【解決事例】淫行条例と児童買春の違いと弁護活動①

【解決事例】淫行条例と児童買春の違いと弁護活動①

18歳未満に対し淫らな行為をした場合に問題となるいわゆる淫行条例違反児童買春の違いについて、解決事例をもとに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横須賀市在住のAさんは、横須賀市内の会社に勤める会社員です。
Aさんはいわゆる出会い系サイトを通じて数年に亘り多数の女性と知り合い、性的な行為をしていました。
相手の女性の半数ほどは18歳未満で、会う前に年齢を知っていたこともあれば、会って初めて年齢を知ったという場合もあったそうです。                         
ある日、横須賀市内を管轄する横須賀警察署の警察官がAさんの自宅に来て、横須賀市内に住む被害児童(当時15歳)の保護者から被害届が提出されたとして、児童買春の嫌疑で家宅捜索が行われました。
Aさんは不安になり、当事務所の弁護士による無料相談を受け、その後弁護を依頼されました。

淫行条例違反児童買春事件の取調べでは、被害者の年齢についての認識や対償(対価)の有無など、自身の記憶や認識が重要になってきます。
弁護士は、取調べ前にAさんからしっかりと話を聞き、時系列や自身の認識などについて事細かに聴取し、その内容を書面にまとめました。
取調べの前には電話などで打合せを行い、取調べ後はどのような調書を作成したか確認を行いました。
また、相手の女子児童の保護者に連絡し、示談交渉を行った結果、児童の保護者はAさんに厳しい刑事処罰を求めず、被害届を取下げる旨の約定を設けた示談に応じて頂けることになりました。
また、今回の事件については、本件以外に余罪も多数ありましたが、取調べ対応の効果もあり余罪捜査は最後まで行われませんでした。
担当検察官は、Aさんを不起訴処分としました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【淫行条例違反と児童買春について】

Aさんの事件では、性的な行為をした時点で被害児童の年齢は15歳でした。
我が国では、18歳未満(17歳までの者)と性行為等をした場合には下記のような法律に違反することとなります。

淫行条例違反
淫行条例は俗称で、事件地の都道府県によって条例名が異なります。
ケースは神奈川県横須賀市での事件ですので、神奈川県青少年保護育成条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。

神奈川県青少年保護育成条例第31条
1項 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2項 (略)
3項 第1項に規定する「みだらな性行為」とは、健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいい、同項に規定する「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激し、又は興奮させ、かつ、健全な常識を有する一般社会人に対し、性的しゆう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。

同第53条1項 第31条第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

児童買春
最も、Aさんの行為については、淫行条例違反ではなく児童買春の罪が適用される可能性があります。
条文は以下のとおりです。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
 1号 児童
罰条:5年以下の懲役又は300万円以下の罰金

淫行条例違反児童買春の一番の違いは、対償の供与やその約束があるか否かという点です。
分かりやすい児童買春は、例えば児童やその保護者等に対して5万円を支払う、あるいは支払う約束をする等して性行為や性交類似行為をすることです。
対償は現金に限らず、食事代を負担した、モノを買ってあげた、という場合にも成立します。
他方で、少額の交通費などであれば、対償と認められない可能性があります。

【淫行条例違反・児童買春事件での弁護活動】

≪次回のブログをご覧ください。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、淫行条例違反児童買春事件といった未成年者に対する性的な行為で問題となる事件での弁護活動を数多く経験してきました。
神奈川県横須賀市にて、未成年者に対する性的な行為をした淫行条例違反児童買春事件で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の無料相談をご利用ください。
また、家族が淫行条例違反児童買春事件で逮捕・勾留されている場合、初回接見サービスをご案内致します。(初回接見サービスは有料です。)

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