【解決事例】服役経験のある被告人が再度の痴漢事件で執行猶予に

【解決事例】服役経験のある被告人が再度の痴漢事件で執行猶予に

痴漢事件で過去に2度実刑判決を受け服役した経験がある、という方が再度痴漢事件を起こして起訴されたものの執行猶予付きの判決になった、という事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県伊勢原市在住のAさんは、伊勢原市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは今回の事件以前に痴漢事件で7度検挙されていて、うち2度は刑事裁判で実刑判決を受けて刑事収容施設(いわゆる刑務所)に服役しました。
しかし、再び伊勢原市内を走行中のバス車内で被害者Vさんの臀部(お尻)を触る痴漢事件を起こしてしまい、通報を受けて伊勢原市内を管轄する伊勢原警察署の警察官より伊勢原警察署内で取調べを受けた後、在宅捜査を受けることになりました。
Aさんは、いわゆる前科が多数あることから、今回も実刑判決を受けて服役することになるのか不安に思い、当事務所の弁護士による無料相談を利用されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【痴漢事件について】

公共の場所や乗り物で他人の臀部(お尻)などを触る行為は、痴漢と呼ばれ、各都道府県の定める迷惑行為防止条例に違反します。
事例は、神奈川県伊勢原市を走行中の車内で行われた痴漢事件ですので、神奈川県迷惑行為防止条例に違反します。
条文は以下のとおりです。

神奈川県迷惑行為防止条例3条 何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
1項 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接に人の身体に触れること。
罰条:「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(同条例15条1項)

【前科があると厳しい刑事罰になる】

罪を犯したと疑われる者は、起訴されて被告人という立場になり、刑事裁判を受けます。
裁判官は有罪とした場合、被告人に対し死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・拘留・科料及び没取という判決を言い渡します。
この判決を、(法律用語ではなく一般的な用語として)前科と呼ばれています。

前科については、刑法に以下のとおり規定されています。

刑法第34条の2第1項 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したときも、同様とする。
2項 (略)

前段の「禁錮以上の刑」は死刑・懲役刑・禁錮刑を指します。
後段の「罰金以下の刑」は罰金刑・拘留・科料を指します。

Aさんの場合は、10年以内に懲役刑を言い渡され、その後服役していました。
つまり「刑の執行を終わり」「10年を経過した」という規定に該当しないため、いわゆる前科が消滅していないことになります。
前科は、国家資格をお持ちの方等を除き基本的に社会生活に影響はありません。
しかし、前科がある方が再度事件を起こした場合には、本件の裁判ではそれを加味して量刑が検討されます。

今回の事件で、弁護士は
・Aさんが反省していることを示す謝罪文
・被害者であるVさんとの間で取り交わした示談書
・事件後にAさんが二度と同じような事件を起こさないよう性犯罪加害の治療に取り組んでいることを示す書類
・家族がAさんの更生に意欲的に取り組んでいることを証人尋問で確認

といった種々の主張を行った結果、Aさんに対しては、執行猶予判決が言い渡されました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまでに数多くの刑事事件を取り扱ってきました。
神奈川県伊勢原市にて、実刑(服役経験)などの前科がある方が痴漢事件を起こしてしまい、執行猶予を求める弁護活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。
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