共同危険行為を犯した年齢切迫少年の事件
複数人が車やバイクで暴走したことにより適用される共同危険行為を19歳の年齢切迫少年が逮捕された場合の付添人活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
神奈川県逗子市在住のA(19歳・女性)は、逗子市内でアルバイトをしているフリーターです。
Aは、友人らとバイクに乗る行為が好きで、深夜の逗子市内の海岸沿いを友人らと爆走していました。
事件当日も、Aは友人らと一緒に逗子市内の公道で並走していたところ、後続の一般車両がAらにクラクションを鳴らしました。
そのクラクションに腹を立てたAらは、並走し乍ら、蛇行運転をするなどして後続車を前に行かせないよう走行しました。
後日、逗子市内を管轄する逗子警察署の警察官は、後続車のドライブレコーダーを解析するなどしてAらの犯行であることを特定し、Aらを共同危険行為で通常逮捕しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【共同危険行為について】
共同危険行為とは、2台以上の自動車やバイク、原動機付自転車を使って行う暴走等の行動をした場合に適用される罪です。
ケースのような場合の他、並走して俗に言うドリフトを行ったり、集団暴走したりする行為を指します。
道路交通法68条 二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
【年齢切迫とは】
我が国では、20歳未満が事件を起こした場合、少年法のいう少年として成人とは異なる取り扱いがなされます。
そのため、19歳までの少年については、少年法の適用対象となります。
一方で、20歳になってしまった場合、少年法では「家庭裁判所は、調査の結果、本人が二十歳以上であることが判明したときは、前項の規定にかかわらず、決定をもつて、事件を管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。」と定められています。(少年法19条2項)
そのため、少年が20歳になった時点で、少年事件ではなく成人の刑事事件として取り扱われることになります。
この20歳になる直前の少年のことを、年齢切迫少年と呼ぶことがあります。
少年ではなく成人の刑事事件として扱われることで、メリットもございます。
例えば、刑事事件では事件が極めて軽微な場合や被害者との間で示談等の合意が整った場合、検察官は不起訴の判断を下すことがありますが、少年事件では、たとえ被害者との間で示談等の合意が整ったとしても、それ以外の少年の環境等を考慮した結果、少年審判に付される可能性があります。
一方で、20歳になったからと言ってすぐに刑事事件として扱うことで、少年にとっての更生の機会を奪うなど、デメリットも少なくありません。
そのため、弁護士は、年齢切迫少年の場合は少年本人や少年の生活環境(ご家族の監督体制等)を鑑み、少年事件として取り扱うことが妥当であると判断した場合、できる限り早期に対応したり対応するよう働きかけたりすることで、20歳までに処分が下されるように対応する必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの少年事件を取り扱ってきていて、年齢切迫少年の事件についても経験があります。
神奈川県逗子市にて、19歳の年齢切迫少年であるお子さんが共同危険行為をして逮捕された場合、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。