パワハラ事件(暴行事件)

パワハラ事件(暴行事件)

パワハラ事件暴行事件)について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県南足柄市の会社に勤務するAさんは,部下社員にパワハラ行為をしたとして,暴行罪の容疑で取調べを受けました。
Aさんは,同じ課に所属していた20代社員のVさんが提出した書類を決済する際,「お前の育った環境を疑う。親の顔が見てみたい。」「頭がおかしいんじゃないか。」「お前のことだからこの程度だと思っていた。」などの暴言を浴びせ,業務の適正範囲を超えて精神的な苦痛を与えたといいます。
また,Vさんの態度が気にくわなかったなどとして、胸ぐらや顎をつかむ暴行を加えたといいます。
Vさんが後日,部長に暴行を含むパワハラを訴えたため,パワハラ事件暴行事件)が発覚したといいます。
AさんはVさんへの暴行罪の容疑を認め,「早く一人前にしたかった。指導のつもりだった」と話しています。
(2021年8月19日に埼玉新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【パワハラ事件(暴行事件)についてお答えします】

刑事事件例では,Aさんは,パワハラ事件暴行事件)を起こしてしまっています。
以下では,パワハラ事件暴行事件)を起こした被疑者の方やそのご家族の方が思い悩むと考えられる疑問にお答えします。

【パワハラは犯罪になりますか】

パワハラはその行為態様によっては,犯罪となります。
刑事事件例のようなパワハラに成立し得る犯罪の具体例としては,暴行罪侮辱罪が考えられます。

【暴行罪とは何ですか】

刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪は,「暴行を加え」,その暴行により「人を傷害するに至らなかった」ときに成立する粗暴犯です。

暴行罪で注目すべき成立要件は,「人を傷害するに至らなかった」という要件です。
もし,「人を傷害するに至」った場合には,暴行罪ではなく,傷害罪が成立することになります。

傷害の有無は,例えば,診断書の有無によって判断されます。
被害者の方が暴行事件により診断書を取得することができなかった場合,傷害罪ではなく,暴行罪で被害届を提出することが考えられます。
その結果,警察は暴行罪ではなく,傷害罪で捜査を開始することになります。

刑事事件例では,Aさんは,Vさんの態度が気にくわなかったなどとして、胸ぐらや顎をつかむ暴行を加えています。
この場合,少なくとも,Aさんには暴行罪が成立する可能性があります。

【侮辱罪とは何ですか】

刑法231条
事実を摘示しなくても,公然と人を侮辱した者は,拘留又は科料に処する。

侮辱罪は,「公然と人を侮辱した」場合に成立します。

侮辱罪で注目すべき成立要件は,「公然と」という要件です。
侮辱の「公然と」とは,摘示された事実を不特定または多数人が認識しうる状態をいいます。
そのため,純粋に一対一で相手を侮辱する場合は,刑法上の侮辱罪は成立しないと考えられます。
しかし,侮辱行為を行った状況によっては,「公然と」という要件が満たされ,侮辱罪が成立することが考えられます。

【暴行罪・侮辱罪で逮捕される可能性はありますか】

暴行罪侮辱罪逮捕される可能性はあると考えられます。

逮捕は,刑事事件を起こしてしまった方が逃亡したり,刑事事件の証拠を隠滅したりするおそれがあると,警察や検察,裁判所に認められてしまった場合になされます。
警察官や検察官が逮捕状を請求し,裁判所が逮捕状を発付した場合には,強制的に警察署の留置施設へ連れていかれてしまう可能性があります。

【暴行罪・侮辱罪で逮捕されてしまった場合,どうすればいいですか】

暴行罪侮辱罪で逮捕されてしまった場合で早期の身柄解放を望む場合は,刑事事件強い刑事弁護士に依頼し,身柄解放活動を行ってもらいましょう。
刑事弁護士の身柄解放活動の結果次第では,すみやかな釈放が期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
パワハラ事件暴行事件)でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

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