転売目的でマスクを窃盗

2020-03-08

転売目的でマスクを窃盗

転売する目的で他人の物を盗む窃盗事件での量刑について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【ケース】
神奈川県南足柄市に住むAは、南足柄市内でアルバイトをしています。
Aは、昨今のマスク不足の状況を見て、マスクを高値で転売すれば儲けることができると考えました。
そこで、南足柄市内の病院にあたかも患者の見舞いに来ているような装いをして、医師や看護師が使用するためのマスク系400枚を盗みました。
後日、マスクの窃盗に気が付いた病院の職員は、南足柄市を管轄する松田警察署に窃盗罪で被害届を提出しました。
松田警察署の警察官は、監視カメラ等で解析をした結果、Aによる窃盗事件であるとして、Aを窃盗罪で通常逮捕しました。

なお、Aは400枚のマスクをインターネット上で転売し、2万3000円の利益を得ていました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【窃盗事件について】

ケースの事例は全てフィクションですが、地域によっては新型コロナウイルスや花粉症が原因と考えられるマスク不足が深刻な状況であり、実際にマスクの窃盗事件が発生していると報道されています。
なお、マスクの転売については国民生活安定緊急措置法の施行規則により禁止するとして、3月中旬以降のマスク転売をした場合には刑罰(5年以下の懲役か300万円以下の罰金)を受ける可能性があります。

ケースの事例では、窃盗罪と建造物侵入罪の適用が考えられます。

窃盗罪について
窃盗罪は、他人の物を勝手にとることで成立する罪です。
刑法235条は窃盗罪について、「他人の物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」と定めています。
当然、病院に置いてあるマスクは「財物」と認められるため、窃盗罪が適用されます。

②建造物侵入罪
ケースのAは、転売するためのマスクを盗む目的で、患者の見舞客を装って病院に侵入しています。
これは、建造物侵入罪に当たる可能性があります。
刑法130条は建造物侵入罪について、「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」と定めています。
窃盗目的で病院に侵入する行為は、当然「正当な理由」には当たりません。

【転売目的の窃盗罪での量刑】

窃盗罪は、上述したとおり10年以下の懲役か、50万円以下の罰金という刑罰が用意されています。
懲役は、刑法12条で無期又は有期として、有期の場合は1カ月以上20年以下の期間、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせると定めています。
また、罰金については刑法15条で1万円以上と定めています。
つまり、窃盗罪の場合、懲役刑であれば1カ月以上10年以下の範囲で懲役刑を言い渡すことが出来、罰金刑であれば1万円以上50万円以下の罰金刑を言い渡すことが出来るということになっています。
これを量刑と呼びますが、量刑については個々の事件について、例えば被告人が初犯なのか同種の再犯があるのかや、窃盗の回数・金額はどうなのか等を考慮した上で、判断がなされます。
そして、ケースのような転売目的での窃盗事件の場合、自分で使用するために物を盗んだ窃盗事件に比べ、より重い量刑となるため、初犯でも金額や回数によっては実刑になる可能性があります。

転売目的で窃盗事件を起こした場合、すぐに刑事事件専門の弁護士に弁護活動を依頼する必要があります。
神奈川県南足柄市にて、ご家族の方が転売目的で病院のマスクを盗んでしまった窃盗事件を起こした場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部にご連絡ください。
当事務所の弁護士がご家族のもとに接見に行った上で、量刑の見通しなどについてご説明致します。

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