落書きで建造物損壊罪?

2019-06-08

落書きで建造物損壊罪?

Aさんは、神奈川県内をバイクで散策しては、道路の設置物やトンネルなどにラッカースプレーで落書きをしていました。
ある日、Aさんが神奈川県足柄上郡内の公園にある公衆トイレの壁に落書きをしていたところ、その様子をたまたま通行人のWさんに目撃されました。
Aさんは、Wさんから「落書きは犯罪だよ。松田警察署に通報したからね」と言われ、慌ててその場を立ち去りました。
後日、Aさんは自身が逮捕されるのではないかと思い、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(上記事例はフィクションです)

【落書きに成立する罪】

外を歩いていると、たとえば歩道橋やトンネルの壁などに落書きがされているのが目に入ります。
落書きはその場所にすっかり溶け込んでいることもあり、落書きという行為につい寛容になりがちです。
ですが、建造物や道路の設置物に落書きをすると、以下のような犯罪が成立する可能性があります。
まず、考えられるものとしては軽犯罪法違反が挙げられます。
軽犯罪法1条33号は、「みだりに他人の家屋その他の工作物…若しくは標示物を汚した者」拘留または科料に処するとしています。
街中で見かける落書きは、スプレーやチョークなどで工作物等を汚す行為に当たると考えられます。
そうすると、上記事例のAさんも軽犯罪法違反に当たる可能性があります。
ただ、拘留は1日以上30日未満の拘置、科料は1000円以上1万円未満の金銭の納付であり、数ある罪の中ではごく軽いものと言えます。

場合によっては、軽犯罪法違反ではなく建造物損壊罪が成立する余地もあります。
建造物損壊罪における「損壊」とは、建造物の効用を害する一切の行為を指すと考えられています。
このことから、落書きにより目的物を汚損した場合でも、「損壊」に当たるとして建造物侵入罪に当たることはありえるということになります。
上記事例では、Aさんが公園の公衆トイレの壁にラッカースプレーで落書きをしています。
落書きをしたからといって、公衆トイレの壁が崩れたり薄くなったりするというのは起こりません。
ですが、公園という空間を構成する公衆トイレの壁が汚損されたことで、その公園が有する美観が害されるということは生じます。
そうすると、Aさんは建造物損壊罪として5年以下の懲役が科される可能性があるのです。

【逮捕の可能性】

刑事事件と聞くと逮捕をイメージされる方は多いかと思いますが、実際のところ逮捕が行われるケースというのは全体の4割程度です。
そうした逮捕を伴う事件は身柄事件と呼ばれ、逮捕を伴わない事件は在宅事件と呼ばれます。
ニュースなどでよく聞く書類送検というのは、逮捕が行われないことで事件の記録だけが検察庁に送られることを指し、在宅事件に特有の用語と言えます。

ある事件で逮捕を行うかどうかは捜査機関次第であるため、逮捕の可能性について確実なことは言えません。
一応の目安を判断する要素としては、事件の重大性が挙げられます。
事件が重大かどうかは、犯した罪の重さ(法定刑)、被害の程度、犯行の悪質性などの様々な要素に基づき判断されます。
ただ、一般的には、重い罪であればあるほど逮捕の可能性が高まるといってよいでしょう。
たとえば、殺人事件を在宅で進めるというのはおよそ考えられず、被疑者が特定できた段階で逮捕を行うのが通常だと思われます。
逆に、軽い罪を犯しても逮捕の可能性は高くないと思われますが、それでも0になるということはおそらくありません。
絶対に逮捕されないと言い切ることができないのは歯がゆいものです。
もし自身のケースで逮捕の可能性がどの程度か不安に思ったら、ぜひお近くの弁護士に一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、逮捕の可能性や心構えについて丁寧にご説明します。
落書きが発覚したら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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