【解決事例】児童ポルノ所持で家宅捜索
児童ポルノを所持しているという嫌疑で、ある日突然警察官が自宅に来て家宅捜索を受けたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【事例】
神奈川県横浜市神奈川区在住のAさんは、横浜市神奈川区にある会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんの自宅に横浜市神奈川区を管轄する神奈川警察署の警察官が訪れ、「児童ポルノ所持の嫌疑で裁判所から令状が出ているから」と説明され、家宅捜索が行われました。
Aさんは、家宅捜索が法律上どのような手続きなのか、今後の見通しや必要な弁護活動にはどのような物が考えられるか、等について当事務所の弁護士による無料相談で質問し、その後弁護を依頼されました。
Aさんの事例では、児童ポルノに該当する動画や画像をインターネット上でダウンロードしたというものであり、Aさん自身も罪を認めていました。
弁護士は、担当する神奈川警察署の警察官に対して在宅で捜査を続けることを確認したうえで、取調べの前後でAさんと電話等でアドバイスを行いました。
また、検察官送致(いわゆる書類送検)が行われた後、担当検察官と協議し、Aさんの反省の意を示す方法として贖罪寄附を行いよう勧めました。
最終的に、担当検察官はAさんを不起訴処分としました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【児童ポルノの所持について】
今回問題となったのは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」いわゆる児童買春・児童ポルノ処罰法の条文です。
児童買春・児童ポルノ処罰法では、18歳未満を児童とし、児童ポルノについて以下のとおり定義しています。
児童買春・児童ポルノ処罰法2条3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録…に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
Aさんの事例では、インターネット上にアップロードされていた児童の性的な動画・画像を「電磁的記録」としてダウンロードし、自身のHDDに記録しているため、児童ポルノ所持の罪で捜査を受けました。
【家宅捜索について】
警察官をはじめとした捜査機関は、事件を起こしたと疑われる「被疑者」に対し、捜査を行います。
捜査には取調べや引き当たりなど様々な方法があり、そのうちの1つに家宅捜索が挙げられます。
家宅捜索は、被疑者の自宅や車の中、職場のロッカーなど私的な場所にある証拠を探すために行われる「捜索」と、捜索の結果見つかった証拠を押収する「差押え」の両側面を持ちます。
俗にガサと呼ばれるものです。
家宅捜索は、裁判所の発付する「捜索差押許可状」と呼ばれる令状が用いられることが一般的です。
家宅捜索で押収する証拠品は
・スマートフォンやタブレット、パソコンといった電子端末
・薬物などの法禁物
・犯行当時着ていた衣服
など、事件の性質によって様々です。
今回のAさんの事例では、児童ポルノをダウンロードしていたパソコンのHDDなどの電子端末が押収されました。
なお、必ず家宅捜索が行われるわけではなく、事件によっては「任意提出」を求められ、任意提出に応じた場合には押収などの手続きが行われないということもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は児童ポルノの所持などの性犯罪事件の経験が豊富です。
神奈川県横浜市神奈川区にて、児童ポルノ所持の嫌疑で家宅捜索を受けたという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による無料相談をご利用ください。
家族が児童ポルノ所持で逮捕・勾留されている場合はこちら。