【お客様の声】睡眠薬を飲ませて傷害罪に

【お客様の声】睡眠薬を飲ませて傷害罪に

被害者に睡眠薬を飲ませたことで傷害罪により逮捕されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部が解説致します。

【事例】

神奈川県横浜市中区在住のAさんは、事件当日、横浜市中区のVさんの家を訪れた際、Vさんの隙を見てVさんの飲み物に睡眠薬を入れ、それに気付かず飲み物を飲んでVさんが寝たことを確認し、その間に猥褻(わいせつ)な行為をしました。
後日、Vさんと保護者の被害申告を受けた横浜市中区を管轄する伊勢佐木警察署の警察官は、Aさんを傷害罪で逮捕しました。

≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地等や一部事件内容を変更しています。≫

【睡眠薬を飲ませる行為は傷害罪に】

今回のAさんの事例は、Vさんの意に反して睡眠薬を飲み物に入れ、よってVさんを眠らせました。
この場合に、暴行罪や傷害罪の成立が検討されます。

(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

暴行罪のいう暴行とは「人の身体に対する不法な有形力の行使」と定義されています。
そのため、殴る蹴るといった直接的な暴力だけでなく、大きな音を鳴らす、近くに石を投げるといった行為でも成立するおそれがあります。

傷害罪のいう傷害について、判例は「人の生理的機能の障害によってその健康状態を不良に変更すること」とする生理的機能障害説に立っていることから、出血した・あざができたといった明白な怪我などは勿論のこと、性病を隠して性行為をして性病に罹患させた場合や腐敗物を食べさせて腹下しにしたという場合にも傷害罪が成立します。

本件で問題となった、Vさんの意に反して睡眠薬を飲ませるという行為は、
・結果として被害者が眠ることがなかったとしても「人の身体に対して不法な有形力を行使した」として暴行罪に
・被害者が眠ってしまった場合には「人の生理的機能の障害によってその健康状態を不良に変更すること」に該当するとして傷害罪
それぞれ罪が成立すると考えられます。

また、AさんはVさんにわいせつな行為をしたことから、準強制わいせつ罪・準強制わいせつ致傷罪でも起訴されました。

【睡眠薬を飲ませた事件での保釈請求】

今回のAさんの事件では、逮捕されスマートフォンのデータを解析したところ同様の手口での犯行を繰り返し行っていたことが発覚しました。
そのため、事件ごとに逮捕・勾留されました。

逮捕され、勾留が認められると、勾留請求から最大20日間勾留されます。
更に、勾留期間に釈放されず起訴された場合、起訴後勾留が行われます。
起訴後勾留は2ヶ月間で、その後も1ヶ月毎に身体拘束の期間が続きます。

弁護士は、依頼を受けた直後から捜査を担当する検察官・警察官に対し、余罪捜査の状況と再逮捕の予定について逐一確認を行いました。
そして、捜査が終了して再逮捕の予定がないことを確認したうえで、裁判所に対して保釈請求を行いました。

保釈請求を受けた裁判所の裁判官は、検察官に意見を求めた上で、保釈を認めるか否かについて検討します。
検察官は、Aさんを保釈すると証拠隠滅する恐れがあると主張し保釈に反対の意見を示していましたが、弁護士は具体的な証拠隠滅のおそれがないこと、保釈後の監督体制がしっかりと整っていることなどを主張したところ、保釈が認められました。
Aさんは保釈された後も裁判の期日に出廷し判決が言い渡されたため、保釈保証金は没取されることなく、全額返金されました。
なお、判決は執行猶予付きの懲役刑でしたので、刑務所に行くことなく生活しています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部では、釈放して欲しい・起訴後に保釈して欲しいというかたの依頼を数多く受けてきました。
神奈川県横浜市中区にて、家族が被害者に睡眠薬を飲ませたことで傷害罪で逮捕され釈放・保釈を求めている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所横浜支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

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