Archive for the ‘刑事事件’ Category

神奈川県横浜市神奈川区の犯人蔵匿事件

2019-06-23

神奈川県横浜市神奈川区の犯人蔵匿事件

【ケース】
神奈川県横浜市神奈川区に住むAは、横浜市神奈川区の会社に勤める会社員です。
このAの友人Xは、同じく横浜市神奈川区在住なのですが、Xは殺人未遂事件で逮捕されたのですが、警察署から検察庁に向かうための護送バスに乗る際に、隙をついて逃走しました。
Aはニュースを見てXの逃走を知りましたが、その数時間後に横浜市神奈川区内の自宅にいたところXが現れ、匿(かくま)ってくれるようお願いされました。
Aは、Xを匿うことで問題が発生し、自分にも不利益が生じるのではないかと思いましたが、友人の頼みで断れず、自宅に匿うことにしました。
しかし、Xを匿い始めてから数日後、横浜市神奈川区を管轄する神奈川警察署の警察官が自宅にやってきて、Xを逮捕するとともにAを犯人蔵匿罪で逮捕しました。

(フィクションです。)

【犯人蔵匿罪について】

ケースのAは、殺人未遂罪で逮捕された後に逃走したXを自宅に匿っています。
犯人を匿うことで問題になる可能性がある罪に、犯人隠匿罪・犯人隠避罪があります。

先日、保釈されたものの窃盗・傷害・覚せい剤取締法違反などの罪で実刑判決を受けた被告人が、検察庁の出頭要請に応じず、事務官が収用手続きのために被告人宅を訪れたところ刃物を振り回して逃走を図ったという事件が発生しました。
被告人は本日、横須賀市内で逮捕(公務執行妨害罪)されたそうですが、被告人がいた自宅の住人についても犯人蔵匿罪で現行犯逮捕されています。

犯人蔵匿等罪は、刑法103条で「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」と定められています。
「罰金以上の刑」とは、法定刑に死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑が用意されている罪を指します。
殺人未遂事件の場合、殺人罪(刑法199条)の法定刑が死刑又は無期若しくは5年以上の懲役で未遂犯処罰規定も設けられているので、「罰金以上の刑」にあたります。
「罪を犯した者」について、真犯人であれば捜査開始前でも捜査開始後でも「罪を犯した者」にあたるとされています。
捜査の開始後については、捜査の対象とされている被疑者・被告人が真犯人ではなくても良いとされています。
加えて、ケースのように逮捕・勾留されている者も「罪を犯した者」にあたります。
「蔵匿」とは、警察官などが逮捕したり発見することを免れるために場所を提供することで犯人を匿うことを指します。
ケースのように自宅に匿う場合はもちろんのこと、蔵匿した者の所有地ではなくても、蔵匿した者の事実上の支配下であれば事足りるとしされています。
「隠避」とは、「蔵匿」以外の方法で犯人が警察等から逮捕・発見されないようにすることを言います。
例えば、逃走のための資金援助をしたり、捜査状況(警察官が○○家の捜索に来ている等)を伝えたり、警察官等に嘘の供述をしたり、替え玉(身代わり)出頭をすることが考えられます。

【逮捕されたら弁護士へ】

犯人蔵匿罪は、たとえ警察官等の捜査に影響が少ない、あるいはなかった場合でも適用される可能性がある罪で、逮捕され、捜査のために一定期間身柄を拘束される可能性があります。
また、身柄拘束に際して、接見禁止決定が付く可能性があり、接見禁止決定が付いた場合は(ご家族を含めて)弁護士以外は面会が出来なくなります。
そのため、ご家族が犯人蔵匿罪で逮捕された場合、すぐに弁護士をつけることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、犯人蔵匿罪等で逮捕・勾留されている方への対応も行っています。
神奈川県横浜市神奈川区にてご家族が犯人蔵匿罪で逮捕され、弁護士をお探しの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。

神奈川県三浦市のチケット不正転売事件

2019-06-14

神奈川県三浦市のチケット不正転売事件

【ケース】
神奈川県三浦市に住むAは、三浦市内の会社に勤める会社員です。
Aは、とあるライブのチケットを転売することで利益を得ようと思い、実際には行くつもりがないにもかかわらず、ライブのチケット10枚(一枚1万円)を購入し、オークションサイトにて一枚2万円を最低限としたオークションを行いました。
結果、10万円で購入したライブのチケット10枚が、計40万円で落札されました。
しかし、チケットを落札者に郵送する前に、不正転売しようとした疑いで警察署から連絡が来て、取調べを受けることになりました。

(フィクションです。)

【チケットを転売した場合の罪】

ご案内の通り、我が国で開催されるオリンピックの開会式まで、残り1年程となり、盛り上がりをみせているようです。
それに伴い、オリンピックのチケットの抽選申込みが先月までに行われ、来週木曜日に抽選結果が発表される予定です。

今回、オリンピックチケットの販売についての報道に際し、いわゆるチケットの転売対策についても併せて報道されています。
チケットの転売を巡っては、オリンピックに限らず、これまでコンサートやライブなど様々な場面で問題視されていました。
チケットの転売は、一般の消費者がチケットを手に入れにくくしているだけなく、場合によってはそのマージンが反社会的勢力の資金源になっている、とも言われてきました。

これまでも、各地方自治体によっては条例で転売を禁止していましたが、懲役刑が定められている都道府県もあれば罰金・科料しか規定されていない都道府県もあり、中には条例の制定が追いついていない都道府県もありました。
そこで、日本国内で行われる音楽やスポーツのチケット不正転売を統一して禁止するべく、昨年12月14日に議員立法である「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(略称・チケット不正転売禁止法)が交付され、本日令和元年6月14日から施行されます。

チケット不正転売禁止法は、特定興行入場券(転売禁止が明記されている、当日その会のチケット・指定券である、チケット購入時の名前や連絡先の確認作業を行う等の要件があります。)の不正転売を禁止し、その防止のための措置をとることで、興行入場券の適正な流通を確保することや文化・スポーツ・国民の消費生活を安定させる等のことを目的としています。

チケット不正転売禁止法の定める「特定興行入場券の不正転売」とは、「興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償転売であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするものをいう。」と定められています。(同法2条4項)
そして、この法律は「何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。」(同3条)「何人も、特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない」(同4条)と規定しています。
つまり、転売禁止が明記され、そのための措置が講じられているにもかかわらず、チケットの正規の価格より高い値段で転売する、あるいは転売するためにチケットを入手するという行為を禁止しているのです。
この条文に反してチケットの転売転売のためにチケットを入手した場合、「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定めています。(同法9条)

ケースのAは、不正転売を目的としてチケットを入手していますので、同法4条に違反する可能性があります。

【略式裁判を求めて弁護士へ】

略式裁判とは、明白で簡易な事件で、100万円以下の罰金又は科料(千円以上1万円未満)に相当する事件において、検察官の請求で行われるものです。
本来であれば、検察官が公判請求をすることで公開の法定で裁判を開かれることになりますが、略式裁判は被告人本人が納得して手続き(略受け)をして罰金・科料を納付するだけで事件が完了します。
通常の裁判で有罪判決を受けた場合と同様に、略式裁判であってもいわゆる前科はつきます。
しかし、通常裁判では数ヶ月から数年の時間を要する場合もあるほか、傍聴が可能な公開の裁判で事件についての話をすることを考えると、略式裁判に比べて負担がかかることが考えられます。
よって、通常裁判より略式裁判の方が良いと考えられる方も少なくないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、施行されたばかりの法律に違反した事件についても対応が可能です。

神奈川県三浦市にてチケットの転売をしたことでチケット不正転売禁止法に違反し、略式裁判について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による無料相談をご利用ください。

神奈川県小田原市で野球賭博②

2019-06-12

神奈川県小田原市で野球賭博②

【ケース】
≪詳細については、昨日のブログをご覧ください。≫
神奈川県小田原市に住むAが、X主催の野球賭博に何度も参加していた、という事案です。
小田原警察署の警察官は、Aを常習賭博罪で逮捕しました。

Aの親族は、刑事事件専門の弁護士に逮捕されたAに対する弁護活動を依頼し、野球賭博がどのような罪に当たるのか、野球賭博のような被害者のいない事件ではどのような弁護活動があるのか、相談しました。

(フィクションです。)

【野球賭博に関する罪について】

≪各罪の詳細については、昨日のブログをご参照ください。≫

・単純賭博罪(刑法185条)
・常習賭博罪(刑法186条1項)
・賭博場開帳等図利罪(刑法186条2項)
ケースについて見ると、Aは頻繁に野球賭博に参加しています。
よって、常習賭博罪に当たる可能性があります。
また、「常習として賭博をしていた者」と立証するだけの証拠がなかった場合、単純賭博罪が適用されることも考えられます。
ご案内の通り、単純賭博罪の法定刑は「50万円以下の罰金又は科料(千円以上1万円未満を納付するという刑罰)」であり、常習賭博罪は「3年以下の懲役」です。
常習賭博罪の場合、裁判になって有罪判決を受けた場合、執行猶予が付かない限り刑事収容施設に収容されるということになります。

また、野球賭博を開催しているXについては、賭博場開帳等図利罪が適用される可能性があります。

【賭博罪の例外について】

先述の通り、賭博は「原則」禁止されています。
では、なぜ競馬や競艇、パチンコといった賭け事が堂々と行われているのでしょうか。

時代は戦後、財政上の理由から、「特別法をもって」競輪・競馬・競艇・宝くじ・スポーツ振興投票(toto・BIGといったサッカーくじ)を公認しています。
(例)競馬⇒競馬法、競輪⇒自転車競技法、競艇⇒モーターボート競走法、宝くじ⇒当選金付証票法
※パチンコについては、特別法があるわけではありませんが、風俗営業法2条1項4号に「ぱちんこ屋」として規定されています。
パチンコは風俗営業法のいう「遊技」にあたりますが、遊技の結果に応じて現金又は有価証券を賞品として提供することや客に提供した商品を買い取ることは禁止されています。(風俗営業法23条1項)
また、パチンコの結果に応じて賞品を提供することも禁止しています。(同2項)
そのため、パチンコで勝った人はパチンコ玉を「特殊景品」と交換して、特殊景品を「パチンコ屋とは独立した古物商(景品交換所)」に売って現金を得ます。
そして、古物商は特殊景品をパチンコ屋に売ることで特殊景品がパチンコ屋に戻ってくるという、いわゆる三点方式がなされています。この手法について、今のところ賭博罪の合法性や違法性に言及した裁判例はほとんどありません。

その他、日本人が海外に行ってカジノなどの賭け事をする場合については、違法性が阻却されるとされています。

【贖罪寄付について】

傷害事件や窃盗事件といった「被害者がいる事件」については、示談をするなどして謝罪や賠償を行う弁護活動が考えられます。
しかし、野球賭博のような「被害者がいない事件」や、被害者がいる事件の場合でも「被害者が賠償を拒んでいる」事件については、賠償を行うことが困難です。
そこで、「被害者がいない事件」や「被害者が賠償を拒んでいる」事件では、賠償の代わりに贖罪寄付を行う、という手段があります。
贖罪寄付とは、上記のような場合に、反省などの意思を示す手段として用いられるものです。
贖罪寄付は、日本弁護士連合会や法テラスなどの機関が募っている寄付金です。
贖罪寄付をした場合、贖罪寄付を受け付けた機関から「贖罪寄付証明書」等の証明書が発行され、それを検察官や裁判官に提示することで判断や量刑に考慮してもらう、という仕組みです。
日本弁護士連合会のアンケートによると、贖罪寄付を紹介した弁護士のうち、回答者の8割が情状として考慮されたと回答しています。

【野球賭博などの刑事事件は当事務所まで】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、野球賭博のような被害者がいない事件についても対応しています。
野球賭博をしたことを被疑者が認めているのであれば、身柄解放活動や贖罪寄付などの情状弁護といった弁護活動を丁寧にご説明致します。

神奈川県小田原市にて野球賭博をしたことで常習賭博罪で逮捕され、贖罪寄付をお考えの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。

神奈川県小田原市で野球賭博①

2019-06-11

神奈川県小田原市で野球賭博

【ケース】
神奈川県小田原市に住むAは、小田原市内の会社に勤める会社員です。
Aは賭け事にさほど興味を持っていたわけではないのですが、小田原市内に住む友人Xから誘われてX主催の野球賭博に参加するようになりました。
Xが開帳していた野球賭博は、プロ野球公式戦を対象に、各球場で行われている試合の勝敗や点数などを当てるという賭け事で、一回の掛け金は数千円から10万円ほどでした。
この野球賭博には数十人が参加しており、公式戦が行われる度に開帳されていました。
そして、Aも頻繁に参加するようになりました。

ある日、Aの自宅に小田原市を管轄する小田原警察署の警察官が来て、「野球賭博の件でAさんを常習賭博罪により逮捕する」と言って、Aを連行していきました。
Aの親族は、逮捕されたAの弁護活動を依頼し、野球賭博がどのような罪に当たるか、また、野球賭博をした場合の弁護活動にはどのようなものがあるのか、刑事事件を専門とする弁護士に相談しました。

(フィクションです。)

【野球賭博に関する罪について】

我が国では、原則として賭博行為を禁止しています。
具体的には、刑法の下記の条文が適用されます。

・単純賭博罪(刑法185条)
「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」
①一時の娯楽に供する物とは何か
一時の娯楽に供する物とは、例えば1回分の飲食費を賭けた賭け事などといった、一時的な娯楽のために消費される物を指し、これは賭博罪の対象にはなりません。
②懸賞や、くじ引き大会、ビンゴ大会、抽選会といったイベントは賭博罪に当たるのか
当事者双方にとって偶然の結果であることが要件になるため、雑誌の懸賞や商店街で行われるくじ引き大会のように、主催者側が一方的に負担を負っている場合には賭博罪の対象にはなりません。

・常習賭博罪(刑法186条1項)
「常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。」
常習賭博罪は常習的に賭博をしている場合に当たります。
「常習として賭博をした者とは」、反復して賭博行為をする習癖のある者を指します。
実際に常習と言えるかどうかについて、賭博の種類や賭けた金額等を総合的に判断しています。

・賭博場開帳等図利罪(刑法186条2項)
「賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。」
①賭博場開帳等図利罪とは何か
賭博場開帳等図利罪とは、自分が主催者となって、自身の支配の下で賭博をする場所を開設することを指します。
②営利を目的としていなくても賭博場開帳等図利罪に当たるのか
賭博場を開設することで手数料等の形で利益を得ていて場合はもちろんのこと、営利を目的としていなかったとしても、単に賭博場を開設したがけで、この罪に当たります。
また、賭博場を開設しただけで自分自身では賭博をしていなかったとしても、賭博場開帳等図利罪は適用されます。
③同じ場所に集まって賭博行為をしていない場合、賭博場開帳等図利罪に当たるのか
昭和48年の最高裁判決によると、プロ野球セントラルリーグの公式戦を対象とした野球賭博を行わせるために、とある場所に電話・帳面・プロ野球公式戦の日程表・スポーツ新聞などを備え付け、電話にて賭博の申し込みを受け付け、集計・整理をし、掛け金等の徴収などをした事件で、この管理を行っていた者に対して賭博場開帳等図利罪を適用しています。

【賭博罪の例外について】

明日のブログに掲載します。≫

【贖罪寄付について弁護士へ相談】

明日のブログに掲載します。≫

落書きで建造物損壊罪?

2019-06-08

落書きで建造物損壊罪?

Aさんは、神奈川県内をバイクで散策しては、道路の設置物やトンネルなどにラッカースプレーで落書きをしていました。
ある日、Aさんが神奈川県足柄上郡内の公園にある公衆トイレの壁に落書きをしていたところ、その様子をたまたま通行人のWさんに目撃されました。
Aさんは、Wさんから「落書きは犯罪だよ。松田警察署に通報したからね」と言われ、慌ててその場を立ち去りました。
後日、Aさんは自身が逮捕されるのではないかと思い、刑事事件専門の弁護士に相談することにしました。
(上記事例はフィクションです)

【落書きに成立する罪】

外を歩いていると、たとえば歩道橋やトンネルの壁などに落書きがされているのが目に入ります。
落書きはその場所にすっかり溶け込んでいることもあり、落書きという行為につい寛容になりがちです。
ですが、建造物や道路の設置物に落書きをすると、以下のような犯罪が成立する可能性があります。
まず、考えられるものとしては軽犯罪法違反が挙げられます。
軽犯罪法1条33号は、「みだりに他人の家屋その他の工作物…若しくは標示物を汚した者」拘留または科料に処するとしています。
街中で見かける落書きは、スプレーやチョークなどで工作物等を汚す行為に当たると考えられます。
そうすると、上記事例のAさんも軽犯罪法違反に当たる可能性があります。
ただ、拘留は1日以上30日未満の拘置、科料は1000円以上1万円未満の金銭の納付であり、数ある罪の中ではごく軽いものと言えます。

場合によっては、軽犯罪法違反ではなく建造物損壊罪が成立する余地もあります。
建造物損壊罪における「損壊」とは、建造物の効用を害する一切の行為を指すと考えられています。
このことから、落書きにより目的物を汚損した場合でも、「損壊」に当たるとして建造物侵入罪に当たることはありえるということになります。
上記事例では、Aさんが公園の公衆トイレの壁にラッカースプレーで落書きをしています。
落書きをしたからといって、公衆トイレの壁が崩れたり薄くなったりするというのは起こりません。
ですが、公園という空間を構成する公衆トイレの壁が汚損されたことで、その公園が有する美観が害されるということは生じます。
そうすると、Aさんは建造物損壊罪として5年以下の懲役が科される可能性があるのです。

【逮捕の可能性】

刑事事件と聞くと逮捕をイメージされる方は多いかと思いますが、実際のところ逮捕が行われるケースというのは全体の4割程度です。
そうした逮捕を伴う事件は身柄事件と呼ばれ、逮捕を伴わない事件は在宅事件と呼ばれます。
ニュースなどでよく聞く書類送検というのは、逮捕が行われないことで事件の記録だけが検察庁に送られることを指し、在宅事件に特有の用語と言えます。

ある事件で逮捕を行うかどうかは捜査機関次第であるため、逮捕の可能性について確実なことは言えません。
一応の目安を判断する要素としては、事件の重大性が挙げられます。
事件が重大かどうかは、犯した罪の重さ(法定刑)、被害の程度、犯行の悪質性などの様々な要素に基づき判断されます。
ただ、一般的には、重い罪であればあるほど逮捕の可能性が高まるといってよいでしょう。
たとえば、殺人事件を在宅で進めるというのはおよそ考えられず、被疑者が特定できた段階で逮捕を行うのが通常だと思われます。
逆に、軽い罪を犯しても逮捕の可能性は高くないと思われますが、それでも0になるということはおそらくありません。
絶対に逮捕されないと言い切ることができないのは歯がゆいものです。
もし自身のケースで逮捕の可能性がどの程度か不安に思ったら、ぜひお近くの弁護士に一度ご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、逮捕の可能性や心構えについて丁寧にご説明します。
落書きが発覚したら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

神奈川県横浜市南区のストーカー事件②

2019-06-05

神奈川県横浜市南区のストーカー事件②

【ケース】

詳細は、昨日のブログをご覧ください。

神奈川県横浜市南区にて、Aが好意を持ったVに対し、拒まれたにもかかわらず約120回も電話をかけたり、Vの住むアパートの周りをウロウロしたりといった行為を繰り返す事件です。
Vは禁止命令等を申し出て、禁止命令等が下されましたが、それでもつきまとい等を繰り返したAはストーカー行為等の規制等に関する法律(通称:ストーカー規制法)違反で逮捕されました。

(フィクションです。)

【つきまとい等・ストーカーへの対応】

昨日付のブログにて、「ストーカー行為=つきまとい等を反復して行う」というご説明を致しました。
以下では、ストーカー被害に遭った場合に警察官がどのような措置を講ずることができるのか、ご案内します。
・警告
ストーカー規制法4条1項では、警察本部がつきまとい等に対しての警告を求める申し出を受けた際、実際につきまとい等が行われていて今後もそれが反復される恐れがある場合には、それ以上反復してつきまとい等を行わないよう「警告」が出来ると定められています。

・禁止命令等
各都道府県の公安委員会は、ストーカー規制法3条に規定されている行為があった場合につきまとい等を反復してする恐れがあると認められる場合には、被害者側の申し出や職権により、①さらに反復してつきまとい等を行ってはならないこと、②さらに反復してつきまとい等が行われる事を防止するために必要な事項、を命じることが出来ます。(ストーカー規制法5条1項各号)
これは禁止命令等と呼ばれます。
禁止命令等をするためには、原則として先に被疑者側(加害者側)の意見を聞く必要があります。(ストーカー規制法5条2項)
ただし、緊急の必要性がある場合には、先に禁止命令等をしたうえで、その後15日以内に聴聞を行うということもできます。
禁止命令等の効力は原則1年ですが、被害者側からの申出や職権により、1年ごとに更新することも可能です。

【ストーカーをした場合の罰則規定】

これまで見てきたストーカー行為ですが、この法律に違反してストーカー行為をした場合は刑罰に処される可能性があります。
ストーカー規制法18条では、「ストーカー行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」と定められています。
ただし、先述の禁止命令等に違反してストーカー行為やつきまとい等を行った場合は、この限りではありません。
ストーカー規制法19条1項では、「禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。」と定められ、同2項では「前項に規定するもののほか、禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同項と同様とする。」と定められています。

【ストーカーで示談】

ストーカー事件では、被害者がいることから、弁護活動の一つに示談交渉が考えられます。
示談交渉は、被害者側が代理人弁護士をつけていない場合は基本的に被害者と直接行う必要があります。
しかし、ストーカー行為をした被疑者(加害者)が被害者と直接示談交渉を行うことは、現実的ではありません。
そこで、弁護士が間に入り、示談交渉を行うことが有効と考えられます。

ストーカー事件のような刑事事件で示談をすることができれば、検察官が被疑者(加害者)を起訴する可能性は低くなります。
また、金銭的な賠償をすることで、被害者の早期救済が望めるだけでなく、被疑者(加害者)にとっては民事訴訟を回避するというメリットもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、ストーカー規制法違反事件をはじめとする「被害者がいる事件」で数多くの示談交渉を行って参りました。

神奈川県横浜市南区にて、ご家族がストーカー規制法違反で逮捕され、示談交渉をお望みの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。

神奈川県横浜市南区のストーカー事件①

2019-06-04

神奈川県横浜市南区のストーカー事件①

【ケース】
神奈川県横浜市南区に住むAは、横浜市南区内を中心とした運送業のアルバイトをしています。
ある日、Aが配達のために横浜市南区内のマンションを訪ねたところ、Aの好みのタイプの女性Vが受け取りのために玄関先に出てきました。
AはVに好意を抱き、配達時に利用するラベルに記載されているVの個人情報を勝手に見たうえで、Vに電話をかけました。
電話を受けたVは、配達をしていたAからの連絡と知り、自宅を知られて気持ちが悪いと思い「電話してこないでください」といって切りました。
それでもAは、朝晩構わず、計約120回Vに電話をしたほか、Vの住むアパートの周りをうろつくなどしました。
困ったVは、神奈川県横浜市南区を管轄する南警察署の警察官に相談し、被害届を提出しました。

南警察署の警察官はAの行動を確認したところ、ストーカー行為等の規制等に関する法律に違反する行為であると判断し、Vに説明しました。
そこでVは、ストーカー行為等の規制等に関する法律に基づく禁止命令等の申し出を行い、Aに対する禁止命令等が下されました。
それでもAはVに対する連絡やアパートの周りをうろつく行為を止めなかったことから、南警察署の警察官は、Aを逮捕しました。

Aの家族は、ストーカー行為等の規制等に関する法律違反の場合に示談が可能なのか、刑事事件を専門とする弁護士に無料相談しました。

(フィクションです。)

【ストーカー規制法について】

ストーカーという言葉は、広く一般に利用されている言葉です。
法律上ストーカー行為は、ストーカー行為等の規制等に関する法律(通称、ストーカー規制法)によって何がストーカー行為に当たるか定義され、ストーカー行為を禁止されています。

ストーカー規制法は、平成11年に埼玉県桶川市で発生した桶川ストーカー殺人事件(被害女性が交際中の相手に別れ話をしたところ逆上され、ストーカー行為を繰り返された上に殺人事件に発展したという事件。)を契機に、議員立法によって成立されました。

【ストーカーの定義について】

ストーカー行為とは「同一の者に対し、つきまとい等…を反復してすることをいう」と定められています。(ストーカー規制法2条3項)
そして、「つきまとい等」の定義についてはストーカー規制法2条1項にて以下のような内容の規定をされています。

特定の人に対する恋愛感情や行為の感情、あるいは恋愛が成就しなかったことによる逆恨みのような目的で、行為を抱いた相手やその配偶者、家族等の関係者に対して、下記のようなことをすることを指すとしています。
①(1)つきまとい(2)待ち伏せ、(3)住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近での見張り、(4)住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
②行動を監視していると思わせるような事を言ったり、実際に知り得る状態に置いたりすること。
③面会、交際など、義務のないことを強要すること。
④著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
⑤(1)無言電話(2)拒否された後も何度も電話をかけたりFAXを送信したり、電子メールの送信等をすること。
⑥汚物、動物の死体など、極めて不快あるいは嫌悪感を催すような物を送付したり、そのような物が見える場所などに置いたりすること。
⑦名誉を害することを言う等のこと。
⑧(1)性的羞恥心を害することを言う等(2)性的羞恥心を害する文書や絵、DVDやBD、データ等といった物を送付する等(3)(2)のデータ等を送信する等。

≪明日のブログに続きます。≫

神奈川県鎌倉市の現住建造物等放火事件

2019-06-03

神奈川県鎌倉市の現住建造物等放火事件

【ケース】
神奈川県鎌倉市に住むAは、鎌倉市にて両親が経営する小さな工場で働いています。
Aは真面目に仕事をしているのですが、時に情緒不安定になってしまうことがありました。
情緒不安定になってしまったときは、癇癪を起こして家や職場を飛び出したり、大声を発したり、物を叩いて壊したりといった行動をとります。

ある日、Aはいつも通り鎌倉市内の工場で仕事をしていたところ、Aの父から仕事の手順について厳しいことを言われました。
その時、Aは情緒不安定になってしまい、工場兼自宅になっている場所に置いていた紙の束にマッチで火をつけました。
Aの父はすぐさま119番通報したため火はすぐに消し止められました。

消防局からの連絡を受けてかけつけた、鎌倉市を管轄する大船警察署の警察官は、Aを現住建造物等放火の罪で現行犯逮捕しました。

Aの家族は、刑事事件を専門とする弁護士に、情緒不安定になったAの刑事弁護活動が可能か、相談しました。

(フィクションです。)

【現住建造物等放火罪について】

ご案内の通り、故意に火をつける行為を放火と呼びます。
刑法における放火は、客体(火をつけた物)が何かによって法律を分けており、各々法定刑も異なります。
客体は、大きく分けて(1)建物か、建物以外か、(2)建物だった場合に①放火した段階で人が住居として使用している、又は人がいる建物か、②放火した段階で人が住居として使用しておらず、現に人がいない建物か、によって異なります。

ケースについて見ると、工場兼自宅に放火しているため、建物であり人が住居として使用している(加えて現に人がいる)と評価されます。
この場合、現住建造物等放火罪に当たる可能性があります。

刑法108条では、「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」と規定されています。

現住建造物等放火罪にあたる放火は、人が生活している、あるいは人が現にいる建物に火を放つことで、当該建物や近隣の建物に燃焼して多額の財産や利益が失われるだけではなく、その場にいる人を死傷させる可能性すらある、極めて危険な行為です。
そのため、法定刑も殺人罪と同様の厳しい刑が用意されています。

【情緒不安定な方に対する弁護活動】

刑事事件の加害者になってしまわれた方の中には、知的障碍や発達障碍ではないものの、時折情緒不安定になってしまうという方などがおられます。
また、刑事事件が発生したことで病院に行って初めて、診断名がついたという方も居られます。

ケースのように、時として情緒不安定になってしまう方が逮捕・勾留された場合、ともすればパニックを起こすなどしてコミュニケーションが取りづらくなる場合もあることでしょう。
そのため、情緒不安定になってしまう方に対しての弁護活動では、信頼関係の築き方やコミュニケーションの取り方がとりわけ重要になる場合があります。
そして弁護士は、情緒不安定になってしまうご本人からじっくりとお話を聞いたうえで、ご依頼者様と話をして、今後の方針を固める必要があります。
そのうえで、例えば情緒不安定になっている状況で勾留することは妥当ではなく、診断や治療をするためにも早期に病院へ行く必要があることから、被疑者を早急に釈放するよう求める弁護活動が考えられます。

神奈川県鎌倉市にて、時として情緒不安定になってしまう方が現住建造物等放火罪を起こしてしまい身柄を拘束された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡下さい。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が初回接見を行い、今後の見通しや考えられる弁護活動をご説明致します。

神奈川県横浜市都筑区で書類送検②

2019-05-30

神奈川県横浜市都筑区で書類送検②

【ケース】

≪詳細については、昨日のブログをご覧ください。

神奈川県横浜市都筑区在住のAが、横浜市都筑区内の路上で包丁を鞄に入れて持ち歩いていたところ横浜市都筑区を管轄する都築警察署の警察官から職務質問・所持品検査を求められた事案です。
後日、書類送検をされる予定になっています。

(フィクションです。)

【護身目的の包丁所持も違法?】

≪こちらも、詳細については昨日のブログをご参照ください。

包丁を携帯していた場合、銃砲刀剣類所持等取締法違反や軽犯罪法違反に当たる可能性があります。
銃砲刀剣類所持等取締法違反や軽犯罪法違反は「(業務その他)正当な理由」が無い場合に限られますが、護身目的は「正当な理由」に当たりません。

【書類送検について】

警察官・検察官といった捜査担当者が事件を立件する事件には、身柄事件と在宅事件の2種類があります。
身柄事件とは、被疑者(容疑者)が逮捕され、勾留される事件です。
捜査機関が、刑事事件を起こした被疑者(容疑者)の状況を検討したときに、身柄を拘束しなかった場合に逃亡する恐れがある、あるいは証拠を捨てたり被害者を脅したりするなどして証拠を隠滅する恐れがある等の恐れがみとめられると、被疑者(容疑者)が逮捕・勾留される身柄事件として捜査が進みます。
逮捕された被疑者(容疑者)は48時間以内に検察庁に送致され、その後24時間以内に10日間(その後更に10日間の延長が可能)勾留するための手続がなされる可能性があります。
勾留期間満了時までに検察官は起訴するか否かを検討し、起訴された場合には裁判が開かれます。

一方で、身柄事件にする必要がない事件については、基本的に在宅事件として捜査が進みます。
在宅事件は、身柄を拘束されずに捜査が進むため、出頭を命じられた日以外は基本的に通常通りの生活を続けることになります。
警察官(を含めた司法警察員)は証拠を収集した後、事件の証拠等の書類を検察庁に送致します。
これが、俗に言う書類送検です。
書類送検を受けた検察官は警察官等から送られた書類を検討したうえで必要に応じて追加で証拠を集めるなどし、最終的に起訴するか否かを検討します。

在宅事件では身柄を拘束されずほぼ通常通りの生活が出来るため、弁護士はいらないのではないかと思う方も居られるようです。
しかし、在宅事件であっても捜査は進められている可能性はあるため、いつのまにか書類送検されていた、いつのまにか起訴されていたということも考えられます。
そのため、在宅事件であっても、早急に事件を弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、書類送検前の事件についても書類送検後の事件についても、対応しています。

在宅事件のなかには、書類送検される前に事件が終了する場合がございます。
また、書類送検された後でも、すぐに不起訴を含めた処分が下る場合があります。
このように、早期に事件を解決するためには、書類送検前に警察官等に対してしっかりとご自身の主張をしたり、被害者がいる事件では被害弁償をしたりといった対応が必要となります。

神奈川県横浜市都筑区にて、警察官による所持品検査によって包丁を携帯していたことが発覚し、在宅事件として書類送検される可能性がある、という方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による無料相談をご利用ください。

無料相談のご予約は、0120-631-881まで。
相談のご予約は、24時間365日承っております。

都築警察署までの初回接見費用:36,800円
在宅事件の場合、初回のご相談:無料

神奈川県横浜市都筑区で書類送検①

2019-05-29

神奈川県横浜市都筑区で書類送検①

【ケース】
神奈川県横浜市都筑区に住むAは、横浜市都筑区にて飲食店を経営する経営者です。
Aは経営者であるため、多額の現金を持ち歩くことも少なからずありました。
更に、以前多額の現金を持ち歩いていた最中、路上で強盗に襲われたという経験があります。
そのためAは、横浜市都筑区内にある刃物を取り扱う小売店にて包丁を購入し、護身の目的で鞄に入れて持ち歩いていました。
ある日の深夜帯、包丁を持って横浜市都筑区を歩いていたところ、横浜市都筑区を管轄する都築警察署の警察官に止められ、職務質問を受けました。
また、それに際して所持品検査を求められて応じたところ、鞄に包丁があることを指摘されました。
Aは警察官から「銃刀法違反の可能性があるから」と言われ、何度か任意で出頭して事情を聞かれたところ、最後の日に警察官からは「多分今月中には書類送検するから」と言われました。

Aは、銃刀法違反で書類送検された場合にはどうなるのか、弁護士に弁護を依頼したほうが良いのか、無料相談をしました。

(フィクションです。)

【護身目的の包丁所持も違法?】

昨日の早朝、神奈川県内にて包丁を所持した男が小学生や成人男性に怪我をさせ、うち2名が亡くなるという残虐な事件が発生しました。
どこで何が起こるか分からない時代において、各々が危機感を抱き、その対応策の一つとして護身のために何かしらの道具を持ち歩く、ということも考えられるでしょう。
その中には、防犯ブザーや笛などといった危険を周囲に知らしめる道具もありますし、相手に対する抑止や正当防衛のために護身用の道具も考えられます。
このうち護身用の道具については、持ち歩いていい道具なのか否か、検討する必要があります。
(中には、インターネット上で護身用具として販売している商品であっても、実際に持ち歩くことで違法とみなされる可能性もありますので、事前によくご確認されたうえで携帯されることをお勧めします。)

ケースのAについて見てみると、包丁を携帯しています。
包丁を所持していたことで問題になる法律は、下記が考えられます。
・銃砲刀剣類所持等取締法違反
俗に銃刀法違反と呼ばれるこの法律では、刃体の長さが6cmを超える刃物を携帯してはならないと定めています。

銃刀法22条  何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

護身の目的で刃物を携帯することは「業務その他正当な理由」に当たらないとされているため、護身目的で刃物を携帯することは銃刀法違反ということになります。
一方で、例えば、包丁を購入して包装を施された上でカバンに入れて自宅に持ち帰る場合や、板前などが職場と自宅の間で包丁を布で巻いた上でカバンに入れて携帯している場合であれば、「業務その他正当な理由」に当たると考えられるため、銃刀法違反にはならないと考えられます。

・軽犯罪法違反
持っていた包丁の刃渡りが6cm未満で上記の銃刀法に違反しなかった場合でも、軽犯罪法に違反する可能性が高いです。
軽犯罪法1条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
      二  正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者

なお、拘留とは1日以上30日未満の間刑事施設に送られることで、科料とは1,000円以上10,000円未満を納付する刑です。

【書類送検について】

≪明日のブログに掲載します。≫

都築警察署までの初回接見費用:36,800円
在宅事件の場合、初回のご相談:無料

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