神奈川県座間市の万引き事件①

2019-08-12

神奈川県座間市の万引き事件①

【ケース】
神奈川県座間市在住のAは、座間市内の学校に通う学生です。
Aは生活が苦しいことから、座間市内にある衣服店にて洋服を万引きし、万引きした衣服をインターネットのオークションサイトにて転売していました。

しかし、万引きをしている最中、万引きの被害を受けた店舗の私服店員がAによる万引きを確認し、Aが店舗を出た時点で私人逮捕した上で、座間市内を管轄する座間警察署に通報をしてAを引き渡しました。
座間警察署の警察官からAが逮捕されたことを知らされたAの両親は、万引きによる窃盗事件でどのような弁護活動が可能か、初回接見に行った弁護士に質問しました。

(フィクションです。)

【万引きについて】

万引きをした場合に問題となる罪は、以下があります。

①窃盗罪
ご案内の通り、万引きは窃盗罪に問われる罪です。
窃盗罪は、刑法235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処する。」とされています。
通常、店頭に並んでいる商品はその店舗の店長や会社が所有しているということになっています。

②建造物侵入罪
万引きを目的に店舗に入店した場合には、建造物侵入罪が適用される可能性があります。
建造物侵入罪は俗に言う不法侵入です。
建造物侵入罪は刑法130条で「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかったものは、三年以下の懲役または十万円以下の罰金に処する。」と定められています。
通常の買い物をするという場合であれば「正当な理由」にあたるため建造物侵入罪は適用されませんが、万引きを目的として店舗に入店するということは「正当な理由」には当たらないため、建造物侵入罪が適用される可能性があります。.

ただし、窃盗罪と建造物侵入罪は牽連関係にあるとされています。
牽連犯の場合については、刑法54条1項で「一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。」と定められています。
①の窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金で、②の建造物侵入罪の法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金ですので、万引きの場合は窃盗罪の法定刑の範囲内で刑罰を言い渡されます。

【私人逮捕とは】

そもそも逮捕には、(1)通常逮捕(2)緊急逮捕(3)現行犯逮捕の3種類があります。
(1)通常逮捕について
検察官や警察官などの捜査機関は、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある」場合に、裁判官によってあらかじめ発行された令状(逮捕状)によって、被疑者を逮捕することができます。
これを通常逮捕と呼びます。(刑事訴訟法199条各項ほか)

ちなみに、請求を受けた(あるいは職権による)令状が本当に必要か否かを検討する事を令状審査と呼びます。
平成29年の司法統計によると、平成29年に通常逮捕のための令状を請求された件数は85,100件ですが、このうち却下されたものは31件に留まります。

(2)緊急逮捕
捜査機関は、一定以上の重要事件(死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪)を犯したことを疑われる十分な理由があり、それが急速を要するために裁判官による令状審査が間に合わない(つまり通常逮捕の手続きを待てない)ような場合、理由を告げて被疑者を逮捕し、そのうえで直ちに令状の手続きをとる必要があります。
これを緊急逮捕と呼びます。
緊急逮捕の場合も令状請求が必要になりますが、上述の平成29年司法統計によると緊急逮捕で令状の請求を受けた7,422件のうち、却下されたのは24件のみです。
もちろん、令状を却下された場合、捜査機関は被疑者を速やかに釈放をする必要があります。

(3)現行犯逮捕
≪明日のブログに続きます。≫

【万引きでの弁護活動】

≪明日のブログに続きます。≫

ページの上部へ戻る