【解決事例】盗撮での逆送事件
少年が家庭裁判所から検察庁に送致されるいわゆる逆送を受けた事件の解決事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部がご紹介します。
【事例】
事件当時19歳だったAさんは、神奈川県横浜市中区にある飲食店でアルバイトをしていました。
その勤務中に、トイレにカメラを設置してトイレ中の映像を撮影する盗撮事件を起こしてしまいました。
事件発覚後、Aさんやその御家族の方はすぐに相談することはなかったのですが、事件後しばらく経ったのち家庭裁判所から逆送決定の通知が届いたことでことの重大性を認識した様子で、相談に来られました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、地名や事件内容などを一部変更しています。≫
【盗撮事件について】
盗撮事件は、主に
(1)公共の場所などでスカートの中など隠された部分を撮影する
(2)トイレや更衣室、浴室など、人が衣服を着用しない場所などで撮影する
という場合に分けられます。
(1)は各都道府県が定める迷惑防止条例に違反し、(2)は迷惑防止条例に規定があれば迷惑防止条例に、規定がない地域では軽犯罪法に違反します。
ケースの場合はトイレの盗撮行為ですので(2)に該当します。
神奈川県の場合、神奈川県迷惑行為防止条例にて以下のとおり規制されています。
神奈川県迷惑行為防止条例3条 何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。
(罰則は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。)
なお、神奈川県迷惑行為防止条例の改正により、(1)の場合について公共の場所や乗物に加えて事務所や学校、タクシーなどでの盗撮行為についても禁止されました。(令和2年11月1日施行)
【逆送事件について】
我が国では、20歳未満の者は少年と定義し、少年法の対象となるため原則として刑事罰が科せられるのではなく、保護処分を課します。≪保護処分についてはコチラ≫
但し、
①一定の重い罪を犯した16歳以上の少年
②手続き中に20歳の誕生日を迎えた少年
等について、家庭裁判所の裁判官は少年を審判に付するのではなく、検察官に送致します。
検察官は、刑事処分相当と判断した場合には少年を起訴し、少年は刑事裁判を受けることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部には、今回のケースのような20歳の誕生日が迫る、年齢切迫と呼ばれる少年の相談をしばし受けます。
少年法の理念や少年のその後の人生を考えた時に、年齢切迫の少年に対してもなるべく検察官送致を避け、少年審判による保護処分を受ける方が良いという場合は少なくないでしょう。
弁護士としては、検察官や家庭裁判所裁判官・書記官との調整を行い、なるべく20歳の誕生日を迎える前に審判を受けられるよう準備をすることが大切になります。
また、令和4年4月1日施行の改正少年法により18歳の誕生日が近づいている少年についても、この先同様の相談が増加することが予想されます。≪詳しくは特定少年のブログもご覧ください。≫
神奈川県横浜市中区にて、19歳・17歳の年齢切迫のお子さんが盗撮などの事件を起こした場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部に御連絡ください。
御予約は、24時間・365日予約受付のフリーダイヤル0120-631-881まで。