【解決事例】年齢切迫少年の詐欺事件
20歳の誕生日を迎える間近の少年による詐欺事件、という解決事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【事例】
神奈川県横浜市中区在住のAさんは、事件当時神奈川県内の大学に通う19歳でした。
Aさんは、いわゆる特殊詐欺事件を起こした嫌疑で、横浜市中区を管轄する伊勢佐木警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは、逮捕された時点で、20歳の誕生日まであと2ヶ月ほどという状況でした。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【特殊詐欺について】
特殊詐欺は、オレオレ詐欺やワンクリック詐欺、還付金詐欺など様々な手口が見られ、その手口によって罪が異なります。
また、オレオレ詐欺などの場合はどのような方法で詐欺に関与したかという点でも、罪が異なります。
Aさんの事件については、指示役に従い被害者宅を訪れて銀行職員等になりすましてキャッシュカードを受け取ったという事件でしたので、いわゆるオレオレ詐欺の受け子と呼ばれる立場になり、詐欺罪の成立が検討されます。
条文は以下のとおりです。
刑法246条1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
【年齢切迫少年について】
20歳未満の者が刑事事件を起こした場合、捜査が行われた後は「少年事件」として扱われ、成人事件とは異なる手続きが行われます。
20歳未満というのは、20歳の誕生日を迎える前の者を指します。
少年の捜査を行った検察官は、家庭裁判所にすべての事件を送致することになります。
送致を受けた少年は、重大事件を除き家庭裁判所で調査を行い、保護処分が必要と考えられた少年については審判で保護処分を決めます。
しかし、一定以上の重大犯罪を起こした場合や、20歳の誕生日を迎えた者については、家庭裁判所で保護処分を決めるのではなく、検察官に送致します。
これは、一度検察官から家庭裁判所に送られたのちに再度検察官に送致するため、逆送と呼ばれます。
逆送された少年に対し、検察官は起訴するかどうかの判断を下します。
Aさんのように、事件当時20歳の誕生日を迎える直前の少年を、俗に年齢切迫少年(年迫)と呼びます。
年齢切迫少年は、20歳の誕生日までに調査が行われ審判が行われる(あるいは審判不開始の決定を下す)ことがなければ、検察官に送致されます。
つまり、保護処分を受ける機会を失うことになるのです。
検察官に逆送された場合、原則として犯した事件の内容をもって起訴するかどうか判断されます。
少年事件として家庭裁判所が判断をした場合、少年の性格や特性などを踏まえて、保護処分が検討されます。
年齢切迫少年の場合、少年の性格などを踏まえて保護処分を課すことが望ましい場合、20歳の誕生日を迎える前に審判まで行われる必要があります。
そのためには、早期の調査官による調査を行うよう促し、捜査機関が作成した証拠(法律記録)を確認し、審判までに弁護人としての意見書を作成する必要があります。
年齢切迫少年の事件では、少年事件の弁護活動・付添人活動の経験が豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、年齢切迫少年の弁護活動・付添人活動の経験も豊富です。
神奈川県横浜市中区にて、お子さんが特殊詐欺などの事件で逮捕・勾留され、20歳の誕生日を迎える間近の年齢切迫少年である場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。