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【解決事例】青少年育成条例違反で略式手続

2023-03-27

【解決事例】青少年育成条例違反で略式手続

青少年健全育成条例違反で捜査を受け略式手続により罰金刑を受けたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市鶴見区在住のAさんは、横浜市鶴見区の会社に勤める会社員です。
Aさんは、SNSで知り合った16歳の児童Vさんに対し、金銭は渡さずに、横浜市鶴見区内のホテルにて性的な行為をしました。
後日、横浜市鶴見区を管轄する鶴見警察署の警察官が自宅に来て、Aさんを青少年健全育成条例違反(事件は横浜市鶴見区での出来事でしたので、神奈川県青少年保護育成条例違反)で逮捕されました。
Aさんは勾留されずに釈放された後、略式手続により罰金刑に処されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【青少年健全育成条例違反について】

今回の事件は、Aさんが18歳未満(16歳)であるVさんに対し、金や物を渡さずに、性的な行為をしたことが問題となっています。
この場合は青少年健全育成条例などと呼称されるいわゆる淫行条例が問題となります。
事例は神奈川県内での事件ですので、以下の条文が適用されます。

神奈川県青少年保護育成条例31条1項 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
同条例31条3項 第1項に規定する「みだらな性行為」とは、健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいい、同項に規定する「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激し、又は興奮させ、かつ、健全な常識を有する一般社会人に対し、性的しゆう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。
(罰条:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)

条文のとおり、18歳未満の児童に対し、結婚を前提にするなど真剣な交際をしている場合を除き、性的な行為をした際に成立します。
Aさんのように、SNSでやり取りをしただけで初めて会うような関係で会った場合には、まず真剣交際の主張は認められず、青少年健全育成条例に違反します。

【略式手続について】

本来、罪を犯した被疑者は、起訴されて被告人という立場になり、公開の法廷で無罪/有罪の判断と有罪だった場合の刑罰が言い渡されます。
しかし、全ての事件で裁判を行った場合、検察官・裁判官の負担が増加します。
そのため、比較的軽微な事件では、略式手続が行われます。

略式手続(略式起訴・略式罰金など)は、
・事案が明白で簡易
・被疑者が同意している
・罰金100万円以下、又は科料
の条件を全て満たした場合に、書面のみで行われる手続きです。
在宅事件の場合は振込票が届きそれに従って振り込みをする、身柄事件の場合は家族などが言い渡される罰金・科料の金額を持参する、という方法で納付します。

正式裁判は起訴されてから判決言い渡しまでに数ヶ月(あるいはそれ以上)を要しますが、略式手続は在宅事件であっても数週間から1ヶ月程度で書類が送られてくる場合がほとんどです。
また、誰が傍聴しているか分からない「公判廷」に立つ必要がないため、心理的負担も少ないと言えます。
とはいえ、略式手続で言い渡された罰金刑・科料はいわゆる前科に当たります。
略式手続に同意して良いのか、略式手続を回避して不起訴処分になる可能性があるのかについては、弁護士に相談してお決めになった方が良いかと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
これまで数多くの青少年健全育成条例違反事件に携わってきました。
神奈川県横浜市鶴見区にて、青少年健全育成条例違反で捜査を受けている方、略式手続に同意するか迷われている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談をご利用ください。

家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】児童ポルノ所持で家宅捜索

2023-03-24

【解決事例】児童ポルノ所持で家宅捜索

児童ポルノを所持しているという嫌疑で、ある日突然警察官が自宅に来て家宅捜索を受けたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市神奈川区在住のAさんは、横浜市神奈川区にある会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの自宅に横浜市神奈川区を管轄する神奈川警察署の警察官が訪れ、「児童ポルノ所持の嫌疑で裁判所から令状が出ているから」と説明され、家宅捜索が行われました。
Aさんは、家宅捜索が法律上どのような手続きなのか、今後の見通しや必要な弁護活動にはどのような物が考えられるか、等について当事務所の弁護士による無料相談で質問し、その後弁護を依頼されました。
Aさんの事例では、児童ポルノに該当する動画や画像をインターネット上でダウンロードしたというものであり、Aさん自身も罪を認めていました。
弁護士は、担当する神奈川警察署の警察官に対して在宅で捜査を続けることを確認したうえで、取調べの前後でAさんと電話等でアドバイスを行いました。
また、検察官送致(いわゆる書類送検)が行われた後、担当検察官と協議し、Aさんの反省の意を示す方法として贖罪寄附を行いよう勧めました。
最終的に、担当検察官はAさんを不起訴処分としました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【児童ポルノの所持について】

今回問題となったのは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」いわゆる児童買春・児童ポルノ処罰法の条文です。
児童買春・児童ポルノ処罰法では、18歳未満を児童とし、児童ポルノについて以下のとおり定義しています。

児童買春・児童ポルノ処罰法2条3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録…に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

Aさんの事例では、インターネット上にアップロードされていた児童の性的な動画・画像を「電磁的記録」としてダウンロードし、自身のHDDに記録しているため、児童ポルノ所持の罪で捜査を受けました。

【家宅捜索について】

警察官をはじめとした捜査機関は、事件を起こしたと疑われる「被疑者」に対し、捜査を行います。
捜査には取調べや引き当たりなど様々な方法があり、そのうちの1つに家宅捜索が挙げられます。
家宅捜索は、被疑者の自宅や車の中、職場のロッカーなど私的な場所にある証拠を探すために行われる「捜索」と、捜索の結果見つかった証拠を押収する「差押え」の両側面を持ちます。
俗にガサと呼ばれるものです。

家宅捜索は、裁判所の発付する「捜索差押許可状」と呼ばれる令状が用いられることが一般的です。
家宅捜索で押収する証拠品は
・スマートフォンやタブレット、パソコンといった電子端末
・薬物などの法禁物
・犯行当時着ていた衣服
など、事件の性質によって様々です。
今回のAさんの事例では、児童ポルノをダウンロードしていたパソコンのHDDなどの電子端末が押収されました。
なお、必ず家宅捜索が行われるわけではなく、事件によっては「任意提出」を求められ、任意提出に応じた場合には押収などの手続きが行われないということもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は児童ポルノの所持などの性犯罪事件の経験が豊富です。
神奈川県横浜市神奈川区にて、児童ポルノ所持の嫌疑で家宅捜索を受けたという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談をご利用ください。
家族が児童ポルノ所持で逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】リベンジポルノ防止法違反で公正証書の取り交わし

2023-03-09

【解決事例】リベンジポルノ防止法違反で公正証書の取り交わし

交際中などに撮影した性的な動画や画像などをネット上にアップロードしたことでリベンジポルノ防止法違反の罪に問われ、公正証書の取り交わしにより事件化を阻止できたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県川崎市川崎区在住のAさんは、川崎市川崎区の会社に勤める会社員です。
Aさんには3年間交際した相手Vさんがいましたが、Vさんの浮気が発覚しました。
Aさんは怒ってVさんと別れましたが、怒りが収まらず、交際中に撮影していたVさんの性器などが映った動画をインターネット上に投稿しました。
投稿に気付いた川崎市川崎区在住のVさんは、川崎市を管轄する川崎警察署の警察官に相談しました。

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【いわゆるリベンジポルノ防止法違反について】

誰しもが当たり前のようにスマートフォンやタブレット端末を持っている昨今、動画や画像を撮影することが容易になっています。
そこで、心を赦した交際相手などから求められ、性行為や性的な部位を動画や画像で撮影するという方も少なくないようです。
このような動画や画像について、被写体が第三者に提供したり、インターネット上にアップロードしたりすることについて同意していれば良いのですが、被写体に同意を得ずに第三者に提供したり、インターネット上に投稿したりする行為は、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称:リベンジポルノ防止法)によって禁止されています。
条文は以下のとおりです。

リベンジポルノ防止法3条
1項 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2項 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
(以下、略)

【公正証書の取り交わし】

リベンジポルノ防止法違反のように被害者のいる事件では、被害者との示談交渉が重要な弁護活動のひとつに挙げられます。
示談交渉は、当事者同士でもできますが、刑事弁護での示談交渉は弁護士が代理人になって締結する場合が一般的です。
ここで取り交わす示談書は、弁護士が代理人として関与していたとしても、私文書として扱われます。

示談書では、当事者が誰か、どのような内容を定める文章か、示談金がある場合にはいくらか、等の約定が設けられます。
当然、示談書を取り交わした場合には、当事者間に法的拘束力が認められます。

しかし、示談条項は時として反故にされます。
反故にされた場合、「○○さんに示談書の約定を反故にされた」と主張して請求などを行うのですが、私文書の場合、そもそも示談書自体が有効であるかなどの確認が必要となるため、請求に時間を要します。

例えば、示談金が比較的安い金額で一括で支払われるような場合には示談書は私文書で構わないと考えられますが、示談金が高額で分割での支払いが求められる場合などでは、途中で支払われなくなるなどのリスクがあります。
そのようなリスクがある場合に、債権者(示談金を要求する被害者の方)としては、公正証書を取り交わすことで安心する場合があります。

公正証書とは、公証人という公務員が提供する法的サービスの一つです。
公正証書は、作成までの手続きに時間や労力を要しますが、公務員が作成する公文書になるため、証明力が高く約定を反故にされた場合に速やかに差押えなどの請求に踏み切ることができます。
よって、被害者としては、通常の示談書を取り交わす場合に比べ、公正証書にして取り交わすことで安心して示談に応じることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件のみを扱っている弁護士事務所です。
リベンジポルノ防止法違反の中でも「インターネット上で動画や画像を公開」するような事案では、被害者の方の被害感情が大きく示談金も高額になる可能性がありますが、公正証書の取り交わしによって被害者の方が安心して示談に応じてくださる場合もあります。
神奈川県川崎市川崎区にて、リベンジポルノ防止法違反で捜査を受けていて、示談交渉公正証書の取り交わしについて知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談をご利用ください。

家族がリベンジポルノ防止法違反などで逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】児童ポルノ所持事件で出頭同行

2023-03-06

【解決事例】児童ポルノ所持事件で出頭同行

児童ポルノ所持事件で捜査を受けていた事件で、弁護士が出頭同行をした弁護活動等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市磯子区在住のAさんは、磯子区内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの自宅に私服警察官を名乗る男性3名が訪問し、「ネット関係の問題で話を聞きたいんだけど」と説明しました。
Aさんは「令状はあるんですか」と聞くと無いと回答されたため、「任意なら受けません」と言い追い返しました。
しかし、今後逮捕されるのではないかと考えたAさんは、当事務所の無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。

Aさんの事件は、任意捜査を拒否したという姿勢から逮捕される可能性があると考えられたため、弁護士はすぐに、無料相談で確認した話を書類にしました。
そして内容をAさんに確認して頂いた後、取調べでの注意点の説明や逮捕された場合に備えた準備を指示しました。
その後、弁護士は神奈川県警察署に連絡して担当者を確認した後、これから出頭すること、家族の監督が見込めるため在宅で捜査可能であること、等を伝えました。
また、出頭時には弁護士が同行し、取調べが終了するまでの間、取調べ室前で待機していました。
結果的に、Aさんは逮捕されることなく捜査を受けることになりました。
また、その後も取調べが行われましたが、嫌疑が固まらないとして警察官はAさんを検察官送致することなく、事件は終了しました。

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【児童ポルノ所持について】

Aさんは、18歳未満の児童が映った性的な動画・画像で児童ポルノに該当するデータをインターネット上からダウンロードしていました。
そしてその目的は、自分の性的好奇心を満たすためでした。
これは、児童ポルノ所持罪に該当し以下の条文が問題となります。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
7条1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者…は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。(以下略)

【出頭同行について】

今回のAさんの事件では、弁護士が、取調べに際し出頭同行しました。
これについて、我が国では、弁護士が捜査機関の取調べに立ち会うことは認められていないため、取調室に入って取調官に対し抗議する等の活動は原則としてできません。
しかし、在宅捜査を受けている被疑者の任意での取調べでは、被疑者が取調べ中に取調室を退室することが認められています。
そのため、取調べの際に疑問や不安を感じた場合、取調室近くに出頭同行した弁護士がいることで、すぐに質問をしたり意見を聴いたりすることができます。
また、威圧的な取調べをしていた取調官が弁護士の出頭同行したところ、丁寧な言葉遣いになった等の感想を耳にすることもあります。

神奈川県横浜市磯子区にて、児童ポルノ所持事件で捜査を受ける可能性がある方、警察官が自宅に来たため出頭したいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談をご利用ください。
弁護士が事件の詳細を確認したうえで、捜査や結果の見通し、あるいは出頭同行のメリット等について丁寧にご説明致します。
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【解決事例】児童買春事件で勾留請求の却下

2023-02-27

【解決事例】児童買春事件で勾留請求の却下

児童買春事件を起こして逮捕された後当事務所に御依頼いただき、勾留請求が却下されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県相模原市在住のAさんは、相模原市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの実家に相模原市内を管轄する津久井警察署の警察官が来て、Aさんを通常逮捕しました。
Aさんの家族は逮捕した警察官に対して理由を聞きましたが、児童買春ということ以外は説明されませんでした。
初回接見の依頼を受けた当事務所の弁護士は、逮捕当日に初回接見サービス(有料)を行ったところ、Aさんからは「相模原市内のホテルにて未成年者Vさん(高校生・16歳)に対して現金3万円を渡して性行為をした嫌疑で逮捕され、それは事実」「他にも児童買春事件を起こしている」という説明を受けました。
初回接見で伺った内容をAさんの家族に伝えたところ、早期の釈放を希望し、弁護を依頼されました。
弁護士には逮捕の翌日に行われる検察官送致までに書類を作成し、検察官に対し提出したうえで「Aさんに勾留は必要ない」と主張しましたが、検察官は勾留が必要であると判断して勾留請求を行いました。
次に弁護士は勾留裁判を担当する裁判官に対して書類を提出し、電話面談を行ったところ、裁判官は勾留は不要であると判断し勾留請求を却下しました。

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【児童買春事件について】

事例では、Aさんは18歳未満の未成年者であるVさんに対して3万円を渡して性行為をしました。
これは、児童買春の罪に当たります。
児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律で以下のとおり禁止されています。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
2条2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいう。
1号 児童
(以下略)
4条 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

【勾留請求却下について】

罪を犯したと疑われる「被疑者」に対し、捜査を行う上でやむを得ない場合に捜査機関は逮捕することができます。
警察官等の司法警察員が被疑者を逮捕した場合、逮捕から48時間以内に身柄と書類を検察官に送致する必要があります。(刑事訴訟法203条1項)

次に検察官送致受けた検察官は、被疑者の弁解を聞いた上で、
①留置の必要がないと判断した場合には直ちに釈放
②その後も身柄拘束が必要であると判断した場合には24時間以内に勾留請求
をする必要があります。(刑事訴訟法205条1項)
この勾留請求の手続きは、逮捕されてから72時間以内に行われる必要があります。(刑事訴訟法205条2項)

最後に、検察官が②の勾留請求を選んだ場合には、勾留質問という手続きが行われます。
勾留質問は、中立な立場である裁判官が非公開の法廷で行い、検察官から送られてきた書類と被疑者に対する質問を確認したうえで、身柄の必要性を検討します。
身柄拘束が必要であると判断した場合、勾留請求を認容し、10日間の勾留を認めます。
身柄拘束が必要ないと判断した場合、勾留請求を却下し、被疑者は釈放されます。

今回のAさんの事例では、検察官は身柄拘束が必要と判断して勾留請求したが、裁判官は勾留が必要ではないと判断して勾留請求を却下した形です。
勾留請求却下を求めるためには、弁護士が家族や逮捕中の被疑者の方からしっかり話を聞いた上で、勾留の要件である「逃亡の恐れ」や「証拠隠滅の恐れ」が存在しないことを積極的に主張していくことが望ましいと言えます。
神奈川県相模原市にて、家族が児童買春の罪で逮捕され、勾留請求却下を求める弁護活動について知りたいという場合、原則として費用のお振込から24時間以内に弁護士が接見を行う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)

【解決事例】児童買春と児童ポルノ製造事件

2023-02-18

【解決事例】児童買春と児童ポルノ製造事件

兵庫県在住の方が、児童買春児童ポルノ製造で逮捕され、神奈川県相模原市で留置されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

兵庫県在住のAさんは、SNSで知り合ったVさん(相模原市中央区在住・16歳)に対し、現金2万円を渡し、相模原市中央区内のVさん宅を訪れそこで性行為をしました。
また、その際、Vさんの許可を得てスマートフォンのカメラで動画を撮影していました。
Vさんの保護者が、Vさんが高額なブランド品を所持していたためVさんが児童買春の相手方になっていることに気付き、相模原市中央区を管轄する相模原警察署に相談しました。
相模原警察署の警察官は、捜査の結果Aさんを特定し、兵庫県内のAさんの自宅を訪れAさんを逮捕しました。
Aさんの家族は、事件について何も説明を受けておらず、更には遠方である相模原警察署に逮捕されたため面会も叶わないため、当事務所の初回接見サービスを利用し、その後弁護を依頼されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【児童買春について】

今回の事例では、Aさんは18歳未満であるVさんに対し、現金2万円を渡して性行為を行いました。
これは、児童買春と呼ばれる罪に該当します。
児童買春の罪の条文は以下のとおりです。(以下、「児童買春児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」は「児童買春児童ポルノ処罰法」と記載します。)

児童買春・児童ポルノ処罰法2条2項この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等…をすることをいう。
1号 児童
(以下略)
児童買春・児童ポルノ処罰法4条 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

【児童ポルノの製造】

次に、AさんはVさんとの性行為に際し、動画の撮影を行っています。
AさんとしてはVさんに同意を得ていたため問題視していなかったと思われますが、未成年者であるVさんの陰部や乳房などが映っていた場合、児童ポルノ製造罪に問われます。
(児童ポルノの定義についてはこちらをご覧ください。)
条文は以下のとおりです。

児童買春・児童ポルノ処罰法7条2項 児童ポルノを提供した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。(略)
同3項 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
同4項 前項に規定するもののほか、児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする

【主要都市に事務所を構える弁護士法人】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、名古屋を本部として全国の主要都市12箇所に支部を構える弁護士法人の一支部です。
当事務所では、本部と各支部が連携して弁護活動を行っています。
Aさんのように、お住まいと事件地が違う場合、遠方の警察署が捜査を行いそこで留置されることがあります。
そのような場合には、お住まいの最寄りの事務所で相談・契約をして、留置先近くの事務所に所属する弁護士が弁護を行うことも可能です。
ご家族が神奈川県相模原市中央区で児童買春事件や児童ポルノ製造事件を起こしてしまい、逮捕・勾留されている場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

【解決事例】強制性交等事件で鑑別所送致

2023-02-12

【解決事例】強制性交等事件で鑑別所送致

強制性交等事件で逮捕され、少年鑑別所に送致されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県大和市在住のAさんは、神奈川県内の高校に通う高校1年生でした。
Aさんは、深夜の大和市内の路上に於て、見知らぬ女性3名に対し、突然暗がりに連れ込み、自身の陰茎を被害女性の口に咥えさせる口腔性交を行いました。
数ヶ月後、大和市内を管轄する大和警察署の警察官がAさんの自宅に来て、Aさんの保護者はAさんを強制性交等罪で逮捕すると説明されました。
依頼を受けた当事務所の弁護士は、Aさんから事件の詳細を聞き取ったうえで、事件の性質からして20日間の勾留ののち少年鑑別所に送致されることになる可能性が高いことを説明したうえで、この身柄拘束期間を漫然と過ごすのではなく、
・どうしてこのような事件を起こしてしまったのか
・被害女性の立場になって考えたときにどう思うか
・二度とこのような事件を起こさないためにはどうすれば良いか
・どのようにして被害女性に対して謝罪の意を伝えるか

を考え、内省を深めるとともに、自身のその後の進路や生き方についてしっかりと考える時間にするよう指導し、適宜振り返りノートの作成などを指示しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【強制性交等事件について】

強制性交等罪は、以前は強姦罪と呼ばれていました。
法改正により、被害者が男性だった場合でも成立することになったほか、性行為だけでなく、お尻に対する肛門性交、口に対する口腔性交をも処罰対象としました。
今回のAさんの事例では、口に陰茎を入れるいわゆる口腔性交が問題となりました。
条文は以下のとおりです。

刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

【少年鑑別所送致について】

少年事件では、原則として成人の刑事事件と異なり、非公開の少年審判で、家庭裁判所裁判官によって(刑事罰ではな)保護処分を課されます。
この少年審判で少年にどのような保護処分を課すべきかを検討するうえで必要であると判断された場合、少年鑑別所で観護の措置が行われます。

少年鑑別所では、法務技官によって面接。心理検査、行動観察などが行われます。
期間は多くの場合4週間で、その期間内に必要な鑑別を行ったうえで審判が行われます。

少年鑑別所での観護措置は、審判で保護処分を検討する際に必要となるだけではなく、少年の性格などを知ることでその後の保護者の教育・指導などに有益になるなど、メリットは少なくありません。
他方で、少年にとっては自身が置かれている立場が理解できない、あるいは先が見えないことによる不安などで、精神的に辛い思いをすることも事実です。
弁護士は弁護人・付添人として、適確なアドバイスや見通しの説明などを行うことで、内省を深め、最終的に社会復帰したあとに必要となる考え方などを身に着けるよう促す必要があります。
神奈川県大和市にて、お子さんが強制性交等罪で逮捕された、少年鑑別所に送致されるか不安、お子さん自身の将来に向けた弁護活動・付添人活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。(有料)

在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。

【解決事例】児童買春事件で取調べ対応

2023-02-09

【解決事例】児童買春事件で取調べ対応

どのような行為が児童買春に当たるのか、児童買春取調べを受ける場合にはどのような対応が必要か、という点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県厚木市在住のAさんは、厚木市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、出会い系サイトで知り合った当時15歳の女子児童と厚木市内のホテルで会って、現金2万円を渡し、性交渉に及びました。
サイバーパトロールがきっかけでAさんは児童買春の罪で逮捕されましたが、勾留の必要性はないと裁判所に判断され、釈放されるに至りました。
その後、Aさんは釈放された後も取調べが行われることを知り、当事務所の弁護士に取調べでの心構えや問われる内容、回答するメリット等について聞き、その後弁護を依頼しました。

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【未成年者との性交渉】

未成年者に対する性的な行為は、先進国のほとんどで当然に定められています。
我が国では、大別すると以下の法律等が問題となります。

・お金などを渡して未成年者と性的な行為をした場合
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、児童買春児童ポルノ処罰法)によって、禁止され、違反した場合の処罰規定が設けられています。

・お金などを渡さずに未成年者と性的な行為をした場合
各都道府県の定める青少年育成条例によって禁止され、違反した場合には処罰されます。
事例の場合は神奈川県厚木市での事件ですので、神奈川県青少年保護育成条例に違反します。

【児童買春の罪について】

お金を払って未成年者と性交渉をした場合には、以下の条文が問題となります。

児童買春児童ポルノ処罰法2条2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等…をすることをいう。
 1号 児童
(以下略)
同法4条 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

【取調べ対応について】

罪を犯したと疑われる被疑者は、逮捕・勾留されている身柄事件であっても、身柄拘束はされていない在宅事件であっても、警察官や検察官などによる取調べを受け、そこで話した内包は供述調書にまとめられ、署名捺印を求められます。

取調べでは、身の上について、あるいは事件の内容について等について問われます。
しかし、一般的な内容を除き、事件の内容や個々の取調べ官によって異なります。
また、取調べで供述することでメリットになる内容もあれば、供述することでデメリットになる内容もあります。
取調べでどのような質問をされるのかが分からない、自身の供述でどのような不利益が生じるのか確認したいという場合、刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談・依頼することをお勧めします。

Aさんの場合、逮捕された事件だけでなく、別の児童に対しても児童買春をしていました。
弁護士は、Aさんがすべての事件で供述をした場合にどのような罪に問われる可能性があるのかを説明しました。
Aさんは起訴を回避したいという意向でしたので、それを踏まえ、余罪については黙秘する等のアドバイスを行いました。
最終的に、Aさんは逮捕された事件1件のみでしか立件されず、結果的にAさんは不起訴となりました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、取調べを受ける予定の方に対し、無料での法律相談を承っております。
神奈川県厚木市にて、児童買春事件で取調べを受ける予定の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部による無料相談をご利用ください。
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【解決事例】服役経験のある被告人が再度の痴漢事件で執行猶予に

2023-02-06

【解決事例】服役経験のある被告人が再度の痴漢事件で執行猶予に

痴漢事件で過去に2度実刑判決を受け服役した経験がある、という方が再度痴漢事件を起こして起訴されたものの執行猶予付きの判決になった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県伊勢原市在住のAさんは、伊勢原市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは今回の事件以前に痴漢事件で7度検挙されていて、うち2度は刑事裁判で実刑判決を受けて刑事収容施設(いわゆる刑務所)に服役しました。
しかし、再び伊勢原市内を走行中のバス車内で被害者Vさんの臀部(お尻)を触る痴漢事件を起こしてしまい、通報を受けて伊勢原市内を管轄する伊勢原警察署の警察官より伊勢原警察署内で取調べを受けた後、在宅捜査を受けることになりました。
Aさんは、いわゆる前科が多数あることから、今回も実刑判決を受けて服役することになるのか不安に思い、当事務所の弁護士による無料相談を利用されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【痴漢事件について】

公共の場所や乗り物で他人の臀部(お尻)などを触る行為は、痴漢と呼ばれ、各都道府県の定める迷惑行為防止条例に違反します。
事例は、神奈川県伊勢原市を走行中の車内で行われた痴漢事件ですので、神奈川県迷惑行為防止条例に違反します。
条文は以下のとおりです。

神奈川県迷惑行為防止条例3条 何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
1項 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接に人の身体に触れること。
罰条:「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(同条例15条1項)

【前科があると厳しい刑事罰になる】

罪を犯したと疑われる者は、起訴されて被告人という立場になり、刑事裁判を受けます。
裁判官は有罪とした場合、被告人に対し死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・拘留・科料及び没取という判決を言い渡します。
この判決を、(法律用語ではなく一般的な用語として)前科と呼ばれています。

前科については、刑法に以下のとおり規定されています。

刑法第34条の2第1項 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したときも、同様とする。
2項 (略)

前段の「禁錮以上の刑」は死刑・懲役刑・禁錮刑を指します。
後段の「罰金以下の刑」は罰金刑・拘留・科料を指します。

Aさんの場合は、10年以内に懲役刑を言い渡され、その後服役していました。
つまり「刑の執行を終わり」「10年を経過した」という規定に該当しないため、いわゆる前科が消滅していないことになります。
前科は、国家資格をお持ちの方等を除き基本的に社会生活に影響はありません。
しかし、前科がある方が再度事件を起こした場合には、本件の裁判ではそれを加味して量刑が検討されます。

今回の事件で、弁護士は
・Aさんが反省していることを示す謝罪文
・被害者であるVさんとの間で取り交わした示談書
・事件後にAさんが二度と同じような事件を起こさないよう性犯罪加害の治療に取り組んでいることを示す書類
・家族がAさんの更生に意欲的に取り組んでいることを証人尋問で確認

といった種々の主張を行った結果、Aさんに対しては、執行猶予判決が言い渡されました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまでに数多くの刑事事件を取り扱ってきました。
神奈川県伊勢原市にて、実刑(服役経験)などの前科がある方が痴漢事件を起こしてしまい、執行猶予を求める弁護活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

【解決事例】性行為中のトラブルで被害申告前に対応

2023-01-30

【解決事例】性行為中のトラブルで被害申告前に対応

双方同意の上での性行為をしたものの、その際にトラブルが生じ、その件で謝罪金を求められていたが被害申告前に解決したという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県南足柄市在住のAさんは、南足柄市内の会社に勤める会社員です。
Aさんには内妻がいましたが、その人とは別の既婚者Vさんといわゆる不倫関係にありました。
その後Vさんとは関係解消しましたが、VさんはAさんに対し、交際中に性行為をした際に膣内が傷つけられたことがあり、その謝罪金を求めました。
実際にAさんは性行為中にVさんが痛がっていたことがあったため、Vから提示された金額を毎月支払っていました。
ところが、突然Vさんが感情的になり「納得がいかないので南足柄市の松田警察署に訴えてやる」と言われ、不安になり当事務所の弁護士による無料相談を受けその後弁護を依頼されました。

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【今回問題となる可能性のあった罪】

性的な行為の最中に被害者を傷つけたという場合、まずは強制性交等致傷罪が検討されます。
条文は以下のとおりです。

(強制性交致傷等)
刑法181条2項 第177条、第178条第2項若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。
(強制性交等罪)
刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

強制性交等致傷罪は法定刑が「無期又は6年以上の懲役」とされていて、裁判員裁判対象事件です。
強制性交等致傷罪で起訴され有罪となった場合、厳しい刑事処罰が科せられる可能性があります。

但し、今回の事例については、不倫関係のあった相手に対し、合意の上で性行為をしていて、その際に膣内が傷ついた、という事件であり、「暴行又は脅迫を用いて性交」等を行っているわけではありません。
そのため、もし立件された場合でも、強制性交等致傷罪は適用されません。
また、AさんはVさんに暴行を加えようとして怪我させたわけでもないため、傷害罪も適用されないでしょう。
この場合、過失傷害罪の適用が考えられます。
条文は以下のとおりです。

刑法209条1項 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
※罰金は原則1万円以上、科料は1,000円以上1万円未満です。

【被害申告の前に弁護士に依頼】

Aさんに科せられる可能性がある罪は過失致傷罪という比較的軽微なものであると考えられますが、何も対応しなければ
・Vさんから言われたまま謝罪金を支払い続ける
・Vさんが被害申告した場合には警察官等の家宅捜索を受ける等して家族に発覚
・捜査に必要と判断された場合には逮捕・勾留される可能性もある
ことが考えられました。

依頼を受けた弁護士は、まずはAさん自身にしっかりとお話を聞きました。
次に、電話でVさんのお話をしっかりと聞こうとしたところ、Vさんは弁護士との話でも感情的になってしまい、最初は一方的な罵詈雑言を受けました。
しかし、弁護士が粘り強く電話・メールでの説明を続けたところ、冷静になり、これ以上の追加の請求は行わないこと、被害申告は行わないこと、等の意向を確認することができました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、刑事事件化・被害申告される前の事件についても取り扱っています。
被害者がいる事件の場合、当事者間での謝罪・弁済・示談締結等の対応は必要不可欠ですが、加害者―被害者の当事者間だけでそれを行うことは極めて難しいと言えます。
神奈川県南足柄市にて、不倫相手、あるいは元不倫相手との性交中に相手を怪我させてしまい、強制性交等致傷罪過失傷害などで被害申告を行うと言われた場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。
どのような罪に当たるのか、必要な弁護活動はどのようなものか、等についてご説明致します。

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