神奈川県横浜市旭区にて口座売買で逮捕
神奈川県横浜市旭区在住のA(21歳)は、友人のBから「高収入のバイトがある」と言われたため詳しい話を聞くことにしました。
Bの話によると、銀行などで口座を開設し、預金通帳とキャッシュカードを指定された住所宛に送るというのがアルバイトの内容でした。
そのアルバイトの報酬は1回2万円と労力のわりに高額だったため、AはBに早速そのバイトを紹介してもらいました。
後日、Aが自宅近くの銀行を利用して上記内容のアルバイトを行ったところ、北海道伊達警察署から「詐欺事件に関与した疑いがある」と出頭要請を受けました。
連絡を受けたAは、逮捕されるのではないかと不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです。)
【口座売買について】
口座売買とは、銀行などの口座を利用する際に用いる物(主に預金通帳やキャッシュカード)を第三者との間で売買する行為を指します。
インターネット上で見かける「高収入のアルバイト」と謳われるものの中には、こうした口座売買をその内容とするものもあります。
ですが、口座売買は法律で禁止された行為に当たり、刑事事件に巻き込まれてしまうおそれがあるのです。
口座売買の禁止は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(略称:犯罪収益移転防止法など)に定められています。
まず、他人になりすまして銀行などの口座を自身または第三者が利用する目的で、他人から預金通帳などを受け取ると、上記法律に違反することになります。
そして、そうした目的を持つ相手方に対し、預金通帳などを交付した者についても、同様に上記法律に違反することになります。
以上のような行為が典型的な口座売買と言え、①1年以下の懲役、②100万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかが科されるおそれがあります。
加えて、仮に口座売買の目的を隠して銀行などで口座を開設すると、銀行などを欺いて預金通帳等の交付を受けたとして詐欺罪に当たる可能性も出てきます。
詐欺罪は10年以下の懲役となっており、正式裁判となる可能性は高くなります。
以上のことから、口座売買は気軽に引き受けるべきではない危険な行為と言えるでしょう。
【逮捕の可能性】
刑事事件と聞くと、逮捕という言葉が頭をよぎる方も少なからずいらっしゃるかと思います。
ですが、実際のところ、逮捕されないまま進められる刑事事件も多く存在します。
逮捕の目的は逃亡および証拠隠滅の防止が主であり、それらの行為に及ぶおそれがあまりなければ逮捕をするほどでもないと判断されるからです。
法務省が公表している統計資料によると、平成29年における全事件のうち、逮捕が行われた事件は約4割程度になっています。
ある事件で逮捕を行うかどうかは、基本的には警察などの捜査機関の判断に大きく左右されます。
捜査機関としては、事件の重大性や被疑者の態度などを考慮して逮捕すべきか否かを決めていると考えられます。
このうち、事件の重大性については、刑の重さが参考になることが多くあります。
たとえば、殺人罪や強盗罪などの凶悪犯と呼ばれる部類は、おそらく多くの方が重い罪だと考えるかと思います。
ですが、犯罪というのは多種多様であり、一般人から見てその重さがどの程度なのか必ずしも即答できないものも少なからずあります。
そこで、重い罪については重い刑が科されるはずだと考えて、罰則を事件の重大性の手掛かりにするのが考えられるというわけです。
口座売買の罰則は、先ほど見たように①1年以下の懲役、②100万円以下の罰金、③①②の両方のいずれかとなっています。
この刑は比較的軽い部類に属するため、口座売買単体だと逮捕の可能性はそれほど高くないと言えるでしょう。
一方、口座売買に先立ち先述のかたちで詐欺罪を犯したケースでは、必然的に重大な事件として逮捕の可能性は高まると考えられます。
もっとも、口座売買の回数、詐欺の規模、詐欺の被害者の意思、捜査に対する被疑者の協力の程度など、他の事情次第で逮捕の可能性は異なってきます。
もし逮捕されるか不安であれば、一度弁護士に事件のことを相談してみるとよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、逮捕の可能性含む事件の見通しについて丁寧にご説明します。
口座売買をしてしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(旭警察署までの初回接見費用:36,500円)