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放火未遂事件で逮捕

2021-06-08

放火未遂事件で逮捕

放火未遂事件逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県横浜市都築区にある神社において,自ら用意した衣服などに火をつけ,壁を燃やそうとしたとして,非現住建造物放火未遂罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは自ら用意した衣服に火をつけた段階で警備員に確保されたため,神社に火が放たれることはなかったといいます。
Aさんは,神奈川県都築警察署の警察官による放火未遂事件に関する取調べに対して,非現住建造物放火未遂罪の容疑を認めています。
(2021年5月26日にFNNプライムオンラインに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【非現住建造物放火未遂罪とは】

刑法109条1項
放火して,現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない建造物…を焼損した者は,2年以上の有期懲役に処する。

刑法112条
…第109条第1項の罪の未遂は,罰する。

非現住建造物放火未遂罪とは,非現住建造物放火罪の実行に着手し(非現住建造物放火罪に予定された結果が発生する現実的な危険を含む行為を行い),非現住建造物放火罪の成立要件の一部を満たしたものの,結局,非現住建造物放火罪の結果が発生しなかったため,非現住建造物放火罪が未完成に終わった段階を犯罪の一つと規定したものをいいます。

まず,非現住建造物放火未遂罪の目的物(の一つ)は「現に人が住居にしようせず,かつ,現に人がいない建造物」です。
この非現住建造物放火未遂罪の「現に人が住居にしようせず,かつ,現に人がいない建造物」であるというためには,建造物を物理的・機能的に見て,人の住居や現に人がいる部分に延焼する可能性がないといえる必要があります。
これは,建造物を物理的・機能的に見て,人の住居や現に人がいる部分に延焼する可能性がある場合には,人の生命・身体に危険が生じる可能性が高いとして,現住建造物放火未遂罪が成立するからです。

刑事事件例では,神社を物理的・機能的に見たときに,人の住居や現に人がいる部分に延焼する可能性がないとして,非現住建造物放火未遂罪の目的物にあたると考えられたのでしょう。

次に,非現住建造物放火未遂罪は,上述のように,非現住建造物放火罪の実行に着手し(非現住建造物放火罪に予定された結果が発生する現実的な危険を含む行為を行っ)た場合に成立します。
具体的には,目的物への直接の点火,又は媒介物(例えば新聞紙)への点火があれば,非現住建造物放火罪の実行の着手(非現住建造物放火罪に予定された結果が発生する現実的な危険を含む行為を行うこと)があったと考えられます。
この場合,非現住建造物放火未遂罪の「放火して」という要件を満たすことになります。

刑事事件例では,Aさんは,神社に放火するために,自ら用意した衣服などに火をつけており,ここに非現住建造物放火未遂罪の「放火して」という成立要件を満たす行為があったと考えられます。

そして,非現住建造物放火未遂罪は,上述のように,結局,非現住建造物放火罪の結果が発生しなかったため,非現住建造物放火罪が未完成に終わった場合に成立します。
具体的には,火が媒介物を離れ,目的物が独立して燃焼を継続するに達しなかった場合,非現住建造物放火罪の「焼損」という結果が発生しなかったと考えられます。
この場合,非現住物建造物放火罪が未完成に終わったといえ,非現住建造物放火未遂罪が成立することになります。

刑事事件例では,Aさんは,結局神社に火をつけることができずに終わっているため,火が媒介物を離れ,目的物が独立して燃焼を継続するに達しなかった,すなわち現住建造物放火罪の「焼損」という結果が発生しなかったといえると考えられます。

以上より,Aさんには非現住建造物放火未遂罪が成立すると考えられます。

【放火未遂事件の刑事弁護活動とは】

刑事事件例のように,非現住建造物放火未遂事件を起こしてしまった場合の刑事弁護活動について解説します。

非現住建造物放火未遂事件を含む放火事件は,公共の危険を生じさせる重大犯罪の一つと考えられます。
そのため,非現住建造物放火未遂罪で起訴されると実刑判決を受けてしまう恐れもあります。
そこで,刑事事件に強い刑事弁護士を選任することで,不起訴処分や執行猶予付き判決を得られるようにしていく必要があります。

刑事弁護士を選任することで行い得る刑事弁護活動の一つとしては,非現住建造物放火未遂事件の被害者の方と示談をすることが挙げられます。
非現住建造物放火未遂事件の被害者の方は,重要な建造物が焼損してしまう危険のある行為をした被疑者の方に対して,強い処罰感情を抱いている可能性があります。
刑事事件例においても,先代から引き継ぎ,守ってきた歴史と伝統のある神社を燃やそうとした非現住建造物放火未遂事件の被疑者の方に対して,強い敵対心や猜疑心を持っているとも考えられます。
そこで,第三者的立場を有する刑事弁護士に間に入ってもらい,円滑に示談交渉を進めることが大切です。。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
放火未遂事件逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

殺人未遂事件で逮捕された

2021-05-07

殺人未遂事件で逮捕された

殺人未遂事件逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県横浜市中区に住むAさんは,友人であるVさんと,お互いの態度や話し方などを理由として不仲の関係にありました。
AさんはVさんの自宅を訪れ,Vさんに向けて車を発進させてぶつけ,さらに車を降りて殴る蹴る等の暴行を加え,その場から立ち去りました。
Vさんは打撲傷等の軽い怪我を負いましたが,命に別状はありませんでした。
Vさんは神奈川県山手警察署に殺人未遂事件の被害を申告し,Aさんは神奈川県山手警察署の警察官により殺人未遂罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは殺人未遂事件で執行猶予になる可能性はないのかと考えています。
(2021年4月26日に関西テレビNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【殺人未遂罪とは】

刑法199条
人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

刑法203条
第199条及び前条の罪の未遂は,罰する。

殺人未遂罪とは,殺人罪の実行に着手したものの,殺人罪の結果が生じなかったために,殺人罪が未完成に終わった場合に成立する犯罪です。
例えば,殺意をもって,刃物で被害者の方を刺したものの,被害者の方が死亡しなかった場合,行為者の方には殺人未遂罪が成立します。

刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。

殺人未遂罪を犯した者には,殺人罪の刑を減軽した刑を科すことができます。
殺人未遂事件において,殺人罪の刑を減軽するかどうかは裁判所の自由です。

【殺人未遂罪の刑罰】

刑法68条
法律上刑を減軽すべき1個又は2個以上の事由があるときは,次の例による。
①死刑を減軽するときは,無期の懲役若しくは禁錮又は10年以上の懲役若しくは禁錮とする。
②無期の懲役又は禁錮を減軽するときは,7年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
③有期の懲役又は禁錮を減軽するときは,その長期及び短期の2分の1を減ずる。

殺人未遂事件において,殺人罪の刑を減軽する場合には,刑法63条に定めによって減軽を行います。
例えば,殺人未遂事件において,有期懲役刑を選択した上で刑を減軽する場合には,「その長期及び短期の2分の1を減ずる」ことから,2年6月以上10年以下の懲役刑が科せられることになります。
これは,有期懲役刑の長期は20年だからです(刑法12条)。

ここで,執行猶予は3年以下の懲役を科す場合に付けることができます(刑法25条1項)。
そうすると,殺人未遂罪の場合にも,刑が減軽されることにより,執行猶予が付く可能性があることになります。

【執行猶予とは】

刑法第25条1項
次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは,情状により,裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間,その執行を猶予することができる。
①前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
②前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

殺人未遂事件執行猶予を獲得するためには,執行猶予を相当とするに足りる情状が存在することが必要です。
そのためには,刑事弁護士へ刑事弁護活動を依頼し,殺人未遂事件を起こしてしまった経緯や原因,自らが真摯に反省し,被害者の方に対する謝罪の意を示していること,被害弁償の意思があることなどを裁判所に伝える必要があります。
殺人未遂事件で執行猶予を得ることは一般に容易ではありませんが,まずは刑事弁護士に相談してみることをお薦めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
殺人未遂事件逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

神奈川県横浜市西区の強制わいせつ事件

2021-04-30

神奈川県横浜市西区の強制わいせつ事件

神奈川県横浜市西区の強制わいせつ事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県横浜市西区に住むAさん(28歳,男性,会社員)は,同区内の路上で,歩いていたVさん(24歳,女性)の下半身を触るなどのわいせつな行為をしました。
Vさんは神奈川県戸部警察署の警察官に強制わいせつ事件の被害を訴えた結果,Aさんは神奈川県戸部警察署の警察官により,強制わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは強制わいせつ罪の容疑を認めています。
Aさんが強制わいせつ事件で逮捕されたと知ったAさんの両親は,強制わいせつ事に強い刑事弁護士を探しています。
(2021年4月19日に神奈川新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【強制わいせつ罪とは】

刑法176条
13歳以上の男女に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。

強制わいせつ罪は,被害者の方の反抗を著しく困難にする程度の暴行又は脅迫を用いて,わいせつな行為(被害者の方の性的羞恥心を害する行為)をした者に成立する性犯罪です。
そして,暴行自体がわいせつな行為に当たる場合,その不意の性的暴行が被害者の方の反抗を著しく困難にする程度のものであれば,その性的暴行も強制わいせつの「暴行又は脅迫」に当たると考えられています。

刑事事件例では,AさんはVさんの下半身を触るなどのわいせつな行為(被害者の方の性的羞恥心を害する行為)をしています。
このAさんによる不意の性的暴行が,Vさんの反抗を著しく困難にする程度の暴行又は脅迫に当たるといえる場合には,Aさんには強制わいせつ罪が成立することになります。

【強制わいせつ事件を起こしたら】

強制わいせつ事件を起こした場合,強制わいせつ事件を捜査する検察官は,強制わいせつ事件の被疑者の方が証拠を隠滅したり,逃亡したりするおそれがあるとして,逮捕に引き続く長期の身体拘束として勾留の請求をする可能性があります。
そして,勾留の請求を受けた裁判官も同様に上記の証拠隠滅(罪証隠滅)や逃亡のおそれがあると考えた場合,強制わいせつ事件の被疑者の方の勾留が決定されることになります。

勾留されることになった強制わいせつ事件の被疑者の方は,勾留請求がされた日から起算して最長で20日間(ただし,勾留が延長された場合),身体を拘束されることになり,通学や通勤に大きな不都合が生じることになってしまいます。

そこで,刑事弁護士は,強制わいせつ事件を担当する検察官や裁判官に対して,書面や電話面談を通して,強制わいせつ事件の被疑者の方を勾留する必要はないこと,具体的には,強制わいせつ事件の被疑者の方が証拠隠滅(罪証隠滅)や逃亡をする客観的・主観的可能性がないことを主張することができます。
さらに,ご家族の方や強制わいせつ事件の被疑者の方から,勾留に生じる社会生活上,経済上,健康上の不都合をお聞取りし,それを書面として提出することができます。

刑事弁護士による上記のような身柄解放活動が上手くいけば,強制わいせつ事件の被疑者の方の勾留を阻止することができたり,一度勾留されてしまった後であっても勾留の満期を待たずに釈放されたりすることになります。

また,身柄解放活動と同時並行的に,強制わいせつ事件の被害者の方との示談交渉を開始し,強制わいせつ事件の被疑者の方が強制わいせつの容疑を認めており,心よりの反省と謝罪の意を表した上で相当な損害賠償をすることを望んでいることを伝えていきます。

刑事弁護士による示談交渉が上手くいけば,強制わいせつ事件の被害者の方と示談を締結した上で,その示談書を,強制わいせつ事件を担当する検察官や裁判官に提出することができます。
示談締結の有無は,強制わいせつ事件の被疑者の方の処罰感情が小さくなったことや事後的であっても被害が回復していることなどを示す重要な事項であるため,示談書を提出することができれば,寛大な処分を獲得できる可能性が高まります。

以上,強制わいせつ事件を起こしてしまった場合には,早急な身柄解放活動や示談交渉活動を始めるために,すみやかに刑事弁護士を付ける(弁護士費用についてはこちらをご参照ください)ことが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
神奈川県横浜市西区の強制わいせつ事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

息子が傷害事件で逮捕された

2021-04-16

息子が傷害事件逮捕された

息子が傷害事件逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

神奈川県横浜市南区に住むAさん(16歳)は,共通の知人とのトラブルを原因として,同市内の公園において,男子高校生のVさん(16歳)に蹴るなどの暴行を加えて重傷を負わせました。
その後,Aさんは神奈川県南警察署の警察官により,傷害の容疑で逮捕されました。
息子が傷害事件逮捕されたと知ったAさんの両親は,少年事件傷害事件に強い刑事弁護士を探しています。
(2021年3月22日に静岡新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【傷害事件とは何か】

刑法204条
人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪の「傷害」とは,人の生理機能を害することをいいます。
傷害罪の「傷害」に該当する行為の具体例としては,殴る蹴る等の暴行により,被害者の方が切り傷や打撲傷を負った場合が挙げられます。

この傷害罪の成立要件を満たす場合は傷害罪が成立し,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられることになります。

【少年事件とは何か】

少年法2条
この法律で「少年」とは,20歳に満たない者をいい,「成人」とは,満20歳以上の者をいう。

少年事件は,20歳に満たない者(少年)を対象とする事件のことをいいます。
少年事件では,少年の性格の矯正,環境の調整に関する保護処分が行われます。

【少年が傷害事件を起こした場合,どうなるのか】

少年法42条
検察官は,少年の被疑事件について捜査を遂げた結果,犯罪の嫌疑があるものと思料するときは,…これを家庭裁判所に送致しなければならない。

少年事件といっても,警察官や検察官による捜査段階では,基本的には成人と同じ刑事手続がとられるになります。
少年事件特有の手続は,事件が家庭裁判所に送致された後に多く存在します。

具体的には,少年事件では,警察官・検察官が捜査を遂げた結果,犯罪の嫌疑があると判断したときは,すべての事件を家庭裁判所に送致する(引き継ぐ)こととされています(少年法42条)。

少年法17条
家庭裁判所は,審判を行うため必要があるときは,決定をもつて,次に掲げる観護の措置をとることができる。
②少年鑑別所に送致すること。

少年事件を引き継いだ家庭裁判所は,少年の身体拘束として,観護措置をとることができます。
観護措置が取られた場合,少年は少年鑑別所に収容されることになります。

そして,家庭裁判所では,少年の最終的な処分として,審判不開始,不処分,保護処分,検察官送致,都道府県知事または児童相談所長送致の決定がなされます。
特に,保護処分としては,保護観察,児童自立支援施設または児童養護施設送致,少年院送致の決定がなされます。

【少年が傷害事件を起こした場合,どうすればよいか】

少年が傷害事件を起こした場合,刑事弁護士(少年付添人)により,警察官や検察官による捜査段階については,勾留を避けるための身柄解放活動,家庭裁判所送致後については,観護措置(少年の身体拘束)を避けるための身柄解放活動を受けることができます。

また,少年事件では,環境調整活動が重要となります。
具体的には,少年の交友関係を整理する,ご両親の監視監督を強めるなどといった環境調整活動により,少年が健全にかつ円滑に社会復帰できるようにすることが大切です。
刑事弁護士(少年付添人)は,ご両親の方との打ち合わせや,家庭裁判所の調査官との面談を重ねることで,家庭裁判所に対して少年が社会に復帰し,更生を図ることができることを伝えていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
息子が傷害事件逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

女子高校生への強制わいせつ事件

2021-04-07

女子高校生への強制わいせつ事件

女子高校生への強制わいせつ事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは,神奈川県横浜市戸塚区の路上において,帰宅途中だった女子高校生のVさんに後ろから抱きつき,胸を触りました。
帰宅したVさんから話を聞いたVさんの母親が神奈川県警察戸塚警察署に通報し,付近の防犯カメラの映像からAさんによる強制わいせつ事件が明らかになりました。
Aさんは,神奈川県警察戸塚警察署の警察官から「同時期に似た手口の強制わいせつ事件が数件発生している。他の強制わいせつ事件に関与していないか。」と追及を受けています。
(2021年4月7日にtvkニュースに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【強制わいせつ罪とは】

刑法176条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。

刑法176条は,13歳以上の者に対して,「暴行又は脅迫」を用いて,「わいせつな行為」をした者には,強制わいせつ罪が成立します。

強制わいせつ罪の「暴行又は脅迫」とは,被害者の方の反抗を著しく困難にする程度の暴行又は脅迫を指します。

また,強制わいせつ罪の「わいせつな行為」とは,性欲を刺激,興奮又は満足させ,かつ,普通人の性的羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいうと考えられています。
刑事事件例のように,胸を触る行為などは強制わいせつ罪の「わいせつな行為」に該当すると考えられます。

そして,胸を触るという強制わいせつ罪の「わいせつな行為」が不意の性的暴行であれば「暴行又は脅迫」にも同時に該当すると考えられています。

以上の各要件を満たす場合,Aさんには制わいせつ罪が成立すると考えられます。

【強制わいせつ事件の取調べについて】

強制わいせつ事件で逮捕された場合,刑事事件例のように「他の強制わいせつ事件に関与していないか」などと厳しい追及を受ける可能性があります。

他の強制わいせつ事に関与している場合,積極的に警察官による他の強制わいせつ事件の捜査に応じて反省の態度を示したほうが良いのか,それとも黙秘権を行使した方が良いのかということについては,本件強制わいせつ事件にかかわる様々な具体的事情によって判断が変わってくるところです。

そのため,刑事弁護士に事前によく相談して,警察官による取調べに対してどのように応じていくのかを決めることが重要であると考えられます。

また,他の強制わいせつ事件に関与していない場合は,黙秘権を行使したり否認したりすることが効果的であると考えられますが,警察による厳しい取調べによって,精神的に大きな負担がかかり,黙秘や否認が難しい場合も考えられます。
その場合,刑事弁護士接見を重ね,強制わいせつ事件の被疑者の方に法的助言を与えたり,強制わいせつ事件の被疑者の方を精神面からサポートしたりすることが重要になります。
その際,刑事事件に関する専門的な知識を有する刑事弁護士を選任し,強制わいせつ事件の被疑者の方やご依頼者の方と信頼関係を構築していくことが大切になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
女子高校生への強制わいせつ事件お困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。

殺人未遂で逮捕

2021-03-05

殺人未遂で逮捕

夫への殺人未遂で逮捕されたという事件がありました。

夫を殺害しようとした疑い 27歳の女を逮捕 神奈川県警
Yahoo!ニュース(産経新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

~ナイフで腹部を~

この事件は、口論をきっかけとして、妻が夫の腹部をナイフで刺したという事件です。
「妻に腹を刺された」という夫からの通報によって、救急隊と警察が駆け付けました。
夫は命に別条がないとのこと。
妻は殺人未遂の容疑で現行犯逮捕されています。

まずは、殺人未遂罪の条文を見てみましょう。

刑法
第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第203条
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。

199条が殺人罪の条文です。
死刑の可能性もある犯罪です。

一方、203条が殺人未遂罪の条文です。
殺人罪と比べ、死刑の可能性がなくなったり、下限が2年半の懲役になるといった可能性があります。

~殺意を否定~

逮捕された妻は、「足をナイフで刺そうとしたが、酒に酔っていてバランスを崩し、腹を刺してしまった」などと供述し、殺意を否定しているとのこと。
本当に殺意がなかった場合には、傷害罪が成立することになります。

第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

最高で15年の懲役ですから、十分に重い犯罪ではありますが、殺人未遂罪に比べると軽くなります。

殺意があったかどうかは、当時の犯行者の内心ですから、他人が客観的に判断することはできません。
そこで、犯行者の供述の他、犯行方法などにより推測されることになります。

たとえば、ナイフが大きいほど殺意があったと判断されやすくなりますし、手足ではなく頭部や腹部など重要部分を指した場合の方が殺意があったと判断されやすくなります。

今回の事件では、妻の供述によると、足を刺そうとしたが、酒に酔っていたため、結果的に腹部を刺したとのこと。
この供述が本当なのかわかりませんが、なかなか判断が難しい事件と言えます。

~正当防衛の可能性も~

さらに今回は、妻の供述によると、口論になって夫に首を絞められたため、足をナイフで刺そうとしたとのこと。
これが本当であれば、正当防衛の可能性も出てきます。

第36条1項
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

正当防衛であれば、犯罪は成立しないということになります。

また、たしかに首を絞められたのでだから抵抗するのは当然だが、ナイフで刺すのはやりすぎということで、過剰防衛となるパターンもありえます。

同条2項
防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

過剰防衛の場合は犯罪が成立することになりますが、刑罰が軽くなります。

正当防衛か過剰防衛かの判断は、細かい事情によって変わってきます。
今回の事件で、仮に本当に夫が首を絞めていた場合、命の危険もあったかもしれません。
さらに、一般的には男女間に体力差があります。
そう考えると、凶器を使っていない夫に対し、ナイフで応戦したとしてもやりすぎではなく、正当防衛で犯罪不成立となることもありえます。

~弁護士にご相談ください~

今回は殺人未遂という重い事件でしたが、ケンカなどの傷害事件でも、正当防衛が問題となったり、あるいは相手に謝罪・賠償して示談したいというケースもあるでしょう。

具体的にどうやって示談を進めたらいいのか、また、どんな刑事手続きが待っているのか、どれくらいの刑罰を受けそうかなど、分からないことが多いと思います。

事件の具体的な事情をもとに、今後の見通しをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

強盗致傷で逮捕

2021-03-02

強盗致傷で逮捕

神奈川県内で強盗致傷事件がありました。

質店のケース、バールで割って貴金属強奪 取り押さえようとした男性の額切る 容疑でブラジル国籍の男逮捕
Yahoo!ニュース(神奈川新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

~強盗致傷罪~

この事件は、2020年4月、

①平塚市内の質店で、店員らに刃物を突き付け、バールでショーケースを割ってネックレスなどの貴金属類を奪った
②その時、取り押さえようとした男性の額を刃物で切りつけて軽傷を負わせた

という事件です。

まず①についてだけ見ると、強盗罪が成立することになります。

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

今回の事件では刃物を突き付けるという方法での「脅迫を用いて」、貴金属という「他人の財物を強取した(奪った)」として、強盗罪が成立することになります。
状況によっては、例えば、刃物を示しながら相手の体を押して壁にもたれかかせたといった事情があれば、「暴行」もあったという判断になるかもしれません。

さらに今回は②によって、より重い強盗致傷罪が成立することになります。

第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

この条文には、被害者が死亡した場合の過失致死罪も合わせて規定されており、死刑または無期懲役という重い刑罰が定められています。

今回の事件では、被害者は死亡しておらず軽傷とのことですが、その場合でも無期懲役または6年以上の懲役(余罪がなければ上限は20年)ということになります。

前述①の強盗罪は5年以上の有期懲役(余罪がなければ上限は20年)ですから、無期懲役の可能性が出てきますし、下限も1年重くなっています。
たとえ軽傷であっても、ケガをさせたか否かは、判決に大きな影響を及ぼす可能性があります。

今回の事件のように、はじめから強盗目的で押し入った場合には、被害者にけがをさせてしまうという事態も、ある程度想定できるかもしれません。
しかし、窃盗目的で入ったが、住人とばったり鉢合わせてしまい、抵抗を受けてケガをさせてしまったといった場合にも、強盗致傷罪が成立することがあるので、思っていた以上に重い刑罰を受ける結果になりえるわけです。

~逮捕後はどうなる?~

犯罪をして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身柄を拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判を受け、執行猶予とならない限り、そこで判断された刑罰を受ける流れになります。

~弁護士にご相談ください~

あなた自身やご家族が、何らかの犯罪で逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、どんな罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやってすればよいのかなど、わからないことが多いと思います。

事件の具体的な事情をもとに、今後の見通しをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

ウソのテイクアウト注文で逮捕

2021-02-19

ウソのテイクアウト注文で逮捕

牛丼屋にウソの大量注文をして逮捕された事件がありました。

牛丼店に104点を「テークアウトで」 うその注文をした疑いで女を逮捕、岐阜県警
Yahoo!ニュース(岐阜新聞Web)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

~偽計業務妨害罪~

この事件は、インターネットの注文サイトから、店舗に取りに行くとの内容で、牛丼などを注文したが、取りに行かなかったというものです。
昨年6月28日に65点(計3万7050円)、同年7月4日に39点(計1万9320円)もの注文をしたということです。

注文した女性は、以前にこの店で働いていたことがあったとのことで、警察は動機を調べているとのことです。

このような行為をすると、偽計業務妨害罪が成立してしまいます。
条文を確認してみましょう。

刑法233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

この条文の「偽計」とは、人をだますなどの不正な手段のことを言います。
ウソの注文は明らかに該当するでしょう。

また、ウソの注文は、代金をもらえない結果になるにもかかわらず商品を無駄に準備させることにつながる行為ですので、「業務を妨害した」にも該当します。

したがって偽計業務妨害罪が成立するわけです。

テイクアウトという、ご時世を反映した形の犯行ですが、ウソの注文により偽計業務妨害の容疑で逮捕されるという事件は時折起きています。
勝手に他人宅にピザを宅配させる、ウソのタクシー配車の連絡をするといった事件があります。

この種の事件は、何かの腹いせで行われることが多いですが、逮捕されたり、店に賠償をするなど、最終的に損をするのは自分自身ということになってしまいます。

~逮捕後はどうなる?~

犯罪をして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身柄を拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判を受け、執行猶予とならない限り、そこで判断された刑罰を受ける流れになります。

判決などを軽くするためには、店に賠償して示談を結ぶことが重要となります。
お金がなくて賠償が難しいとなると、それだけ重い結果となる可能性も上がってしまいます。
場合によっては、ご家族で弁済資金を用意してもらい、少しでも被害の回復に努めることもあります。

また、店によっては、しっかりとした処罰を受けさせるために示談には応じたくないというケースもあり、交渉力が問われる場合もあります。

~弁護士にご相談ください~

もし、少しでも軽い結果にしたいという場合には、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所ですので、示談交渉の経験も豊富です。

他にも、あなた自身やご家族が、何らかの犯罪で突然逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、どんな罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのかなど、わからないことが多くて不安だと思います。
事件の具体的な事情をお聞きした上で、今後の見通しをご説明致します。

まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

私服警官を恐喝し逮捕

2021-02-12

私服警官を恐喝し逮捕

非番で私服姿の警察官を恐喝して逮捕された事件がありました。

巡査を恐喝疑いで男ら逮捕 巡査は申告せず飲酒、後ろめたさで金渡す
Yahoo!ニュース(朝日新聞デジタル)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

~警察官にも事情が~

この事件は、横浜市内の路上で、非番で私服姿でいた警察官2名に対し、男性2人が、
「お前ら誰にぶつかったと思ってるんだ」
などと言って、現金計2万6千円とジャンパー1着などを脅し取ったという疑いで逮捕されたというものです。
逮捕された男性2人は、暴力団関係者を装っていたとのこと。

脅された2人は、非番とはいえ警察官ですから、脅された時点で、現行犯逮捕することもできたかもしれません。
そうなると、この時点では物を取られていないので、容疑は恐喝未遂罪となったはずです。

しかし、警察官は現金とジャンパーを渡し、のちになって県警に相談し、恐喝罪での逮捕となりました。

このようになった理由は、巡査2人は配属から4年未満で、家族以外と飲酒する際は上司に申告する必要があったが、この日は申告せずに飲酒しており、その後ろめたさから、現金やジャンパーを渡してしまったとのことです。

県警内でのこのルールは、一般的な感覚からすると、やや厳しいようにも思えるかもしれません。
ただ、内部ルールへの違反のせいで、結果的に犯人を逃がしてしまう可能性もあったと思われますので、危ないところだったといえます。

~恐喝罪の罰則は?~

恐喝罪、および恐喝未遂罪の条文を見てみましょう。

刑法249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第250条
この章の罪の未遂は、罰する。

1つ目の249条1項が恐喝罪、2つ目の250条が恐喝未遂罪の条文です。

恐喝罪は10年以下の懲役で、罰金で終わる可能性はありません。
恐喝事件は、被害金額が大きかったり、逮捕時にはすでに使ってしまっており被害者に返還できないといったこと場合もあります。
このような事件に対応するためにも、重い刑罰が定められているのです。

もちろん、被害金額や犯行の具体的方法、前科の有無、被害者と示談できたか、といった事情によっては、執行猶予になる可能性や、不起訴処分になる可能性はあります。
不起訴処分とは、今回は大目に見るということで、裁判を受けずに済み、刑罰も受けず、前科もなしに終わることを言います。

恐喝未遂罪であれば、裁判になったとしても、上限が懲役5年になることが想定されます。
恐喝罪に比べると、執行猶予や不起訴処分といった比較的軽い結果になる可能性も高くなるでしょう。

~弁護士にご相談ください~

逮捕された後の手続きについて、詳しくはこちらをご覧ください。
【刑事事件の流れ】

あなた自身やご家族が、何らかの犯罪で逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、どんな罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやってすればよいのかなど、わからないことが多いと思います。

事件の具体的な事情をもとに、最もいい事件解決のためにどう動いていくべきかをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

ガードレールへの落書きで逮捕

2021-02-09

ガードレールへの落書きで逮捕

ガードレールに落書きをした教師が逮捕されました。

ガードレールに油性ペンで落書き 神奈川・秦野の市立中教諭、警戒中の警察官に取り押さえられる
Yahoo!ニュース(神奈川新聞)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

~器物損壊で逮捕~

この事件は、秦野市立中学教諭が、平塚市内のガードレールに油性ペンで落書きしたとして、現行犯逮捕されたというものです。
付近ではガードレールや道路標識への落書きが数件確認されており、警戒していた警察官が取り押さえたとのこと。

上記報道からは動機はわかりませんが、容疑を認めているとのことです。

逮捕容疑となった器物損壊罪の条文を見てみましょう。

刑法261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

今回の事件では、ガードレールへの落書きが、条文にある「他人の物を損壊」に当たるかどうかが問題となります。

器物損壊罪における「損壊」とは、物の効用を害する行為をいいます。
物理的に破壊しなくても、その物本来の効果が減ると「損壊」にあたる可能性があるわけです。
古くは、食器に尿をかけた行為について、物理的に壊れていなくても事実上使えなくなったのだから、食器としての効用を害したとして「損壊」に当たるとされた事件もありました。

今回の事件について言うと、ガードレールは、落書きがあったとしても、道路外に車両が出てしまうことを防ぐといった効用は一切害されないので、「損壊」に当たらないような気もします。

しかし、物の外観や美観といった点も、その物の効用に含まれると判断されることがあります。
過去には、公衆トイレの外側の壁に大きな落書きしたケースで逮捕された事件もありました。

ただし、簡単に消せるような落書きについては、「損壊」に当たらないとされる傾向にあります。
今回の事件は「油性ペン」での落書きということでした。
最終的にどう判断されるかはわかりませんが、水性ペンでの落書きに比べると、「損壊」に当たると判断される確率が上がるでしょう。
また、落書きの大きさや内容によっても判断が変わってきうるところです。

なお、器物損壊罪に該当しないとされた場合にも、軽犯罪法違反に問われる可能性はあります。

軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
第33号
みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者

なお、「拘留」とは1日以上30日未満の身体拘束、「科料」とは1000円以上1万円未満の金銭を徴収される罰則をいいます。
懲役や罰金の軽いバージョンというイメージです。

器物損壊罪と軽犯罪法違反、どちらも犯罪としては比較的軽い方ではあります。
場合によっては、今回は大目に見るということで、不起訴処分で終わる可能性もあるでしょう。
不起訴処分になれば、裁判にかけられず、刑罰も受けず、前科も付かずに手続きが終了することになります。

ただし、今回のように教師だった場合はもちろん、会社員であっても、犯罪が勤務先に発覚すると、懲戒処分を受けたり、退職せざるを得なくなる可能性もあります。
また事件によっては報道されてしまうというリスクもあります。

~弁護士にご相談を~

あなた自身やご家族が、何らかの犯罪で突然逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、どんな罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやってすればよいのかなど、勤務先との関係はどうすればいいのかなど、わからないことが多いと思います。

事件の具体的な事情をもとに、今後の見通しをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
まだ逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用を、すでに逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用をお待ちしております。

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