受け子・出し子が逮捕
特殊詐欺の受け子・出し子をした人が逮捕された事件がありました。
詐欺グループ「受け子」兼「出し子」容疑で再逮捕
Yahoo!ニュース(産経新聞)
この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
~詐欺グループの末端メンバーか~
この事件は、逮捕された48歳の男性が、他の者と共謀して特殊詐欺を行って逮捕されたというものです。
市役所や金融機関の職員を装い、
「今後は古いキャッシュカードが使用できなくなり、新しいカードに交換する必要がある」「金融機関職員にカードを渡してほしい」
などと嘘の電話をかけた上で、金融機関の職員を装った容疑者が被害者宅を訪問。
被害者からキャッシュカードをだまし取り、直後に現金計100万円を引き出したという容疑での逮捕となりました。
報道からは詳しいことまではわかりませんが、「受け子」兼「出し子」の容疑で再逮捕という記事タイトルになっていることから、被害者に電話をかけたのは別の共犯者だったと思われます。
その共犯者は逮捕されておらず、氏名もわかっていない模様です。
逮捕された容疑者が担当したのは、被害者から金銭やキャッシュカードなどを受け取る「受け子」、キャッシュカードを使って現金を引き出す「出し子」でした。
詐欺であることに気が付いた被害者から通報を受けて現場に警察が張り込んでいたり、防犯カメラに姿が記録されることなどから、逮捕されるリスクも高い役割です。
詐欺グループの中では、末端のメンバーが担うことが多いです。
インターネットなどでメンバーを募集し、危ない仕事であるとわかりながらも加担してしまうこともよくあります。
~詐欺罪・窃盗罪が成立~
特殊詐欺をして現金やキャッシュカードなどをだまし取ると、詐欺罪が成立することになります。
刑法
第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
さらに、だまし取ったキャッシュカードを使ってATMでお金をおろすと、銀行が管理する現金を盗んだとして、窃盗罪も成立することになります。
第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
どちらの罪も、最高で10年の懲役という重い刑罰が定められています。
また、特殊詐欺は被害金額が高額になりがちな上、だまし取ったお金が自分の懐に全て入るわけでもないことから、賠償が難しいことも多いです。
そうなると、初犯であっても執行猶予は付かず、刑務所に入れられる可能性も十分考えられます。
~一度弁護士にご相談ください~
執行猶予を狙ったり、少しでも刑期を短くしたい場合、何とかして被害者に賠償し、示談を結ぶことが重要となります。
可能であれば、ご家族が立て替えて賠償し、ご本人が少しずつご家族に返していくことを誓う形で、示談を結ぶといったことも考えられます。
とはいえ、示談を結ぼうにも具体的にどうやって行えばいいのかわからないと思います。
何と言ってお願いすればよいのか、いくら返還すればいいのか、示談書の文章はどうすればいいのかなど、事件によって変わってくるところでもあり、難しいところです。
また、被害者の中には、賠償を受けることよりも、犯人をしっかり処罰してほしいと考える方もおり、示談交渉が難航するという場合もあるでしょう。
もしあなたやご家族が何らかの犯罪で逮捕されたり、取調べを受けたが、何とか良い解決を目指したいという場合には、ぜひお早めに、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談ください。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。