【解決事例】大麻ワックスの輸入事件で接見禁止

【解決事例】大麻ワックスの輸入事件で接見禁止

大麻ワックスと呼ばれる違法薬物を輸入したことで逮捕・勾留されて接見禁止がついた事件で、接見禁止の一部解除に成功したという事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市青葉区在住のAさんは、横浜市青葉区の会社に勤める会社員です。
Aさんは一時期海外で生活していたのですが、その際に大麻を使用することが常となり、我が国に帰国した後も大麻を使用し続けていました。
ある日、神奈川県警察署の警察官がAさんの自宅に来て、「あなた名義で輸入された箱の中から大麻ワックスが確認されたので逮捕します。」と言われ、大麻取締法違反で通常逮捕されました。
勾留後に当事務所の弁護士に弁護を依頼したAさんの家族は、Aさんには接見禁止がついているため、家族だけでも接見(一般面会)したい旨を相談しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【大麻の輸入について】

今回のAさんの事例では、Aさんが大麻ワックスと呼ばれる法禁物を我が国に輸入しようとしたことが問題となっています。
Aさんが大麻ワックスを輸入した目的は、自分で利用することです。
この場合には、以下の罪が問題となります。

①大麻取締法違反
大麻ワックス呼ばれる物は、大麻由来の幻覚を引き起こす成分等を人工的に精製・抽出して濃縮して作られる半固体状のもので、専用の機器を用いて加熱し吸い込む方法で体内に取り込まれます。

大麻ワックスも乾燥大麻や大麻リキッドなどと同様に大麻成分を含むため、大麻取締法のいう大麻の定義である「大麻草…及びその製品」に該当します。
大麻ワックスを輸入する行為は大麻取締法違反に該当します。
関連条文は以下のとおりです。

大麻取締法4条1項 何人も次に掲げる行為をしてはならない。
1号 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
同法24条1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。

②関税法違反
次に、関税法という法律が問題となります。
関税法は、国外から我が国に荷物を輸入する、あるいは我が国から国外に輸出する、という場合にかかる税金や手続きなどを定める法律です。
関税法では、我が国に輸入してはいけない物(貨物)をルールとして定めていて、そのうちの1つに大麻が列挙されています。

(輸入してはならない貨物)
関税法69条の11第1項 次に掲げる貨物は、輸入してはならない。
1号 麻薬及び向精神薬、大麻、あへん及びけしがら並びに覚醒剤…並びにあへん吸煙具。ただし、政府が輸入するもの及び他の法令の規定により輸入することができることとされている者が当該他の法令の定めるところにより輸入するものを除く。
(罰条)
同109条1項 第69条の11第1項第1号から第6号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した者は、10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

③観念的競合
①②で見てきたとおり、Aさんの行為は大麻取締法違反と関税法違反の両者に該当します。
この場合に、①で7年以下の懲役、②で10年以下の懲役(若しくは3000万円以下の罰金)で懲役17年以下の刑になるのかというと、そうではありません。
刑法では、観念的競合といって、一つの行為が複数の罪に当たる場合には最も重い刑に処すると定められています。
今回のAさんの事件は②の関税法違反の罪がより重いため、10年以下の懲役刑に処されます。
観念的競合については、以下の条文の前段に規定されています。

刑法54条 一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

【接見禁止とその一部解除】

今回のAさんのような薬物事件では、入手経路などの特定のため逮捕・勾留されるケースがほとんどです。
逮捕・勾留されている間は、基本的に警察署の留置場又は拘置所に留め置かれます。
この勾留が決まった場合でも、弁護士(弁護人)との接見交通権は当然に認められているほか、一般の方であっても原則として面会が認めらます(ルールが決まっていて、15分という制限時間や、警察官等の立ち合いなどの条件があります。)。

但し、勾留の判断をする裁判官は、勾留される被疑者に逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合に、接見禁止等禁止決定を下すことができます。
多くは検察官からの請求を踏まえて接見禁止を決めますが、裁判官が自らの判断で接見禁止を決めることもできます。
裁判官が接見禁止を決めた場合、勾留されている被疑者は、弁護士(弁護人)以外との接見・面会ができません。

とはいえ、事件とは何のかかわりもない被疑者の家族が「面会をしたいと」思うのは、当然のことでしょう。
接見禁止が決定された場合に面会をするためには、接見禁止の(全部あるいは一部)解除をするよう、裁判官に対して申立てをするか、決定に対する不服申し立て(準抗告)をする必要があります。

接見禁止の解除を申立てする場合、事件の性質などを踏まえ、面会しようとしている方に証拠隠滅や逃亡を手助けする意思がないことを明確にした書類を提出しなければ、裁判官も納得しないと考えられます。
そのため、接見禁止の解除を求めるためには、経験が豊富な弁護士に弁護を依頼し、接見禁止の解除を申し立てる書類を提出してもらうことが望ましいと言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまでに数多く接見禁止の解除を申立て、その多くで成功しています。
神奈川県横浜市青葉区にて、家族が大麻ワックスの輸入により逮捕・勾留され接見禁止の解除を申立てたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

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