、被害者がいないため、示談交渉はできません。
スピード違反での弁護活動の場合、
・車を処分にしたり運転免許証を返納する等により、今後車を運転しないことを示す
・安全運転講習を受講する
・家族が同乗する等して管理監督する
などの方法に加え、「交通贖罪寄附」を納付するという弁護活動があります。

交通贖罪寄附とは、スピード違反や飲酒運転といった被害者がいない交通違反事件において、心からの反省を示すため、寄附をするというものです。
日本弁護士連合会や法テラスなどが受け付けていて、寄附金は交通事故被害者救済に充てられます。

スピード違反事件では、決まった弁護活動があるわけではなく、事件の内容や生活状況などによって弁護活動が異なります。
神奈川県相模原市にて、スピード違反により刑事裁判になる可能性があり、交通贖罪寄附などの弁護活動について知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族がスピード違反などがきっかけで逮捕された場合はこちら。

【解決事例】無免許ひき逃げ事件で不処分に

2023-01-15

【解決事例】無免許ひき逃げ事件で不処分に

20歳未満のお子さんが運転免許証を有せずにバイクを運転してしまい、人身事故を起こしたのち救護義務に違反し逃走したといういわゆるひき逃げ事件で不処分となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県鎌倉市在住のAさんは、事件当時神奈川県内の高校に通う高校1年生(16歳でした)。
Aさんはバイクに興味があるものの運転免許証は有していないという状態でした。
しかしAさんは保護者の目を盗み、保護者が所有するバイクを無断で数回運転してしたところ、鎌倉市内の路上で歩行者Vさんを転倒させる事故を起こしてしまったうえ、怖くなったAさんは通報したりVさんの容体を確認したりすることなく現場を離れる、いわゆるひき逃げ事件を起こしました。
その後、事故現場に「●月●日に発生したバイクと歩行者の接触事故について目撃者を探しています」といった旨の立て看板を見て、猛省し保護者に伝えたうえ自ら鎌倉市内を管轄する鎌倉警察署に出頭しました。

その後、AさんとAさんの保護者の方は、今後Aさんの処遇がどうなるのか不安に思い、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼しました。
弁護士は、すぐに鎌倉警察署に連絡し、今後も身柄拘束はせずに在宅で捜査を行うという方針を確認しました。
次に、Aさんと弁護士2名で打合せを行い、どうして無免許運転をしてしまったのか、事故を起こした後すぐに逃走したのはなぜか、被害者や被害者家族の立場に立ったらどう思うか、といった振り返りを行うとともに、今後の学校生活や学校卒業後の人生について、真剣に考える機会を設けました。

警察官・検察官による捜査が行われた後、Aさんは家庭裁判所に送致されました。
弁護士は、付添人の立場で、家庭裁判所に対しAさんが罪を認め反省していること、事件から家庭裁判所送致に至るまで振り返りや反省を繰り返していること、家族による今後の監視監督の体制が整っていること、被害者やその家族はAさんに対する処分・処罰を求めていないこと、等の理由から、Aさんに保護処分は必要ないということを主張しました。
その結果、裁判官はAさんに対し、保護処分を課さない「不処分」の判断を下しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【不処分を求める弁護活動】

少年事件では、捜査が行われたのち家庭裁判所に事件送致され、一定の重大事件を除き、家庭裁判所の裁判官が少年の処遇を決します。
ほとんどの事件では、家庭裁判所の調査官による調査が行われ、裁判官は
・家庭裁判所の調査官が作成した社会記録
・警察官や検察官等の捜査機関が作成した法律記録
・付添人弁護士がいる場合は付添人弁護士の意見書
などの書類に目を通し、裁判官が審判は不要であると判断した場合は審判不開始決定を下します。

審判が行われる場合、裁判官は上記書類に加え、審判廷で行われる少年本人や保護者などの尋問の内容をふまえ、最終的な保護処分を決めます。

今回のAさんの事件では、事件が決して軽微とはいえないものであり、保護処分を課される可能性が高かったのですが、付添人弁護士の意見を汲み、保護処分が課されない「不処分」という結果になりました。

神奈川県鎌倉市にて、お子さんが無免許運転のうえ人身事故を起こしてしまい、更に逃走したというひき逃げ事件を起こしてしまい、取調べを受けたり家庭裁判所に送致されたりした、という場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、無料でご相談ができ、手続きの流れや不処分の可能性などについて説明を受けることができます。
お子さんが逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】人身事故で正式裁判回避

2023-01-09

【解決事例】人身事故で正式裁判回避

人身事故を起こしてしまった場合に問題となる過失運転致死傷の罪について、正式裁判を回避することができた事例をもとに解説致します。

【事例】

神奈川県横須賀市在住のAさんは、横須賀市内の会社に勤める会社員です。
事件当日、Aさんは仕事で社用車を運転していたところ、横須賀市内の路上にて、自転車で走行していたVさんと接触する人身事故を起こしてしまい、Vさんは全治2週間の怪我を負いました。
Aさんは、人身事故を起こしたとして在宅で捜査を受けることになり、捜査の流れや終局処分の見通しについて知りたいと考え当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。

Aさんは、起訴され正式裁判になった場合には処分が決められるまでに数ヶ月を要し時間的にも精神的にも負担が大きいと感じ、正式裁判を回避したいというご意向でした。
弁護士は、Vさんに対し示談交渉を行いましたが、Aさんが加入していた任意保険の会社から賠償は行われていて、それ以上の対応は拒否するというご意向でした。
そこで弁護士は、保険会社の担当者と協議し弁済が問題なく行われていることが分かる書類を取り寄せました。
そして、その書類に加え、Aさんが反省していること、賠償を行う意向はあるがVさんはそれを拒否されていること、Aさんが事故により会社内で懲戒処分を受ける等既に刑事事件以外の部分で事実上の制裁を受けていること、等を主張し、寛大な処分を求めました。
結果的に、Aさんは起訴されて正式裁判になることはなく、略式手続による罰金刑となりました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【人身事故について】

車やバイクを運転していた際に事故を起こしてしまい、その結果相手の車やバイクに乗っていた人・歩行者・自車の同乗者などが死傷してしまった場合、人身事故として取り扱われます。
人身事故は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称、自動車運転処罰法)に規定されている過失運転致死傷罪が適用されます。
条文は以下のとおりです。

自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

【正式裁判を回避するための弁護活動】

罪を犯したと疑われるいわゆる犯人は、被疑者という立場で警察官や検察官による捜査を受けます。
そして、検察官が被疑者を証拠が十分にあると判断した場合、被疑者を起訴します。
起訴された被疑者は被告人という立場になり、公開の法廷で刑事裁判を受け、裁判官により有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑事罰を科すか、決められます。

正式裁判を回避するためには、検察官に対し起訴以外の終局処分求める必要があります。
起訴以外の終局処分には、大別すると
・不起訴
・略式起訴

が挙げられます。

略式起訴とは、明白でかつ簡易な事件であり、100万円以下の罰金(1万円以上)又は科料(1000円以上1万円未満)に相当する事件で採られる簡易な手続きです。
略式罰金となるためには、被疑者本人が事件を起こしたことを認めていて、略式罰金を納付する手続きが行われることに納得している場合にとられる手続きです。
略式罰金は、正式裁判に比べて迅速に判断が下される点や、書類の上だけで行われる非公開の手続きであるため被告人にとって心理的・時間的負担が小さいという点でメリットがあります。
但し、略式起訴されて略式罰金を納めるということは、いわゆる前科が付くことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、人身事故での刑事弁護活動について数多くの経験があります。
神奈川県横須賀市にて、人身事故を起こしてしまい正式裁判を回避するための弁護活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談をご利用ください。
家族が逮捕・勾留されている場合は≪コチラ≫。

【解決事例】死亡事故で略式罰金

2022-12-12

【解決事例】死亡事故で略式罰金

交通死亡事故を起こしてしまったものの略式罰金になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県川崎市川崎区在住のAさんは、川崎市川崎区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、仕事で川崎市川崎区内の路上を車で走行していたところ、不注意で前方に停車していた車に衝突してしまい、被害者は事故の数時間後に亡くなってしまいました。
臨場した川崎臨港警察署の警察官は、Aさんを在宅捜査することにしました。

無料相談で相談を受けた当事務所の弁護士は、被害者が死亡しているため過失運転致死事件として捜査を受けること、刑事裁判になる可能性が高いが略式手続(略式罰金)に附される可能性もあることを説明し、依頼を受けました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【死亡事故について】

自動車での死亡事故について、従来は業務上過失致死罪(刑法211条)が適用されていました。
しかし、飲酒運転などの悪質な事故の増加等を背景に、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(通称:自動車運転処罰法)が制定され、自動車事故の厳罰化が図られました。
条文は以下のとおりです。

自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

【略式罰金について】

通常の刑事手続きでは、検察官が裁判所に被疑者を起訴をし、起訴された被疑者は被告人という立場になり裁判所で裁判が行われます。
しかしながら、比較的軽微な事件(100万円以下の罰金又は科料に相当する事件)の場合、通常の手続きを簡略化した略式起訴が行われる場合があります。
検察官が略式罰金を決め、被疑者の異議がなかった場合、検察官は簡易裁判所に書類を送り、書面にて処分を下します。
公開の裁判は行われません。
略式罰金は通常の刑事手続きに比べ、公開の裁判を受けずに済み、その場合に必要な弁護士費用等の負担もなくなるため、被疑者・被告人にとって有利であると考えられます。

【死亡事故で弁護士に相談】

死亡事故(人身事故)で多い例として、自身で加入した任意保険の会社に対応を一任するという場合があります。
確かに、被害者に対する賠償については、保険会社に対応を委ねる必要があります。
しかし、民事上の問題は解決できても、刑事上の責任は別途の対応が必要です。
死亡事故で正式裁判を回避し略式罰金にしたい、という場合には刑事事件専門の弁護士に相談をすることをお勧めします。
神奈川県川崎市川崎区にて、死亡事故を起こしてしまい、略式罰金が可能かどうか知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はコチラ。

【解決事例】人身事故で略式起訴

2022-11-27

【解決事例】人身事故で略式起訴

人身事故を起こしてしまい被害者が骨折等の大怪我を負ったものの略式起訴となり正式裁判を回避することができたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市瀬谷区在住のAさんは、瀬谷区内の会社に勤める会社員です。
事件当日、Aさんは自動車を運転していた際、高齢の歩行者Vさんと接触してしまい、Vさんは骨折をするなどの大怪我を負いました。
当初、Aさんは任意保険に加入していたため対応を任せておけば良いと考えておられましたが、警察官から検察官に書類を送致すると言われ、不安になり当事務所の弁護士による無料相談を受け、依頼されました。
依頼を受けた弁護士は捜査機関を通じて被害者に連絡先の開示を求めたところ応じて頂いたため、Vさんに連絡をとりAさんの謝罪と賠償の意思を伝えました。
しかしVさんは事件から時間が経っているのにそれ以前に謝罪の連絡がなかったことに大変ご立腹で、お電話での話は数回に亘り、毎回1時間近くに及ぶものでした。
最終的にVさんは示談に応じてくださることはありませんでしたが、弁護士は担当検察官に対し、AさんとしてはVさんに謝罪と弁済をする意思があり、丁寧に説明を続けたが合意には至らなかった旨を主張し、改めてAさんの反省が言葉だけのものではなかったことを伝えました。
Aさんの事例は、被害者の怪我の程度や示談ができていないという状況から、公判請求されて正式裁判になる可能性がありました。
しかし、担当検察官はAさんを略式手続に附し、正式裁判は行われませんでした。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【人身事故について】

自動車やバイクを運転している最中に事故を起こすなどして被害者を死傷させる行為は、いわゆる人身事故として扱われます。
人身事故は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)により
・被害者が怪我をされた場合:過失運転致傷罪
・被害者が亡くなった場合:過失運転致死罪

がそれぞれ適用されます。
条文は両方とも、以下のとおりです。

自動車運転処罰法5条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

【略式起訴について】

刑事事件で被疑者を起訴するかどうかは、担当検察官に委ねられます。
担当検察官は捜査を行った結果、証拠があり被疑者を起訴するべきであると判断した場合に起訴することになりますが、通常の起訴(公判請求)とは別に、略式起訴という手続きがあります。

公判請求された被告人は、公開の法廷で裁判を受けて裁判官により判決を宣告されます。
この手続きは、起訴されて判決が出るまでに、比較的軽微で単純な事件であっても2~3ヶ月、複雑な事件や否認事件では数年に及ぶこともあります。

略式起訴の場合、検察官は予め被疑者に対して略式起訴の説明と同意を経て、簡易裁判所裁判官に起訴状と証拠物を提出し、裁判官は書面審理を行い、問題がなければ100万円以下の罰金又は科料の刑を言い渡します。

略式起訴は、起訴され正式裁判が行われる場合に比べ、判決言い渡しまでの期間が短いほか、公開の法廷で審理が行われるわけではないため心理的な負担も小さいと言えます。
もっとも、略式起訴は犯罪事実を認めていて、争いのない、比較的軽微な事件でしか行うことができません。
略式起訴できる事案なのか否か知りたい場合、法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

神奈川県横浜市瀬谷区にて、人身事故を起こしてしまい起訴されて正式裁判になるのか、略式起訴になるのか知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。
家族が逮捕・勾留されている場合は≪初回接見≫をご案内致します。

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