【解決事例】見知らぬ女性にキスをして逃走

【解決事例】見知らぬ女性にキスをして逃走

見知らぬ女性に接吻(キス)をして逃走したという嫌疑で強制わいせつ事件として捜査されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県平塚市在住のAさんは、平塚市内の会社に勤める会社員です。
事件当日、Aさんは酒に酔って平塚市内を走行する列車に乗っていた際、見知らぬ乗客女性Vさんに対し、突然接吻(キス)をした後、別の車両に走って逃走しました。
被害に遭ったVさんはAさんを追いかけ、次の停車駅でAさんを降ろし、駅員に申告して駅員が通報し、臨場した平塚市内を管轄する平塚警察署の警察官によって在宅で捜査を受けることになりました。

Aさんは自身の行為を反省するとともに、強制わいせつ罪で起訴されることを不安に思い、当事務所の弁護士による無料相談を利用しその後弁護を依頼しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【強制わいせつ罪について】

強制わいせつ罪の条文は以下のとおりです。

刑法176条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

Aさんの事件での嫌疑は、AさんがVさんに対しいきなりキスをしたというものです。

まず、Aさんが「暴行又は脅迫を用いて」いるかという点が問題となります。
これについては、「被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りる程度の暴行・脅迫」があれば足りるとされています。
被害女性Vさんの立場からすると、走行中の列車で見知らぬ者から唐突にキスされるとは思わないと考えられます。
そのため、AさんがVさんの腕を掴んで抵抗できないような状態にするなど具体的な暴行が見られなくても、キスを避けることができないほど瞬時的にキスをしたばあい、暴行があったと認められるでしょう。

次に、接吻が「わいせつな行為」に当たるのかという点が問題となります。
これについて判例は、「徒ら(いたずら)に性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」と判示しています。
そして、キスについてもわいせつな行為に該当するという判例があります。

【強制わいせつ事件での弁護活動】

Aさんの依頼を受けた弁護士は、すぐに被害者であるVさんとの示談交渉に着手しました。
AさんとVさんは見知らぬ間柄ですので、弁護士は警察官を通じて弁護士限りでお話をしたい旨を伝え、了承を得られました。
Vさんは示談に応じるかどうかや示談金はいくらにするか等、長きに亘り検討されました。
恐らくは、VさんはVさんの立場で、弁護士に相談したのかもしれません。
Aさんの事件は検察官に送致された後、検察官は示談交渉の進捗状況を常に気にされていたため、弁護士は状況に応じて適宜連絡をしていました。
今回の事例では、稀なケースではありますが、担当検察官は示談交渉の状況を踏まえ示談締結する前にAさんを不起訴処分にしました。
弁護士はその後も示談交渉を重ね、事件から1年以上が経過した後、最終的に示談締結と相成りました。

【事務所紹介】

強制わいせつ罪の罰条は懲役刑のみですので、検察官が被疑者を起訴した場合には略式手続には付されず正式裁判になります。
公開の法廷に立ちたくない、前科を付けたくないという場合、強制わいせつ罪で起訴される前に弁護士に相談・依頼し、取調べ対応や示談交渉といった適宜の対応を行っていく必要があるでしょう。
神奈川県平塚市にて、酒に酔って見知らぬ相手にキスをするなどして強制わいせつ罪で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談をご利用ください。

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