殺人未遂事件で逮捕された

殺人未遂事件で逮捕された

殺人未遂事件逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県横浜市中区に住むAさんは,友人であるVさんと,お互いの態度や話し方などを理由として不仲の関係にありました。
AさんはVさんの自宅を訪れ,Vさんに向けて車を発進させてぶつけ,さらに車を降りて殴る蹴る等の暴行を加え,その場から立ち去りました。
Vさんは打撲傷等の軽い怪我を負いましたが,命に別状はありませんでした。
Vさんは神奈川県山手警察署に殺人未遂事件の被害を申告し,Aさんは神奈川県山手警察署の警察官により殺人未遂罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは殺人未遂事件で執行猶予になる可能性はないのかと考えています。
(2021年4月26日に関西テレビNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【殺人未遂罪とは】

刑法199条
人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

刑法203条
第199条及び前条の罪の未遂は,罰する。

殺人未遂罪とは,殺人罪の実行に着手したものの,殺人罪の結果が生じなかったために,殺人罪が未完成に終わった場合に成立する犯罪です。
例えば,殺意をもって,刃物で被害者の方を刺したものの,被害者の方が死亡しなかった場合,行為者の方には殺人未遂罪が成立します。

刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。

殺人未遂罪を犯した者には,殺人罪の刑を減軽した刑を科すことができます。
殺人未遂事件において,殺人罪の刑を減軽するかどうかは裁判所の自由です。

【殺人未遂罪の刑罰】

刑法68条
法律上刑を減軽すべき1個又は2個以上の事由があるときは,次の例による。
①死刑を減軽するときは,無期の懲役若しくは禁錮又は10年以上の懲役若しくは禁錮とする。
②無期の懲役又は禁錮を減軽するときは,7年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
③有期の懲役又は禁錮を減軽するときは,その長期及び短期の2分の1を減ずる。

殺人未遂事件において,殺人罪の刑を減軽する場合には,刑法63条に定めによって減軽を行います。
例えば,殺人未遂事件において,有期懲役刑を選択した上で刑を減軽する場合には,「その長期及び短期の2分の1を減ずる」ことから,2年6月以上10年以下の懲役刑が科せられることになります。
これは,有期懲役刑の長期は20年だからです(刑法12条)。

ここで,執行猶予は3年以下の懲役を科す場合に付けることができます(刑法25条1項)。
そうすると,殺人未遂罪の場合にも,刑が減軽されることにより,執行猶予が付く可能性があることになります。

【執行猶予とは】

刑法第25条1項
次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは,情状により,裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間,その執行を猶予することができる。
①前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
②前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

殺人未遂事件執行猶予を獲得するためには,執行猶予を相当とするに足りる情状が存在することが必要です。
そのためには,刑事弁護士へ刑事弁護活動を依頼し,殺人未遂事件を起こしてしまった経緯や原因,自らが真摯に反省し,被害者の方に対する謝罪の意を示していること,被害弁償の意思があることなどを裁判所に伝える必要があります。
殺人未遂事件で執行猶予を得ることは一般に容易ではありませんが,まずは刑事弁護士に相談してみることをお薦めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
殺人未遂事件逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

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