神奈川県横浜市旭区の強盗事件
Aさんは、神奈川県横浜市旭区の路上において、通行人のVさんに対し「金目の物を今すぐ出せ」と刃物を差し向けました。
Vさんは恐怖に怯え、財布と携帯電話を地面に捨てるように置いてすぐさま逃げ去りました。
その数日後、Vさんが被害届を出したことで捜査を開始され、Aさんは強盗罪の疑いで旭警察署に逮捕されました。
その後勾留されたAさんは、接見に来た弁護士に「保釈請求をしてほしい」と依頼しました。
(上記事例はフィクションです)
【強盗罪について】
暴行または脅迫を手段として他人の財物を奪取した場合、強盗罪に問われるおそれがあります。
同じく暴行・脅迫を用いる財産犯として恐喝罪が挙げられますが、強盗罪の方がより重いと言えます。
なぜなら、強盗罪における暴行・脅迫は、相手方の反抗を抑圧するに至る程度という強度のものが要求されるからです。
簡単に言えば、抵抗が困難なほどの暴行・脅迫が加えられたか否かが、強盗罪と恐喝罪の分岐点です。
たとえば、暴行が多数回に及ぶ激しいものだった、脅迫に凶器が用いられ生命が脅かされた、などの事情があれば、判断は強盗罪に傾くと考えられます。
強盗罪の法定刑は、5年以上の有期懲役(上限20年)という重いものです。
懲役刑が言い渡される場合、その年数が3年以下でなければ執行猶予を付けることはできません。
そのため、強盗罪で有罪となれば、なんらかの事情で刑が減軽されない限り執行猶予が付くことはありません。
更に、仮に強盗の際に相手方を死傷させると、強盗致傷罪または強盗致死罪としてより重い刑が科される可能性が出てきます。
強盗致傷罪であれば無期または6年以上の有期懲役、強盗致死罪であれば死刑または無期懲役であり、その重さは一目瞭然です。
いずれにせよ、弁護士による精力的な弁護活動が重要となることは否定できないでしょう。
【保釈による釈放の可能性】
強盗罪は先ほど説明したとおり重い罪なので、一般的に釈放を実現できる可能性は低いです。
疑われている罪が重ければ重いほど、逮捕・勾留の要件である逃亡および証拠隠滅のおそれが大きいと評価される傾向にあるためです。
こうしたケースでは、身柄解放の手段として保釈請求が有力な選択肢となってきます。
保釈とは、裁判所に対して指定された額の金銭を納め、それと引き換えに一時的に身体拘束を解いてもらう手続のことです。
裁判所に納める金銭は、きちんと裁判などの呼び出しに応じれば後で返還される一方、逃亡などを図れば没収される可能性のあるものです。
こうした金銭の存在が逃亡などを心理的に抑制することから、保釈が比較的認められやすくなっているのです。
起訴後にしか請求できない、必ず認められるとは限らないという懸念点はありますが、それでもやはり貴重な身柄解放の一手段であることには違いありません。
逮捕・勾留による身柄拘束の期間は、逮捕から起訴まで最長23日間、起訴後から最短2か月です。
この期間は、周囲の方にとってはもちろん、逮捕中のご本人にとっては尚更長く感じるものです。
もし何もすることなく漫然と過ごせば、ご本人からすれば終わりのないように感じられ、社会復帰などへの意欲が削がれるという事態に陥りかねません。
そうした事態を回避するためにも、ぜひ弁護士に保釈請求を依頼し、一日でも早い釈放を目指してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、身柄解放の実現に向けて保釈請求をはじめとする様々な弁護活動を行います。
ご家族などが強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご依頼ください。
初回法律相談:無料