談合事件で罰金となった刑事事件

談合事件で罰金となった刑事事件

談合事件で罰金となった刑事事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

ごみ袋を製造,納入する業者を決めるための,神奈川県藤沢市の発注による指定ごみ袋の指名競争入札を巡り,Aさんが設立した会社を含む複数の応札業者が事前に口裏合わせや調整して落札業者を決めた上で応札したとして,Aさんは談合罪で略式起訴され,罰金の略式命令を受けました,
神奈川県警察は情報提供などを基に談合罪の容疑があるとして,Aさんの関係先を家宅捜索し,押収資料の精査や関係者の聴取を進め,後日,Aさんら数人を談合罪の容疑で書類送検しました。
横浜地方検察庁はAさんを談合罪で略式起訴し,横浜簡易裁判所が罰金50万円の略式命令を出しました。
(2021年1月21日に中國新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです)

【談合罪とは】

刑法96条の6第2項(談合罪)
公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で,談合した者も,前項と同様とする(作成者注:「3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する」)。

刑法では,公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で,談合することを談合罪として規定しています。

以下では,談合罪が成立するための要件を見ていきます。

【談合罪の成立要件とは】

談合罪の「公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的」とは,競売や入札において談合が行われず自由な競争に任せたならば形成されたであろう競落又は落札価格を,殊更に引き下げ(競売の場合)又は引き上げ(入札の場合)ようとする意図をいいます。

談合罪の「談合」とは,公の競売・入札(国又は公共団体の実施する競売・入札)に際し,競買人・入札人が相互に通謀(意思連絡を)して,特定の者を落札者にするために,他の者は一定の価格以下に値をつけないことを協定することをいいます。

談合罪が成立するための要件を満たした場合は,「3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金」又は併わせてこれらの刑事罰が科されます。

【談合罪と独占禁止法との関係とは】

独占禁止法3条
事業者は,私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。

独占禁止法89条(私的独占,不当な取引制限による競争の実質的制限の罪)
次の各号のいずれかに該当するものは,5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する。
①第3条の規定に違反して私的独占又は不当な取引制限をした者

独占禁止法では,「事業者は,」「不当な取引制限をしてはならない」と規定されています。
また,独占禁止法では,「第3条の規定に違反して」「不当な取引制限をした者」は,不当な取引制限による競争の実質的制限の罪として,「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」に科せられると規定されています。

独占禁止法の「不当な取引制限」とは,法律上の定義としては,「事業者が,…他の事業者と共同して…相互にその事業活動を拘束し,又は遂行することにより,公共の利益に反して,一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」をいうとされていますが,簡単に言えば,カルテルや入札談合です。
刑事事件例のような入札談合は,独占禁止法の「不当な取引制限」に該当し得るといえます。

ここで,入札談合により,刑法上の「談合罪」と,独占禁止法上の「不当な取引制限による競争の実質的制限の罪」のどちらにも該当し得るという場合が考えられます。
これら2つの犯罪(刑法上の「談合罪」と,独占禁止法上の「不当な取引制限による競争の実質的制限の罪」)の関係はどうなっているのでしょうか。

この点については,独占禁止法96条1項が「第89条から第91条までの罪は,公正取引委員会の告発を待つて,これを論ずる。」とし,独占禁止法上の「不当な取引制限による競争の実質的制限の罪」は公正取引委員会による告発が必要となるという違いが挙げられます。
一方,刑法上の談合罪は,公正取引委員会の告発を待つことなく,警察や検察が摘発することができることになります。

このような背景から,Aさんは,神奈川県警察により,談合罪の容疑で書類送検され,横浜地方検察庁により談合罪で略式起訴されたのだと考えられます(罰金については,こちらをご参照ください)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
談合事件で罰金となりそうな刑事事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

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