神奈川県小田原市の現住建造物放火事件

2019-10-15

神奈川県小田原市の現住建造物放火事件

責任能力について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説します。
【ケース】
神奈川県小田原市在住のAは、小田原市内の会社に勤務する会社員です。
ある日、Aは仕事をしていたところ、上司Xから仕事上のミスについて厳しい指摘を受けました。
するとAは突然Xを突き飛ばし、大声で叫びながら走り出し、給湯室に行ってコンロの火をつけて、そこに消毒用エタノールのボトルを投げました。
火は壁と天井に延焼したものの、通報を受けて駆け付けた消防隊員による消火活動によって鎮火しました。
その後、臨場した小田原市内を管轄する小田原警察署の警察官によってAは現住建造物等放火罪で逮捕されました。
Aの家族は、Aが逮捕されたことを聞き、Aが以前に心療内科で精神疾患の診断を受けていたことから今回の事件については責任能力の問題があるのではないかと思い、刑事事件を専門とする弁護士に責任能力について質問しました。

≪フィクションです。≫

【放火事件について】

放火事件は、放火した物が何であるかによって罪が異なります。
ケースについて見ると、Aは社員(少なくともX1名以上)がいる会社に火を付けようとして付けていますので、現住建造物等放火罪が適用される可能性があります。
現住建造物等放火罪は刑法108条で「放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」と定められています。
法定刑は殺人罪と同じ刑ですが、現住建造物等放火罪は放火した結果幸いにも死傷者がでなかった場合であっても成立します。

【責任能力について】

刑事事件では、①構成要件に該当する②違法性阻却事由がない③責任阻却事由がない、という3つの要件をクリアした場合に被告人に対して刑罰を下すことができます。
①の構成要件該当性(Tb)は刑法をはじめとした法律に定められている行為に該当するか否かを指し、②違法性阻却事由(Rw)とは「正当防衛」「緊急避難」等の事由を指します。

③の責任阻却事由(S)については、①に該当して②の事由がない場合に検討されるものです。
固より刑法では、被告人を非難するためには被告人に責任能力(事物の是非・善悪を分別し、かつ、それに従って自己の行動を制限できる能力)がなければならないと考えられています。
そしてそれを条文化する形で、刑法39条は第1項で「心神喪失者の行為は、罰しない。」、第2項で「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」と定めています。
責任阻却事由は、例えば統合失調症や躁うつ病、解離性同一性障がいといった精神疾患や、知的障がいなどが挙げられます。

責任能力の有無の判断については、起訴される前は検察官が、起訴された後は裁判官が行います。
責任能力を判断する場合には医療の専門知識と鑑定が必要になるため、専門医による刑事責任能力鑑定が行われることが一般的です。
また、検察官や裁判官に主張するのはあくまで事件時の責任能力ですので、専門医による鑑定だけでなく事件前後の被疑者・被告人の行動等についてもしっかりと裏付けをする必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は、刑事事件・少年事件のみを扱う弁護士事務所です。
当法人では、責任能力について争う刑事事件・刑事裁判についての経験がございます。
神奈川県小田原市にて、ご家族の方が現住建造物等放火事件を起こしてしまい、責任能力について刑事事件専門の弁護士に質問をしたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

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