神奈川県横須賀市の通貨偽造事件

2019-03-30

神奈川県横須賀市の通貨偽造事件

神奈川県横須賀市在住のA(15歳)は、最近発売した大人気のゲームが欲しいものの、お金がなくて買えない日々を過ごしていました。
そのことをAの友人Bに話したところ、「偽札でも作ったらいいじゃん。どうせばれないよ」などと言われました。
この言葉を真に受けたAは、早速自宅で1万円札をコピーし、一般人であればぱっと見1万円札と見間違うような偽札を作りました。
Aが試しに近所のコンビニで使用したところ、後日偽札であることが発覚して通貨偽造罪および偽造通貨行使罪の疑いで横須賀警察署に逮捕されました。
事件を依頼された弁護士は、Aの付添人となって不処分を目指すことにしました。
(フィクションです。)

【通貨偽造事件において問題となる罪】

行使の目的で、日本に流通している硬貨や札(正式には日本銀行券)などの通貨を偽造した場合、通貨偽造罪が成立する可能性があります。
まず、「行使の目的」とは、偽造したものを真正な通貨として本来の目的に従って流通させる目的を指します。
ですので、たとえば学校で教材として用いる目的で通貨を偽造した場合には、上記目的が否定されて通貨偽造罪は成立しないと考えられます。
また、「偽造」とは、一見真正な通貨だと誤信させるような外観のものを一から作成する行為を指します。
既存の通貨を加工してより偽造通貨を作成すれば、通貨偽造罪ではなく通貨変造罪に当たるでしょう。

加えて、偽造通貨を真正な通貨として使用した場合、偽造通貨行使罪が成立する可能性も出てきます。
一方、そうした使用行為は詐欺罪にも当たるように思えますが、実務上詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収され、通貨偽造罪とは別個に成立するわけではないと考えられています。
その理由の一つとして、通貨偽造罪および偽造通貨行使罪の法定刑が無期または3年以上の懲役と重く、詐欺罪の処罰を包含していると評価できることが挙げられます。

ケースのAは、一般人を誤信させるような外観の偽札を作成しており、更にそれをコンビニでの買い物に使用しています。
そうすると、Aには通貨偽造罪および偽造通貨行使罪が成立すると考えられます。
ただし、Aは少年に当たることから、後述のとおり刑罰は科されない可能性が高いでしょう。

【不処分を目指すには】

上記事例のように、20歳未満の者が罪を犯した場合、その事件は通常の刑事事件とは異なる少年事件となるのが原則です。
少年事件では、捜査が終了した後で事件が家庭裁判所に送致され、そこでの調査や審判を通して少年の処分(保護処分)が決定されます。
以上の手続の目的は少年の健全な育成であり、成人に対する制裁・矯正を目的とする刑罰とは毛色が全く異なります。

事件を受理した家庭裁判所では、非行事実(罪に当たる行為)に加えて、少年の性格、能力、経歴、環境といった事情をも調査します。
その後、少年に何らかの措置を講ずることが適当だと思われる場合には審判が行われ、現状のまま成長すれば問題ないと思われる場合には審判を開くことなく事件が終了します。

審判が開かれたとしても、そこでの振舞いや事件から審判までの生活状況などによっては、何らの処分も行うことを要しない不処分という決定が下されることがあります。
不処分になれば少年院送致や保護観察などに伴う種々の制約を受けずに済むため、少年にとってはのびのびと成長する機会を与えられることにつながります。
それだけに、少年に対する指導・教育や環境整備なくして不処分を実現するのは難しいと考えられます。
もし不処分を目指すのであれば、少年が抱える問題を見つけ出し、的確な対応を行う必要があるでしょう。
そうした対応については、少年事件に詳しい弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に詳しい弁護士が、不処分を目指して様々な角度から付添人活動を行います。
お子さんが通貨偽造事件を起こしてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(横須賀警察署までの初回接見費用:37,800円)

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