傷害事件で正当防衛を主張したい①

傷害事件で正当防衛を主張したい①

傷害事件正当防衛を主張したい場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
この記事は,傷害事件正当防衛を主張したい①になります。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県横浜市西区の自宅付近のごみ集積所において,Vさんがごみを捨てているのを目撃しました。
日頃からVさんのごみ出しの方法について不満をもっていたAさんは,Vさんのごみの捨て方を巡ってVさんと口論となってしまいました。
Vさんの態度に激高したAさんは,Vさんの頬を1回殴り,そのまま走って逃げてしまいました。
そして,Vさんは,Aさんを追いかけ,仕返しにAさんの背中や首を殴打しました。
Aさんは,Vさんの攻撃により転倒してしまいましたが,さらにやり返そうと護身していた特殊警棒を使って,Vさんを殴打し,Vさんに全治3週間の怪我をさせました。
Aさんは傷害罪の容疑で逮捕されてしまいましたが,正当防衛を主張したいと考えています。
(最高裁決定平成20年5月20日を参考に作成したフィクションです。)

【正当防衛とは】

刑事事件例では,Aさんは傷害罪の容疑で逮捕されてしまいましたが,正当防衛を主張したと考えています。
そこで,以下では,Aさんの傷害行為に正当防衛が成立するかどうかを考えてみたいと思います。

刑法36条1項
急迫不正の侵害に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,やむを得ずにした行為は,罰しない

急迫の侵害に対してとっさに反撃行為に出ることは,人間のいわば本能的な行動であるとして,刑法36条1項は正当防衛の成立を認めています。

正当防衛の成立要件は,①条文上の「急迫不正の侵害」の部分にあたる急迫不正の侵害と,②条文上の「に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,やむを得ずにした行為」の部分にあたる防衛の意思,反撃行為,防衛行為の相当性です。

まず,正当防衛の成立要件である急迫不正の侵害とは,法益(刑法を定めることによって守られる利益)の侵害が現に存在しているか,又は間近に押し迫っている,違法な,法益に対する実害又は危険を生じさせる行為のことをいいます。

また,正当防衛の成立要件である防衛の意思とは,自己が急迫不正の侵害にさらされていることを意識し,かつ,その侵害を排除するために加害者に立ち向かう旨の意識のことをいいます。
この正当防衛の成立要件である防衛の意思は,逆上していたり,攻撃の意思があったりしても,かねてから憎悪の念を持ち攻撃を受けたのに乗じ積極的に加害する意図さえなければよいと考えられています。 
これは,正当防衛行為は,すでに述べた通り,人間のいわば本能的な行為であると考えられているからです。

さらに,正当防衛の成立要件である反撃行為は,侵害者に向けられたものでなければならないと考えられています。

加えて,正当防衛の成立要件である防衛行為の相当性とは,急迫不正の侵害に対する反撃行為が,自己又は他人の権利を防衛する手段として必要最小限度のものであることをいいます。
この正当防衛の成立要件である防衛行為の相当性が認められるためには,必ずしもその防衛行為が唯一の方法である必要はありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
傷害事件正当防衛を主張したい場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

この記事は,傷害事件正当防衛を主張したい②に続きます。

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