神奈川県南足柄市の児童ポルノ所持事件
小児性愛(いわゆるペドフィリア)の方による児童ポルノ所持事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。
【ケース】
神奈川県南足柄市在住のAは、南足柄市内の小売店で働くアルバイト店員です。
Aは、いわゆる小児性愛の傾向にあり、自分の年齢より大幅に年下の小児に対して劣情を催す性癖を有しています。
Aはその劣情を発散するべく、インターネットを通じて知り合った南足柄市在住のXから児童ポルノ動画が収められた児童ポルノDVDを購入していました。
AとXとは月に一度は連絡を取り合っており、Aが児童ポルノDVDを購入したいという連絡をするとすぐに連絡を返していました。
しかし、ある日を境にXと連絡が取れなくなってしまいました。
Aは、Xが児童ポルノの所持や製造などにより逮捕されたのではないかと考え、Xの捜査が進むにつれて購入データなどが明るみに出て自分も捜査対象になるのではないかと考えました。
そして、神奈川県南足柄市を管轄する松田警察署に自首しようと思いましたが、自首をする前に児童ポルノを所持していた場合の罪について弁護士に相談したいと考え、刑事事件を専門とする弁護士に無料相談を依頼しました。
(フィクションです。)
【小児性愛について】
小児性愛は、通常13歳以下の小児に対して性的な興奮を覚える精神障がいの一種です。
小児性愛の傾向にある人は、女性に比べて男性に多くみられるようです。
対象は異性に限らず、男性が男児に、女性が女児に対してその気持ちが向くこともあります。
先述のとおり、小児性愛は精神障がいの一種であることから、心療内科でカウンセリングや薬の服用による治療があり、神奈川県内にも小児性愛などの精神障がいを専門とするクリニックがございます。
【児童ポルノを所持していた場合の罪について】
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童買春、児童ポルノ禁止法)によると、児童とは18歳に満たない者を指し、児童ポルノとは写真・電磁的記録といった記録媒体で、①児童の性行為や性交類似行為(口淫など)や②児童が他人の性器を触ったり他人から性器を触られていて「性欲を興奮させ又は刺激するもの」、③児童が全裸、あるいは一部露出した状態であり、性器やお尻などが露出・強調されているもので「性欲を興奮させ又は刺激するもの」を指します。
児童ポルノの対象は「性欲を興奮させ又は刺激するもの」に限定しているため、例えば医療目的での撮影などについては児童ポルノに当たらないと考えられます。
児童ポルノは、自分が見るだけの目的であってもその所持が禁止されています。
そして、「自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持していた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」と定められています。(児童買春、児童ポルノ禁止法7条1項)
【児童ポルノ所持の捜査について】
ケースのAが懸念しているように、近年では薬物や児童ポルノなどといった違法な物をインターネットを通じて取引きすることが多いため、違法な物を販売している被疑者が逮捕されるなどして通信機器が押収された場合、いわば芋づる式に捜査の手が及ぶ可能性があります。
実際、2017年5月に「厳選DVDショップありす」が検挙されてから、警察官や市議会議員などを含め約7000人の購入者リストが入ったデータが押収され、次々に摘発が進められました。
【出頭・自首を考え弁護士へ】
捜査機関が捜査によって被疑者(犯人)が発覚する前に被疑者自身が警察署に行って自分の事件について申告することを自首と言い、捜査機関が既に被疑者を特定していてこれから連絡をする前に被疑者が警察署に行って自分の事件について申告する場合は単に出頭と言われます。
自首は、刑法42条1項で「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減刑することができる。」と定められています。
つまり、自首することでより軽い処罰が望めることになります。
一方で、単なる出頭の場合についてはそのような条文が無いため、一見すると出頭する意味はありません。
しかし、出頭をすることで、身柄を拘束して捜査を行われるリスクが下がる場合や、身柄の拘束期間が短くなる場合などもございます。
神奈川県南足柄市にて、児童ポルノを所持していて自分が逮捕されるかもしれず、その前に自首あるいは出頭したいとお思いの方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の刑事事件を専門とする弁護士にご相談下さい。