神奈川県川崎市麻生区の傷害事件②

神奈川県川崎市麻生区の傷害事件②

【ケース】
神奈川県川崎市麻生区在住のAが、川崎市麻生区内の路上にて酔った相手Vに絡まれた際にVを殴ったところ、Vが頭や腕を電柱にぶつけてしまい、骨折などにより全治1カ月の怪我をしたという傷害事件です。
Aは学生で、今回の事件で前科が付いた場合に、今後国家資格のための試験や就職の際にどのような不利益が生じるか不安になってしまい、刑事事件を専門とする弁護士に相談しました。

≪詳細については、昨日のブログをご参照ください。

(フィクションです。)

【傷害事件について】

昨日のブログをご覧ください。

【前科がついて困ることは?】

昨日のブログをご覧ください。

【前科が付くことで問題となる資格や職業】

はじめに、民間企業にお勤めの方に前科が付いた場合、各会社の就業規則等に従って処罰される可能性があります。
また、民間企業に就職する際の履歴書に賞罰欄が設けられていた場合、そこに前科について書く事が考えられます。

次に、公務員の場合、法律の規定なしに懲戒をかけられることはありません。
地方公務員や一般の国家公務員(自衛官などを除いた公務員)の場合、地方公務員法・国家公務員法の規定により、禁錮刑以上の刑罰を科せられた場合には失職することになります。

最後に、国家資格を中心とした資格においては、前科が欠格事由にあたり資格が取得できない、あるいは制限される場合があります。
以下で、前科が付くことで影響がある資格をいくつか列挙します。

・法曹三者
法曹三者とは、裁判官・検察官・弁護士の三者を指します。
このうち裁判官や検察官については、前科がある場合事実上不可能に近いです。
弁護士については、弁護士法7条1号に弁護士の欠格事由として「禁錮以上の刑に処せられた者」と定められています。
そのため、禁錮刑以上の前科がある場合は①刑の執行を猶予された場合はその時から、②禁錮以上の執行を終えてから10年を経過した時から、欠格事由には該当しないこととなります。
ただし、弁護士は全国にある弁護士会(神奈川県内の場合、神奈川県弁護士会)に会員登録しなければ弁護士としての活動が出来ません。
弁護士会の会員登録は各弁護士会の裁量ということになっていて、前科がない場合はおおよそ問題なく会員になることが出来ますが、前科がある場合は弁護士会内の審査が行われる可能性があります。

・医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、保健師等)
①資格を取る前の立場の方の場合、「罰金以上の刑に処せられた者」は「免許を与えないことがある」と定められています。(医師法4条3号、歯科医師法4条3号、薬剤師法5条3号、保健師助産師看護師法9条1号等)
②既に資格を取っている立場の方の場合、「罰金以上の刑に処せられた者」に対しては、厚生労働大臣によって「戒告」「三年以内の医業の停止」「免許の取消し」に処される可能性があります。(医師法7条2項各号、歯科医師法7条2項各号、薬剤師法8条2項各号、保健師助産師看護師法14条1項各号)

・社会福祉士・介護福祉士
社会福祉士や介護福祉士に前科が付いた場合、医療従事者の資格よりさらに厳しく、社会福祉士及び介護福祉士法3条2号により「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者」は「社会福祉士又は介護福祉士となれない」と定められているため、前科があることで重要な不利益が生じます。

その他、士業や教師、建築士など、前科が付くことで資格などに影響する場合は多々ございます。
自分の資格は?とご不安な方がられましたら、弁護士に確認してもらうことをお勧めします。

【前科を避ける弁護活動】

先述致しましたが、前科は、起訴されて有罪判決を受ける、あるいは略式手続をとることでつくものです。

我が国では刑事事件で起訴された場合、99%以上の事件で有罪判決が下され、刑罰が科せられることになるため、必然的に前科が付くことになります。
そのため、ケースのように加害者の方が事件を起こしたことを認めていて、前科を避けたいとお考えの場合の弁護活動として、示談が挙げられます。
当事者間での合意が整い、双方(あるいは先方のみ)が被害届を取下げる等の対応がなされれば、検察官は起訴しない(不起訴)という判断を下す可能性が高くなります。

前科を避ける弁護活動は、検察官が起訴するか否かの判断を下す前に行わなければなりません。
神奈川県川崎市麻生区にて傷害罪で被害届を出されていて、資格取得や就職のために前科をつけない弁護活動をお望みの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による無料相談をご利用ください。

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