神奈川県横浜市南区のストーカー事件②
【ケース】
神奈川県横浜市南区にて、Aが好意を持ったVに対し、拒まれたにもかかわらず約120回も電話をかけたり、Vの住むアパートの周りをウロウロしたりといった行為を繰り返す事件です。
Vは禁止命令等を申し出て、禁止命令等が下されましたが、それでもつきまとい等を繰り返したAはストーカー行為等の規制等に関する法律(通称:ストーカー規制法)違反で逮捕されました。
(フィクションです。)
【つきまとい等・ストーカーへの対応】
昨日付のブログにて、「ストーカー行為=つきまとい等を反復して行う」というご説明を致しました。
以下では、ストーカー被害に遭った場合に警察官がどのような措置を講ずることができるのか、ご案内します。
・警告
ストーカー規制法4条1項では、警察本部がつきまとい等に対しての警告を求める申し出を受けた際、実際につきまとい等が行われていて今後もそれが反復される恐れがある場合には、それ以上反復してつきまとい等を行わないよう「警告」が出来ると定められています。
・禁止命令等
各都道府県の公安委員会は、ストーカー規制法3条に規定されている行為があった場合につきまとい等を反復してする恐れがあると認められる場合には、被害者側の申し出や職権により、①さらに反復してつきまとい等を行ってはならないこと、②さらに反復してつきまとい等が行われる事を防止するために必要な事項、を命じることが出来ます。(ストーカー規制法5条1項各号)
これは禁止命令等と呼ばれます。
禁止命令等をするためには、原則として先に被疑者側(加害者側)の意見を聞く必要があります。(ストーカー規制法5条2項)
ただし、緊急の必要性がある場合には、先に禁止命令等をしたうえで、その後15日以内に聴聞を行うということもできます。
禁止命令等の効力は原則1年ですが、被害者側からの申出や職権により、1年ごとに更新することも可能です。
【ストーカーをした場合の罰則規定】
これまで見てきたストーカー行為ですが、この法律に違反してストーカー行為をした場合は刑罰に処される可能性があります。
ストーカー規制法18条では、「ストーカー行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」と定められています。
ただし、先述の禁止命令等に違反してストーカー行為やつきまとい等を行った場合は、この限りではありません。
ストーカー規制法19条1項では、「禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。」と定められ、同2項では「前項に規定するもののほか、禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同項と同様とする。」と定められています。
【ストーカーで示談】
ストーカー事件では、被害者がいることから、弁護活動の一つに示談交渉が考えられます。
示談交渉は、被害者側が代理人弁護士をつけていない場合は基本的に被害者と直接行う必要があります。
しかし、ストーカー行為をした被疑者(加害者)が被害者と直接示談交渉を行うことは、現実的ではありません。
そこで、弁護士が間に入り、示談交渉を行うことが有効と考えられます。
ストーカー事件のような刑事事件で示談をすることができれば、検察官が被疑者(加害者)を起訴する可能性は低くなります。
また、金銭的な賠償をすることで、被害者の早期救済が望めるだけでなく、被疑者(加害者)にとっては民事訴訟を回避するというメリットもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、ストーカー規制法違反事件をはじめとする「被害者がいる事件」で数多くの示談交渉を行って参りました。
神奈川県横浜市南区にて、ご家族がストーカー規制法違反で逮捕され、示談交渉をお望みの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。