大麻で逮捕
大麻所持で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【事例】
神奈川県鎌倉市に住むAさん。
子どもの頃からの友人と久しぶりに会った際、その友人が大麻を常用している事を聞き、興味本位でAさんももらって使用したこときっかけとして、大麻を日常的に使用するようになりました。
ある日、大麻を使用した後に自動車を運転したところ、大麻の影響でふらふらと蛇行運転する形になり、パトロール中の鎌倉警察署の警察官に止められました。
アルコールや薬物の使用を疑われる状態だったことから、警察官が呼気検査をしたところ、アルコール濃度は基準値以下。
続いて警察官が薬物使用の有無を問いただしたところ、もう隠し切れないと思ったAさんは、持っていた大麻をポケットから出し、大麻所持で現行犯逮捕されました。
~大麻所持で成立しうる犯罪は?~
近年、大麻が合法化された国や州が増えてきています
しかし現状、日本での大麻所持は違法です。
条文を見てみましょう。
大麻取締法第24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
初犯であれば、執行猶予となることも多いのが実態です。
しかし条文上、5年以下の懲役と記載されているわけですから、しっかりと対応していく必要があります。
なお、上の条文は自分で大麻を使用するといったケースで適用される条文です。
大麻を売って儲けようとするなど、営利目的がある場合には、さらに重い刑罰が定められています。
同条2項
営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。
~道路交通法違反にもなりうる~
また、Aさんは大麻の影響で蛇行運転をしてしまいました。
仮に人身事故を起こしていた場合、危険運転致死傷罪という大変重い罪に問われる可能性もあります。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
第1号
アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
第3条1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
第2条第1号と、第3条1項の違いが分かりにくいですね。
第2条第1号は、アルコールや薬物の影響で、すでに正常な運転が難しい状態なのに運転して、人身事故を起こした場合です。
一方、第3条1項は、最初から正常な運転が難しい状態とまでは言えないものの、正常な運転が難しくなる可能性がある状態で運転しはじめ、結局、酔いが回ったり薬物の影響が出てきて、正常な運転が難しくなった場合です。
やや前者の方が悪質ということで、刑罰が重くなっています。
事故の被害者はもちろん、加害者である大麻の使用者も、人生が大きく変わってしまいかねないと言えます。
~一度ご相談を~
逮捕された後の手続きについて、詳しくはこちらをご覧ください。
刑事事件の流れ
もしあなたやご家族が、何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べのために警察に呼び出された場合、どんな犯罪が成立するのか、いつ釈放されるのか、どのくらいの刑罰を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
具体的な事情をお伺いした上で、今後の見通しをご説明致しますので、ぜひお早めに弁護士にご相談下さい。
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