執行猶予中の脱法ハーブ所持・使用事件

2020-05-01

執行猶予中の脱法ハーブ所持・使用事件

以前に脱法ハーブを所持・使用して執行猶予付き有罪判決を受けたにも拘らず、執行猶予期間中に再度脱法ハーブを所持・使用して逮捕された場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県相模原市中央区在住のAは、相模原市中央区にある会社に勤める会社員です。
Aはダイエットを目的に合法ハーブと称するティーバックタイプのものをインターネット上で購入し、それを飲んでいました。
しかし、Aが購入していた合法ハーブとは、実際には薬機法に違反する成分を含む脱法ハーブ(危険ドラッグ)であり、相模原市中央区を管轄する相模原警察署により逮捕され、裁判で懲役1年執行猶予3年の有罪判決を受けました。

ところが、判決を受けて半年後から、Aは再び同じ脱法ハーブを購入して飲用していました。
相模原市中央区を管轄する相模原警察署の警察官は、Aの自宅で別件の家宅捜索中に購入した脱法ハーブが見つかったため、Aを薬機法違反で現行犯逮捕しました。
Aは、接見に来た刑事事件専門の弁護士に、執行猶予期間中に再度事件を起こしてしまった場合どのような見通しになるのか、質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【脱法ハーブについて】

覚せい剤や大麻などと同様、社会問題になっている薬物の一つに危険ドラッグがあります。
そして、危険ドラッグには固形・液体様々な形状のものがあり、お香やアロマなどと聞こえの良い名称で呼ばれることも多いです。

ケースのような合法ハーブと称されるものについても、医薬品医療機器法(通称:薬機法)に違反する成分を含む脱法ハーブ(違法薬物)にあたるものがあり、これは危険ドラッグの一種です。
脱法ハーブは、大麻草で言うTHCのような精神作用を及ぼす成分を有する花や草というわけではなく、植物の形態をとっている物に合成化学物質を添付することで作られているのです。
脱法ハーブは大麻や覚せい剤、麻薬と言った我が国で禁止されている違法薬物と類似した化学構造を持つため、精神毒性作用や精神依存性を持つものがほとんどだと言われています。

脱法ハーブをはじめとする危険ドラッグは医薬品医療機器等法で所持や使用、輸出入、製造等が禁止されていて、Aのように所持や使用をした場合には起訴されて裁判になり、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金、又はその両方」に処される可能性があります。(薬機法76条の4、同法84条26号)

【執行猶予期間中の再犯】

執行猶予期間中に再度事件を起こしてしまった場合について、解説致します。

1、もう一度執行猶予が付く可能性が低い
そもそも執行猶予とは、裁判の判決にて言い渡されるもので、有罪であることを前提に、「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言い渡しを受けた」際に、「一年以上五年以下の期間」を定めてその刑の執行を猶予するという制度です。(刑法25条1項)
あくまで猶予するだけで刑の言い渡しが無かったことになるわけではありません。
そして、執行猶予の対象者は①禁錮以上の刑に処されたことがない者、②①であっても刑の執行が終わった場合や執行の免除を受けた日から5年間が経過している者、③②の他に前回は全部執行猶予であり、今回が一年以下の懲役又は禁錮の判決で、「情状に特に酌量すべきものがある」ときが対象となります。
よって、ケースのAのように執行猶予期間中に再度事件を起こした場合、上記①~③に当てはまらない可能性が高く、執行猶予がつかないことになります。

2、執行猶予が付かなかった場合、前回猶予された刑についても服することになる
執行猶予期間中に再度事件を起こして禁錮以上の刑に処された場合、前回の事件についての執行猶予が取り消されます。(必要的取消)
例えばケースのAが今回の事件で懲役1年2月の実刑判決を受けた場合、前回の懲役1年が取り消されるため刑務所に行く期間は(未決勾留期間や仮釈放などを考慮せず)単純計算で2年2月になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
弊所では、執行猶予期間中に事件を起こしてしまったというご連絡も暫し頂戴します。
執行猶予期間中の再犯については、再度の執行猶予が取れるかどうか、取れないのであればせめて今回の事件が少しでも軽い刑罰にならないか、といった点がポイントになってくるかと思います。
神奈川県相模原市中央区にて、ご自身やご家族の方が刑事事件を起こしてしまったという場合、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

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