【解決事例】無修正DVDの販売

【解決事例】無修正DVDの販売

陰部にモザイク処理を施さないいわゆる無修正のDVDを販売した事件で捜査を受けた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県川崎市宮前区在住のAさんは、川崎市宮前区で個人の小売店を経営していました。
Aさんは生活苦に陥り、友人からの勧めを受け、性器などがモザイク処理されていないいわゆる無修正動画を保存したDVDを常連にのみ販売していました。
ある日、Aさんの家に川崎市宮前区にある宮前警察署の警察官が来て、Aさんを「わいせつ電磁的記録記録媒体頒布」の罪で通常逮捕しました。
その後の家宅捜索でAさんの職場から無修正DVDが見つかったことから、「わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持」の罪でも捜査を受け、その後両罪で起訴されました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【無修正DVDの販売について】

今回のAさんの事件で問題となったのは、
①わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持罪
②わいせつ電磁的記録記録媒体頒布罪
です。
条文については以下のとおり規定されています。

刑法175条1項 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
同2項 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

②については刑法175条1項に、①については同2項が、それぞれ問題となります。

まず②について、Aさんが行った無修正DVDを販売するという行為を検討すると、
わいせつな電磁的記録   :無修正DVD
(上記のような)物を頒布し:販売するなどして他人に渡す
ということになります。
よって、無修正DVDの販売はわいせつ電磁的記録記録媒体頒布罪に問われます。
なお、市販で販売されている成人向けのDVDについては、性器部分にモザイク処理を施すことにより、罪には当たらないと評価されているようです。

次に①について、②の目的で無修正DVDを所持していたことが問題となります。
無修正DVDを販売するためには、まずは所持している必要があります。
現在もなお販売している、という場合には、当然在庫を持っていることも考えられますが、販売のため無修正DVDを所持していた場合にはわいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持罪に問われます。

なお、インターネット上では無修正の成人向け動画が多数アップロードされていることが問題となっています。
これについては、我が国のサーバーに保存された動画でなければ我が国の法が適用されないため、摘発を免れる形になっています。

【無修正DVDの販売で執行猶予に】

無修正DVDの販売で起訴された場合、
・違法性の認識
・販売期間
・販売した量や売上金額
・売上金が適切に税務申告されているか
などを総合的に検討し量刑が決められます。
今回のAさんの場合、数年に亘り常習的に販売を繰り返していて、違法性の認識もあったため、厳しい刑事処罰が科せられるおそれがありました。
そこで弁護士は、被害者がいない事件で反省の意を示す贖罪寄附を提案したり、家族の監督ができることを示すため裁判では書面ではなく家族に出廷して頂いて証人尋問を行ったりするなどして、Aさんの実刑を回避できるよう努めました。

神奈川県川崎市宮前区にて、家族が無修正DVDの販売をしたことによりわいせつ電磁的記録記録媒体頒布罪わいせつ電磁的記録記録媒体有償頒布目的所持罪で逮捕・勾留されていて、実刑を回避する弁護活動等について知りたい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。

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