建造物侵入罪(不法侵入)で逮捕

建造物侵入罪(不法侵入)で逮捕

◇事例◇

神奈川県小田原市在住のAさんは、友人と肝試しをしようと考えました。
そこで、家の近所に学校があることを思い出しました。
夜中に集まってその学校の前まで行きました。
学校の門には鍵がかかっていたため、足をかけて登って門を超えました。
その後学校内で肝試しをして、満足したAさん達は帰ることにしました。
帰るために、また門を超えていたところ巡回中の警察官に建造物侵入の容疑で現行犯逮捕され、神奈川県小田原警察署に連行されました。
(事実を基にしたフィクションです。)

◇住居侵入罪・建造物侵入罪◇

~刑法 130条~
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

住居侵入罪・建造物侵入罪とは、正当な理由もなく他人の住居などに侵入した際に成立する犯罪です。
いわゆる「不法侵入」のことですが、不法侵入罪という罪名はありません。

住居侵入罪・建造物侵入罪における「正当な理由がない」とはどういう状況のことを意味するのでしょうか。
「正当な理由がない」とはつまるところ「不法に」という意味です。
1つ目は、居住者又は管理者の意思に反して侵入した場合です。
入るなと言われているのに入ってしまうと不法侵入にあたります。
2つ目は、通常居住者や管理者が許可するような、正当な侵入とはいえない場合です。
例えば、スーパーマーケットに営業中に買い物しに行くのは当然認められています。
しかし、万引き目的で入り万引きをして出てきた場合には、管理者は通常許可しませんから、窃盗罪だけでなく建造物侵入罪にも問われることになります。

◇今回の事例について◇

今回の事例では、肝試しは個人の趣味のことであり正当な目的にはあたらないでしょう。
よって、建造物侵入罪にあたる可能性が高いです。

余談ですが、もしこの学校が廃墟になっており鍵も開きっぱなしだった場合はどうなるのでしょうか。
廃墟でかつ鍵も掛かっていない学校ということなので看守していない建物であり、軽犯罪法違反にあたって、拘留または科料に処される可能性が高いといえます。

~軽犯罪法 1条~
左の各号の1に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
1 人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくてひそんでいた者
(以下略)

◇弁護活動◇

仮に、住居侵入罪・建造物侵入罪で起訴されて有罪判決となれば前科が付いてしまいます。
前科が付くか付かないかによって今後の人生は大きく変わってくると言えます。
住居侵入罪・建造物侵入罪といった刑事事件で前科を避けるためには、まず不起訴処分を目指すケースが多いです。
不起訴処分とは、検察官が裁判によって被告人を裁くことを請求しない際に下される処分で、不起訴処分となった場合前科もつきません。
そして、住居侵入罪・建造物侵入罪の場合、被害弁償や示談交渉が成立しているかどうかが、不起訴処分となり前科を避けるためには非常に重要となります。

そのためにも、逮捕されたら一刻も早く刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
被疑者(容疑者)が直接的に示談交渉するよりも、プロに任せたほうが穏便にスムーズに済ませることができます。
また、迅速に事件の情報や証拠を手に入れ、不起訴処分の獲得に向けて動き出すことができます。
更に、早い段階で弁護士を雇うことで取調べにおいて自身に不利な供述をしないようにアドバイスできたり、今後の流れを伝えることで被疑者(容疑者)を精神的に楽にすることにもつながります。

神奈川県小田原市で不法侵入に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族・ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
神奈川県小田原警察署までの初回接見料金:41,560円

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