Archive for the ‘暴力事件’ Category

傷害致死で故意を争う

2020-02-25

傷害致死で故意を争う

些細なことから喧嘩に発展し、相手が死亡してしまったものの故意(殺意)はないとして争う場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【ケース】
神奈川県横浜市鶴見区在住のAは、横浜市鶴見区にある会社に勤める会社員です。
Aは交際相手Vと同棲していましたが、ある日鶴見区内の飲食店で酒を飲んでいて口論になってしまい、ついには殴る蹴るの暴行に発展してしまいました。
AはVを押し倒して馬乗りになっていたところ、Vが動かなくなってしまいました。
そこでAは抵抗をあきらめたために動かなくなったものだと思い、先に家に帰りました。
すると数時間後、鶴見警察署を管轄する鶴見警察署の警察官がAの自宅に来て、Aを殺人罪で逮捕しました。

警察署にて、Aは「腹が立って殺したんだろう」と聞かれて「はい」と答えてしまいましたが、実際にはVを殺めてしまう故意(殺意)があったわけではないとして、調書を作成し直したいと考えています。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【相手を殺めてしまった場合に問題となる罪について】

(自動車等の事故を除き)自分の行為の結果相手が死亡してしまった場合に関係する罪には「殺人罪」「傷害致死罪」「過失致死罪」などが考えられます。

・殺人罪
「相手を殺める」という故意があって相手を殺害してしまった場合、殺人罪に問われます。
殺人罪についての条文は以下のとおりです。
刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

傷害致死罪
「相手に暴行を加える故意、あるいは相手に怪我をさせる故意」があったものの、「相手を殺める故意(殺意)」があったわけではないが、結果的に相手が死亡した場合に適用される罪です。
傷害致死罪の条文は以下のとおりです。
刑法205条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

・過失致死罪
「相手に暴行を加えたり、殺意があったわけではない」ものの、過失の(必要な注意を怠った)結果相手に危害を加えてしまい、死亡してしまった場合に適用される罪です。
例えば、野球の試合中、バッターがスイングをしたい際に手が滑ってバットが飛んで行った結果、投手の頭に直撃して死に至らしめた場合については、この罪が適用される可能性があります。
過失致死罪の条文は以下のとおりです。
刑法210条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

なお、業として行っている最中に過失で起こした死亡事故については、業務上過失致死罪という罪に当たり、より厳しい刑に処せられることになります。
刑法211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

【故意を争う弁護活動】

刑事事件では、「故意」が重要なポイントとなっていて、過失致死罪のような「過失によって刑罰を科されることが明記されている」場合を除き、故意が無ければ罪に問われないことになっています。

ケースについて見ると、Aとしては「相手に暴行を加えよう」あるいは「相手に怪我をさせてやろう」という故意はあるものの、「相手を殺めよう」という故意(殺意)はありません。
そこで、被疑者や弁護士は、殺人罪ではなく傷害致死罪にあたるということを主張する必要があります。
故意については、内心の問題であることもあり判断が容易ではありません。
そのため、主観的な証拠としては被疑者の供述を聞いた上で作成される調書、客観的な証拠としては事件時の行為や怪我の度合いといったものが考えられます。
よって、弁護士はAの行為とVの死との因果関係について検討したり、Aがしっかりと取調べで自身の主張を録取してもらうようアドバイスをしたり、第三者の証言から日常生活でAとVとが殺意に至るほどの関係の悪化がなかったことを主張したり、といった弁護活動が考えられます。

神奈川県横浜市鶴見区にて、ご家族の方が喧嘩により相手を死亡させてしまったという事件で相手を殺める故意(殺意)を否認している過失致死事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

相手を殺害してしまったら殺人罪?傷害致死罪?

2020-01-08

相手を殺害してしまったら殺人罪?傷害致死罪?

口論の末の暴行で、相手を殺害するつもりはなかったものの結果的に相手が死亡してしまった、という主張をしている場合について、殺人罪が適用されるのか、傷害致死罪が適用されるのか、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県海老名市在住のAは、神奈川県内の大学に通う大学生です。
ある日、Aが海老名市内の飲食店で交際相手と一緒に酒を飲んでいたところ、同じく海老名市内に住む酒に酔った会社員V(20代男性)が突然Aに対して「息が臭せぇんだよ」「ブスとブスが付き合って、何が良いんだよ」等と侮辱をしてきました。
自分のみならず交際相手をも傷つけられたAは、Vに対して「謝れ」と言いながら3回殴ったところ、Vは受け身も取らずに転倒し、頭部を椅子に打ち付けました。
結果その転倒が原因で、Vは死亡してしまいました。

通報を受けて駆け付けた、海老名市を管轄する海老名警察署の警察官は、Aを逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAの家族は、Aの行為が殺人罪に当たるのか、傷害致死罪に当たるのか、刑事事件専門の弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【殺人罪について】

殺人罪の条文は以下のとおりです。
刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

殺人罪は、他人の生命を故意に断絶することで成立する罪です。
基本的に殺人罪は殴る蹴るの暴行やナイフ、銃などを用いて相手を傷つけることにより相手を殺人する行為が当てはまりますが、子どもに対して殺意を持って授乳をせずに死亡させるような行為についても殺人罪として認められる場合があります。

なお、刑法は一部露出説を採用しているため、胎児の身体が母体から部分的でも露出した場合には殺人罪の客体となりますが、まだ生まれる前の胎児を母体に対する暴行や薬剤を用いて殺した場合、殺人罪ではなく堕胎罪に当たります。
また、例えば金を奪う目的で故意に人を殺した場合等は、強盗殺人罪としてさらに重い罪に問われる可能性があります。(刑法240条)

【傷害致死罪について】

傷害致死罪の条文は以下のとおりです。
刑法205条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

有期懲役は最大20年ですので、傷害致死罪では3年以上20年以下の範囲で刑罰が言い渡される可能性があります。

傷害致死罪は、暴行や傷害と死という結果に因果関係がある場合に成立します。

【殺人罪と傷害致死罪の判断】

殺人罪傷害致死罪の違いは、被疑者・被告人の死に対する認識の違いが挙げられます。
殺人罪は「人を殺した者」となっていることから、相手を殺害する意思をもって行為に及んだ場合に成立します。
対して、傷害致死罪は傷害罪の結果的加重犯であり、暴行や傷害の故意はあるものの、相手が死亡するという認識が欠けている場合に成立する罪です。

殺人罪傷害致死罪の判断については、これらの認識(故意)の問題が重要となってきます。
内心については被疑者の取調べで作成した供述調書等が証拠となります。
また、例えば以前からトラブルが発生していて強い怨恨があった等の動機や、事前に準備をしていたのか突発的な行為だったのか、一度の行為で殺害してしまったのか執拗に危害を加えたのか等、客観的な判断も証拠になる可能性があります。

自分では殺害する意思がなかったものの結果的に相手が亡くなってしまったという場合であっても、供述調書の内容や公判廷での質問に対する回答次第では、殺害する意思があったと評価されてしまう可能性があります。
神奈川県海老名市にて、ご家族の方が酔っ払い相手のトラブルの末暴行に発展し、結果的に被害者が亡くなってしまったという傷害致死事件の被疑者・被告人になっているという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。

ご連絡は0120-631-881又はコチラまで。

万引きのつもりが強盗に

2019-12-30

万引きのつもりが強盗に

店内の商品を万引きして店を出たところ,店員に見つかって取り押さえられそうになり,もみ合いになった結果店員が転倒して怪我をしたという場合の事後強盗事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県鎌倉市在住のAは,鎌倉市内の会社に勤める会社員です。
ある日,Aはテレビで見た最新のイヤホンが欲しいと考えましたが,手持ちの金額では購入することが出来ませんでした。
そこで,そのイヤホンを万引きしようと考え,鎌倉市内の家電量販店に行き,欲しかったイヤホンを万引きして店を出ました。
ところが,店員VがAの万引き行為に気が付き,Aが店を出たところを見計らって「購入していない商品があるよね。事務所まで来てもらえない?」と言われました。
万引きが発覚してパニックになったAは、Aの腕を掴もうとしたVを突き飛ばしたところ、Vは転倒し、その際に窓ガラスにぶつかってしまいその窓ガラスが割れ、頭などを切る全治2カ月の重傷を負いました。

鎌倉市を管轄する鎌倉警察署の警察官は,捜査の結果Aによる事後強盗事件であると判断し、Aを事後強盗罪で逮捕しました。
Aの家族は、万引きが目的であったにもかかわらず「強盗」となっているのはなぜか、弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【万引きの場合に問題となる罪】

①窃盗罪
万引きは、窃盗罪に当たります。
窃盗罪の法定刑は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

②ケースのAは万引きを目的に家電量販店を訪れていることから、建造物侵入罪に当たる可能性があります。
建造物侵入罪は、正当な理由なく建造物に侵入することにより成立する罪です。

刑法130条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

なお、窃盗罪を犯す目的で建造物侵入罪に当たる行為をしたと判断された場合、窃盗罪のみの刑罰を受けることになります。

 

万引き行為を軽視している方もおられるようですが、万引きが発覚した場合、金額や目的、万引きの頻度などにより、初犯でも起訴され裁判になる可能性すらある行為です。

【万引きのはずが事後強盗罪に】

ケースのAについては、万引き行為が店員Vに発覚していて、それについて追及されようとしたところ逃走を図るためにVを突き飛ばしました。
結果Vは転倒し、ガラスを割ってそのガラスで頭を切るけがを受けています。
これは、事後強盗という罪に当たる可能性があります。

強盗」と言うと、相手を脅したりケガさせたりして隙をついて財物を奪う行為を思い浮かべる方が多いかと思います。
では事後強盗罪はというと、刑法で以下のとおり定められています。
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪は万引きなどの窃盗をした被疑者が①盗んだ物を取り返されそうになったのを防ごうとしたり、②取り押さえられるなど逮捕される可能性がある場合にそれを免れようとしたり、③証拠などを隠滅したりする目的で目撃者などに対して暴行したり、脅迫をした場合に成立すると定められています。
つまり、万引きが見つかっても自らが逃走しただけでは事後強盗罪は適用されず、相手に何かしらの危害を加えた場合に成立することになります。

なお、事後強盗罪は強盗として論ずると定められています。
強盗罪の法定刑は「五年以上(二十年以下)の有期懲役」と定められていますが、ケースの場合はVが怪我をしていますので、強盗致傷として評価される可能性があります。(強盗致傷罪の法定刑は「無期又は六年以上の懲役」)

軽い気持ちで万引きをした結果、事後強盗罪になるなど更に大きな事件に発展してしまった、という場合には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
刑事事件専門の弁護士が初回接見サービスを行った上で(有料)、今後の見通しや示談交渉の見込みなどについてご説明致します。

傷害致死事件で正当防衛を主張

2019-12-16

傷害致死事件で正当防衛を主張

傷害致死事件の嫌疑をかけられているものの、正当防衛を主張する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県横浜市西区在住のAは、横浜市西区の会社に勤める会社員です。
Aは横浜市西区内の飲食店にて女性Xと食事をしていたところ、酒に酔ったVに絡まれました。
Aは無視を決め込みましたが、Vは「なに黙ってんだよ、喋らねえならその口裂いてやる」と言って、カウンターに置いてあったペティナイフを持ち出し、Aに対して振り回しました。
危険を感じたAは、Vに体当たりして床に倒し、Vを押さえつけました。
ところが、Aの暴れるVを押さえつける時間が長かったことから、Vは窒息死してしまいました。

戸部警察署の警察官は、Aを傷害致死罪で逮捕し、その後処分保留で釈放しましたが捜査は進めています。
釈放されたAは、自己の行為が正当防衛に当たるのではないかと考え、刑事事件を専門とする弁護士に無料相談をしました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【傷害致死事件について】

人が何かしらの形で相手を死亡させた場合に適用される罪については、その態様によっていくつかに分かれます。
まず、その行為が故意か過失に分けられます。
過失の場合には、過失致死罪や業務上過失致死罪、過失運転致死罪などが適用されます。
一方で故意犯の場合には、傷害致死罪や殺人罪が考えられます。
殺人罪は刑法199条で「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する」と定められています。
傷害致死罪は刑法205条で「身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。」と定められています。
両者は相手を傷つけて殺すという点で共通していますが、刑法は「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。」と定められているため(刑法38条1項)殺人罪は「人を殺す」意思がなければ成立しません。
その為、ケースのように相手を押さえつける意思があるものの相手を殺す意思がない場合については、殺人罪ではなく傷害致死罪の適用が検討されます。

【正当防衛について】

では、ケースのAが必ずしも傷害致死罪で有罪の判決を受けることになるのかと言うと、その前にもう一点検討するべき問題があります。
それが正当防衛です。

正当防衛は、刑法36条1項で「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」と定められています。
「急迫」とは、法益の侵害が玄以存在しているか、又は間近に迫っていることを指します。
ケースについて言うと、Aは何もしなければVにナイフで刺される可能性があることから、「自己の権利=生命」となります。
そして、AがVを押さえつける行為が「(その)権利を防衛するためにやむを得ずした行為」と評価された場合、Aの行為は正当防衛に当たり、違法性を否定され、罪に問われないこととなります。
ただし、例えばVが無抵抗だったにもかかわらず床に押し付けられ続けた場合や、Vがナイフを持っていないのにAがナイフでVを切り付けた場合等には過剰防衛(刑法36条2項)が適用される場合や正当防衛・過剰防衛ともに認められない場合もあります。

神奈川県横浜市西区にて、相手がナイフを持ち出して自分に襲い掛かろうとした場合等に自分を守るために反撃した結果、相手が死亡した傷害致死事件の場合に、正当防衛が問えるのかが分からないという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
刑事事件専門の弁護士が、正当防衛を主張する余地があるか否か、ご説明致します。

公務執行妨害罪での違法捜査

2019-12-12

公務執行妨害罪での違法捜査

俗に言う転び公妨で逮捕され、別件の捜査を受けるといった違法捜査を受けた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県川崎市宮前区在住のAは、川崎市宮前区にて自営業をしています。
ある日、Aは川崎市宮前区にあるスナックに入ったところ、隣の席に座っていた覚せい剤の売人Xが「気持ち良い薬を持ってるよ」等と言ってきたため、AはXから覚せい剤を購入しました。
その帰り道、川崎市宮前区を管轄する宮前警察署の警察官がAの歩き方を不審に思い、呼び止めて職務質問をしようと声をかけました。
しかし、Aは頑なにそれを拒み続けました。
すると、宮前警察署の警察官は、あたかもAから押し倒されたかのように倒れこみ、「公妨だ、公妨だ!」と言って起き上がり、Aを公務執行妨害罪で現行犯逮捕しました。
Aに手錠をかけ、Aの所持品検査を行ったところ、覚せい剤が出てきたため後日覚せい剤取締法違反(単純所持)で通常逮捕しました。

※「公妨」は、公務執行妨害罪の略称です。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【公務執行妨害罪とは】

公務執行妨害罪は、公務中の公務員(国家公務員・地方公務員(警察官などを含む))に対して、公務を妨害する行為をした場合に適用される罪です。
妨害の手法は様々で、公務員に対する直接の暴行のみならず、公務員に対する脅迫や公務員が公務で使用する者に対しての有形力の行使についても公務執行妨害罪の対象となる可能性があります。
たとえば、通常の暴行罪が「二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」であるのに対し、公務執行妨害罪は「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金」と、より重い刑罰が用意されています。
ただし、公務執行妨害罪は公務員の身体・生命を守るためのものではなく、「公務」を保護するための法律なのです。

【違法捜査が疑われる場合は弁護士へ】

そもそも違法捜査はどうして起こるのか、という疑問があるかもしれません。
我が国では令状主義が採用されているため、例え被疑者が法禁物(違法薬物や銃刀法違反にあたる銃砲刀剣類等)を所持している恐れがある場合でも、すぐに捜査ができるわけではなく、捜査機関は捜査・押収する「正当な理由」がある場合に裁判所に対してそれを主張し、捜索差押許可状などの令状の交付を受けて初めて行うことができます。(強制捜査)
そのため、通常捜査機関は、法禁物を所持していると疑われる相手に対して任意で聴取(職務質問)や所持品検査を求めますが、それに応じる人ばかりだとは限りません。(任意捜査)
そこで、任意捜査に協力をしないものの法禁物を所持している疑いがある相手に対し、強制捜査の令状請求が難しい場合に、捜査機関があたかも被疑者から暴行を受けたように装い、公務執行妨害罪を理由に相手を逮捕し、所持品検査を行うという事例が存在します。
これが、俗に転び公妨当たり公妨等と呼ばれる手法です。
転び公妨・当たり公妨は、当然適法な捜査ではありません。
そして、刑事司法では、そのような違法捜査は禁止されており、違法に収集された証拠については証拠能力を有さないとされています。

ケースについて言うと、Aが所持していた覚せい剤は転び公妨によりAを公務執行妨害罪で逮捕した後、所持品検査を行った際に出てきています。
この覚せい剤については、たとえ100%Aが所持していた物であっても、証拠能力を有しないがために覚せい剤の所持とならず、無罪になる可能性があります。

神奈川県川崎市宮前区にて、転び公妨のような違法捜査によって収集された証拠を基に嫌疑をかけられている方やそのご家族の方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご連絡ください。
刑事事件専門の弁護士が無料相談、又は初回接見を行い、当時の状況について伺った上で違法捜査の可能性についてご説明致します。

強盗致傷罪で執行猶予②

2019-11-23

強盗致傷罪で執行猶予②

強盗致傷罪執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
前回の記事では強盗致傷罪について説明したので、今回は執行猶予について説明します。

【ケース】

Aは、神奈川県横浜市緑区内の公園を散歩していたところ、ベンチの上にブランド物の財布が置いてあることに気づきました。
そこで、周囲に人がいないのを確認し、財布を持って足早にその場を去ろうとしました。
そうしたところ、背後から「何してるんですか。それ私の財布ですよ。」という声が聞こえ、その直後に掴んでいた財布に手を掛けられました。
Aさんはパニックになり、声の主Vさんから財布をひったくって逃走しました。
これにより、Vさんはバランスを崩して転倒し、全治1週間程度の怪我を負いました。
この件でVさんから被害届を受けた緑山警察署が捜査を開始し、後日Aさんは強盗致傷罪の疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士に執行猶予になる余地がないか尋ねました。
(フィクションです。)

【執行猶予の概要】

執行猶予とは、有罪となった場合に言い渡された刑について、その執行を一定期間猶予する制度のことです。
たとえば、「懲役3年、執行猶予5年」であれば、裁判の確定後(判決言い渡しの2週間後)から5年間は懲役刑を受ける必要がなく、執行猶予が取り消された場合にその日から3年間懲役刑を受けることになります。

執行猶予は裁判官の裁量により付されるものですが、そもそも執行猶予を付するかどうかの判断ができる事件自体が法律上限られています。
具体的には、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が言い渡される事件です。
その事件について、更裁判官が事件の内容や被告人の反省の程度などの事情を考慮して執行猶予に付するかどうかを決めることになります。
ちなみに、前科がある場合については執行猶予のハードルが一気に高くなり、内容次第では法律上執行猶予を付することができなくなります。
執行猶予というのは更生の余地があるか見るものなので、今回の事件のみで判断が下されるわけではない点に注意が必要です。

【強盗致傷事件において執行猶予となる余地はあるか】

強盗致傷罪の法定刑は無期または6年以下の懲役であり、その下限は執行猶予を付することができる「3年以下の懲役」を超過しています。
だからといって、執行猶予がつく可能性がないかというとそうではありません。

まず、有罪となった場合に言い渡される刑は、犯した罪の法定刑の範囲に限られるわけではありません。
たとえば、被害者との間で示談が成立している場合、被告人に刑の減軽を認めるべきだとして言い渡される刑の範囲が軽くなる可能性があります。
詳しくは刑法に規定されていますが、強盗致傷罪であれば示談の成立により刑の下限が3年の懲役となる可能性があります。

また、検察官の判断によりますが、最終的に裁判の対象とする罪が軽くなることもあります。
たとえば、逮捕の段階では強盗致傷罪だったものが、捜査の進展や裁判での証明の困難さなどにより起訴の段階で強盗罪になるというかたちです。
このように元の罪より軽い罪で起訴されると、責任を負う罪が変わることにより、執行猶予の可能性は高まります。

以上のように、たとえ逮捕の段階では重い罪が疑われていたとしても、事件の内容や進展次第では執行猶予の可能性が残っていることがあります。
まずは諦めずに弁護士に相談してみることが賢明だと言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、執行猶予の獲得を目指して力の限りを尽くします。
ご家族などが強盗致傷罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(無料法律相談のご予約はこちら

強盗致傷罪で執行猶予①

2019-11-22

強盗致傷罪執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
今回の記事では、強盗致傷罪について詳しく見ていきます。

【ケース】

Aは、神奈川県横浜市緑区内の公園を散歩していたところ、ベンチの上にブランド物の財布が置いてあることに気づきました。
そこで、周囲に人がいないのを確認し、財布を持って足早にその場を去ろうとしました。
そうしたところ、背後から「何してるんですか。それ私の財布ですよ。」という声が聞こえ、その直後に掴んでいた財布に手を掛けられました。
Aさんはパニックになり、声の主Vさんから財布をひったくって逃走しました。
これにより、Vさんはバランスを崩して転倒し、全治1週間程度の怪我を負いました。
この件でVさんから被害届を受けた緑山警察署が捜査を開始し、後日Aさんは強盗致傷罪の疑いで逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、弁護士に執行猶予になる余地がないか尋ねました。
(フィクションです。)

【置き引きから強盗致傷罪に?】

上記事例のように、置き忘れなどにより置いてある物を持ち去る行為のことを置き引きと呼ぶことがあります。
置き引きについては、被害者が被害品を身につけたりしていたわけではないことから、被害品への支配が及んでいたと言えるかどうかが問題となります。
この支配の有無は、成立する罪が窃盗罪になるのか、それよりも軽い占有離脱物横領罪になるのかという点で重要な意味があります。
支配があったかどうかは様々な事情を考慮して判断されますが、たとえば被害者が被害品から離れて間もないということであれば、窃盗罪となる可能性が高いでしょう。

上記事例において、Aさんは強盗致傷罪を疑われています。
この記事をご覧の方の中には、上記事例が強盗致傷罪と言えるほどのものなのか疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれません。
以下では、なぜ今回のようなケースで強盗致傷罪が成立しうるのか見ていきます。

本来、強盗罪は、暴行または脅迫を加えて他人から財産を奪取した場合に成立する罪です。
そのため、窃盗の前に暴行または脅迫を加えていなければ、強盗罪が成立する余地はないように思えます。
ですが、強盗罪に類似の罪として事後後強盗罪というものが存在します。
事後強盗罪は、窃盗罪が以下のいずれかの目的で暴行または脅迫を加えた場合に成立するものです。
・盗んだ物が取り返されるのを防ぐ目的
・逮捕を免れる目的
・罪跡(証拠)を隠滅する目的
上記事例のAさんは、パニックになってはいるものの、財布を確保するか逮捕を免れる目的はあったと考えられます。
そして、財布をひったくるという行為は、不法な有形力の行使として「暴行」と評価される可能性があります。
そうすると、Aさんには事後強盗罪に当たると見込まれます。

事後強盗罪は「強盗として論ずる」とあることから、法定刑や他の罪との関係が強盗罪と同様になります。
他人に死傷の結果を生じさせた場合には、強盗致死傷罪となる余地が生じてきます。
ここでの死傷は、強盗の機会に生じてさえいれば、故意かどうかを問わないと考えられています。
上記事例では、AさんがVさんから財布を取り返されそうになり、それをひったくったことでVさんが転倒して怪我を負うに至っています。
このようなケースでは、強盗の機会に傷害が生じたとして、強盗致傷罪に当たる可能性はあるでしょう。

強盗致傷罪の法定刑は、無期または6年以上の懲役という非常に重いものです。
これに対して、執行猶予獲得のためにどう弁護活動を行うかについては、次回の記事で説明します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、強盗致傷罪を含む様々な犯罪の弁護活動を行います。
ご家族などが強盗致傷罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(無料法律相談のご予約はこちら

神奈川県横浜市保土ヶ谷区の傷害事件

2019-11-11

神奈川県横浜市保土ヶ谷区の傷害事件

傷害事件を起こした場合に不起訴を獲得するための弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県横浜市保土ヶ谷区在住のAは,横浜市保土ヶ谷区内にある会社に勤める会社員です。
Aは、会社にて上司Vからいわゆるパワハラを日常的に受けていて、精神的に参っている状況でした。
事件当日もVはAに対して高圧的な態度で無理難題を押し付けてきたところ、Aはついに怒髪冠を衝いてVの胸倉を掴んで横に倒したところ、転倒したVは机に手を打ち付けました。
Vは怒り狂って通報し、駆け付けた横浜市保土ヶ谷区を管轄する保土ヶ谷警察署の警察官はAを任意同行して事情を聴取しました。
その後、Vは病院に行き、全治1週間の擦過創(擦過傷)を負ったという診断を受けました。
Vは、Aから傷害を受けたとして傷害事件の被害届と診断書を提出しました。
Aは在宅で捜査を進められていますが、この事件が不起訴にならないか、刑事事件専門の弁護士に事件を依頼しました。

≪ケースはフィクションです。≫

【傷害事件について】

他人に暴行を加えた結果相手が怪我をしたという場合には、傷害罪が適用される可能性があります。
ケースで出てくる「擦過創(擦過傷)」とは、いわゆる擦り傷を指す診断名です。
ご案内のとおり、小さな擦り傷については放置していても自然治癒しますが、この場合も「傷害」と判断され、暴行罪(刑法208条・法定刑は「二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」)ではなく傷害罪が適用されます。
傷害罪の規定は下記のとおりです。

刑法204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

【事件の流れ】

一般的な事件の多くは警察官が事件についての捜査をして、その事件を検察官に送致します。
身柄を拘束して捜査を行う事件の場合は、逮捕後48時間以内に身柄と書類を検察庁に送致する必要があります。
ただし、検察官送致が完了した後も、検察官の指示などにより追加で捜査を行い、書類を追送します。
一方で在宅事件の場合には時間の制限がないため、警察官はしっかりと捜査を行ってから検察官に書類を送ります。(書類送検)
書類送検までの期間は事件によって大きく異なりますが、数週間から数カ月かかることも少なくありません。

事件を受理した検察官は、書類を確認した上で取調べを行ったり追加で捜査をするよう警察官に命じます。

【不起訴とは】

検察官は、捜査が完了した後に被疑者を起訴するか否かの判断をします。
そして、被疑者を起訴(及び略式起訴)しないという判断を下すことを不起訴処分と言います。
検察官が不起訴処分を下す理由を以下でいくつか列挙します。
・被疑者死亡(被疑者が死亡した場合)
・罪とならず(刑事未成年など、法律に該当しない場合等)
・嫌疑なし(真犯人が見つかった場合等)
・嫌疑不十分(被疑者が犯人であることの裏付けが十分でない場合等)
・起訴猶予(起訴する証拠は揃っていても、検察官の判断で起訴しないと判断した場合等)

このような理由を根拠に、検察官は被疑者を起訴せず不起訴の判断を下すことができます。
不起訴になった場合には刑罰を受けることがなく、前科もつきません。
ただし、一度不起訴の判断を下された事件についても、検察審査会の判断などにより強制起訴される場合もあります。

【不起訴を求めて弁護士へ】

不起訴を求めるための弁護活動は、事件によって異なります。
例えば、被疑者が事件を認めている場合であれば示談交渉などが考えられますし、犯罪の事実や犯人性について否認している場合であればその旨の主張を行う必要があります。

神奈川県横浜市保土ヶ谷区にて傷害事件で在宅捜査を受けている状況で、不起訴を求める弁護活動をお望みの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
事務所にて無料相談を行い、不起訴を求める弁護活動についてご説明致します。

神奈川県川崎市中原区にて心中で失敗

2019-10-11

神奈川県川崎市中原区にて心中で失敗

心中をしようとして失敗した場合に問題となる罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。

【ケース】
神奈川県川崎市中原区在住のAは、妻Vと2人で生活する年金受給の高齢者です。
Vが10年前に病気になってからというもの寝たきりで言葉も発することができない状態で生活をしており、手伝いができる家族がおらず介護施設に入ってもらう余裕もないAは、ずっとVを介護してきました。
しかし、長年介護を続けた結果自身も病気と腰痛を患ってしまい、介護に疲れてしまいました。
そこでAは、Vが寝ている間に首を締めあげて窒息死させ、自身も三徳包丁で腕首を切って風呂水につけて死のうとしました。
Vを窒息死させるまでは完了したものの、手首を切って風呂水に浸けていたところ、A宅をボランティアで巡回している見守り隊のXがそれを目撃し、Xが要請した救急車で病院に搬送されました。

≪フィクションです。≫

【そもそも心中とは】

心中(しんじゅう)とは、もともと互いに愛し合った男女がそれを確かめるような形で髪を切ったり刺青を彫ったりすることが語源と言われているようです。
しかし、ご案内のとおり今日では心中と言うと相手や家族などと一緒に死ぬことを指します。
近年では、生活保護受給家庭など生活苦から家族全員が死を選択する一家心中や、介護の疲れから親や配偶者などを殺して自分も死を選択する介護疲れの心中などが報道されています。

【心中で問題になる罪】

心中にも様々なケースがあります。
心中のうち、例えばそれぞれが自分の意思でビル等から飛び降りたような場合は、自殺として特に刑罰を受けることはありません。
しかし、心中の相手を先に殺めてから自分も後を追うといった心中の場合、刑事事件に発展することも考えられます。
以下で問題となる可能性がある罪について解説致します。

①自殺関与罪
心中する相手が死亡する意思がないにも関わらず心中を唆したり、心中の際に相手の自殺を手助けしたりした結果相手が死亡した場合は自殺関与罪が適用されます。
自殺関与罪の根拠条文は刑法202条の前段部分です。

②同意殺人罪
心中する相手が死亡する意思があり先に自分を殺めて後追いしてくれと頼まれた場合や、心中する相手の死亡する意思を確認したうえで相手を殺めた場合には、同意殺人罪が適用されます。
同意殺人罪の根拠条文は刑法202条の後段部分です。

刑法202条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

③殺人罪
いわゆる無理心中のように相手が死ぬ意思がない、あるいは乳幼児や高齢者のように意志そのものがない相手を殺害した場合や、追死する気がないのに追死すると偽って相手を殺害した場合には、殺人罪が適用される可能性があります。
ケースについても、Vは言葉を発することができず心中する意思も示していないため、いわゆる無理心中になり殺人罪が適用される可能性があります。
殺人罪の条文は下記のとおりです。

刑法199条 人を殺した者は死刑または無期若しくは五年以上の有期懲役に処する。

ただし、心中を計画・実行した被疑者も死亡したというケースについては、検察官が被疑者死亡などを理由に不起訴とします。

【心中の結果一命を取り留められてら弁護士へ】

心中をしようとして心中相手を殺めたものの自殺が成功しなかった、あるいは自殺を躊躇してしまったという報道は少なからずございます。
その場合、上述のような罪に問われる場合も考えられます。

神奈川県川崎市中原区にて、心中を計画したものの自分だけ助かってしまった等という方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご相談ください。

神奈川県川崎市高津区の殺人事件

2019-09-19

神奈川県川崎市高津区の殺人事件

殺人事件で控訴をする、という場合の問題等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県川崎市高津区在住のAは、川崎市高津区にある会社に勤める会社員です。
Aには婚姻を前提に交際をしている川崎市高津区在住のVがいましたが、ある時Vの行動を不審に思ったAが探偵を利用してVの行動を調査したところ、Vが浮気をしていることが発覚しました。
AがVを問い詰めると、Vは「そんな面倒なことを言うなら浮気相手と結婚してもいいんだよ」と言いました。
その言葉に怒ったAは、台所から包丁を持ち出してVを数十か所刺しました。

その後、Aは怖くなって逃走しましたが、Vは消防に通報して駆け付けた救急隊員が警察署に通報し、川崎市高津区を管轄する高津警察署の警察官の捜査によりAを殺人未遂罪で逮捕しました。
後日Vは死亡したため、検察官はAを殺人罪で起訴しました。
そして、一審の裁判官はAに対して懲役7年の判決を言い渡しました。
Aは起訴内容を認めたものの、懲役7年は重すぎると考え、家族を通じて控訴審から対応できる刑事事件専門の弁護士に初回接見を依頼しました。

(フィクションです。)

【殺人罪について】

故意に相手を殺した場合に殺人罪が適用されることはご案内のとおりです。
殺人罪の条文は下記のとおりです。

刑法199条 人を殺したものは死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

【控訴が出来る事件について】

控訴とは、通常地方裁判所又は簡易裁判所で行われた一度目の裁判に対して、14日以内に提起することで不服申し立てを行う制度です。(刑事訴訟法372条)
控訴審は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡にある高等裁判所又は各高等裁判所の支部にて行われます。

どのような裁判でも控訴が出来るわけではなく、控訴するためには控訴の理由が必要です。
控訴の理由には、下記のような理由が挙げられます。

・法律に従って判決裁判所を構成しなかった場合。(刑事訴訟法377条1号)
・法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与した場合。(同条2号)
・審判の公開に関する規定に違反した場合。(同条3号)
・不法に管轄又は管轄違いを認めた場合。(刑事訴訟法378条1号)
・不法に控訴を受理し、又はこれを棄却した場合。(同条2号)
・審判の請求を受けた事件について判決をせず、または審判の請求を受けない事件について判決を下した場合。(同条3号)
・判決に理由を附せず、又は理由に食い違いがある場合。

・上記の場合を除き、訴訟手続き(刑事訴訟法379条)や法令の適用(同380条)に違反や誤りがあって、その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかである場合。
・量刑が不当である場合。(刑事訴訟法381条)
・事実の誤認があってその後人が判決に影響を及ぼすことが明らかである場合。(刑事訴訟法382条)
・その他、再審の要件を満たす場合。(刑事訴訟法383条1号)

ケースについては刑が重いことから、刑事訴訟法381条の量刑が不当であることを主張することが考えられます。

【控訴について弁護士に相談】

控訴審では再び裁判をやり直すのではなく、一審の証拠に基づいて高等裁判所の裁判官が判断をすることになります。
しかし、ほとんどの裁判では控訴棄却となっているのが実情です。
平成30年の司法統計によると、刑事訴訟事件の控訴審は全体で5,710件ありました。
そのうち、控訴棄却は4,163件となっていて、破棄自判(一審の判決を取消して高等裁判所自身が判断を下すこと)は550件であり、全体の10%ほどしかありません。
つまり、控訴審で一審の判断が変えることは極めて難しいのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、控訴審からの弁護活動についても対応しています。
神奈川県川崎市高津区にて、ご家族が殺人罪で有罪判決を受けたものの刑が重すぎるため控訴を申し立てたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。
刑事事件専門の弁護士が初回接見を行い、報告の場で控訴の可能性等についてご説明致します。

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