【解決事例】児童買春事件で勾留請求の却下

【解決事例】児童買春事件で勾留請求の却下

児童買春事件を起こして逮捕された後当事務所に御依頼いただき、勾留請求が却下されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県相模原市在住のAさんは、相模原市内の会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの実家に相模原市内を管轄する津久井警察署の警察官が来て、Aさんを通常逮捕しました。
Aさんの家族は逮捕した警察官に対して理由を聞きましたが、児童買春ということ以外は説明されませんでした。
初回接見の依頼を受けた当事務所の弁護士は、逮捕当日に初回接見サービス(有料)を行ったところ、Aさんからは「相模原市内のホテルにて未成年者Vさん(高校生・16歳)に対して現金3万円を渡して性行為をした嫌疑で逮捕され、それは事実」「他にも児童買春事件を起こしている」という説明を受けました。
初回接見で伺った内容をAさんの家族に伝えたところ、早期の釈放を希望し、弁護を依頼されました。
弁護士には逮捕の翌日に行われる検察官送致までに書類を作成し、検察官に対し提出したうえで「Aさんに勾留は必要ない」と主張しましたが、検察官は勾留が必要であると判断して勾留請求を行いました。
次に弁護士は勾留裁判を担当する裁判官に対して書類を提出し、電話面談を行ったところ、裁判官は勾留は不要であると判断し勾留請求を却下しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫

【児童買春事件について】

事例では、Aさんは18歳未満の未成年者であるVさんに対して3万円を渡して性行為をしました。
これは、児童買春の罪に当たります。
児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律で以下のとおり禁止されています。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
2条2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいう。
1号 児童
(以下略)
4条 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

【勾留請求却下について】

罪を犯したと疑われる「被疑者」に対し、捜査を行う上でやむを得ない場合に捜査機関は逮捕することができます。
警察官等の司法警察員が被疑者を逮捕した場合、逮捕から48時間以内に身柄と書類を検察官に送致する必要があります。(刑事訴訟法203条1項)

次に検察官送致受けた検察官は、被疑者の弁解を聞いた上で、
①留置の必要がないと判断した場合には直ちに釈放
②その後も身柄拘束が必要であると判断した場合には24時間以内に勾留請求
をする必要があります。(刑事訴訟法205条1項)
この勾留請求の手続きは、逮捕されてから72時間以内に行われる必要があります。(刑事訴訟法205条2項)

最後に、検察官が②の勾留請求を選んだ場合には、勾留質問という手続きが行われます。
勾留質問は、中立な立場である裁判官が非公開の法廷で行い、検察官から送られてきた書類と被疑者に対する質問を確認したうえで、身柄の必要性を検討します。
身柄拘束が必要であると判断した場合、勾留請求を認容し、10日間の勾留を認めます。
身柄拘束が必要ないと判断した場合、勾留請求を却下し、被疑者は釈放されます。

今回のAさんの事例では、検察官は身柄拘束が必要と判断して勾留請求したが、裁判官は勾留が必要ではないと判断して勾留請求を却下した形です。
勾留請求却下を求めるためには、弁護士が家族や逮捕中の被疑者の方からしっかり話を聞いた上で、勾留の要件である「逃亡の恐れ」や「証拠隠滅の恐れ」が存在しないことを積極的に主張していくことが望ましいと言えます。
神奈川県相模原市にて、家族が児童買春の罪で逮捕され、勾留請求却下を求める弁護活動について知りたいという場合、原則として費用のお振込から24時間以内に弁護士が接見を行う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の初回接見サービスをご利用ください。(有料)

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