横領事件で書類送検
横領事件を起こしてしまい在宅で捜査が進められている方が書類送検をされる場合の手続き上の流れや弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県横浜市金沢区在住のAは、横浜市金沢区にある会社に勤める会社員です。
Aは有志で行われる社員旅行の幹事を任されていたところ、旅行のために同僚らから集金していた資金を使い込んでしまいました。
Aの横領行為に気付いた同僚Vは、横浜市金沢区を管轄する金沢警察署の警察官に横領事件の被害届を提出しました。
Aは在宅で捜査を進められ、警察官から取調べを受けた際に「書類送検するから」と言われました。
書類送検の意味が解らなかったAは、刑事事件専門の弁護士に無料相談しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【横領事件について】
横領とは、他人の物(財物)を占有している者がそれを自分のものにする行為を指します。
我が国の刑法では横領について、(単純)横領、業務上横領、占有離脱物横領(遺失物横領)、の3種類に分かれます。
このうち占有離脱物横領罪(刑法254条)は、落とし物をネコババするような行為を指します。
また、業務上横領罪(刑法253条)とは、「業務上自己の占有する他人の物を横領した者…」とされていて、業務とは「社会生活上の地位に基づいて、反復・継続して行われる事務」を指すとされています。
ケースについて見ると、Aは単に融資で行われる社員旅行の幹事をやっていたに過ぎないため、業務ということは難しいと考えられ、単純横領罪が適用される可能性があります。
単純横領罪は刑法252条1項で「自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。」と定められています。
【書類送検とは】
書類送検いう言葉を日々の報道などで耳にすることがあるかと思います。
刑事事件が発生した場合、警察官をはじめとする捜査機関は逮捕することで身柄を拘束して捜査を進めるか、逮捕せずに在宅で捜査を進めるかを検討します。
そして書類送検とは、警察官等が事件についての捜査を「被疑者の身柄を拘束せずに行った上で」行い、捜査資料を検察官に送致することを指します。
その後、書類送検を受けた検察庁は担当検察官を決め、担当検察官は書類を確認してから必要に応じて再捜査を命じたり自ら取調べを行います。
そして、最終的に書類を整えた上で、担当検察官は公判請求するか否かを判断します。
担当検察官が公判請求をした場合には裁判が開かれ、公判請求しなかった場合には不起訴となります。
【書類送検で刑務所に?】
「逮捕されない=軽い罪である」という誤解をしている方が非常に多いのですが、必ずしもそうではありません。
在宅事件であっても、書類送検されれば上述のとおり裁判になる可能性があります。
当然、事件によっては裁判で実刑判決を受けることもあり、実刑判決を受けた場合には刑事収容施設(いわゆる刑務所)に送致されます。
そのため、書類送検をされたことで「逮捕されなかったから刑務所には行かないだろう」等という考えは危険です。
書類送検の場合、在宅で生活し乍ら警察官・検察官と調整をして取調べを行います。
取調べで作成した供述調書は証拠として採用される可能性が極めて高い書類ですが、ともすれば被疑者にとって不利な供述調書を作成されている可能性もあります。
そのため、在宅事件でも書類送検前に刑事事件専門の弁護士に依頼をして、取調べでどのようなことを説明する必要があるか等のアドバイスを受けることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、在宅事件で書類送検前の段階でもご依頼が可能です。
神奈川県横浜市金沢区にて横領事件で被害届を出される等して在宅で捜査が進んでいて、書類送検される恐れがあるという方については、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
当事務所にて、無料でご相談をいただけます。