公務員による傷害事件
公務員による傷害事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【刑事事件例】
神奈川県厚木市の市役所職員であるAさんは,同市内の近所に住むVさんの頭を鉄パイプで殴り,怪我をさせたとして,傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,通報により駆け付けた神奈川県厚木警察署の警察官により傷害罪の容疑で現行犯逮捕され,取調べに対して傷害罪の容疑を認めています。
(2021年7月26日にNBC長崎放送に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【傷害罪と刑事罰】
人の身体を「傷害」,すなわち人の生理機能を障害した者には,傷害罪が成立します。
刑法204条
人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪を犯した場合,その者には「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されます。
【公務員の欠格事由と傷害罪】
地方公務員法16条
次の各号のいずれかに該当する者は,条例で定める場合を除くほか,職員となり,又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
①禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
地方公務員法16条では,「禁錮以上の刑に処せられ」た場合,公務員として勤務することができなくなってしまうこと,すなわち欠格事由が規定されています。
ここで,傷害罪の刑事罰は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」であるため,懲役刑であれば公務員の欠格事由に当たってしまうものの,罰金以下であれば公務員の欠格事由に当たらないことになります。
【公務員が傷害事件を起こしたら】
公務員が傷害事件を起こした場合,公務員の欠格事由に該当しないように,懲役刑を回避する必要があります。
また,仮に何等かの懲戒処分を受けたとしても,その後の社会生活のために,可能な限り刑事罰を受けることや前科が付くことは避けるべきです。
そこで,刑事弁護士を選任し,傷害事件で刑事罰を回避するために,不起訴処分を目指すことが大切です。
そして,不起訴処分を得るためには,刑事弁護士を介した傷害事件の被害者の方との示談が成立していることが大切です。
示談交渉には,刑事事件に関する専門的な知識と,傷害事件のような暴力事件を取り扱ったことのある豊富な経験が必要となります。
そこで,公務員が傷害事件を起こし,示談締結を目指す場合には,刑事事件に強い刑事弁護士を選任することが大切となってくるのです。
まずはお近くの刑事弁護士がいる法律事務所に法律相談をしてみることをお薦めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
公務員による傷害事件でお困りの場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部までご相談ください。