神奈川県鎌倉市の器物損壊罪で身代わり出頭?―自供するべきか弁護士へ
【ケース】
神奈川県鎌倉市に住むA(30代女性・会社員)は、恋人X(30代男性・無職)と深夜、鎌倉市内を歩いていていました。
その際、レコード店Vの店頭にXが嫌いなアーティストのポスターが貼っており、Xはむしゃくしゃしてレコード店Vのガラスを蹴破りました。
Xは現在傷害罪での執行猶予期間中だったため、正直に申告した場合に刑期が長引く可能性があります。
そこでAとXは話し合いをして、AがXの身代わり出頭をすることにしました。
鎌倉警察署に器物損壊罪で出頭したAは、その日は調書を書いて終了しました。
しかしAは、インターネットで調べるうちに、身代わり出頭が発覚した場合、身代わりした者も真犯人も処罰されると知りました。
Aは、自分が真犯人ではないと自供するべきか、弁護士に相談しました。
(フィクションです。)
【身代わり出頭について】
身代わり出頭した場合、犯人隠避罪に当たる可能性があります。
犯人隠避罪は刑法103条で「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」とされています。
罰金刑以上というのは、法定刑に「死刑」「懲役刑」「禁錮刑」「罰金刑」を含む罪です。
器物損壊罪は刑法261条で「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金」に処するとされていますので、身代わり出頭した場合は犯人隠避罪に当たります。
【身代わり出頭で自供するべき?】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
弊所では器物損壊罪での事件も多々扱って参りました。
ケースでも触れましたが、器物損壊罪で身代わり出頭すると、その事実が発覚した場合は器物損壊罪の真犯人のみならず、身代わり出頭した者も処罰されます。
そして、発覚した場合の真犯人の犯情も良くないと考えられます。
器物損壊罪は親告罪ですので、器物損壊罪を犯した場合でも、示談等により謝罪と賠償を行うことで被害者が告訴を取り下げて頂ければ、起訴されることはありません。
しかし、器物損壊罪が成立しなかった場合でも、犯人隠避罪は成立する可能性があります。
神奈川県鎌倉市で、器物損壊罪で身代わり出頭したものの、自供するべきかお悩みの方は、弊所弁護士の無料法律相談をご利用ください。
(鎌倉警察署までの初回接見費用―37,700円)